12月 03 2007

会計参与とはなんですか ~会計参与が誕生した経緯~

 最近「監査難民」(講談社)という本が出版されました。カネボウの粉飾決算を旧中央青山監査法人の監査担当者である公認会計士が見逃したことにより、金融庁から業務停止の行政処分を受け更に公認会計士が東京地検に逮捕されたため、監査法人の信用力が失墜し解散に追い込まれてしまいました。その結果、株主総会で会計監査人を選出できない企業が出てくるという深刻な状況が予想されました。監査報告書を添付した有価証券報告書を国に提出出来ないことが確認されれば、上場廃止となります。上場廃止による企業イメージの低下を恐れ、監査人不在で漂流する企業を描写しています。
 株式会社に代表される企業が日本の経済を担っていると言っても過言ではないでしょう。上場会社など社会的影響力が比較的大きい会社は公認会計士による外部監査を受け財務内容の開示に信頼性を付与しています。それを見て、株主や債権者等外部の利害関係者は投資又は取引の意思決定を行うことが出来ます。ところが企業の大部分を占める中小会社にあっては同族経営を中心とした閉鎖企業のため、企業の財務内容について外部に公表することは消極的でした。しかし、中小企業といえども倒産すれば、取引先など債権者に迷惑をかけることは必至です。そのため、以前から中小企業であっても、有限責任を享受する以上外部から財務内容のチェックを受けるべきであるとの議論がなされていました。
 この議論が俎上に挙がった切っ掛けは、昭和49年の商法改正でした。改正の発端は大会社の倒産、不正経理による乱脈経営の防止を図るため監査制度を強化するものでした。その後、昭和59年「大小会社区分立法及び合併に関する問題点」による限定監査、昭和61年「商法、有限会社法改正試案」による会計調査人による調査が法務省から提示されましたが、いずれの提案も税理士と公認会計士と間の調整がまとまらず見送られました。
 この問題も一旦終息したかのように見えましたが、商法の現代化~会社法への衣替えに伴って蘇生してきました。税理士と公認会計士(いずれも法人を含む。)が会計参与として会社の内部から財務内容をチェックするとの提案が出されました。

(税理士 林 隆一)

WordPress Themes