Category: 法人税

7月 08 2014

「個人事業から法人化」のメリット、デメリット

Q.私は、青色申告で個人事業を営んでいますが、今後法人として事業をした方が有利なのでしょうか。
A.一概に「法人」にすれば有利と言う訳ではありません。
1. メリットとして

  1. 独立した組織になることで、家計と経営の分離が明確になること。
  2. 法人の実効税率は、法人税(復興特別税含)、地方税の合計で約38%と一定であり、又資本金1億円以下の中小法人には、年間所得金額800万円までは法人税の軽減が適用されるため、継続して一定の所得が出れば、法人の方が有利となること。
  3. 法人の役員報酬は、毎月一定額が経費になります。又事前の届出により役員の賞与も経費になります。これは個人の給与所得となりますが、給与所得控除額がありますので、節税効果が図れること。
  4. 繰越欠損金控除は、9年間(個人は3年)できるため有利になること。
  5. 決算月を、在庫の少ない月にする等自由に選択出来ます。
  6. 消費税は、一定の条件(資本金1千万円未満等)を満たせば、設立2期目まで免税となること。
  7. 社会保険には、従業員5人未満であっても加入がすることが出来ますし、又従業員の採用条件が良くなること(個人事業所は、原則として従業員5人未満で任意適用となる)。

2.デメリットとして

  1. 法人所得が赤字でも、地方税の均等割が最低7万円強発生すること。
  2. 社長一人だけの法人でも、社会保険に加入義務があり法人負担額が生じること。
  3. 法人設立や役員変更の登記が必要となり費用負担が生じること。

 以上、法人の設立は、節税ばかりでなく、5年後10年後を見据えて、経営者のビジョンを実現することだと考えております。

(税理士 山田均)

1月 09 2014

時価評価のススメ

 昨年からのアベノミクスへの期待、大胆な金融緩和などから、全国的に商業地域の土地の評価額や株価も上がりました。アベノミクスが掲げる名目3%以上の経済成長が実現されれば、不動産や株式だけでなく、様々なモノの価格が上昇していくと思われます。

 このような経済の転換期においては、会社であれば所有、運用している財産の時価を把握し、経済環境の変化に備えた会社資産の効率的な運用を行うべきですし、個人であれば、財産を時価評価し、デフレ時と異なる資産運用を検討することが望まれます。

 ただし、「時価」と言いましても、どのような評価方法に基づいて時価を算定するかは、なかなか難しいことです。例えば、土地の評価額には、相続税法上の評価額、公示価格、基準地価、固定資産税評価額、収益還元価額など多数あり、これが1物4価とも、1物5価とも言われます。また、破産等で破綻した会社の財産は平常時よりも安く買いたたかれてしまうなど、価格は売り手買い手の平常時、緊急時などの状況に大きく影響を受けます。従いまして、何をもって「時価」とするかは、どのような目的で時価を求めるかを明確にして、目的に合った時価を算定することとなります。

 さて、会社の貸借対照表で時価を知りたい財産は何があるでしょうか。土地、建物、株式、ゴルフ会員権、売上債権や貸付金なども回収可能性をチェックしたいところです。また、簿外となっている保険の解約返戻金も把握しておくべきです。時価評価に基づく“時価貸借対照表”の作成は、最初は少し手間がかかりますが、翌年からはそれほど手間ではなくなるはずですし、自社の株価の算定も素早くできるようになります。次に、時価評価したそれぞれの財産がどの程度利用されているか、また会社の業績にどの程度貢献しているのかを検討します。含み損があり利用も少ないゴルフ会員権は、利益が大きい年には処分してしまうとか、銀行からの借入金額と担保に供している財産の評価額を比較して、担保を解除していただくなど、会社の財産がより効率的に運用できる財務状況を整備していくことができます。また、「時価ベースで債務超過となったら会社をたたむ」という基準を経営者が自ら設定するなど、時価貸借対照表は、会社の方向性を決める大切な判断資料となります。

 個人でも、個人財産を時価で評価し、時価ベースの財産状況を把握しておくべきです。デフレ時とインフレ時では、資産運用方法が大きく異なります。また、相続税が、基礎控除額の縮小など、増税の方向に進んでいますので、相続税がご心配の方は、財産を相続税評価し、どの程度の相続税が課税されるか、どのような特例が使用できるか、どうすれば特例が使用できるか、財産の分割は相続税評価ベースで妥当かなどを早目に検討しておくのが良いと思います。

 このように、会社でも個人でも、財産を時価評価することは、単に評価する時点の価格を知るだけでなく、利用状況、収益への貢献度なども確認し、経済環境の変化に備えた効率的な利用の再検討や財産の組替など、将来の会社の財務状況のあり方や、個人財産のポートフォリオを検討できる機会ともなります。

 経済状況の変化に備えて、財産を時価評価してみてはいかがでしょうか。

(税理士 出口茂)

10月 02 2013

「中小企業の設備投資と特別償却制度について」

 設備投資等を行った場合の税制上の優遇措置に関して、代表的なものに、「中小企業投資促進税制」があります。この制度は、中小企業者等が、平成26年3月31日までに、一定の対象設備等を新品で取得等して、事業の用に供した場合には、特別償却が認められます。なお同様の趣旨として税額を控除する制度もありますが、今回は割愛させていただきます。

Q-1:この制度の適用対象となる事業者は?
A-1:業種は、娯楽業、風俗営業等を除くほぼ全業種で、青色申告書を提出する中小企業者等が対象となります。中小企業者等とは、資本金が1億円以下の法人(ただし、大規模法人の子会社は除かれます)、又は、資本金を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1000人以下の法人、そして、同様の従業員数の個人事業者をいいます。

Q-2:対象となる設備等とは、どのようなものがありますか?
A-2:以下の資産が適用対象資産となります。
(1)すべての「機械・装置」で1台又は1基の取得価格が160万円以上のもの。
(2)「器具・備品」のうち、①電子計算機で1台又は1基、あるいは同一種類の複数台の取得価格合計が120万円以上のもの、②デジタル複合機で1台又は1基の取得価格が120万円以上のもの、③一定の測定工具、検査工具並びに試験または測定機器で1台30万円以上かつ1台あるいは複数台の取得価格合計が120万円以上のもの。
(3)「ソフトウェア」で複数基の取得価格合計が70万円以上のもの。
(4)その他の設備として、①普通貨物自動車のうち車両総重量が3.5トン以上のもの、②内航船舶。

Q-3:特別償却とは?
A-3:減価償却制度の中では、通常の減価償却を「普通償却」といい、それ以外に「特別償却」を定めています。「中小企業投資促進税制」の下では、対象資産を取得した年度に、普通償却に加えて、取得価額の30%を特別償却費として追加して費用に計上することができます。その結果、対象資産を取得した年度は、減価償却費が取得価額の30%分だけ増加するため、納税額が少なくなります。ただし、翌年度以降は、取得した年度に取得価額の30%分だけ前倒しで減価償却費を計上するため、残りの償却できる金額がその分減少します。そのため、特別償却を行わなかった場合と比べると減価償却費が減少し、結果、納税額が増加することに留意していただきたいと思います。

 平成25年度税制改正において、「生産等設備投資促進税制」や「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」が創設され、これらの制度においても特別償却が認められています。「中小企業投資促進税制」とは、要件が異なる点もございますが、これらの制度の活用をご検討してみても良いかと思います。

 詳細につきましては、お近くの税理士または税務署にお尋ね下さい。

(税理士 野中貴憲)

10月 02 2013

中小企業経営力強化支援法における認定支援機関について

 中小企業を巡る経営課題が多様化・複雑化する中、中小企業支援事業の担い手の多様化・活性化を図るため、平成24年8月30日に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う「経営革新等支援機関」(認定支援機関)を認定する制度が創設されました。

 認定支援機関とは、中小企業が安心して経営相談等を受けられるために、税務、金融及び企業財務に関する専門知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を国が認定する公的な支援機関です。認定支援機関は、8月15日時点で15,884機関が認定されており、このうち約76%が税理士・税理士法人が占めております。全国420万の中小企業の内366万に及ぶ小規模事業者の活性化は日本経済の成長に不可欠です。そこで①自社の経営を「見える化」したい②事業計画を作りたい③取引先を増やしたい、販売を拡大したい、新たな事業を展開したい方を対象に認定支援機関はきめ細かい経営相談を行います。また国が認定支援機関に期待している役割は(1)ホームドクター的役割(2)専門性の高い支援③継続的フォロ-アップ(3)地域支援体制の強化⑤中小企業会計の普及です。

 認定支援機関による支援が必要な制度は、大きく「金融支援」「税制」「補助金」となっています。その中でも特に認定支援機関の役割は、平成25年3月末で「中小企業金融円滑化法」が最終延長期限到来を迎えたこともあり、中小企業が安定して経営相談等を受けられるためには、非常に重要な位置づけになっています。円滑化法を利用して条件変更等を行った事業者の内、約2万社を対象として経営改善計画策定支援事業として405億円が計上されました(24年度補正予算)。経営改善計画策定支援等について、必要となる費用の2/3を補助(事業規模等に応じ、十数万から上限200万)しています。経営改善が必要な企業への経営改善計画の策定支援、モニタリングを認定支援機関が支援することが今後も必要とされています。

補助金・ミラサポの有効活用

さらに、その他補助金としては「ものづくり補助金」「創業補助金」等がトピックとなっています。ものづくり補助金とは、中小企業の持つものづくりの底力を発揮させるため、中小企業が実施する試作開発(テスト販売を含む)や設備投資を支援する制度です。創業補助金は、後継者を含む若者や女性が、業種転換や新事業・新分野に進出する場合に認定支援機関による支援を条件に補助金が交付されます。

 そして認定支援機関は、事業計画等の策定・実行支援に留まらず、7月30日に構築されたITクラウドを活用した支援ポ-タル「ミラサポ」(https://www.mirasapo.jp/)に積極的に参画して経営支援に取組むことが期待されています。

 ミラサポとは、中小企業・小規模事業者の未来をサポートするサイトです。会員登録すれば、コミュニティへの参加でき専門家との情報交換の場として利用でき、専門家派遣も利用できるというメリットがあります。今後の展開としては、補助金申請や消費税転嫁対策支援、中小企業会計の普及、中小企業税制の活用促進など、幅広く中小企業支援に取り組むことにより地域の活性化、日本の中小企業の活性化に繋がることが期待されています。

(税理士 河合伸治)

8月 07 2013

平成25年度税制改正で新設された「所得拡大促進税制」

 平成25年度税制改正では、相続税増税、所得税の税率アップといった増税が目立つ中、新たに政策税制、給与を増加させた場合の減税制度である「所得拡大促進税制」が新設されました。今回は、この制度についてご紹介しましょう。

1.概要

税制改正大綱では、我が国の誇る多様な人材の潜在力を引き出すことが「成長による富の創出」につながるとされています。具体的には個人所得の拡大を図り、消費需要の回復を通じた経済成長を達成するために、給与等の支給を増加させた場合にその増加額の一定割合の税額控除を可能とする制度が設けられました。

2.具体的な内容

青色申告書を提出する法人が、国内雇用者(注1)に対して支払う給与等が増加した場合において、以下の適用要件を満たすときは、次の算式により計算した金額を法人税額から控除することができます。
≪算式≫
税額控除額=(注4)雇用者給与等支給増加額×10%
ただし、法人税額の10%が限度となります(中小企業者等については20%)。
≪適用要件≫
この制度の適用を受けるためには以下の全ての要件を満たすことが必要です。
(1)当事業年度の(注4)雇用者給与等支給増加額÷(注3)基準雇用者給与等支給額≧5%
   →給与等支給額が基準事業年度と比較して5%以上増加
(2)当事業年度の(注2)雇用者給与等支給額≧前事業年度の雇用者給与等支給額
   →給与等支給額が前事業年度を下回らないこと
(3)当事業年度の平均給与等支給額≧前事業年度の平均給与等支給額
   →平均給与等支給額が前事業年度の平均給与等支給額を下回らないこと。
≪上記用語の定義≫
注1:国内雇用者 法人の使用人のうち法人の有する国内事業所に勤務する者
(法人の役員及びその役員の特殊関係者を除く)
  注2:雇用者給与等支給額 各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額
  注3:基準雇用者給与等支給額 平成25年4月1日以後に開始する各事業年度のうち最も古い事業年度の直前の事業年度(基準事業年度)の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等支給額
  注4:雇用者給与等支給増加額 雇用者給与等支給額から基準雇用者給与等支給額を控除した金額

3.適用期間

平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年度において適用されます。

4.制度適用にあたっての留意点

  1. 平成23年度の税制改正の際に創設された『雇用促進税制』では、「雇用者数の増加」を制度適用の要件としていましたが、この制度は「給与支給額の増加」を要件としています。したがって、今まで雇用者数が増加していないがゆえに税額控除の検討自体を行っていなかった場合でも、今後はこの制度による税額控除の適用が可能になるケースもあるので制度適用の検討が必要です。
  2. 給与支給額の増加額については、基準年度のものと比較するのであり、前事業年度との比較ではないということに留意する必要があります。
  3. 「雇用促進税制」と「所得拡大促進税制」とは選択適用であり、重複して適用することはできません。
  4. (税理士 国枝宗徳)

3月 12 2013

e‐Taxについて

 最近e‐Taxという言葉を耳にしますが、どのようなものでしょうか?
 e‐Taxとは、国税の各種の手続きについて、
インターネット等を利用して電子的に手続きが行えるシムテムです。
今までは、書面で持参したり、送付したりして提出していたものが、インターネットを通して送信することもできるようになりました。

 どのような人が利用できますか?
 e‐Taxは所得税、贈与税、法人税、消費税(地方消費税を含む)などの申告、全税目の納税、国税関係の申請、届出等の各種手続きを行う納税者等の方が利用できます。       
但し、原則としてインターネットを利用できる環境があり、電子署名に用いる電子証明書を取得している必要があります。
 また、電子証明書がICカードに格納されている場合には、ICカードリーダ等も別途必要となります。

 e‐Taxを利用するとどのようなメリットがありますか?
 税務署や金融機関に行かなくてもよくなるという距離的な制約がなくなりますし、税務署の執務時間外でも受付システムが稼動している時間であれば、申告等の提出や納税ができ、金融機関等の窓口に並ばなくてもいいというような時間的な制約がなくなるなどのメリットがあります。
 また確定申告では、医療費の領収書や源泉徴収票等は、その記載内容を入力して送信することにより、これらの書類の提出または提示を省略することができます(法定申告期限から5年間、税務署から書類の提出または提示を求められることがあります)
 なおe‐Taxをご利用いただくには事前準備が必要となります。詳しいことはお近くの税理士または税務署にお尋ねください。

(税理士:石井聰子)

3月 04 2013

e-Taxとは 【Q&A】

e-Taxとはインターネットを利用した国税の申告納税システムです

 e-Taxとは何ですか?
 国税の申告、納税、および届出などをインターネットを利用して行うことができるシステムの通称です。国税庁のホームページから利用することができます。手続きとして、申告と届出に関する「電子申告」と税金の納付に関する「電子納税」に分類されます。

 電子申告に必要なものは?
 電子申告をする場合は、電子証明書で電子署名する必要があります。電子証明書とは、インターネット上で本人確認をするためのICカードです。電子証明書の取得は、住所地の市町村で発行手続きができる公的個人認証サービスが便利です。また、電子証明書で電子署名するのにICカードリーダライタという器具が必要になります。ただし、税理士を通して電子申告をする場合は、納税者本人の電子署名を省略することも可能です。

 電子申告のメリットは?
 個人の確定申告の場合は、医療費の領収書や源泉徴収票などの提出または提示を省略することができます。(ただし、内容確認のため現物提出を求められる場合もありますので、法定申告期限から5年間保存しておいてください。)また、法定申告期限までに本人の電子証明書で電子署名して申告をすると、所得税額から最高3千円の控除を受けることができます。(ただし、平成19年から平成24年分の申告でいずれか1回のみの控除になります。)

 電子納税の方法は?
 2つ方法があります。事前に税務署へ届出等をした預金口座から振替により納付する方法と、インターネットバンキング・モバイルバンキング・ATMから納付する方法があります。

 電子納税のメリットは?
 自宅や会社からインターネット等、または、金融機関の窓口でなくATMを利用して納付手続きができるため、時間の制約が少なくなります。

(税理士:倉田崇史)

2月 04 2013

電子申告

インターネットの普及は私たちの生活や仕事のスタイルを大きく変えてきました。行政手続のオンライン化もそのひとつです。今回は確定申告の時期に合わせて「e-Tax」のご紹介をしたいと思います。
全国に先駆けて名古屋国税局管内から運用が開始されたe-Tax(イータックス)「国税電子申告・納税システム」は、インタ-ネットを利用して国税に関する手続きが行えるシステムです。これまでにも様々な改善がなされてきましたが、今年から贈与税の申告が可能になる等その利便性が更に向上しました。主な内容は次のとおりです。

 利用できる手続
 国税に関する申告等が行えます。

  1. 申告 ― 所得税、贈与税、法人税、消費税、酒税、印紙税
  2. 納税 ― 全ての税目(納税証明書の手数料を含みます。)
    インターネットバンクを利用する方法と、ダイレクト納付の方法があります。
  3. 申請・届出等 ― 青色申告の承認申請、納税地の異動届、納税証明書の交付請求等

 事前準備

  1. 住基カード等の電子証明書とICカードリーダライタの取得
  2. e-Taxの開始届出書を提出し、利用者識別番号を取得
  3. 電子証明書の登録
  4. 納税を利用する場合は、インターネットバンクの契約やダイレクト納付利用届出書の提出が必要です。

 メリット

  1. 24時間申告が可能です。
    平成25年1月15日から3月15日までの期間は、メンテンナンス時間を除き、24時間利用できます。
  2. 一定の書類の提出が不要です。
    医療費の領収証や源泉徴収票等の記載内容を入力して送信すると、これらの書類の提出又は提示を省略することができます。
  3. 書面による申告に比べて早期に還付されます。
  4. 所得税の確定申告をe-Taxで行うと最高3,000円の税額控除を受けることができます。(平成25年3月15日までに申告した場合で、平成19年分から平成24年分の間でいずれか1回のみ)
  5. 「確定申告書作成コーナー」は自動計算になっていますので、正しく入力すれば所得や税額の計算ミスを防ぐことがきでます。

 デメリット

  1. 事前準備にコストと手間がかかります。
  2. 電子証明書の有効期間が3年ですので、3年後には電子証明書を再取得し更新手続きをしなければなりません。
  3. 提出を省略した源泉徴収票等は、申告期限から5年間、税務署からの提出要請に応じなければいけませんので保存の必要があります。また、e-Taxで送信できない添付書類に関しては郵送しなければなりません。

 平成24年分の所得税、贈与税の申告期限は、3月15日(金)です。
国税庁HP「平成24年分の確定申告特集」に、e-Taxを利用した申告方法と書面による申告方法が掲載されていますので、e-Taxを利用する場合のパソコン推奨環境をはじめ詳しい内容を必ずご確認ください。

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/index.htm

(税理士:東本真依)

2月 04 2013

復興特別税 東日本大震災からの復興財源確保 国民の血税、有効活用を願う

 今年1月から、復興特別税が一部スタートしました。東日本大震災からの復興のための施策に必要な財源を確保するため、平成23年12月2日に復興財源確保法ほか(平成23年法律第117号及び平成23年法律第118号)が公布され、復興財源となる復興国債(復興債)の発行と復興債の償還のための臨時増税(復興特別所得税、復興特別法人税及び個人住民税均等割の増額)の実施が決まりました。

1.復興特別所得税

 所得税の納税義務者及び源泉徴収義務者たる個人及び法人に対し、今年1月から25年間(平成25年1月1日から平成49年12月31日まで)、従来の所得税に加え、基準所得税額に対して2.1%の復興特別所得税が課されることになりました。
 この復興特別所得税は、申告所得税のみならず、源泉所得税(給与、利子及び配当、報酬)にも適用されます。よって、申告所得税に対する復興特別所得税は平成25年分所得税つまり平成26年3月申告分からですが、源泉所得税に対する復興特別所得税ついては1月分の源泉徴収から適用されています。先月の給与には復興特別所得税2.1%が追加課税されており、給料から引かれた税金が多いと気づかれた方もみえたと思います。
なお、1月分かどうかの判断ですが、国税庁の「復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A」によると、給与については定められた支給日で復興特別所得税が課されるかどうかを判断するのに対し、税理士等の報酬については支給日ではなく、権利確定日(役務提供完了日)で判断することとなっているため、注意が必要です。

2.復興特別法人税

 法人に対し、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間内に最初に開始する事業年度開始の日(3月決算法人の場合は、今年の3月決算事業年度です。)から3年間、従来の法人税に加え、課税法人税額に10%の復興特別法人税が課されることになりました。
 ただし、この復興特別法人税は、平成23年12月改正で決められた法人税率の引き下げ(大法人の所得金額:30%→25.5%、中小法人の所得金額のうち年800万円超の部分:30%→25.5%、中小法人の所得金額のうち年800万円以下の部分:18%→15%)と同時に実施されるため、復興特別法人税が課されても、結果的には、従前より全体の税率は低くなっています。
また、法人が支払った利子及び配当に対する源泉所得税に対する復興特別所得税は、復興特別法人税から控除されます。

3.個人住民税均等割の増額

 個人に対し、平成26年度から平成35年度までの10年間、個人住民税均等割の税額が年額1,000円引き上げられて、年額5,000円とされることとなりました。つまり、来年からは、都道府県民税の均等割1,000円が1,500円に、市町村民税の均等割3,000円が3,500円に増額となります。

(税理士:朝比奈鋭一)

1月 07 2013

平成25年1月1日以降の税務調査手続について

 平成23年度の税制改正において税務調査手続の明確化等を内容とする国税通則法の改正が行われました。
 なお、この改正は平成25年1月1日以降に新たに納税者に対して開始する税務調査について適用されます。

- 一般的な税務調査手続きの流れ -

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上記に基づき、いくつかの点につき確認したいと思います。

1 事前通知事項の法定化

 以下の事前通知事項につき法定化されました。

  1. 実地の調査を行う旨
  2. 調査開始日時
  3. 調査開始場所
  4. 調査の目的
  5. 調査の対象となる税目(法人税、所得税、消費税、相続税等)
  6. 調査の対象となる課税期間
  7. 調査の対象となる帳簿書類その他の物件
  8. 調査の相手方である納税義務者の氏名及び住所または居所
  9. 調査を行う当該職員の氏名及び所属官署
  10. 調査開始日時または調査開始場所の変更に関する事項
  11. 事前通知事項以外の事項について非違が疑われることとなった場合には、当該事項に関し調査を行うことができる旨

2 事前通知事項の留意点

 税務調査に際しては、原則として納税者に対し通知されますが、税務代理を委任された税理士に対しても同様に通知されます。なお、合理的な理由がある場合には調査日時の変更の協議を求めることができます。
 ただし、税務署等が保有する情報から、事前通知をすることにより正確な事実の把握を困難にする、または調査の適正な遂行に支障を及ぼす恐れがあると認められる場合には、事前に通知せず税務調査を行うことがあります。具体的には、納税者の申告内容、過去の調査結果、事業内容などから、

  1. 違法または不当な行為を容易にし、正確な課税標準等または税額等の把握を困難にする恐れがある
  2. その他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼす恐れがある

と認められる場合を示します。(従来においても事前通知のない税務調査は、現金商売や過去に重加算税が課された場合などは行われていました。)

3 提出された帳簿書類等の留置き

 税務職員は、国税の調査について必要があるときは、その調査において提出された帳簿書類等の物件を留め置く(預かる)ことができます。
 この「留め置き」は納税者の理解と協力のもと、その承諾を得て行うこととなりますが、正当な理由がなく提示・提出を拒んだり、偽りの記載をした帳簿書類の提示又は提出をした場合には、法律に罰則の定めがあります。

4 調査結果の説明と修正申告や期限後申告の勧奨

 以下の項目が法定化されました。

  1. 調査の結果、更正決定等をすべきと認められない旨を書面にて通知する。
  2. 調査の結果、更正決定等をすべきと認められる非違がある場合には、原則として口頭により内容を説明する。
  3. 2.の場合、原則として修正申告又は期限後申告(以下「修正申告等」という)を勧奨することができる。

 なお、修正申告等をした場合には、不服申立てをすることはできないが、更正の請求をすることができる旨を説明したうえで書面により通知します。

5 処分理由の記載

 税務署長が、更正又は決定など納税者にとっての不利益処分をする場合には、その通知書に処分の理由を記載することとなりました。

 以上のとおり、税務調査手続が法律により明確化されたため、税理士の役割も一層重要になっていくと思われます。

(税理士 溝江重紀)

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