Category: その他

3月 05 2015

名古屋税理士会の総務部って?

 名古屋税理士会には約4,300名の税理士が登録されていますので、その活動を支えていくためには、たくさんの部や委員会等が設置されています。その数は現在、部・委員会だけでも14に分かれています。

 その中で今回ご紹介するのは、「総務部」です。一般の会社で「総務部」と言えば、会社の組織全体に関する処理をするところで、「何でも屋さん」的なイメージではないでしょうか。名古屋税理士会の総務部も、それに近いものがあります。名古屋税理士会の会務執行規則に記載されている業務内容は16事項にも及び、その16個目には、「他の部、委員会及び特別委員会の所掌に属しない事項」という、「何でも屋さん」のイメージにぴったりの事項で締められています。

 その中で現在最も時間を費やして検討している事項の1つが、「ハラスメント防止に関する細則」の制定準備です。そこで今回は、この件についてご紹介します。

 この細則に出てくるハラスメントとは、セクシャルハラスメントとパワーハラスメントのことを言います。一般社会でも、現在ハラスメントの取扱については、とても厳しく、上場企業等においては、ハラスメント電話相談センターを設けたりして常時対応しているのが当たり前になってきています。現在、名古屋税理士会は、税理士会員約4300名とその事務局職員等20数名の大きな組織で運営されています。従って、適正で効率的な会務運営をしていくためには、各人が良好な環境で活動し、その品位及び信用を維持、確保することがとても重要なことです。そこで名古屋税理士会でもハラスメント規定を明文化し、日本国憲法に規定する国民の基本的人権を守ることを目的として、この細則の準備を進めているのです。

 ハラスメント行為は、双方の認識が大きく影響するため、その判断は大変難しいものです。そのため現在検討しているこの細則の中には、「ハラスメント防止対策チーム」や「調査委員会」を設置し、公平で正確な判断ができるように考えています。「ハラスメント防止対策チーム」は、ハラスメントに関する相談や苦情を聴取し、その対応方法を検討し、双方に対して指導、助言や仲裁等を行います。ここで話がつかなければ、調査委員会に委ねられます。調査委員会は、税理士以外に弁護士などの専門的知識のある者を構成員に加えることによって、第三者的な公平で正しい判断が可能になります。この調査委員会は、双方の意見を聴取するなどして、ハラスメントに該当するか否かを判断するのです。

 「ハラスメント防止に関する細則」の制定趣旨は、この細則名の通り、「ハラスメントの防止」です。この細則が抑止となり、名古屋税理士会に関わるすべての人が、良好な活動のため、品位及び信用を維持・確保することにより、この細則が使われることがないことを期待しつつ、現在急ピッチで準備を進めています。

 このような活動を名古屋税理士会総務部はしており、派手さはありませんが名古屋税理士会の土台となり、月に1回程度の活動を続けています。

 最後になりましたが、我々税理士は、身近な存在の税の専門家です。税金につきまして、何か疑問等がありましたら、是非、身近な税理士にご相談下さい。

(税理士 清水幹弘)

5月 01 2014

国税通則法の改正について

 国税通則法とは、国税に関する基本的事項について定めている法律です。昭和37年(1962)に施行されました。国税とは、国が賦課・徴収する租税で、所得税・法人税・相続税などの直接税と、酒税など間接税とがあります。国税通則法は、国税に関する法律関係を明確にするとともに、税務行政の公正な運営を図り、もって国民の納税義務の適正かつ円滑な履行に資することを目的として制定されました。今回は平成23年度税制改正で、国税通則法が大きく改正され、平成25年度から施行されている内容や、今年度から適用される内容のものもあり、以下改正点の全体像を紹介します。

1.白色申告の場合の記帳義務

 従来は、個人の白色申告者の前々年分あるいは前年分の事業所得、不動産所得又は山林所得の合計額が300万円を越える場合には、記帳と帳簿の保存義務が課せられていました。今年分からは、事業所得、山林所得などがある場合は、所得が生じなく申告義務がない場合でも、記帳と帳簿の保存が必要となりました。

2.更正の請求の期間の延長

 確定申告をした後で、申告した金額が多すぎた事に気づいた場合は、更正の請求という手続きで、払いすぎた税金を還付を受けることが可能です。しかし、国税通則法の改正前は、更正の請求を行うことができる期間は法定申告期限から1年間しか認められておらず、気づいた時には期限切れというケースが一般的でした。期限が過ぎてしまった場合は、法定の手続きではありませんが更正の嘆願を行うことにより、職権での更正を期待するより術がありませんでした。
 国税通則法が改正され、平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税については、更生の請求期間が5年に延長されました。また、平成23年12月1日までに法定請求期限が到来しているものについては、更生の請求という手続はできないのですが、「更正の申出書」を提出することで、還付が受けられる場合があります。

3.税務調査手続の法定化

 税務調査手続について、法定化されました。平成25年1月1日以後に開始する税務調査について適用されています。
 昨年より、何件かの税務調査の立会を行っていますが、以前までと大きく違うのが、事前通知が行われることと、調査が終了した際に書面で通知を受ける点です。
 事前通知は、納税者と関与税理士に、調査の開始日、開始場所、調査対象税目、調査対象期間などを通知することで、これが義務付けられました。実務上は、最初に電話で日程の調整をして、その後改めて、法律の要件を満たす形式で電話により事前通知が行われているようなところがあり、日程調整の段階で概ねの了解ができている部分を、改めて通知という雰囲気で、やや形式的な側面が強いように思います。
 もう一つ従来と変わったと感じるのは、調査結果について、問題がなければ「更生または決定すべきと認められない」という文書が送られてくる点です。追加で納税が発生する場合、修正申告書の提出などで調査終了が分かる程度で、調査が継続しているのか否か不明な状態が何か月も続くことがありました。しかし、今回の改正により納税者にとっても調査終了が書面により出されることによって、終了が明確に確認できるようになるというメリットが挙げられます。
 なお、修正申告をした場合には、異義の申立てや審査請求はできませんが、その内容について更正の請求が行えるので、後日、証拠となるような資料が追加的に見つかった場合などは、更正の請求をすることで救済されるケースも考えられます。

4.同一年度の再調査

 同一年度の調査については、「新たに得られた情報に照らし非違があるときは」という要件を満たす必要があることが法律上明記されました。この要件に該当する場合とは、たとえば、ある年度の調査において初めて売上除外の事実が発見されたのが、その事実が前回調査年分にも及ぶことが分かったときや、新たな資料情報によれば特定の外注費の支払口座が架空経費の口座であることが別の法人の調査等で判明したという資料があった場合などがこれに当たります。

 以上、概ね国税通則法の全体像について解説させていただきましたが、納税者のみなさんと税の専門家として独立公正な立場から税理士である我々の対応も時代の要請にこたえ、納税義務の適正な実現に向けて積極的に取り組んでいきます。

(税理士 加藤清和)

3月 06 2014

名古屋税理士会成年後見支援センター

 名古屋税理士会では、税理士がその職能及び専門的経験を活用し、成年後見人等への支援を行うため、平成24年7月5日に「名古屋税理士会成年後見支援センター」を開設しました。
当支援センターでは、成年後見制度に精通した指導員(税理士)が、税理士会会員だけではなく一般の方からも電話及び面談による相談を受け付けています。相談件数も当初予想していたよりも多く、成年後見制度への市民の関心の高さがうかがえます。
ここで、成年後見制度について簡単に説明しておきます。成年後見制度とは、認知症などで判断能力が十分でない方々を支援するため、共に生きる社会の実現を目指す仕組みです。成年後見人には、親族のほか、税理士等の第三者もなることが出来ます。また、本制度は、以下の三つの個別の制度から構成されています。

1.法定後見制度
本人(後見等を受ける人)の多様な判断能力や保護の必要性の程度に応じて補助、保佐、後見の三つに分け、家庭裁判所が適当と認める成年後見人等を選任して、支援する制度
2.任意後見制度
本人の判断能力が健常な段階で、契約によって、判断能力が低下した場合の後見の範囲や後見人をあらかじめ定めておくことが出来る制度
3.後見登記制度
制度の利用に関する情報の「登記」を義務付けるとともに、限定された者以外はその情報の入手を不可能とする制度

 さて、このような制度でスタートした成年後見制度も導入から早14年が経過しました。そしてこの期間の制度の利用状況は着実に広がりをみせており、当初年間15,000件程度であった申立て件数は、平成24年には34,000件を超えました。今後、更にその利用者は増加していくであろうことが予想されます。
 そして、少子高齢化が進む中、成年後見制度は国民だれもが関わる身近なものとなっていくのではないでしょうか。

〈名古屋税理士会成年後見支援センターのご案内〉

例えばこんな時・・・

  • 物忘れがひどくなって財産管理が出来なくなりました。どうしたらいいですか?
  • 銀行から成年後見制度を利用するように言われました。
  • 保佐人になってとわれました。どうしたらいいですか?
  • 将来、認知症になったらと不安です。今出来る事ありますか?
  • 任意後見と法定後見の違いを教えて下さい。
  • 子供が知的障がい者で将来が不安です。

 相談方法は、電話、面談の2つがあります。
相談料は無料です。まずは、お気軽にお電話下さい。

専用電話 052-752-5130
相談日 電話相談 毎週木曜日、金曜日
面談相談 毎週金曜日(事前予約制)
相談時間 午後1時30分~午後4時30分(受付は4時まで)
休室日 祝日及び夏季、年末年始等

名古屋税理士会ホームページ http://www.meizei.or.jp/

(税理士 小林直樹)

11月 07 2013

税を考える週間

 毎年11月11日から17日までの一週間は「税を考える週間」です。この機会に、国民の皆さんに税の仕組みや目的などを考えていただき、国の基本となる税に対する理解を深めていただこうという目的で定められました。ここで、税金とは何か、改めて考えてみましょう。

税金とは

 私たちは、国や地方公共団体から様々なサービスの提供を受けて暮らしています。このような公共サービスの提供をするには非常に多くの費用がかかりますが、その費用をみんなで「税金」という形で負担しているのです。いわば私たち国民が社会の一員として暮らしていくための「会費」のようなものといえます。また、税金は国民の間での所得格差を縮める役割も持っていて、そのために所得の多い人には高い負担を求める累進課税制度がとられています。税金がないと、私たちの間の貧富の差はどんどん開いていってしまうことになります。また、税金には景気の安定を図る役割もあります。

税理士とは

 それでは、税に関する専門家である税理士とはどのような役割を果たしているのでしょうか?我が国では、納税者が自らの所得を計算し、納税額を算出する申告納税制度を採用しています。しかし、税金の計算は複雑で専門的知識が必要となります。そこで、税理士が独立公正な立場で以下の業務を行っています。

  1. 税務代理
    納税者を代理して、確定申告、青色申告の承認申請、税務調査の立会いなどを行います。
  2. 税務書類の作成
    納税者に代わって、確定申告書、法人税申告書、相続税申告書その他税務署に提出する書類を作成します。
  3. 税務相談
    納税者が税金のことで困ったとき、わからないときに相談に応じます。
  4. e-Taxの代理送信
    納税者の依頼でe-Tax(電子申告)を利用して申告書を代理送信することができます。
  5. 税理士の社会的貢献
    税理士は租税の意義や重要性を説き、納税意識の高揚を図る活動の一環として小中学生・高校生向けに租税教室を開催しています。救急車を呼ぶ費用や公園を造る費用、毎週回収するごみを処理する費用は誰が負担しているのかなど、身近な事例から税金の大切さを説き、税についての正しい認識を子供のうちからもってもらうようわかりやすく説明しています。また、名古屋税理士会では社会に出る前の大学生や、今年初めての試みとして一般企業の新入社員向けにも租税教室を開催しています。

 他にも、地方公共団体の外部監査委員や裁判所の民事・家事調停制度、成年後見人制度にも積極的に参画しています。
 今年は特に、来年四月に消費税の税率アップも控え、より税金への関心が高まっている時期です。名古屋税理士会は、税の仕組みや目的を今一度国民の皆さんに考えていただき、税についての理解を深めていただこうということで、この期間は無料税務相談などの行事を積極的に行っています。この機会に税金に関することはどんなことでも気軽にご相談ください。

(税理士 武山卓史)

10月 02 2013

中小企業経営力強化支援法における認定支援機関について

 中小企業を巡る経営課題が多様化・複雑化する中、中小企業支援事業の担い手の多様化・活性化を図るため、平成24年8月30日に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う「経営革新等支援機関」(認定支援機関)を認定する制度が創設されました。

 認定支援機関とは、中小企業が安心して経営相談等を受けられるために、税務、金融及び企業財務に関する専門知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を国が認定する公的な支援機関です。認定支援機関は、8月15日時点で15,884機関が認定されており、このうち約76%が税理士・税理士法人が占めております。全国420万の中小企業の内366万に及ぶ小規模事業者の活性化は日本経済の成長に不可欠です。そこで①自社の経営を「見える化」したい②事業計画を作りたい③取引先を増やしたい、販売を拡大したい、新たな事業を展開したい方を対象に認定支援機関はきめ細かい経営相談を行います。また国が認定支援機関に期待している役割は(1)ホームドクター的役割(2)専門性の高い支援③継続的フォロ-アップ(3)地域支援体制の強化⑤中小企業会計の普及です。

 認定支援機関による支援が必要な制度は、大きく「金融支援」「税制」「補助金」となっています。その中でも特に認定支援機関の役割は、平成25年3月末で「中小企業金融円滑化法」が最終延長期限到来を迎えたこともあり、中小企業が安定して経営相談等を受けられるためには、非常に重要な位置づけになっています。円滑化法を利用して条件変更等を行った事業者の内、約2万社を対象として経営改善計画策定支援事業として405億円が計上されました(24年度補正予算)。経営改善計画策定支援等について、必要となる費用の2/3を補助(事業規模等に応じ、十数万から上限200万)しています。経営改善が必要な企業への経営改善計画の策定支援、モニタリングを認定支援機関が支援することが今後も必要とされています。

補助金・ミラサポの有効活用

さらに、その他補助金としては「ものづくり補助金」「創業補助金」等がトピックとなっています。ものづくり補助金とは、中小企業の持つものづくりの底力を発揮させるため、中小企業が実施する試作開発(テスト販売を含む)や設備投資を支援する制度です。創業補助金は、後継者を含む若者や女性が、業種転換や新事業・新分野に進出する場合に認定支援機関による支援を条件に補助金が交付されます。

 そして認定支援機関は、事業計画等の策定・実行支援に留まらず、7月30日に構築されたITクラウドを活用した支援ポ-タル「ミラサポ」(https://www.mirasapo.jp/)に積極的に参画して経営支援に取組むことが期待されています。

 ミラサポとは、中小企業・小規模事業者の未来をサポートするサイトです。会員登録すれば、コミュニティへの参加でき専門家との情報交換の場として利用でき、専門家派遣も利用できるというメリットがあります。今後の展開としては、補助金申請や消費税転嫁対策支援、中小企業会計の普及、中小企業税制の活用促進など、幅広く中小企業支援に取り組むことにより地域の活性化、日本の中小企業の活性化に繋がることが期待されています。

(税理士 河合伸治)

9月 04 2013

マイナンバーがやってくる!

Q1. マイナンバーって何ですか?
A マイナンバーとは、国民全員に番号を付し、税・社会保障などの社会生活の中で使用することにより、公平・公正な行政を実現する制度です。平成25年5月24日に成立した「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に基づき、住民基本台帳に記録されている者等に対して個人番号を通知する、我国初の制度です。

Q2 いつから、どのような形でマイナンバーを実施するのですか?
A 平成27年10月以降に、マイナンバーを記載した通知カードが住所地の市町村から郵送され、このカードと、本人確認を行える運転免許証等を市町村に提出すると、正規の個人番号カードが発行されます。平成28年1月からは、税・社会保障分野でマイナンバーの利用が開始されます。会社員の場合は、勤務先に自分の番号を届け出、年末調整時に配偶者・扶養親族の番号の提出を求められます。平成29年には、「マイ・ポータル」というインターネット上のサービスも開始されます。

Q3 既に世の中には番号が氾濫しているのに、マイナンバーが必要なのですか?
A 必要性は3つあると言われています。(1)財政と社会保障の問題。超高齢社会において、きめ細やかな社会保障サービスを提供するためには、所得や給付状況など個々人の状況を正確に把握する必要があります。(2)行政の効率化。業務効率化のためには、縦割り行政を解消すること。個人情報を紐付ける仕組みが必要です。(3)東日本大震災のような甚大災害に対する備え。本人確認や要援護者名簿の作成、医療情報の活用といった場面で、番号制度が力を発揮します。

Q4 マイナンバーで本当に社会保障の不正受給や脱税はなくなるでしょうか?
A 所得把握の精度が現状よりも向上し、脱税や社会保障における不正受給も少なくなります。ただし、全ての取引や所得を把握し不正をゼロにすることなどは非現実的です。利用範囲を次第に拡大し、精度向上が図られることが期待されます。

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(税理士 井上新)

8月 07 2013

最近の租税関連通達改正の事例について

1.通達改正の基となった事例

 通達とは、上級行政庁が法令の解釈や行政の運用方針などについて、下級行政庁に対してなす命令ないし指令とされています。租税行政においても法令解釈や財産評価などについて多数の通達が国税庁長官によって発遣されています(金子宏「租税法」18版106頁)。
 相続税や贈与税の場合、財産の評価については、基本的には財産評価基本通達(以下「評価通達」)によって評価することとされており、取引相場のない株式(いわゆる同族会社の株式)を評価する場合においては、株式保有割合が25%以上(大会社)など一定の場合には、特定の評価会社の株式として評価通達に定める特例計算によって評価(25%基準)することとなります(財基通189)。しかし、この場合の25%基準は絶対的な基準と言えるのでしょうか。
 東京高裁(東京高裁、平25.2.28)は株式保有特定会社の株式評価方法が妥当か否かをめぐる争いで、納税者側の主張を認めた東京地裁(東京地裁、平24.3.2)の判決を支持、国側の控訴を棄却する判断を下しました。
評価通達では、株式保有割合が25%以上(大会社)の「株式保有特定会社」の株式評価方式は、純資産価額方式か、あるいは「S1+S2方式」で計算しなければならないことになっています(財基通189-3)が、これは、通達が定められた平成2年当時、株式会社の設立による租税回避行為が横行したため、これを防止することを目的として手当てされたものでした。
 裁判所は今回の東京高裁の判決で株式保有割合25%という数値が「資産構成が著しく株式等に偏っている」とまでは言えないと判示して、この通達が時代にそぐわないものとなっていることを指摘したのです。
これを受けて国税庁では、本通達の「25%」を「50%」と改訂することをパブリックコメントで公表して通達の改正が行なわれました。

2.通達の改正

 平成25年5月27日付で「財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)」が発遣され適用時期等については、「平成25年5月27日以後に相続、遺贈又は贈与等(以下「相続等」)により取得した財産を評価する場合に適用されることとなりました。
 また、この通達改正は判決に伴うものなので、通則法施行令(通則令6①五)に規定する更正の請求の事由に当てはまることから、過去に遡って改正後の評価通達を適用することになります。そして、過去の相続税等の申告の内容に異動が生じ相続税等が納め過ぎになる場合には、通則法(通則法23②三)の規定に基づき、本改正を知った日の翌日から2月以内に所轄の税務署に更正の請求をすることができるわけです。
 さらに、平成25年5月27日以後に相続税等の申告をする者が、平成25年5月27日前に相続等により取得した財産を評価する場合にも改正通達が適用できる(「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報))こととされました。
 なお、法定申告期限等から既に5年(贈与税の場合は6年)を経過している相続税等については、法令上、本改正に係る改正後の評価通達を適用することはできません。

3.実務への影響

 財産の評価においては、課税公平の見地から課税上の弊害がない場合においては評価通達によって評価時点での財産を統一的に評価していますが、通達制定時の条件がその後の経済環境の変化によって評価基準へ重大な影響を及ぼすような場合には、課税サイドでも判決などを待たずに速やかに基準を変更することが望まれるところです。
 なお、裁決や判決などに伴って通達が改正された場合には、発遣日以後のみでなく上記事例のように過去に遡ってその見直しが行われる(通則令6①五)ことも想定されるため、通達の改正は更正の請求(通則法23)を含め実務への影響は大きいといえるでしょう。

(税理士 浅野 洋)

4月 03 2013

国税通則法改正

 「国税通則法」と言われて、世の中にそんな法律があるんだと思われた方も多いと思います。そして、ほとんどの方は自分には関係のない話と思われると思います。しかし、この法律が税務調査の手続を規定し、税務調査に大きな影響を及ぼす、ということになれば話が違ってくるのではないでしょうか。
 国税通則法の改正が平成23年11月に成立し、平成25年1月から施行されています。この法律は、国税全般についての基本的・共通的な事項を定め、国税に関する法律関係を明確にするとともに、税務行政の公正な運営を図ることをその目的としています。その中で税務調査の手続について明確に法定化されることになったのです。
税務調査は、一般的な認識として、その対応に精神的・時間的な負担を要すると言われています。そのため税務調査に対する一般の皆さんの関心は高いものがあります。
 このように皆さんの関心の高い税務調査について、わが国ではこれまで調査手続に関する法律の整備が遅れていました。今回の国税通則法の改正は特に3つの点で大きく改正されましたので、それをご紹介します。
(1)税務調査手続の明確化
 実地調査に入る前に、納税者及び税理士に対して事前通知することとされ、通知する項目も明確化されました。但し、意図的に課税逃れをする悪質なケースもあることから、事前通知を要しない税務調査についても法定化されました。そして税務調査が終了した際に、納税者に通知するか否かについて法律上は特に規定はありませんでしたが、これからは適正な申告であった場合にその旨の通知をすることになりました。
(2)更正の請求期間の延長
 税務調査を受ける場合、概ね3年分の帳簿の提示を求められたと思います。それは課税庁側として納税者に追加での納税を要請できる期間が3年であったためです(増額更正)。他方、納税者側が申告を誤って国税を納め過ぎた場合、税金を返還してもらうには、これまで1年までしか遡ることができませんでした(減額更正)。そこで、納税者の救済と課税庁側とのバランス等を考慮して、納税者も課税庁も共に更正の期間を5年に延長されました。
(3)処分の理由附記の実施
 税務調査の結果、課税庁として納税者からの申告額を訂正する場合(更正処分)、白色申告者等の場合、その訂正の理由について明示する必要がないケースもありました。これからは手続の透明化の観点から、全ての処分についてその理由を附記することになりました。

 以上のように税務調査手続は、今回の国税通則法の改正でかなり明確になりました。納税者の税務調査に対する納得度が増せば、わが国の申告納税制度の充実・発展につながると思います。納税者、課税庁そして税理士が今回の改正の趣旨を十分に理解し、調査の現場に活かすことが今後必要となってくると思います。

(税理士 日比野 久)

3月 12 2013

e‐Taxについて

 最近e‐Taxという言葉を耳にしますが、どのようなものでしょうか?
 e‐Taxとは、国税の各種の手続きについて、
インターネット等を利用して電子的に手続きが行えるシムテムです。
今までは、書面で持参したり、送付したりして提出していたものが、インターネットを通して送信することもできるようになりました。

 どのような人が利用できますか?
 e‐Taxは所得税、贈与税、法人税、消費税(地方消費税を含む)などの申告、全税目の納税、国税関係の申請、届出等の各種手続きを行う納税者等の方が利用できます。       
但し、原則としてインターネットを利用できる環境があり、電子署名に用いる電子証明書を取得している必要があります。
 また、電子証明書がICカードに格納されている場合には、ICカードリーダ等も別途必要となります。

 e‐Taxを利用するとどのようなメリットがありますか?
 税務署や金融機関に行かなくてもよくなるという距離的な制約がなくなりますし、税務署の執務時間外でも受付システムが稼動している時間であれば、申告等の提出や納税ができ、金融機関等の窓口に並ばなくてもいいというような時間的な制約がなくなるなどのメリットがあります。
 また確定申告では、医療費の領収書や源泉徴収票等は、その記載内容を入力して送信することにより、これらの書類の提出または提示を省略することができます(法定申告期限から5年間、税務署から書類の提出または提示を求められることがあります)
 なおe‐Taxをご利用いただくには事前準備が必要となります。詳しいことはお近くの税理士または税務署にお尋ねください。

(税理士:石井聰子)

3月 04 2013

e-Taxとは 【Q&A】

e-Taxとはインターネットを利用した国税の申告納税システムです

 e-Taxとは何ですか?
 国税の申告、納税、および届出などをインターネットを利用して行うことができるシステムの通称です。国税庁のホームページから利用することができます。手続きとして、申告と届出に関する「電子申告」と税金の納付に関する「電子納税」に分類されます。

 電子申告に必要なものは?
 電子申告をする場合は、電子証明書で電子署名する必要があります。電子証明書とは、インターネット上で本人確認をするためのICカードです。電子証明書の取得は、住所地の市町村で発行手続きができる公的個人認証サービスが便利です。また、電子証明書で電子署名するのにICカードリーダライタという器具が必要になります。ただし、税理士を通して電子申告をする場合は、納税者本人の電子署名を省略することも可能です。

 電子申告のメリットは?
 個人の確定申告の場合は、医療費の領収書や源泉徴収票などの提出または提示を省略することができます。(ただし、内容確認のため現物提出を求められる場合もありますので、法定申告期限から5年間保存しておいてください。)また、法定申告期限までに本人の電子証明書で電子署名して申告をすると、所得税額から最高3千円の控除を受けることができます。(ただし、平成19年から平成24年分の申告でいずれか1回のみの控除になります。)

 電子納税の方法は?
 2つ方法があります。事前に税務署へ届出等をした預金口座から振替により納付する方法と、インターネットバンキング・モバイルバンキング・ATMから納付する方法があります。

 電子納税のメリットは?
 自宅や会社からインターネット等、または、金融機関の窓口でなくATMを利用して納付手続きができるため、時間の制約が少なくなります。

(税理士:倉田崇史)

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