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3月 03 2016

名古屋税理士会の中小企業支援についての取組み

中小企業支援対策部が設置されました

 

名古屋税理士会では、平成27年度定期総会において中小企業支援対策部の設置が決定されました。中小企業支援に係る業務への対策は、税理士法第1条の使命・職責に鑑みれば極めて重要な責務であり、国や社会からの要請でもあり、中小企業の存続・発展は税理士制度の基盤を支えるものであり、支援業務への対策を積極的に推進する必要があると考えます。

税理士法第一条(税理士の使命)

税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。

名古屋税理士会は、重点施作として、次の4点を掲げております。①中小企業の経営支援・金融支援・税制支援等に関する研修会を開催する。②会員が行う中小企業支援業務に係る関係機関との連携を図る。③会計参与制度及び「中小企業の会計に関する指針」の普及を図る。④「中小企業の会計に関する基本要領」の普及を図る。
ではなぜ今、中小企業支援が必要とされるのか、その理由は、中小企業・小規模事業者(中小企業等)の激減にあります。平成11年に484万者あったのもが平成24年には、385万者と約100万者、率にして約20%減少していると総務省の統計で発表されております。税理士は、中小企業等の創業から存続・発展そして事業承継に至るまで、長期に亘って関与します。税務申告、税務指導、記帳代行、記帳指導、決算書作成等を通じて中小企業に寄り添いながら継続的・日常的に支援をしております。また経営者の7割は顧問税理士等を経営問題の相談相手と考えているという中企庁が発表したアンケート回答結果もあります。なぜなら、税理士が税の専門家であることはもとより、会計のスペシャリストとして、税務の面のみならず、総合的にあらゆる角度から中小企業を支援することは、税理士が最も適していると考えるからです。中小企業を支援する税理士に対し、有益な情報を提供、研修会の開催等、税理士会は税理士を全面的にバックアップしています。また、税理士一人ひとりが、積極的に中小企業支援に取り組んでいける環境作りをしています。

日本税理士会連合会は、具体的に、中小企業の会計の質の向上を図り、中小企業の経営環境の改善に資するため、財務支援・経営支援・金融支援・税制支援と多方面からの支援を掲げております。それに伴い、名古屋税理士会でも本年度3回の研修会を開催いたしました。また、金融機関との金融懇話会を、昨年から引き続き愛知県・岐阜県の二か所で開催いたしました。中小企業を金融機関と税理士が共に手を取り合い、支援していくのが目的です。

名古屋税理士会は、昨年11月に岐阜県信用保証協会と「税理士連携短期継続特別保証制度」という特別保証制度の覚書を締結し、金融面からの支援を積極的に進めました。保証料率が、税理士会が進めている「書面添付」(決算書の信頼性を高める書類)をすることにより一部低くなるという、全国にもあまり例を見ない制度です。これを一例として、他の金融機関等でも今後このような動きが進んで行くことを期待しています。

今後も税理士は中小企業等を全力で支援して参りますので、何かありましたら、税理士へ是非ご相談ください。

 

税理士 今枝 清

9月 03 2015

事業売却・事業譲渡の税金

Q1:私は会社のオーナー経営者ですが、後継者がいないのため、引退して他人に事業の全部を売却することを検討しています。税金の影響が心配なのですが、まずなにを考慮したらよいでしょうか?
A1:事業を売却する場合、その売却の法的形態は何か、対価はいくらかなどの基本的な状況により税金への影響は大きく異なります。中でも法的形態は特に影響が大きいので、どれを選択しているかが重要です。事業の売却の法的形態は多様な方法が考えられますが、主なものとして事業譲渡、株式譲渡、合併などが考えられます。

Q2:事業譲渡を選んだ場合の税金上のリスクは何ですか?
A2:事業譲渡は、売却元の会社の全ての資産を買い手企業に売却し、かつ全ての負債の引き受けをしてもらうので、資産の構成によっては売却元企業に売却利益が生じ、法人税が発生するリスクがあります。また資産の種類によっては消費税も多額に発生する可能性があるため、事前に検討する必要があります。

Q3:株式譲渡を選んだ場合の税金上のリスクは何ですか?
A3:株式譲渡をする場合、売却元の株主は、株式譲渡益に対する所得税が発生するリスクが存在しています。売却元の会社には通常は影響ありません。

Q4:合併を選んだ場合の税金上のリスクは何ですか?
A4:グループ外企業と合併する場合は、税務上は「非適格合併」に分類されることが多いのですが、この場合、売却元の企業において資産に多額の含み益が存在すると、多額の法人税が発生します。事業譲渡と違って、消費税の発生はありません。売却元の株主に対しては、合併対価の額と種類によっては、みなし配当金と株式の譲渡損益が発生するため、これらに所得税が課されるリスクがあります。

(税理士 滝文謙)

8月 08 2012

70周年に思う信頼される税理士制度の確立

2012年の今年、税理士制度は70周年を迎えます。30年後に税理士制度は、世の中に存在しているでしょうか?
 税理士制度は、まず昭和17年(1942年)にその前身である税務代理士制度ができました。地租中心から商工業者にも税務手続を求める税制に移行していく中、専門知識を有する者に税金の相談や手続の代理を依頼する納税者が増加しましたが、その反面、悪質な税務代理業者による不正・不当業務も問題となりつつありました。昭和17年に税務代理士法が制定され、一定の資格を有する者に大蔵大臣(のちに国税庁長官)が税務代理士の許可を与えました。これにより税務代理業務を行う者は税務代理士に限定されました。
 第2次世界大戦後戦後、申告納税制度が制定され、税務運営の民主的発達が促進された結果、試験制度と登録制度を取り入れた「税理士法」が昭和26年に制定されました。その後昭和55年に改正された現行の税理士法第1条は税理士の使命として以下のように規定しています。
「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」
 申告納税制度は多くの国税および地方税に採用されている制度で、自らの税額を税法に基づいた自らの計算に従って申告することにより第一次的に確定させる制度です。これには徴税コストの低減という実務的な側面がある一方、国民主権の現行憲法下、国民の納税義務が支配に対する服従ではなく自治における責任を意味し主体的かつ能動的なものであることを示す民主的な制度といえるでしょう。
 税理士は、納税者からの信頼に基づいた委任により税務代理・税務書類の作成・税務相談をその独占業務とすることにより、その民主的な申告納税制度の維持・発展に寄与する職業集団であり、社会インフラでもあるのです。
 冒頭の問いに戻れば、税理士に対する納税者の要請(ニーズ)を敏感に捉え、信頼される税理士制度の確立を今以上に目指さなければ30年後(100周年)には世の中から消えているかもしれません。世の中から期待も信頼もされない制度の消滅は必然です。過去70年継続してきた先達の努力により現在があることをこの周年の年にあらためて思い返し、今後も日々の業務を通じて信頼の醸成に努めたいと思います。

(税理士 浅野哲司)

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