Category: 中部経済新聞

3月 02 2017

金融関連所得に対する課税

Q法人が利子を受け取った場合の道府県民税利子割がなくなったそうですが?

A法人が平成28年1月1日以後に支払いを受ける利子等には利子割が課税されません。個人が支払いを受ける利子等については、従来通り利子割が課税されます。

Qこの改正に伴い、注意すべき点はありますか?

A法人道府県民税の法人税割額から利子割額を控除する制度がなくなりました。控除しきれなかった利子割額を均等割額へ充当又は還付を受ける制度もなくなりました。法人税別表四で道府県民税利子割を加算しません。

Q個人が公社債を譲渡する場合は所得税,住民税が課税されるそうですが?

A平成27年までは公社債の譲渡は非課税でしたが、平成28年1月1日以後にする譲渡益については所得税及び復興特別所得税15.315%,住民税5%が課税されます。原則として申告が必要です。

Qでは、個人が公社債の利子を受け取った場合はどうですか?

A特定公社債以外の公社債の利子等は従来通り、所得税及び復興特別所得税15.315%,住民税5%が源泉徴収されます。平成28年1月1日以後に特定公社債の利子等を受け取った場合は、所得税及び復興特別所得税15.315%,住民税5%が課税され、原則として申告が必要です。
※特定公社債とは、国債,地方債,外国国債などです。

Q個人の株式の譲渡についてはどうですか?

A平成28年1月1日以後の譲渡は、一般株式等に係る譲渡所得と上場株式等に係る譲渡所得が別々の分離課税になります。

Qこの改正でどのような影響がありますか?

A一般株式等に係る譲渡所得と上場株式等に係る譲渡所得とでは損益通算できなくなりました。ただし、一般株式等どうし,上場株式等どうしはそれぞれ通算できます。

【税理士 西田憲幸】

3月 02 2017

税理士試験のしくみとその課題について

税理士になるための方法は「税理士法」によって定められています。税理士会では、税理士に対する信頼と納税者利便の更なる向上を図るために、税理士試験制度の改革を議論しているところです。今回は税理士試験のしくみとその課題についてご説明いたします。

 税理士となる資格について

次のいずれか一つに該当する者が、税理士となる資格があります。ただし、(1)又は(2)に該当する者については、実務経験が通算して2年以上あることが必要です。
(1)税理士試験に合格した者であること
(2)税理士試験を免除された者であること
(3)弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)
(4)公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。別途、財務省令で定める税法に関する研修を修了することが必要) のいずれかに該当しなければなりません。

 税理士試験について

税理士試験とは、税理士になるために必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定する試験で、年1回、例年8月上旬に各国税局・国税事務所の所在地等(全国12~16か所)で行われます。

 受験資格

税理士試験は、学識、資格、職歴といった様々な分野の受験資格が定められており、いずれか一つの要件を満たせば、受験資格を有することになります。主なものを紹介いたします。
【学識による受験資格】
(1)大学又は短大の卒業者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
(2)大学3年次以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者
【資格による受験資格】
日商簿記検定1級合格者または全経簿記検定上級合格者
【職歴による受験資格】
法人又は事業を行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者

 試験科目

試験科目は、会計学に属する科目(簿記論及び財務諸表論)の2科目と税法に属する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち受験者の選択する3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択)の合計5科目の合格が必要となります。
税理士試験は科目合格制をとっており、受験者は一度に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつ受験してもよく、合格科目は生涯有効であり、他の試験制度にはない特徴となっています。

 合格基準

合格は各科目60点以上で、例年受験者の10~20%(科目により差があります。)が合格しています。合格科目が会計学に属する科目2科目及び税法に属する科目3科目の合計5科目に達したとき合格者となります。

 税理士試験免除制度

税理士試験には、免除制度が設けられています。
具体的には、修士又は博士の学位を授与された者は試験の一部が免除(学位による免除)されます。また、官公署における国税または地方税に関する事務に従事した者のうち、所定の実務経験年数や国税審議会の指定した研修を修了した者については、試験の一部又は全部が免除されます。

 課題

税理士試験制度は、昭和26年(1951年)に制定されて以来、小規模な手直しは行われてきましたが、試験制度自体はほとんど変わっていません。近年は試験問題の高度化・複雑化に伴い受験者数も減少し続けています。時代の変化に対応し、納税者の期待に応え得る税理士制度とするためには、試験制度の見直しも必要であると考えます。
具体的な課題としては、他の国家資格に比べてハードルが高いとされる受験資格の見直し、納税者からの幅広いニーズにこたえるための現行の試験科目の見直し、受験者の負担を軽くして短期間での合格を可能とするための科目別合格制度の見直し、また、試験自体を暗記力や計算力を重視する試験から論理的思考を問う試験に変えていくことも視野に入れて議論しています。

税理士制度が国家や国民・納税者にとってなくてはならない制度として定着する中、特に次世代を担う若年層にとってさらに魅力のある制度として将来にわたり維持・発展を図るとの観点から法改正に向け検討しております。

【税理士 恒川貴光】

3月 02 2017

【納税方法の種類~クレジットカード納付制度の創設~】

国税は、申告した税額に基づき納税者ご自身で納付期限までに納める必要があります。
今まで納付の方法には、
① 税務署、金融機関の窓口で現金に納付書を添えて納付する方法
② 指定した金融機関の預貯金口座から振替納税する方法
③ ダイレクト納付又はインターネットバンキング等を利用して電子納税する方法
④ 延納・物納
がありました。
平成28年度税制改正において、国税の納付手段の多様化を図る観点から、平成29年1月4日以後の納税手続きより、納税者がインターネットを利用したクレジットカード決済による国税の納付が可能になりました。一部の自治体で、すでにクレジットカードによる納付が認められていますが、国税では初めてです。

■クレジットカード納付の内容

クレジットカード納付とは、インターネット上でのクレジットカード支払の機能を利用して、国税庁長官が指定した納付受託者へ、国税の納付の立替払いを委託することにより国税を納付する手続きです。
クレジットカードによる納付は、国税庁の「国税クレジットカードお支払サイト」を
通じて行います。

〔対象となる国税〕
申告所得税及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税、贈与税、酒税、たばこ税など30税目で利用可能。

〔適用時期〕
平成29年1月4日以後に国税の納付を委託する場合に適用されます。

〔受付時間〕
24時間利用可能
*メンテナンス作業等で利用できない時間が生じる場合があります。

〔注意事項〕

  • クレジットカード納付では、納付税額に応じた決済手数料がかかります。
  • クレジットカード納付ができる金額は、1,000万円未満かつ、ご利用になるクレジットカードの決済可能額以下(決済手数料含む)です。
  • 領収証書は発行されません。
    領収証書が必要な場合は、金融機関又は所轄の税務署の窓口で納付しなければなりません。
  • 複数の税目をまとめて納付することはできません。
  • 納付手続の完了後、その納付手続により納付済となった国税については、納税の猶予等を受けることはできません。
  • 国税のクレジットカード納付はインターネット上の手続であり、金融機関やコンビニエンスストア、税務署の窓口では、クレジットカードによる納付はできません。
  • クレジットカード納付をしてから、納付済の納税証明書の発行が可能となるまで、3週間程度かかる場合があります。

新たに始まったクレジットカード納付では、決済手数料はかかりますが、納付手段の選択肢が広がるとともに、税務署や金融機関などへ出向く手間も省け、利便性が向上します。ただし、継続的な手続きではないため、その都度、納付手続きをしなければなりません。申告所得税や個人事業者の消費税における振替納税制度(指定した金融機関の預貯金口座から自動的に引き落とされて納税が行われる)では、手数料がかかりませんし、事業をされている方など、毎年納税が発生する場合には、振替納税制度の方が便利かもしれません。
なお、源泉所得税及び復興特別所得税(告知分以外)については、平成29年6月からクレジットカード納付の開始が予定されています。

【税理士 川村 美香】

2月 02 2017

簡単・便利なe-Tax

今年もいよいよ確定申告の時期がやってまいりました。e-Tax(国税電子申告・納税システム)は年々便利になってきており、我々の税理士業界では着実に定着しつつありますが、一般の納税者においてはその普及度はまだまだといった感が拭えません。普及度がいまひとつである原因のひとつとして、電子証明書の取得などといった事前準備をどうしたらいいのかよく分からない・面倒くさい、という点があるのではないでしょうか。そこで今回は、ご家庭でe-Taxホームページ(http://www.e-tax.nta.go.jp/)から確定申告をする場合の事前準備の方法を確認してみます。

e-Taxはインターネットを使いますので当然インターネットに接続できる環境が必要となりますが、各家庭で使用しているインターネット回線で十分です。次にパソコンですが、WindowsパソコンでしたらOSはWidows7以降のもので、ブラウザソフトはInternet Explorer11が必要です。Windows10の場合、ブラウザソフトEdgeは使えませんのでご注意ください。MacでしたらOSはMacOSX10.9~10.11までのもので、ブラウザソフトはSafari9.1が必要となります。Macについては最新バージョンmacOS10.12(Sierra)が推奨環境に含まれていませんのでご注意ください。

次に必要なものは電子証明書です。電子証明書は個人番号カード、いわゆる「マイナンバーカード」のICチップに格納されている電子証明書が利用できます。マイナンバーカードはお住まいの市区町村で取得できます。交付までに日数がかかる場合がありますので、申告期限に間に合うように早めに手続きをされるとよいでしょう。

さらに電子証明書を読み取る機器としてICカードリーダライタが必要です。家電量販店などで簡単に入手できますが、マイナンバーカードに対応した機種でないといけません。地方公共団体情報システム機構が運営する公的個人認証サービスポータルサイトにて、マイナンバーカードに対応したICカードリーダライタの一覧が公開されていますが、お店の店員さんに相談・確認したほうが間違いはないと思います。

これで必要な機材はすべて揃いました。ICカードリーダライタの接続・セットアップをおこなえばいよいよe-Taxが利用可能となります。e-Taxのホームページの「確定申告書等作成コーナー」をクリックし、あとは画面に表示される指示に従って入力を進めていくだけで、申告書の作成から提出まで簡単におこなうことができます。

なお、今回平成28年分の申告から、申告書にマイナンバーの記載が必要となっており、従来の紙による提出の場合は番号確認書類(マイナンバーカードやマイナンバー「通知カード」など)と身元確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)の提示または写しの添付が必要ですが、e-Taxによる場合はこれらの書類を提示・添付する必要がなく、手間が省けてメリットのひとつだと思われます。

一見難しそうなe-Taxですが、始めてしまえば非常に簡単・便利ということが実感できると思います。皆さんも是非e-Taxにチャレンジしてみませんか。

【税理士 増田朝光】

2月 02 2017

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の注意点

Q1: 私は住宅用家屋を新築するに当たり、父からその敷地となる土地の贈与を受けました。この場合、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例を受けることは可能ですか?

A1: 特例の対象となる住宅取得等資金とは、「受贈者が自己の居住の用に供する家屋を新築若しくは取得又は自己の居住の用に供している家屋の増改築等の対価に充てるための金銭(お金)」をいいますので、今回の場合、土地そのものの贈与を受けていることから、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例を受けることはできません。
Q2: 私は住宅用家屋を新築するに当たり、その敷地となる土地の購入資金に充てるため、父から金銭の贈与を受けました。その金銭で土地を先行して取得し、その土地の上に住宅用家屋を新築する予定です。この場合、贈与により取得した金銭は、住宅取得等資金に該当し非課税の特例を受けることは可能でしょうか?

A2: 特例の対象となる住宅取得等資金には、「住宅用家屋の新築に先行してその敷地の用に供される土地等の取得が行われる場合におけるその土地等の取得のための資金」が含まれます。したがって、贈与を受けた金銭は、贈与税の非課税の特例を受けることができます。
ただし、住宅取得等資金の贈与を受けた年の翌年3月15日までに新築(新築に準ずる状態として、屋根(その骨組みを含みます。)を有し、土地に定着した建造物として認められる時以後の状態にあるものを含みます。)していない場合(一般的に棟上げしていない場合)には、贈与により取得した金銭については、住宅取得等資金の贈与の特例を受けることができません。つまり、今回のケースでは、
・贈与を受けた年の翌年3月15日時点で棟上げ済の場合…特例適用あり
・贈与を受けた年の翌年3月15日時点で棟上げ未済の場合…特例適用なし
となります。

【税理士 佐藤義行】

2月 02 2017

決算賞与の損金算入時期

事業年度末になると、その年度の業績を反映した決算賞与を支給する会社も多いのではないでしょうか。毎年でなくても業績の良い時だけ支給する会社もあると思います。経営者が決算賞与を支給するのは、その事業年度の従業員の貢献に対して利益を還元するため、従業員の更なるやる気を引き出すため、また会社の節税をするためなどの理由が挙げられます。決算賞与は事業年度末、またはその翌事業年度初めに支払われることとなるため、税務上の損金算入時期がよく問題となります。それではどの時点の損金となるのでしょうか。

①損金算入時期

夏季賞与や冬季賞与などの時期の決まった賞与については、次の3つの要件を満たすかどうかにより損金算入時期が決定されます。
・労働協約や就業規則により定める支給予定日が到来している
・従業員に支給額を通知している
・その支給額を経理上、費用計上している
全て満たす場合には、支給予定日と通知日のいずれか遅い日で判断します。それ以外の賞与については、次の②に該当するものを除き、支払日により判断します。したがって、これらに該当する場合は、実際の支払日により判断されることが多くなります。

②期末に未払いの場合

決算賞与の金額を事業年度末に決定しても、支払いは翌事業年度となってしまうことがあります。その場合でも次の3つの要件を全て満たせば、損金算入時期は、従業員へ支給額を通知した日により判断されます。
・支給額を、各人別に、同時期に支給を受ける全ての従業員に通知している
・通知した全ての従業員に対して、通知した金額どおりに、翌事業年度開始から1か月以内に支払っている
・その支給額について、通知日を含む事業年度中に費用計上している
ここで注意しなければならないことがあります。通知時点で在籍する全ての従業員に通知をしていたとしても、その後の支給日の在職者にしか支払わないような制限がある場合には、要件を満たしていないものと取り扱われます。その場合には、支給日により判断されてしまいます。
事業年度内に未払いの決算賞与を損金算入したい場合には、会社が従業員全員に通知をしていること、また従業員がそれを確認していること、これらが事業年度末までに完了していることを明らかにする書面を作成するなど根拠資料を整えておきましょう。

③デメリット

決算賞与は従業員のやる気を引き出す面や節税面でのメリットがありますが、一方でデメリットもあります。まず支出面について、たしかに節税効果はありますが、賞与支払額が軽減される税額以上となるため、会社としてはより大きな支出となってしまいます。利益見込に基づいて支給額を算定する場合には、経理上の事務負担も生じます。また、決算賞与が支給される時は従業員のやる気を上げる効果が期待されますが、支給を取りやめた場合や期待額を下回ってしまった場合には、逆にやる気を低下させてしまうこともあり得ます。

経営者にとって、決算賞与の支払いは経営上のメリットもあればデメリットもあり、また税務上は損金算入時期にも注意が必要です。決算賞与を支給する際には、資金繰りや税務上の損金算入時期に留意しつつ、従業員のその後の意欲向上につながるように活用することが重要です。

【税理士 佐藤輝弥】

1月 05 2017

名義預金 ~あげたはずなのに~

私達税理士が、相続税の申告書を作成するために、亡くなった方の財産を調べてみると、亡くなった方が、生前にご家族の名前で預貯金の口座を作られていることがよくあります。この家族名義の預金の中でも、実際には亡くなった方が管理していたものを特に「名義預金」といいます。ただ、名義預金には重大な問題が隠れています。

その問題とは、この名義預金が本当はどなたの財産なのか、簡単には判断できない、という事です。亡くなった方が、孫の名前で、定期預金を作っていたとします。でも「孫の名義だから孫の財産」とは言い切れないのです。場合によっては、亡くなった方ご自身の財産として、相続税の申告をしなければなりません。
亡くなった方から見れば、家族にあげたはずの預貯金なのに、自分の財産として扱われるのは大変不本意だと思いますが、相続税が課税されてしまうのはなぜでしょうか?それは、その「あげたはず」が問題だからです。

人から人へ財産をあげる事を「贈与」といいますが、財産をあげる側の人が「あげますよ」と言い、財産をもらう側の人が「もらいますよ」という意思表示をして、はじめて贈与は成立するのです。
先の例のように、祖父が孫の名前で定期預金を作り、その証書を孫に渡して孫が受け取り、「もらいました。ありがとう」と言えば、贈与は成立するのですが、もしも、その定期預金の証書を、祖父が持ったままで、孫が何も知らないとしたら、贈与は成立していません。その定期預金は、ただ孫の名前を借りただけの自分の定期預金、という事になります。そのまま、祖父が亡くなると、その孫名義の定期預金は、祖父自身の定期預金として扱われることになります。

では、家族名義の預貯金を作って贈与するときには、何に気を付けたら良いのでしょうか。それは、贈与の形を整えて「きちんとあげる」ことです。預貯金をあげるという事を家族に伝えて、通帳や証書、印鑑をその家族に渡します。贈与するという事は、もらった家族が、その預貯金を自分で管理して自由に使える状態にするという事です。ですから、ご自身の印鑑で家族名義の預貯金を作ることは、絶対に避けてください。家族が預貯金を自分で管理していない証拠になってしまいます。
もらう側が、未成年の子供の場合には、本人に、預貯金をあげることを伝えたうえで、親に通帳や証書、印鑑を預けます。その場合でも、子供が成人したときには、本人に渡さなければいけません。
また、贈与となると、もらった人に贈与税がかかることもあります。贈与を受けても、一年間で百十万円以下なら贈与税はかかりませんが、注意していただきたいのは、例えば平成二十八年の一年間に、祖父、祖母、父、母の四人から贈与を受けたとしたら、その合計額で百十万円以下かどうかを見るのです。超えている場合は贈与税の申告をしてください。平成二十八年分の申告は本年二月一日から三月十五日まで、所轄の税務署で受け付けています。e-Taxでも提出できます。

以上の内容に気を付けていただければ、家族名義の預金は、ちゃんとそのご家族へ贈与したものとして取り扱われます。

税理士 土屋雅彦

1月 05 2017

民法と相続税法の相続人

Q. 平成27年に相続税法改正があり相続税への関心が高まっていますが、民法と相続税法における相続人は同じと考えてもいいですか

A 相続税法における相続や遺贈については何ら定義的規定は無く、用語の公的解釈(通達)もありません。したがって相続税法におけるこれらの用語は民法の借用概念と考えられます。しかし民法と税法は立法主旨が異なり、相続税法の立法目的、内容、趣旨が異なることから全く同じではありません。

Q ではその両者の相続人に関する異同点はどんなものがありますか。

A. ①遺産に係る基礎控除の計算②相続税の総額の計算③生命保険金・死亡退職金の非課税限度の計算の3項目については、民法では
胎児は生まれたものとみなす。(但し判例は出生した時は認める、即ち停止条件説)・養子の制限はない。・相続放棄者は相続人とならない。相続税法では、申告書提出時までに胎児が出生していない場合はそれを含めないで計算します。・養子は原則として実子がいる場合は1人、実子がない場合は2人まで認められます。 相続放棄があった場合でも、無かったものとして計算しますが、後日生まれたときは再計算します。 ④生命保険金・死亡退職金の非課税規定の対象者は民法の相続人と同じですが、養子の制限はありませんが相続放棄者は対象となりません。 ⑤債務控除は民法では相続分に応じ承継され、相続税法では、債務も分割承継したものとしての計算控除が認められます(相続人、包括受遺者のみ) 制限納税義務者(海外居住者、1部例外ありますが)では課税税財産に関するもののみ控除できます。葬式費用は実際の負担者で控除できるが、無制限納税税者はできません。 以上主な異同点をあげましたが、
詳細はお近くの税務署か税理士までご相談ください。

【税理士 平岡 悟】

1月 05 2017

年頭所感

あけましておめでとうございます。謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

昨年4月にパナマの法律事務所から流出した内部文書いわゆる「パナマ文書」の分析から、タックスヘイブンを利用する多くの著名な政治家や富裕層の人々の名前が公表されました。外国資本と外貨獲得のために意図的に税金を優遇して企業や富裕層の資産を誘致する国や地域に法人を設立するなどして課税を逃れる、タックスヘイブンを利用した租税回避の実態が明かされました。年末にはその中に700人余の日本人の名前が確認されたとのことです。今年1月から既に、非居住者の金融口座情報を各国間で自動的に交換する制度が導入されており、これにより、日本においては来年以降、外国に開設された日本の居住者の金融口座情報が提供され、日本の税務当局が口座残高や利子配当等の年間受取総額等の情報を取得します。富は国境を越え、負担が軽い場所を探して移動しますが、これに対抗して世界的な情報交換システムの構築が進められています。また、多国籍企業による各国の税制の違いを利用した国境を越えた過度の節税策により、自国の税収が奪い取られる現象が問題視され、「税源浸食と利益移転」に対応するための国際課税ルールの見直し議論が進むなか、今後も租税条約の改訂と各国国内法の改正が続くと考えられます。

名古屋税理士会はドイツ・ミュンヘン税理士会との友好協定に基づき、2年ごとの交流を続けています。昨年10月にはミュンヘン税理士会の方々が来会され、活発な意見交換を行いました。歴史と文化が違い、それぞれ特徴のある税制と税理士制度があります。議論が深まるほど違いが浮き彫りにされて尽きることのない討論が続きました。有意義な国際交流が継続され、互いの立場を尊重した日独固有の制度から、将来は国際的に公正な課税制度の在り方まで話し合えるものにしていきたいと考えます。

また、昨年11月29日には税理士会館において、相続税をテーマとした「市民講座」を開講しました。税理士会館は平成3年竣工、翌4年に千種区池下の地に移転し、既に25年になります。この期を捉えて、形ある会館と身近な税理士会の存在を広く地域社会に広報するために企画したものです。税理士は、専ら事業者とは関係がありますが、一般納税者との接点は希薄です。相続税の課税ベースの拡大により、その申告と納税が必要になる納税者が相当数増加することが見込まれます。普段は税理士と縁がない納税者にとっても、身近な相談相手として我々税理士を活用していただけるように、社会に向かって発信する機会を設けました。幸い市民の方々の関心は高く、200名を超す来場者を迎え盛況に講座を開催でき、今月19日の第2回講座も成功する手応えを感じました。

名古屋税理士会は引き続き、税務に関する専門家として社会の要請に的確に対応し、真に国民・納税者の信頼に応える税理士制度の確立のための会務運営に努めて参ります。
皆様のご多幸とご活躍、そして平成29年が素晴らしい一年となることを祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。

年頭所感
名古屋税理士
会長 西村高史

12月 01 2016

空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例

Q 空き家の発生を抑制し、地域住民の生活環境への悪影響を未然に防ぐ観点から導入された譲渡所得の特例制度とは、どのような内容ですか?

A 被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に、その家屋(その敷地を含みます。また、その家屋に耐震性がない場合は耐震リフォームをしたものに限ります。)又は除却後の土地の譲渡(相続時から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡に限ります。)をした場合には、その家屋又は除却後の土地の譲渡益から3,000万円を控除することができるという制度です。

Q この特例を受けるための適用要件について教えてください

A 主な適用要件は次のとおりです。
①相続した家屋は、昭和56年5月31日以前に建築された家屋(マンション等を除きます。)であって相続発生時に被相続人以外に居住者がいなかったこと。
②譲渡をした家屋又は土地は、相続時から譲渡時点まで居住、貸付け、事業の用に供されていたことがないこと。
③譲渡価額が1億円を超えないこと。

Q 最後に、この特例の適用を受けるための手続きについて教えてください。

A この特例は、確定申告書に、この特例の適用を受けようとする旨等一定の事項を記載するとともに、譲渡した資産の登記事項証明書、譲渡した資産の所在地を管轄する市区町村長から交付を受けた被相続人居住用家屋等確認書、売買契約書の写し等の添付がある場合に適用することができます。

税理士 橡谷治道

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