Category: 岐阜新聞

10月 18 2016

ふるさと納税と確定申告

Q.最近話題の「ふるさと納税」を行いたいと思いますが、前年から申告が不要となったと聞きましたが詳しく教えて下さい。

A.ご質問のとおり平成27年度の税制改正により、確定申告を行わなくてもふるさと納税の寄附金控除を受けられる仕組み「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設されましたので申告は不要となりました。

しかし留意していただきたいのは、確定申告不要制度が使えるのは、次の6つの条件すべてを満たした人になります。

  1. 会社員である、
  2. 給料は1カ所からしかもらっていない
  3. 年収が2,000万円以下である
  4. 確定申告をする義務がない
  5. ふるさと納税をした自治体の数が5カ所以下である
  6. ワンストップ特例制度を利用することを「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」で申告した方となります。

この条件から一つでも外れる人は、確定申告をしなければなりません。

そして、最も注意をしたいのが、確定申告をすることによって税金が安くなる次のような方です。

  1. 医療費控除を受けて確定申告する方
  2. 住宅ローン控除の初年度の確定申告をする方
  3. 寄付した自治体の数が6カ所以上になった方など。

これらの控除を受ける場合、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を併用することはできません。つまり、確定申告において、①医療費控除や②住宅ローン控除を受けるのであれば、ふるさと納税についても同時に申告しなければなりません。

また③については「5カ所を超えた分だけ確定申告すればいいですか?」との質問を受けることがありますが、答えは、全部について確定申告をする必要があります。

この特例制度が適用できない方は、面倒がらずに確定申告をするようにしてください。

名古屋税理士会大垣支部・髙橋茂樹

9月 13 2016

太陽光発電による売電収入と所得税

Q 自宅に太陽光発電装置を設置して売電収入を得た場合、確定申告が必要と聞きましたがどのようにするのですか?

A  売電収入から必要経費を引いて、事業所得(大規模なもの)または雑所得として申告します。なお、余剰電力売電と全量売電では所得の計算方法が異なります。

Q 所得の計算はどのようにしますか?

A 所得は収入から必要経費を差引いた金額です。

必要経費は、「太陽光パネルの取得価格(設置のための工事費用等を含む)」をもとに計算した減価償却費、取得のための借入金の利子やメンテナンス費用などです。

1年間の減価償却費は、「太陽光パネルの取得価格」×0.059(法定耐用年数17年の償却率)の計算式で求めます。年の途中で取得した場合は、売電収入を得た月から12月までの月数で按分して計算します。

全量売電の場合は、売電収入から必要経費の全額を差引いた金額が所得となります。

余剰電力売電の場合は、全発電量のうち自宅で消費した電力量を上回る部分が売電収入となりますので、必要経費の全額を差引くことはできません。したがって、全発電量に対する売電した電力量の占める割合に応じて按分計算した必要経費を売電収入から差引いた金額が所得となります。

Q 所得が少なくても確定申告する必要がありますか?

A 給与を1 か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円以下の場合など、確定申告をしなくてもよい場合がありますので、税務署や税理士にお尋ねください。

 (名古屋税理士会岐阜南支部・田中雅裕)

8月 09 2016

住宅の三世代同居改修工事等に係る特例の創設

Q:子ども家族との同居を考えています。住宅の改修工事を行うと税金関係の特典が受けられると聞きましたがどのようなものでしょうか。

A:あなたが所有し居住する住宅で、①キッチン、②浴室、③トイレ、④玄関のうち少なくとも一つを増設する改修工事を行い、その結果、リフォーム後に①~④のいずれか2つ以上が複数となった場合、一定の金額が所得税額から控除されます。

ただし、その工事費用が50万円(補助金が受けられる場合は補助金控除後)を超えている場合に限ります。

控除額の計算は、借入を行った場合(1)と行わなかった場合(2)それぞれにあります。

(1)三世代同居改修工事等を含む増改築等の費用に充てるための借入を行った場合、増改築工事全体のローン残高(1000万円が限度)の1%及び工事全体のうち三世代同居改修工事のローン残高(250万円を限度)の2%が所得税額から控除できます。

控除できる期間は5年間となります。

(2)借入を行わなかった場合は三世代同居改修工事に係る標準的な費用の額(250万円を限度)の10%が所得税額から控除できます。

居住の用に供した年が控除対象となります。

(1)又は(2)の税額控除を受けるには、増改築等の工事証明書を確定申告書に添付する必要があり、所得金額(3,000万円以内)の制限もあります。適用期間は平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間に居住の用に供した場合となります。

三世代同居改修工事となっていますが三世代同居は要件となっていませんので、後々に備えての改修工事であっても対象となります。

 

名古屋税理士会岐阜北支部・中川しのぶ

7月 12 2016

個人事業主の開業について

Q  個人でお店を開業する場合には届出が必要と聞きましたが、どんな届出をどこに出せばよいのでしょうか?

A  個人が新たに事業を開始した場合には、所得税及び源泉所得税並びに消費税に関する各種届出書等を最寄りの税務署に提出することが必要となります。
代表的な届出書等は次の通りです。

〇 個人事業の開廃業等届出書(事業開始の日から1か月以内)

〇 所得税の青色申告承認申請書(原則、承認を受けようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に開業した場合には、開業の日から2か月以内))

 

Q  青色申告とはどのような制度ですか?どんな特典がありますか?

A  青色申告とは、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるような精度の高い帳簿を作成し、それを基に申告する制度です。記帳の手間をかける分だけ税制上さまざまな特典があり、「青色申告特別控除」「青色専従者給与」「引当金の繰り入れ」「純損失の3年間の繰越控除」といった特典が認められています。

 

Q  開業後、家族にお給料を払いたいと思いますが、そのまま支払ってしまっても経費として認められますか?

A  一緒に暮らしている家族が納税者の経営する事業に従事している場合、納税者がこれらの人に給与を支払うことがありますが、これらの給与は原則として必要経費にはなりません。しかし、青色申告者の場合は「青色事業専従者給与に関する届出書」を最寄り税務署に提出していること等、一定の要件を満たしていれば、適正な金額が必要経費として認められます。また白色申告者の場合には事業主の配偶者であれば86万円、配偶者でなければ専従者一人につき50万円が必要経費として認められます。

 

名古屋税理士会中津川支部・山村祥弘

6月 14 2016

不動産所得の事業的規模の有無における取扱い

Q不動産所得は事業的規模で行われているかどうかにより取扱いが異なりますか。

A不動産所得は、これを事業と称すべき規模で行っているかどうかにより、その取扱いに違いがあります。不動産の貸付けが事業的規模で行われている場合には、事業所得と同様の取扱いとなりますが、事業的規模に至らない場合には雑所得に近い取扱いとなります。

 

Q事業的規模かどうかの判定はどうすればよいですか。

事業的規模であるかどうかは、社会通念上事業と称するに至る程度の規模で不動産の貸付けを行っているかどうかにより判定することになります。

ただし、建物の貸付けについては、次に掲げる基準のいずれかに該当する場合には、原則として事業として行われているものとして取扱われます。

(1)貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10室以上であること。

(2)独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。

 

Q事業専従者の取扱いは異なりますか。

事業的規模であれば、青色申告者については青色事業専従者給与の必要経費算入が認められおり、白色申告者については事業専従者控除額が必要経費とみなされる取扱いがありますが、不動産の貸付けが事業的規模で行われていない場合には、これらの適用はありません。

Q青色申告特別控除の取扱い異なりますか。

A事業的規模である青色申告者は、不動産所得に係る取引を複式簿記により記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表を損益計算書とともに確定申告書に添付して法定申告期限内に提出している場合には、最高65万円を控除することができますが、事業的規模でない場合には最高10万円の控除となっております。

(名古屋税理士会関支部・勝野高司)

 

5月 10 2016

消防団協力事業所支援減税制度について

岐阜県において平成28年4月1日より、「消防団協力事業所支援減税制度」という制度が始まりました。
この制度は、消防団の活動に対して理解し、活動を行いやすい職場づくりに取り組み、またその活動に協力している事業所などに対して、事業税の優遇措置という形で支援を行うものです。

近年、消防団は団員数の減少傾向がつづいており、また会社員などの被雇用者の割合が8割と、現在では雇用者の協力がなくては消防団の存続は難しい状況にあるそうです。
今回はこの制度についてお答えいたします。

Q1.どんな税金が減税の対象となりますか?

A1.岐阜県における法人事業税、個人事業税が対象となります。

Q2.どのような事業所が対象となりますか?

A2.岐阜県知事の認定を受けた法人又は個人事業者が対象となります。ただし、資本金の額などが1億円を超える法人については適用はありません。

Q3.制度を受けることのできる期間を教えてください。

A3.法人は、平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に終了する各事業年度、個人事業者については、平成28年、平成29年分です。(事業税の減税は平成29年度、平成30年度分)
この制度を受けるためには申請が必要となります。申請時期は法人はその事業年度終了の日から1月以内、個人事業者は、その年の翌年3月15日までです。

Q4.事業税はどのくらい減税されますか?

A4.事業税額の2分の1(100万円を限度※)です。※一定の要件を満たす場合は200万円を限度

Q5.岐阜県知事の認定とは何ですか?

A5.認定基準日(法人はその事業年度終了日、個人事業者はその年12月31日)において次のすべての要件を満たしている必要があります。

1. 県内のすべての事業所が、市町村が実施する「消防団協力事業所表示制度」による、表示票の交付を受けていること。
2. 県内の事業所に消防団員が1人以上いること。
3. 消防団活動に配慮した規定(就業規則など)を整備していること。

この制度について、詳しく知りたい方は、税理士または岐阜県へお問い合わせください。

(名古屋税理士会多治見支部・田中邦彦)

4月 12 2016

新しい贈与税の特例について

Q 平成27年4月から始まった「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置」はどのような制度ですか。

A 子や孫の結婚・出産・子育てを支援するため、平成27年4月1日から、平成31年3月31日までに、両親や祖父母等(直系尊属)から子・孫等に結婚・子育て資金を一括して贈与する場合に、子・孫等毎に1,000 万円までを非課税(結婚関係の費用は300万円を限度)とする措置が創設されました。

具体的には、贈与された資金を、金融機関において20歳以上の子・孫等(受贈者)名義の専用口座により管理し、専用口座から払い出した金銭が結婚・子育て資金に充てられたことを金融機関が領収書等により確認・記録し、保存します。専用口座は、子・孫が50歳に達する日などに終了します。

なお、契約が終了する日に結婚・子育て資金の支払に充てられていなかった残額がある場合、当該残額には贈与税が課税されます。また、契約が終了する日までの間に贈与者が死亡した場合で、死亡時に結婚・子育て資金の支払に充てられていなかった残額がある場合、当該残額は贈与者から相続または遺贈により取得したものとみなされ相続税の課税対象となります。

 

Q どのような費用であれば、1,000万円まで贈与税が非課税となりますか。

A 受贈者の結婚または妊娠・出産・育児関係の一定の使途に要する費用として支払われたことが、事業者等からの領収書等により確認できる費用が対象です。

結婚関係の費用としては、挙式等に要する費用として、挙式料、会場費、衣装代、飲食代など、賃貸住宅に関する費用として、賃料、敷金、礼金、仲介手数料など、また、引越し費用が含まれます。

妊娠・出産・育児関係の一定の使途に要する費用としては、不妊治療や妊婦健診に要する費用や出産や産後ケアに要する費用、また、未就学児の医療費や保育所・幼稚園・認定こども園・ベビーシッター等に要する費用が含まれます。

なお、扶養義務者間で、必要な都度支払われる生活費または教育費については、本非課税措置にかかわらず贈与税は非課税です。

不明な点は、お気軽に所轄の税務署、または税の専門家である税理士までお尋ねください。

(名古屋税理士会高山支部・島田哲吉)

3月 08 2016

確定申告を間違えたとき

Q 医療費の還付申告を行い、還付金を受け取り、申告内容を再確認したところ、誤りが見つかりました。どうしたらよいでしょうか。

A1 (法定申告期限3月15日までに対応する場合)

正しい内容の確定申告書を作成し、3月15日までに税務署に提出してください。

その際、受け取った還付金が少なすぎた場合は、差額が後日還付されます。

また、受け取った還付金が多過ぎた場合は、差額を金融機関又は税務署で3月15日までに納付してください。

 

A2 (還付金が少な過ぎた場合で法定申告期限3月15日以降に対応)

還付される税金が少な過ぎた場合や納める税金が多すぎた場合は、「更正の請求」という手続きを行い、正しい税額へ訂正を求めることができます。この手続きは、更正の請求書を税務署長に提出することにより行います。

税務署では、請求内容を検討して正当と認められたときは、正しい税額に減額して税金を還付することになります。

更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内です。

 

A3 (還付金が多過ぎた場合で法定申告期限3月15日以降に対応)

この場合は「修正申告」をして正しい税額に修正してください。

修正申告によって新たに納める税額は修正申告書を提出する日までに、延滞税と併せて納めてください。

なお、修正申告をすると、新たに納める税金のほかに過少申告加算税がかかりますが、税務署の調査を受ける前に自主的に申告すれば、過少申告加算税はかかりませんので、誤りに気がつかれましたらできるだけ早く修正申告をしてください。

名古屋税理士会大垣支部・棚橋敏行

2月 09 2016

医療費控除について

Q 医療費控除とはどういうものですか?

A 自分や生計を一にしている家族のために支払った一年分(1月1日から12月31日)の医療費が一定の金額以上の場合に受けられる所得控除のことをいいます。控除額は200万円までです。給与所得者の場合は、すでに納めた所得税の一部が戻ります。

 

Q どのようにすれば医療費控除を受けられますか?

A 確定申告をすれば受けられます。医療費控除のような還付申告は翌年の1月1日から5年間提出することができます。給与所得者は医療費控除に関する事項を記載した確定申告書に、勤務先から交付された源泉徴収票と医療費の支出を証明する領収書などを添付するか、確定申告書を提出する際に提示します。個人事業者などは確定申告の際に所得控除をします。病院や健康保険から医療費が戻る制度ではないので、お間違えのないようにしてください。

 

Q どのようなものが医療費控除の対象になりますか?

A 主に治療目的のものが認められます。医療機関で受けた治療費や処方された医薬品はもちろんのこと、出産費用や通院・入院のための交通費など保険診療・自由診療に関わらず対象となります。治療費用の金額は低額であっても高額であっても関係ありません。ただし、生命保険契約などで支給される入院給付金や健康保険から支給される高額療養費・出産育児一時金などはその支払った医療費から差し引きます。また、医療機関に支払ったものであっても、美容目的や予防、健康増進のためのものは対象となりません。

 

Q 確定申告は医療費を負担した本人が行うのですか?

A はい。生計を一にする家族の分を含め、実際に医療費を支払った者が申告することとなります。

 

名古屋税理士会岐阜南支部・楢谷清美

1月 12 2016

身近な税相談 住宅購入と贈与税の非課税

Q 結婚を機に住宅の購入を考えています。購入に関わる税金にはどのようなものがありますか。

A 住宅の購入時と居住後、それぞれの時期に各種税金が課税されます。購入時、売買契約書等に印紙税、建物に消費税、登記に登録免許税、その後不動産取得税が課税されます。居住後は所有している間、毎年固定資産税が課税されます。ただし、これらの税金は居住用に関する様々な優遇制度により、税率等が軽減されています。

Q 住宅の取得資金について両親から贈与を受けたいと考えています。また、子供が生まれた場合やその後の生活のなかで関わってくる贈与税について教えてください。

A 贈与税の非課税限度額が新設・拡充されています。制度の概要と手続きは以下の通りです。生活の場面に応じ、親から子・孫への資金移動に有効にお役立てください。

平成21年に新設された住宅資金非課税限度額(※1,200万円)と、さらに平成28年10月1日以降は特別住宅資金非課税限度額(※3,000万円)が新設され、一定の要件の下にいずれかが適用されます。適用を受けるためには、税務署へ贈与税の申告書を提出しなければなりません。

また、平成25年に新設された教育資金の一括贈与の非課税限度額(※1,500万円)と、平成27年に新設された結婚・子育て資金の贈与の非課税限度額(※1,000万円)は、適用期間が平成31年3月末までとなっています。適用を受けるためには、管理契約を締結した取扱金融機関に非課税申告書と支払に充てた金銭の領収書等を提出しなければなりません。

※限度額は適用年分・要件に応じ違いますのでご注意ください。

名古屋税理士会岐阜北支部・岡本実穂

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