Category: 譲渡所得

8月 07 2014

NISA(ニーサ)とは

Q.NISA(ニーサ)とはなんですか?
A.平成26年1月から始まった、個人が投資した株式や投資信託の運用益や配当金が一定の範囲内で非課税になる制度です。正式名称は少額投資非課税制度と言います。現在、制度の対象者は20歳以上、投資枠は年に100万円まで、非課税の期間は5年間となっています。個人の貯蓄を投資へ変えることによって経済の成長を促すことが狙いです。

Q.今からでも始められますか?
A.始められます。口座開設可能期間(現行10年間)がありますので、今年中に始めればNISAを最大限に活用することができます。

Q.NISA口座で上場株式を70万円で買付し、その年の間に80万円で売却したとき、売却した80万円の枠を使ってさらに買付はできますか?
A.NISA口座の利用額は買付代金で計算します。このケースでは既に70万円を利用しているので、年間限度額100万円から差し引いた30万円までは買付を行うことができます。

Q.NISAを利用する注意点を教えてください。
A.メリットは前述の通りですが、デメリットもあります。損益通算や3年間の損失繰越はできません。購入した銘柄は非課税期間が終了した後、一般・特定口座か、新たな非課税投資枠に移すことになります。また、NISA口座で扱うことができるのは新規の株式や投資信託なので、既存の口座から移すことはできません。他にも、NISA口座は一人につき一つまでなので商品内容や売買手数料等を考慮して証券会社・銀行を選びましょう。また、非課税期間が終わった後の課税にも気を付けておきましょう。2014年現在の一般・特定口座の税率は20.315%です。

Q.今後NISAは変わっていくのでしょうか?
A.拡充される可能性が高いです。非課税枠を200万円以上に拡大したり、非課税の期間を延長したりする案が検討されています。

(税理士 鈴村明己)

7月 03 2014

NISA(少額投資非課税制度)

 2014年1月からこの制度が開始になり、すでに多くの方が利用されていると思いますが、
要点をまとめて説明します。

 従来、上場株式の譲渡所得に係る税率は所得税7%・住民税3%の軽減税率が適用されていましたが、これが廃止され2014年1月1日より、所得税15%・住民税5%の税率が適用されるようになりました。(*)そこで新たに導入された個人投資家向けの税制優遇措置がNISA(少額投資非課税制度)です。この制度はイギリスのISA(Individual Savings Account)をモデルにしたもので、イギリスでは国民の約4割が利用しています。
 NISAはNISA口座を証券会社や銀行、郵便局などで開設することで利用でき、日本国内に住む20歳以上の方ならどなたでも利用できます。ただし、1人につき1口座しか開設はできません。対象となる商品は上場株式、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)、株式投資信託等(以下:上場株式等)で国債や社債は対象となりません。
 この口座では、取得した上場株式等の売買益や配当が年間100万円を限度として非課税となります。ここで注意して頂くことは、現在、証券会社などの口座(特定口座・一般口座)に預けている上場株式等をNISA口座に移すことは出来ない点で、新たな資金で購入することが必要ということです。また、NISA口座で購入した上場株式等は購入した年の1月から起算して5年以内に売却しないと特定口座や一般口座に移り、売買益や配当は非課税になりません。ただし、翌年のNISA口座の非課税枠内(100万円)で保有を続けることは出来ます。

 ここで、年間100万円の非課税枠についてもう少し詳しく説明します。
 非課税枠は、未利用分を翌期へ繰越すことは出来ません。たとえばNISA口座で1年間に70万円しか上場株式等を購入しなかったとしても、残りの30万円の枠を翌年に繰越すことは出来ません。
 また、売却した部分の再利用は出来ません。たとえばNISA口座で2014年6月に上場株式等を80万円購入し、8月にすべて売却したとしても、年中に残されている非課税枠は20万円だけです。
 次に、NISAのデメリットについて説明します。
それは、損益通算が出来ない点です。NISA口座では上場株式等の売却による損失は無いものとされ、他の特定口座や一般口座での売却益とは損益の通算が出来ません。
例えば、A株式をNISA口座で売却し80万円の損失が発生し、B株式を特定口座で売却し50万円の利益が生じたとしてもA株式の損失は損益通算されず、B株式の譲渡所得50万円はそのまま課税されます。
 つまり、NISA口座はあくまでも利益が出なければメリットはありません。
NISA口座で保有する上場株式等の配当金や分配金を非課税とするには、株式数比例配分方式を選択する必要があり、郵便局の窓口で受け取る配当金領収証方式では非課税になりません。ここでは紙面の都合上、詳しい説明は省きます。ご不明な点は「NISA(少額投資非課税制度)に関するQ&A」日本証券業協会を参考にされるか、お近くの税理士にお尋ねください。

*復興特別所得税0.315%を含めると合計では20.315%となります

(税理士 佐藤敏弘)

8月 13 2013

路線価とは

Q:7月1日に路線価図等が発表されましたが、路線価とは何ですか?
A:土地には、公示価格・基準値価格・路線価・固定資産税評価額・鑑定評価額・実勢価格等さまざまな評価方法があります。
路線価とは、土地の評価方法の一つで、毎年税務署が発表する、1㎡当たりの標準的な画地の宅地の価額のことです。

Q:どのようにして路線価は決まりますか?
A:路線価は毎年1月1日を評価時点とします。地価公示価格、売買実例価額、不動産鑑定士等による鑑定評価価額等を基に決められます。路線価は、地価公示価格の概ね8割程度に設定されています。

Q:どのような時に、路線価を使いますか。
A:路線価は、相続税や贈与税の土地などの評価をする時に使います。平成25年中に、相続や贈与が行われた場合、平成25年の路線価を使用して土地の評価をします。

Q:路線価はすべての土地の評価に使用できますか。
A:路線価は、主に市街地の宅地の評価に使用します。そのため、市街地以外の土地や田畑の評価には路線価は使用しません。

Q:どのようにして路線価を使用しますか。
A:土地に面している道路に価額が設定されており、その価額を評価する土地の面積に掛ければその土地の評価額が出ます。
 ただ、土地の形や土地の周りの道路状況等により補正が加わります。

Q:路線価図等は、どこで見ることが出来ますか?
A:税務署やインターネットにより閲覧できます。国税庁のホームページでは、全国の過去3年分の路線価図等を見ることが出来ます。

(税理士 佐長谷和恵)

8月 07 2013

新しい投資優遇制度「NISA(ニーサ)」(少額投資非課税制度)

「NISA(ニーサ)」(少額投資非課税制度)とは

少額投資非課税口座(NISA口座)において、新たに購入した上場株式や株式投資信託等については、売却益や配当金を非課税とする新たな投資優遇制度です。

平成26年1月から始まります。
NISA口座での投資期間は、平成26年から平成35年までの10年間です。
特定口座は、上場株式等の売却や配当等について口座内で損益計算や源泉徴収ができる制度ですが、特定口座では新しい非課税制度を利用することはできません。
したがって、特定口座とは別に専用のNISA口座を新たに開設する必要があります。

税務上の特典は

NISA口座にて新規に上場株式等を購入すると、最長5年間は以下の税務上の特典が受けられます。

  1. 上場株式等を売却した際の譲渡所得が非課税
  2. NISA口座で受け入れる配当所得が非課税

ただし、対象となる上場株式等や非課税となる投資額には制限があります。(別表参照)

(別表)NISA口座のポイント
項目 ポイント 注意点
対象となる上場株式等 上場株式、公募株式投資信託等 公社債や公社債投資信託は不可
非課税となる投資額 購入額で年間100万円まで、最大500万円 購入手数料は含まない
NISA口座への受け入れ 新規の購入のみ 既に保有してる株式等をNISA口座へ移管不可
口座開設時の手続き 4年ごとに「非課税適用確認書」が必要 NISA口座開設時に金融機関から税務署に申請
譲渡所得非課税の手続き 特に必要なし(確定申告不要) 譲渡損でも損益通算や損失繰越控除なし
配当所得非課税の手続き NISA口座で配当金受領が必要 「配当を当該金融機関の口座で受領する方法」を選択

NISA口座開設の注意点は

日本国内に居住している20歳以上の人であれば誰でもNISA口座を開設できます。
ただし、一人一口座のみ開設可能です。複数の銀行や証券会社で重複して開設することはできません。

証券会社等の変更は

NISA口座の開設後、4年間は他の金融機関に変更することはできません。

NISA口座で購入した上場株式等を売却した際の売却益や、毎年の配当金についての確定申告は

NISA口座で保有する上場株式等の譲渡益や配当は、非課税の適用を受けるため、翌年の確定申告は不要となります。
なお、譲渡損が生じた場合でも損失はないものとみなされることから、確定申告で他の上場株式等の譲渡益との損益通算や損失の繰り越し控除はできません。

(税理士 上島大慶)

5月 08 2013

離婚した際の税務

 離婚したときに、夫からもらう財産には税金がかかるのでしょうか?
 離婚に伴い財産分与で現金預金や慰謝料などを受けとった場合、これらの財産は贈与税や所得税などの税金の対象にはなりません。でも、以下のようなケースでは、贈与税がかかることがありますので注意が必要です。

  1. 受け取った財産の額が夫婦が築いてきた財産の額を考えても多過ぎる場合。この多過ぎる部分が贈与税の対象となる場合があります。
  2. 財産隠しのためにわざと離婚して、多額の財産を分与した場合、離婚によって受け取った財産の全てに贈与税がかかります。

 では、①、②のようなケースでなければ税金を納める必要はないのですね?
 土地や建物などの不動産を財産分与した場合、分与した人に、譲渡所得税が課せられることがあります。例えば夫が三千万円で土地を買ったとします。これを妻に財産分与し、この時の価値が四千万円だったとします。この差額一千万円が譲渡所得となります。この譲渡所得に対して、夫は譲渡所得税を納めなくてはいけません。

 夫が購入した自宅マンションを財産分与してもらう予定です。もし、時価が購入金額よりも高ければ、夫は譲渡所得税を支払わなくてはいけないのでしょうか?
 居住用の不動産を財産分与する場合、時価から購入金額を差し引いた金額(譲渡所得)が三千万円以下であれば、譲渡所得税を納める必要はありません。「居住用財産の譲渡所得の三千万円特別控除」の適用の対象となるからです。この特別控除を受けるためには、離婚成立後に財産分与をしなくてはいけませんので注意して下さい。
また財産分与で不動産を受け取った場合は不動産取得税、登記の際には登録免許税が課せられます。でも、一定の要件が満たせば軽減税率が適用される特例もあります。毎年固定資産税の納付も必要になってきます。

(税理士 篠田陽子)

3月 12 2013

e‐Taxについて

 最近e‐Taxという言葉を耳にしますが、どのようなものでしょうか?
 e‐Taxとは、国税の各種の手続きについて、
インターネット等を利用して電子的に手続きが行えるシムテムです。
今までは、書面で持参したり、送付したりして提出していたものが、インターネットを通して送信することもできるようになりました。

 どのような人が利用できますか?
 e‐Taxは所得税、贈与税、法人税、消費税(地方消費税を含む)などの申告、全税目の納税、国税関係の申請、届出等の各種手続きを行う納税者等の方が利用できます。       
但し、原則としてインターネットを利用できる環境があり、電子署名に用いる電子証明書を取得している必要があります。
 また、電子証明書がICカードに格納されている場合には、ICカードリーダ等も別途必要となります。

 e‐Taxを利用するとどのようなメリットがありますか?
 税務署や金融機関に行かなくてもよくなるという距離的な制約がなくなりますし、税務署の執務時間外でも受付システムが稼動している時間であれば、申告等の提出や納税ができ、金融機関等の窓口に並ばなくてもいいというような時間的な制約がなくなるなどのメリットがあります。
 また確定申告では、医療費の領収書や源泉徴収票等は、その記載内容を入力して送信することにより、これらの書類の提出または提示を省略することができます(法定申告期限から5年間、税務署から書類の提出または提示を求められることがあります)
 なおe‐Taxをご利用いただくには事前準備が必要となります。詳しいことはお近くの税理士または税務署にお尋ねください。

(税理士:石井聰子)

3月 04 2013

e-Taxとは 【Q&A】

e-Taxとはインターネットを利用した国税の申告納税システムです

 e-Taxとは何ですか?
 国税の申告、納税、および届出などをインターネットを利用して行うことができるシステムの通称です。国税庁のホームページから利用することができます。手続きとして、申告と届出に関する「電子申告」と税金の納付に関する「電子納税」に分類されます。

 電子申告に必要なものは?
 電子申告をする場合は、電子証明書で電子署名する必要があります。電子証明書とは、インターネット上で本人確認をするためのICカードです。電子証明書の取得は、住所地の市町村で発行手続きができる公的個人認証サービスが便利です。また、電子証明書で電子署名するのにICカードリーダライタという器具が必要になります。ただし、税理士を通して電子申告をする場合は、納税者本人の電子署名を省略することも可能です。

 電子申告のメリットは?
 個人の確定申告の場合は、医療費の領収書や源泉徴収票などの提出または提示を省略することができます。(ただし、内容確認のため現物提出を求められる場合もありますので、法定申告期限から5年間保存しておいてください。)また、法定申告期限までに本人の電子証明書で電子署名して申告をすると、所得税額から最高3千円の控除を受けることができます。(ただし、平成19年から平成24年分の申告でいずれか1回のみの控除になります。)

 電子納税の方法は?
 2つ方法があります。事前に税務署へ届出等をした預金口座から振替により納付する方法と、インターネットバンキング・モバイルバンキング・ATMから納付する方法があります。

 電子納税のメリットは?
 自宅や会社からインターネット等、または、金融機関の窓口でなくATMを利用して納付手続きができるため、時間の制約が少なくなります。

(税理士:倉田崇史)

2月 04 2013

電子申告

インターネットの普及は私たちの生活や仕事のスタイルを大きく変えてきました。行政手続のオンライン化もそのひとつです。今回は確定申告の時期に合わせて「e-Tax」のご紹介をしたいと思います。
全国に先駆けて名古屋国税局管内から運用が開始されたe-Tax(イータックス)「国税電子申告・納税システム」は、インタ-ネットを利用して国税に関する手続きが行えるシステムです。これまでにも様々な改善がなされてきましたが、今年から贈与税の申告が可能になる等その利便性が更に向上しました。主な内容は次のとおりです。

 利用できる手続
 国税に関する申告等が行えます。

  1. 申告 ― 所得税、贈与税、法人税、消費税、酒税、印紙税
  2. 納税 ― 全ての税目(納税証明書の手数料を含みます。)
    インターネットバンクを利用する方法と、ダイレクト納付の方法があります。
  3. 申請・届出等 ― 青色申告の承認申請、納税地の異動届、納税証明書の交付請求等

 事前準備

  1. 住基カード等の電子証明書とICカードリーダライタの取得
  2. e-Taxの開始届出書を提出し、利用者識別番号を取得
  3. 電子証明書の登録
  4. 納税を利用する場合は、インターネットバンクの契約やダイレクト納付利用届出書の提出が必要です。

 メリット

  1. 24時間申告が可能です。
    平成25年1月15日から3月15日までの期間は、メンテンナンス時間を除き、24時間利用できます。
  2. 一定の書類の提出が不要です。
    医療費の領収証や源泉徴収票等の記載内容を入力して送信すると、これらの書類の提出又は提示を省略することができます。
  3. 書面による申告に比べて早期に還付されます。
  4. 所得税の確定申告をe-Taxで行うと最高3,000円の税額控除を受けることができます。(平成25年3月15日までに申告した場合で、平成19年分から平成24年分の間でいずれか1回のみ)
  5. 「確定申告書作成コーナー」は自動計算になっていますので、正しく入力すれば所得や税額の計算ミスを防ぐことがきでます。

 デメリット

  1. 事前準備にコストと手間がかかります。
  2. 電子証明書の有効期間が3年ですので、3年後には電子証明書を再取得し更新手続きをしなければなりません。
  3. 提出を省略した源泉徴収票等は、申告期限から5年間、税務署からの提出要請に応じなければいけませんので保存の必要があります。また、e-Taxで送信できない添付書類に関しては郵送しなければなりません。

 平成24年分の所得税、贈与税の申告期限は、3月15日(金)です。
国税庁HP「平成24年分の確定申告特集」に、e-Taxを利用した申告方法と書面による申告方法が掲載されていますので、e-Taxを利用する場合のパソコン推奨環境をはじめ詳しい内容を必ずご確認ください。

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/index.htm

(税理士:東本真依)

2月 04 2013

本年度確定申告の留意点について

Q1 平成24年分から適用される所得税の改正事項を教えてください。  
内容の変更があった主なものとしては、生命保険料控除や減価償却制度の改正が上げられます。また、住宅土地税制で、特例が延長されているものの中に、延長の際に所要の措置が取られたものがあり、注意が必要です。

Q2 生命保険料控除の内容を教えてください。
生命保険料控除は、①平成24年1月1日以後締結の保険契約(新契約といいます)と、②それ以前の保険契約(旧契約といいます)に大別されました。
①の新契約は、一般生命保険料控除、個人年金保険料控除及び介護医療保険料控除の3つの保険料に区分され、それぞれ4万円を限度額として合計12万円の控除限度額、②は従前と同じで、一般生命保険料控除と個人年金保険料控除が各々5万円、合計10万円の限度額となっています。

Q3 計算する際の注意点を教えてください。
新契約と旧契約の両方がある場合、限度額の計算において、有利不利の比較が必要になる場合があります。また、住民税の生命保険料控除の計算においては、所得税と有利不利に違いがありますので、お手持ちの全ての生命保険料控除証明書の内容を申告書に記載することをおすすめします。4万円の限度額になりますが、旧契約のみを申告すると限度額が5万円になりますので、ご注意ください。

Q4 減価償却制度の改正内容を教えてください。
平成24年4月1日以後に取得する減価償却資産の償却費の計算上、定率法の減価償却率が、従来の定額法の償却率の250%から200%に引き下げられました。ただし、経過措置が設けられているので注意が必要です。

Q5 経過措置の内容を教えてください。
定率法を採用している場合、平成24年分においては、4月1日以後年内に取得するものについて、3月31日に取得したものとみなして250%定率法による償却費の計算が認められています。この場合は、届け出は不要です。
また、4月1日以前に取得した資産を200%定率法で償却費の計算を行うこともできます。この場合、①取得価額→期首簿価 ②耐用年数→法定耐用年数-経過年数(経過年数表より)と読み替えて計算します。また、平成24年分の確定申告期限までに所轄税務署に届け出が必要です。

Q6 住宅・土地関連税制の注意点を教えてください。
認定低炭素住宅の新築等で24年及び25年に居住の用に供した場合、住宅借入金等特別控除の限度額が引き上げられました。また、認定長期優良住宅の新築等をした場合の特別控除が2年間延長されましたが、限度額が100万円から50万円に引き下げられています。特定居住用資産の買い換え特例も2年間延長されましたが、譲渡対価の額の要件が2億円から1億5千万円に引き下げられました。事業用資産の買い換え特例が3年間延長されましたが、買い換え資産の土地等の範囲が面積300㎡以上の特定のものに限定されました。

(税理士:村瀬三浩)

1月 07 2013

平成25年1月1日以降の税務調査手続について

 平成23年度の税制改正において税務調査手続の明確化等を内容とする国税通則法の改正が行われました。
 なお、この改正は平成25年1月1日以降に新たに納税者に対して開始する税務調査について適用されます。

- 一般的な税務調査手続きの流れ -

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上記に基づき、いくつかの点につき確認したいと思います。

1 事前通知事項の法定化

 以下の事前通知事項につき法定化されました。

  1. 実地の調査を行う旨
  2. 調査開始日時
  3. 調査開始場所
  4. 調査の目的
  5. 調査の対象となる税目(法人税、所得税、消費税、相続税等)
  6. 調査の対象となる課税期間
  7. 調査の対象となる帳簿書類その他の物件
  8. 調査の相手方である納税義務者の氏名及び住所または居所
  9. 調査を行う当該職員の氏名及び所属官署
  10. 調査開始日時または調査開始場所の変更に関する事項
  11. 事前通知事項以外の事項について非違が疑われることとなった場合には、当該事項に関し調査を行うことができる旨

2 事前通知事項の留意点

 税務調査に際しては、原則として納税者に対し通知されますが、税務代理を委任された税理士に対しても同様に通知されます。なお、合理的な理由がある場合には調査日時の変更の協議を求めることができます。
 ただし、税務署等が保有する情報から、事前通知をすることにより正確な事実の把握を困難にする、または調査の適正な遂行に支障を及ぼす恐れがあると認められる場合には、事前に通知せず税務調査を行うことがあります。具体的には、納税者の申告内容、過去の調査結果、事業内容などから、

  1. 違法または不当な行為を容易にし、正確な課税標準等または税額等の把握を困難にする恐れがある
  2. その他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼす恐れがある

と認められる場合を示します。(従来においても事前通知のない税務調査は、現金商売や過去に重加算税が課された場合などは行われていました。)

3 提出された帳簿書類等の留置き

 税務職員は、国税の調査について必要があるときは、その調査において提出された帳簿書類等の物件を留め置く(預かる)ことができます。
 この「留め置き」は納税者の理解と協力のもと、その承諾を得て行うこととなりますが、正当な理由がなく提示・提出を拒んだり、偽りの記載をした帳簿書類の提示又は提出をした場合には、法律に罰則の定めがあります。

4 調査結果の説明と修正申告や期限後申告の勧奨

 以下の項目が法定化されました。

  1. 調査の結果、更正決定等をすべきと認められない旨を書面にて通知する。
  2. 調査の結果、更正決定等をすべきと認められる非違がある場合には、原則として口頭により内容を説明する。
  3. 2.の場合、原則として修正申告又は期限後申告(以下「修正申告等」という)を勧奨することができる。

 なお、修正申告等をした場合には、不服申立てをすることはできないが、更正の請求をすることができる旨を説明したうえで書面により通知します。

5 処分理由の記載

 税務署長が、更正又は決定など納税者にとっての不利益処分をする場合には、その通知書に処分の理由を記載することとなりました。

 以上のとおり、税務調査手続が法律により明確化されたため、税理士の役割も一層重要になっていくと思われます。

(税理士 溝江重紀)

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