Category: 地方税

8月 07 2014

固定資産税上がりましたか?

 毎年4月に固定資産税課税明細が市町村から送付されてきます。細部をじっくりとご覧になる方は少ないでしょうが、居宅敷地に係る固定資産税が増えたことに気づかれた方は少なくないでしょう。実はマイホーム敷地など住宅用地に関して、平成26年度から税額計算ルールが変更されています。

 固定資産税(都市計画税を含む)は、市町村が当該市町村内に所在する土地家屋等の所有者に課する税金です。市町村は原則として3年ごとに評価替えを行います。本来であれば、毎年評価替えを行うべきでしょうが、市町村内の土地家屋すべてを評価するのは労力が掛かり、徴税コストが膨大になります。そこで3年ごとに大規模な評価替えを行い、3年間は価格を据え置く制度を採用しています(但し、土地に関しては毎年簡易な下落修正を施すことがあります)。

 評価替えは平成以降、3の倍数の年度に実施されています。直近では平成24年度評価替え、次回は平成27年度評価替えとなります。評価替えの年度ではない平成26年度に住宅用地に係る固定資産税額が増額となったのは「評価額」ではなく、「課税標準額」の計算ルールが変更されたからです。

 土地に係る固定資産税は、評価額に直接、税率を乗じて算出されるわけではなく、前年度の課税標準額(税額計算の基となる金額)に負担調整措置を施して求められます。前年度課税標準額の今年度評価額(住宅用地に関しては特例率を乗じた額=特例適用後金額)に対する割合を負担水準といいますが、平成26年度からは負担水準が100%未満の場合は、前年度課税標準額に特例適用後金額の5%を加算した金額が平成26年度課税標準額(但し、この金額が特例適用後金額を超えるときは特例適用後金額)となりました。概ね前年と比較して5~7%程度税額が上がる計算です。

 これは平成24年度税制改正により、負担の均衡化を促進する観点から、税負担を据え置きとする措置が段階的に廃止されることとなり、負担水準が90%以上100%未満である場合に課税標準額を前年度(比準)課税標準額に据え置いていた措置が、平成26年度から廃止されたためです。
 他方で名古屋市を中心に地価は上昇傾向を強めています。3月に公表された平成26年度地価公示では、名古屋市の住宅地平均変動率は前年比+2.6%であり、前回の変動率+0.4%を大きく上回る結果となっています。来年は固定資産税の評価替えです。評価額は平成24年度から大きく上昇する地域が少なくないと見られ、名古屋市などでは土地に係る固定資産税の更なる増加はほぼ確実な情勢です。

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(税理士 樋沢武司)

5月 01 2014

不動産取得税の概要

1.あらまし

 不動産取得税とは、不動産(土地や家屋)を取得した場合に課される税金(県税)です。取得した時に一度だけ課税されます。取得原因は売買,贈与,交換,建築(新築,増築,改築),遺贈です。法人,個人を問わず、課税されます。
ここで注意すべき点は相続により取得した場合には課税されません。遺贈については、包括遺贈(財産の配分割合を指定して遺贈)により取得した場合や相続人が特定遺贈(具体的に財産を指定して遺贈)により取得した場合には課税されませんが、相続人以外の人が特定遺贈により取得した場合には課税されます。

2.税額計算

 次の算式により求めます。
取得した不動産の価格(課税標準額)×税率=税額

なお、ここで言う不動産の価格とは、不動産の実際の購入価格や建築工事費ではなく、総務大臣が定めた固定資産評価基準によって評価し決定された価格(評価額)で、原則として固定資産課税台帳に登録されている価格をいいます。ただし、平成27年3月31日までに宅地等(宅地及び宅地評価された土地)を取得した場合は、取得した不動産の価格×1/2を課税標準額とします。

3.税率

 税率は、土地や住宅の場合、3/100で、住宅以外の家屋(店舗や事務所など)は4/100です(平成20年4月1日~平成27年3月31日までの取得の場合)。

4.軽減措置

 不動産取得税には軽減措置が設けられています。

(1)新築住宅を取得した場合
 住宅の床面積が50㎡以上240㎡以下(戸建以外の貸家住宅の場合は、床面積が40㎡以上240㎡以下)の場合、課税標準額から1,200万円(認定長期優良住宅の場合は1,300万円)が控除されます。
(2)中古住宅を取得した場合
①住宅の床面積が50㎡以上240㎡以下であること。
②個人である取得者が自己の居住の用に供すること。
③昭和57年1月1日以後に新築されたものであること又は新築から取得までの年数が一定の年数(木造などは20年,鉄骨造などは25年)以内であること。
 上記①から③のすべての要件を満たすことで、課税標準額から1,200万円が控除されます。
(3)住宅用土地を取得した場合
①土地を取得後3年以内にその土地の上に住宅が新築されていること。
②土地を取得した人が、その土地を取得した日前1年以内に住宅を新築していること。
③土地を取得した人が、その土地を取得した日から前後1年以内に、その土地の上にある中古住宅を取得していること。
④その他一定の場合(詳しくは県税事務所にお尋ね下さい)。
上記①から④のいずれか一つを満たすことで、
(Ⅰ)45,000円
(Ⅱ)土地1㎡当たりの価格(宅地の場合は価格の1/2)×住宅の床面積の2倍(200㎡が限度)×3%
のいずれか高いほうの金額が税額から控除されます。
(4)申告手続き
 上記(1)から(3)の軽減を受けるためには、住宅や住宅用土地を取得した日から原則として60日以内に、不動産取得税申告書を県税事務所に提出する必要があります。

5.免税点

 あまりに少額の不動産についてまで課税する必要もないだろうということで、免税点が設けられています。課税標準額が、土地は10万円,建築により取得した家屋は23万円,建築以外で取得した家屋は12万円に満たない場合は、課税されません。

(税理士 西田好伸)

2月 11 2014

ふるさと納税の概要と確定申告

お礼の特産品をもらえる自治体も

Q ふるさと納税とは、どのような制度ですか?
A ふるさと納税は平成20年から導入され、納税者が地方公共団体に寄付した場合、寄付金額の一部が個人住民税や所得税から控除される制度です。
寄付の返礼の特産品を設けている地方公共団体もあります。

Q どういった地方公共団体が寄付先になるのですか?
A 出身地や過去の居住地に限らず、任意の地方公共団体を寄付先として選択できます。また、現在居住する地方公共団体にも寄付できます。

Q 県と市など複数の地方公共団体に寄付することは可能ですか?
A 可能です。なお、複数の地方公共団体に寄付した場合には、それぞれの寄付金を合算した金額をもとに税軽減の金額を計算します。

Q 寄付をした場合の具体的な税額の計算方法はどうなりますか?
A 給与収入700万円の方が5万円の寄付をした場合を想定し、その世帯の住民税率を10%、個人住民税所得割額を50万円、所得税率を10.21%と仮定した場合の計算例は次のようになります。
1 個人住民税の税額控除額
 (1)基本控除分(50,000円-2,000円)×10%=4,800円
 (2)特例控除分
  (50,000円-2,000円)×(100%-10%-所得税率10.21%)=38,300円
※(2)の特例控除分については、税額控除前の個人住民税所得割額の10%を限度(50万円×10%=5万円なので限度額の範囲内)
 (3)個人住民税の控除額の合計
  (1)+(2)=43,100円(3)
2 所得税の所得控除額
 (50,000円-2,000円)×10.21%=4,900円(4)
3 控除額の合計
 (3)43,100円+(4)4,900円=48,000円
※寄付額50,000円と税軽減額48,000円との差額2,000円は、実質的な自己負担額と言えます。

Q 税軽減の適用を受けるにはどういった手続きが必要ですか?
A 通常は確定申告を要しない給与所得者でも、税軽減の適用を受けるには所得税の確定申告が必要です。確定申告書には、寄付金の受領書の添付が必要です。
 なお、所得税の確定申告をした場合には、税務署から市区町村に自動的に連絡されますので、市町村への申告の必要はありません。

(税理士 村田明優)

2月 06 2014

ふるさと納税について

 個人が地方自治体に寄付をした場合には、税制上の優遇措置(以下「寄付金控除」といいます。)の適用を受けることができます。
 一般的に「ふるさと納税」と言われるこの制度は、納税者のふるさとに対する想いを税制上で後押しする目的から、平成20年度税制改正により導入されました。この制度の対象となる寄付金(以下、「ふるさと寄付金」と言います。)については、所得税の確定申告をすることにより、所得税と住民税から一定額が控除されます。寄付金額の内の一定額を税金から控除することにより、寄付者の自己負担を極力抑えつつ、税金の一部をふるさとに納税する事と同様の効果をもたらす、という制度設計になっています。
 現行では、次表のように寄付者の年収等にもよりますが、一定額までの寄付金については、原則として2,000円を越える部分の全額が、所得税と住民税から控除されます。

<2,000円を除き全額控除される寄付金上限額と寄付金控除額の目安>
給与収入 寄付金上限額 所 得 税 住 民 税 控除合計額
300万円 14,000円 600円 11,400円 12,000円
500万円 30,000円 2,800円 25,200円 28,000円
700万円 53,000円 10,200円 40,800円 51,000円
900万円 76,000円 14,800円 59,200円 74,000円

※独身の方又は税制上の控除対象配偶者や扶養親族がいない方を前提とした目安です。
※例えば、年間給与収入500万円の方が、平成26年に30,000円の寄付をした場合は、平成26年分の所得税から2,800円、翌年課税の平成26年度住民税から25,200円の合計28,000円が控除されます。
※あくまでも、一般的なケースでの目安ですので、場合によっては控除額が上記より減少することもあります。

 この制度は、「ふるさと納税」という名称から、一見すると寄付先はご自身の出身地等に限られると思われるかもしれませんが、実はそうではありません。国内のどの都道府県・市町村への寄付であっても「ふるさと寄付金」に該当します。この点は、制度創設の趣旨から若干外れていますが、寄付者の様々な思いや自治体の事務負担等を考慮した結果、寄付先の自治体に制限は設けられていません。従って、例えば東日本大震災で被災した自治体へ寄付をすれば、直接的な復興支援に繋がります。実際に、総務省によれば、東日本大震災が発生した平成23年分の「ふるさと納税」の申告実績は、寄付者数が約74.2万人(前年約3.3万人)、寄付金額が約649億円(前年約67億円)と、それぞれ前年比で大幅に増加しています。
「ふるさと納税」による寄付をする際の主な留意点は次の通りです。(詳細は総務省のホームページ等をご覧ください。)

  1. 原則として、金融機関での納付書払い等、現金による寄付に限ります。(具体的な寄付方法は各自治体により異なりますので、事前に各自治体のホームページ等でご確認下さい。)
  2. 寄付をしただけでは「寄付金控除」の適用は受けられませんので、自治体から交付された領収書等を添付して、必ず所得税の確定申告を行って下さい。なお申告期間は、原則として寄付をした年の翌年2月16日から3月15日までですが、給与等について勤務先で年末調整を受け、本来は確定申告義務がない方の場合は、2月15日以前でも行うことができます。また、所得税の確定申告を行えば、住民税の申告は必要ありません。

 自治体の中には、ふるさと納税をした方に対し、地域の特産品を贈答したり、自治体の様々な活動への参加を呼びかけたりする所もあるようです。「ふるさと納税」を利用して、ぜひ被災地やご自身の思い入れのある自治体を応援してみてはいかがでしょうか。

(後藤大輔)

11月 07 2013

所得税と住民税の違いと注意点

 毎年納税している身近な税金にもかかわらず、意外と知られていない所得税と住民税の違いについてご説明します。
 どのような「違い」が有るのか、所得税は所得の高い人には高い税率となる超過累進税率ですが、住民税の税率はお住まいの自治体で多少異なりますが、全国ほぼ一律となっています。
 また、住民税の所得控除(税金の計算上個々人の事情に応じて差し引く金額)は所得税より低く設定されています。このような差について、所得税は所得の再配分機能が強いのに対して、住民税は負担分任(地域社会の費用を共同負担する)の性格から広く納税者に負担を求めるため、と考えられています。
 以下に主な相違点を掲載します。お手元にご自身の24年の「給与所得者の源泉徴収票」又は「所得税の確定申告書」と、本年通知の住民税の「特別徴税額の決定通知書」又は「住民税納税通知書」を用意し、下記とぜひ見比べてください。

主な相違点 所得税 住民税
課税方式 申告納税方式
(自分で税額を計算し納付)
賦課課税方式
均等割
(均等の一定の税額)
なし 所得者であれば、どなたでも一定額の負担がある
給与から天引きされる額 当月支給額を基礎
年末調整で精算
前年の所得に基づき賦課
所得控除
基礎控除、一般扶養控除等
380,000円 330,000円
所得控除
生命保険料控除の最大
120,000円 70,000円
所得控除
地震保険料控除の最大
50,000円 25,000円
所得控除
寄付金控除
有り 無し
(寄付金税額控除制度有り)
税率 超過累進税率
(5~40%の6段階)
比例一定税率(10%)

 上記を踏まえての主な注意点は、以下のとおりです。

  1. 所得税がかからなくとも住民税は発生するケースがあるので、所得控除の控除もれがないようにしましょう。
    例えば年間給与103万円までの場合、所得税は0ですが、住民税は基礎控除が5万円低く抑えられているため、支払いが有る場合には、生命保険料控除や医療費控除を申告してください。
  2. 住民税が前年の所得に対してかかるため、新入社員に住民税は発生しませんが、退職者は収入が無くても住民税が発生するということもあります。
  3. 賞与からの天引きについて、所得税は概算徴収なので天引きが必要ですが、住民税は年間金額が確定しており月々給与から徴収しているので、賞与から天引きする必要がありません。

なお詳しい情報は、最寄りの税務署や市役所、税理士事務所にお問合せいただくと、入手する事ができます。(税理士 古田喜久雄)

4月 09 2013

固定資産税

Q 自身初めての固定資産(土地付き住宅)を購入しました。固定資産税がかかると聞きましたが、どのような税金ですか。
A 固定資産税は、毎年1月1日現在の土地、家屋及び償却資産(土地家屋以外の事業に供することができる資産)に対して、その所有者を納税義務者として、その固定資産が所在する市町村が、その固定資産の価格に応じて課税する税金のことです。

Q 税率はどうなっていますか
A 一律、固定資産課税標準額に対して1.4%です。又、市街化区域内の土地建物に付いては「都市計画税」0.3%が別途計算されます。(各税率は各市町村の条例の定めるところによって異なる場合があります)

Q 固定資産課税標準額とは土地や建物の購入価格のことですか。
A いいえ、土地や建物の固定資産課税標準額とは「総務大臣が定める固定資産評価基準」に基づいて査定されたその資産の価格のことです。各特例や負担調整が適用されますので、実際の売買価格よりも評価額が低くなります。又この査定は3年ごとに市町村により評価替えが行われます。

Q その評価額に不服がある場合はどうしたらいいでしょうか。
A 市町村長に対して異議申立を行うことが出来ます。
納税通知書を受け取った日から起算して60日以内とされています。市町村長は申立を受理した日から30日以内にその申立に対する決定をしなければならないことになっています。

Q 免税点について教えて下さい。
A 市町村は同一のものについて、その市町村の区域内のその者の所有する固定資産の課税標準となるべき金額が、土地については30万円、家屋については20万円、償却資産については150万円に満たない場合は固定資産税を課すことができません。
(市町村の条例によりこの金額に満たない場合でも課すことがあります)

(税理士 長瀬 徹)

4月 03 2013

固定資産税の基礎知識と特例について

1.固定資産税の基礎知識

 固定資産税の課税対象とされている固定資産は土地・家屋・事業用の償却資産です。土地と家屋については、毎年1月1日現在で市町村の固定資産課税台帳等に所有者として登録されている人に対して課税されます。
 マンションなどを購入した場合、固定資産税等の年額を日割りで計算し、売主と買主との負担割合を決めるが慣例となっていますが、この場合であっても1月1日時点の所有者が1年間分の納税義務者となります。
 事業用の償却資産とは、土地及び家屋以外の事業の用いる構築物や機械装置等をいいます。償却資産を所有されている方は、毎年1月1日現在所有している償却資産の内容について、1月31日までに償却資産の所在する市区町村に申告する必要があります。その申告に基づいて課税標準額が決定します。
 税額は、固定資産課税標準額に税率を乗じる事により算出されます。税率は都道府県及び各市町村が設定することが可能で、標準税率は1.4%と定められています。またそれぞれに免税点が定められており、同一市区町村で所有する土地30万円・家屋20万円・償却資産150万円に満たない場合は課税されません。
 地方税収のうち、固定資産税の占める割合は大きく、約24%となっています。また、固定資産税の内訳としては家屋 約40%・土地 約40%・償却資産 約20%です。1304_chukei

(出所) 総務省 地方税収等の状況 地方税収の構成

2.固定資産税の特例
住宅用地については、税負担を軽減する必要から課税標準額の特例措置が設けられています。今回は代表的な特例をご紹介します。

(1)住宅用地の課税標準の特例
住宅用地については200平方メートルまで登録価格の6分の1が課税標準額となります。200平方メートルを超え、住宅の床面積の10倍までの部分については、登録価格の3分の1が課税標準額となります。
(2)新築住宅(認定長期優良住宅)の税額控除
平成26年3月31日まで、新築の一定規模の住宅は、新たに課税される年度から3年度分(認定長期優良住宅については5年度分)、120平方メートルまでの居住部分に相当する固定資産税額の半額が軽減されます。

(税理士 中明 勇貴)

2月 04 2013

復興特別税 東日本大震災からの復興財源確保 国民の血税、有効活用を願う

 今年1月から、復興特別税が一部スタートしました。東日本大震災からの復興のための施策に必要な財源を確保するため、平成23年12月2日に復興財源確保法ほか(平成23年法律第117号及び平成23年法律第118号)が公布され、復興財源となる復興国債(復興債)の発行と復興債の償還のための臨時増税(復興特別所得税、復興特別法人税及び個人住民税均等割の増額)の実施が決まりました。

1.復興特別所得税

 所得税の納税義務者及び源泉徴収義務者たる個人及び法人に対し、今年1月から25年間(平成25年1月1日から平成49年12月31日まで)、従来の所得税に加え、基準所得税額に対して2.1%の復興特別所得税が課されることになりました。
 この復興特別所得税は、申告所得税のみならず、源泉所得税(給与、利子及び配当、報酬)にも適用されます。よって、申告所得税に対する復興特別所得税は平成25年分所得税つまり平成26年3月申告分からですが、源泉所得税に対する復興特別所得税ついては1月分の源泉徴収から適用されています。先月の給与には復興特別所得税2.1%が追加課税されており、給料から引かれた税金が多いと気づかれた方もみえたと思います。
なお、1月分かどうかの判断ですが、国税庁の「復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A」によると、給与については定められた支給日で復興特別所得税が課されるかどうかを判断するのに対し、税理士等の報酬については支給日ではなく、権利確定日(役務提供完了日)で判断することとなっているため、注意が必要です。

2.復興特別法人税

 法人に対し、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間内に最初に開始する事業年度開始の日(3月決算法人の場合は、今年の3月決算事業年度です。)から3年間、従来の法人税に加え、課税法人税額に10%の復興特別法人税が課されることになりました。
 ただし、この復興特別法人税は、平成23年12月改正で決められた法人税率の引き下げ(大法人の所得金額:30%→25.5%、中小法人の所得金額のうち年800万円超の部分:30%→25.5%、中小法人の所得金額のうち年800万円以下の部分:18%→15%)と同時に実施されるため、復興特別法人税が課されても、結果的には、従前より全体の税率は低くなっています。
また、法人が支払った利子及び配当に対する源泉所得税に対する復興特別所得税は、復興特別法人税から控除されます。

3.個人住民税均等割の増額

 個人に対し、平成26年度から平成35年度までの10年間、個人住民税均等割の税額が年額1,000円引き上げられて、年額5,000円とされることとなりました。つまり、来年からは、都道府県民税の均等割1,000円が1,500円に、市町村民税の均等割3,000円が3,500円に増額となります。

(税理士:朝比奈鋭一)

4月 10 2012

固定資産税についてのQ&A

Q1 固定資産税とはどんな税金ですか?
A1 毎年1月1日現在、固定資産を所有する者に対し、その固定資産の価格をもとに市町村が課税する税金です。

Q2 固定資産とはなんですか?
A2 固定資産とは、土地、家屋および償却資産をいいます。償却資産とは、事業者が所有する構築物、機械・装置、工具・器具・備品等の事業用資産をいいます。

Q3 固定資産税を納める人は誰ですか?
A3 1月1日現在、固定資産の所有者として市町村の固定資産課税台帳に登録されている方です。土地・家屋については、登記簿に所有者として登記されている方です。なお、不動産売買や取り壊し等、固定資産の異動があった場合も、その年の納税義務者は変わりません。

Q4 固定資産の価格はどのように決まるのですか?
A4 固定資産の価格は、「適正な時価」となります。土地、家屋については、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて、3年に1度、市町村長が評価額を決定します。そのため、固定資産の購入価格とは必ずしも一致しません。

Q5 家屋の固定資産税が急にあがることはありますか?
A5 新築の住宅に対しては、一定の要件のもと3~5年間、固定資産税の減額措置(2分の1)が設けられております。この期間が終わると、通常の税額に戻ります。

Q6 土地の固定資産税が急に上がることはありますか?
A6 土地の上に一定の要件を満たす住宅がある場合、固定資産税の減額措置(6分の1あるいは3分の1)が設けられております。住宅を取り壊した場合や滅失した場合、翌年から特別措置の適用がなくなり、通常の税額に戻ります。

(税理士 折戸俊行)
4月 09 2012

住民税について

1.住民税という税金あるの?

一般に、住民税といいますと、その用語からして、個人に課税されるものとのイメージが強いかと思われますが、法人に対しても課税されます。会社を経営されている方には、法人事業税などと共に馴染みが深いかもしれません。住民税は、都道府県民税と市町村民税に分けられ、更に納税義務者別に個人・法人に対するものに区分されることになります。したがいまして、住民税という税目が法令上存在するのではなく、住民税とは、都道府県民税と市町村民税を合わせた総称を意味します。また、個人・法人別に、個人住民税、法人住民税などと用いられることもあります。
以下では、収入のある個人に身近に関わってくる個人住民税について、その概要(図表:出典 総務省ホームページ)を国税である所得税との比較を交えながら、確認してみます。

2. 個人住民税の概要

個人住民税は、税率の観点からは、均等割と所得割という2つに区分されます。
均等割とは、所得税にないもので、年額4,000円が標準額(都道府県1,000円、市町村3,000円)として定められています。
一方、所得割は、所得税の計算の仕組みと似ています。
所得税と個人住民税の仕組みにおいて、異なる点としては、例えば、①課税方式、②課税標準(いわゆる所得)、③税率、④所得控除があげられます。

  1. 課税方式
    所得税が申告納税方式(納税者又は勤め先である源泉徴収義務者の申告、年末調整により税額を確定)であるのに対し、個人住民税は賦課課税方式(市町村が税額を計算、確定)となっています。
  2. 課税標準
    所得税が現年の所得金額であるのに対し、個人住民税の所得割は前年中の所得金額となっています。したがいまして、個人住民税が給料より天引きされているサラリーマンの方を例にとりますと、通常、5月~翌年6月のサイクルで前年の所得金額に対する個人住民税が現年の給料より徴収されますので、個人住民税は後払いの性格を持っているといえます。
  3. 税率
    所得税が5%~40%の累進税率であるのに対し、所得割は、一律10%(都道府県4%、市町村6%)の標準税率となっています(分離課税分を除きます)。
  4. 所得控除
    特にそのうちの人的控除と呼ばれるもの(例えば、基礎控除、配偶者控除、扶養控除)などについては、所得税における控除額よりも、個人住民税における控除額の方が小さく設定されています。したがいまして、個人住民税の課税最低限は、所得税のそれよりも低くなります(モデルケースとしての夫婦子2人の給与所得者で、55万円の差が生じています)。

ここに示した相違点は、いくつかあるうちの一部ですが、それぞれ所得税と個人住民税の性格の違い(例えば、個人住民税は、地域社会における費用を皆で分担し合う応益課税という考え方があるといわれています。)から生じていると考えられます。

3.自分で計算してみる

所得税の確定申告をされている方は、比較的、個人住民税の仕組み・計算過程に関しても知識が深いかもしれません。サラリーマンのような勤め人の方の中には、社会保険料と同じように、毎月天引きされることから、あまり意識されたことがない方もみえるかもしれません。各人に対し、毎年6月前後で、勤め先を通じて、個人住民税の計算明細書の交付があるはずです。まだあまり意識されたことのない方は、今年、一度じっくり、給与所得の源泉徴収票(平成23年分)と個人住民税の計算明細書(平成24年度)を比較してみて、その仕組みの違いなどを確認してみるのも、身近な税を知るよい機会かもしれませんね。

個人住民税の概要

(税理士:寺澤 典洋)

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