4月 07 2008

会計参与と中小企業の会計に関する指針との関係~会計参与が遵守すべき基準とは~

 平成17年8月1日『中小企業の会計に関する指針』が日本税理士会連合会・日本公認会計協会・日本商工会議所・企業会計基準委員会より公表されました。
 旧商法では、計算書類の作成に関して「公正なる会計慣行を斟酌すべし」という漠然とした規定が置かれ、その内容の曖昧さが問題となっていました。そこで、中小企業庁が平成14年6月「中小企業の会計に関する研究会報告書」を発表し、中小企業の会計のあり方について先鞭を切りました。平成14年12月日本税理士会連合会より「中小会社会計基準」、平成15年6月日本公認会計士協会より「中小会社のあり方に関する研究報告」が出され、中小会社の会計に関心が高まってきました。そこで、これらの報告を統合するために作成されたものが中小企業の会計に関する指針となりました。
 この指針は、中小企業が計算書類の作成に当たり、拠ることが望ましい会計処理や注記等を示しており、この指針に強制力はないが、一定の水準を保つために推奨されています。
 この指針の適用対象は、原則として商法適用会社等や会計監査適用会社以外の中小規模の株式会社とされ、特例有限会社・合名会社・合資会社・合同会社などもこの指針に拠ることが推奨されています。
 会計参与設置会社は、会計参与が取締役と共同して計算書類を作成することが目的であり、会計参与が拠るべき会計のあり方としてこの指針が存在意義を有しています。但し、会計参与設置会社がこの指針に拠らず、会計基準に基づいて計算書類を作成することは、問題ないとされています。
 中小企業の提供する会計情報は、当然ながら利害関係者の利害調整に資することが求められており、かつ、経営者が企業実態を把握し企業経営に生かすことも会計情報の役割として期待されています。
 会計参与がこの指針を積極的に利用し、指針に沿った会計処理や注記等が計算関係書類に反映することが、中小企業の会計に関する水準を向上することに繋がると思われます。

(税理士 林 隆一)
4月 07 2008

ドイツ・ミュンヘン税理士会との交流

名古屋税理士会は、2001年(平成13年)10月29日、ドイツ・ミュンヘン税理士会と友好協定を締結しました。友好親善合意書は、以下の内容とすることで両会の一致をみました。

  1. 名古屋税理士会とミュンヘン税理士会は、相互の理解を深めていくことを目的に、両団体の間での定期的な交流を推進する。
  2. 両会は、租税及び財政制度に関する研究に絶えざる進歩を図ることを目的に、税務及び会計制度、税務行政並びに租税救済制度における研究及び情報を交換する。
  3. 両会は、税理士の社会的使命の向上に資するため、また、税理士制度の絶えざる発展に寄与することを目的に、日本とドイツにおける税理士制度についての情報交換、会報交換など、多様な形式により広汎な交流を推進する。

 これまでの交流の歴史は、2001年(平成13年)3月友好協定締結事前打ち合わせのためドイツ訪問。同年10月、友好協定調印のためミュンヘン税理士会来日。2002年6月、友好協定答礼及びドイツ税務行政等視察のためドイツ訪問。2004年10月、ミュンヘン税理士会来日。2006年10月、ミュンヘン税理士会訪問。この時のテーマは、(1)国際的規制緩和の流れの中でのドイツにおける税理士制度の状況を知る、(2)先行している電子申告の状況を知る、でした。そして、2008年11月、本年秋、名古屋税理士会は3回目のミュンヘン税理士会受け入れを行ないます。前回2004年来日の際は、ミュンヘン税理士会第一副会長ハルトムート・シュヴァープ氏から「税理士の日常業務について」と題して、(1)税理士事務所における日常業務、(2)クライアントおよび報酬、(3)従業員の資格、(4)電子データ処理の利用、(5)税務申告書の作成、について講演いただきました。同じく副会長ヴェルナー・ツェトル氏から「税務調査、財政裁判所の手続及びその他の任務における税理士の立場」と題して、(1)税務調査におけるドイツ税理士の立場、(2)財政裁判所並びに裁判外手続におけるドイツ税理士の立場、(3)その他の任務におけるドイツ税理士の立場、について講演いただきました。ミュンヘン税理士会との交流は役員のみの儀礼的な訪問に止まらず、双方に共通したテーマをお互いに検討する具体的な活動でありたいとの思いがあります。
 今、私たち日本の税理士を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。そんな中、私たちは、国税庁のアウトソーシング事業への参加、年金受給者に対する申告相談、電子申告・納税システムの推進と普及、社会貢献としての租税教室の開催やNPO法人の支援など、国民の信頼を得るための事業を積極的に行なっています。今秋のミュンヘン税理士会との交流は、このような新たな事業展開の一助とすべく、名古屋税理士会全会員を巻き込んだ有意義な交流活動にしたいと考えています。名古屋税理士会は、昨年末、総務部を中心に、国際交流プロジェクチームを立ち上げ、2年前のミュンヘン税理士会訪問の際の御礼を兼ねて、日本の素晴しい自然や文化にも触れていただく機会を作り、ミュンヘン税理士会メンバーを大歓迎したいと思っています。 

(税理士 竹市憲正)
4月 07 2008

減価償却制度

 減価償却とは建物、機械設備などの減価償却資産について取得価額を各事業年度において費用化し課税所得計算上経費(損金)にすることです。日本における減価償却制度は諸外国に比べ費用化する期間が長く、経済界から国際競争力の強化という視点に立ち、企業の投資意欲の活性化を図るよう要望があり、昨年から減価償却制度が抜本的に見直されています。減価償却の前倒しにより各事業年度における減価償却費が増えれば税負担を軽減する効果があるので企業にとってはその分設備投資に資金を充てることができ、企業の投資意欲を高めることになります。
 具体的には、平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産については、従来取得価額の95%という償却可能限度額(減価償却をすることができる限度額)と残存価額(耐用年数経過時に見込まれる処分価額)を廃止し、耐用年数経過時点に1円(備忘価額)まで償却できることとするとともに、250%定率法が導入されています。
 250%定率法とは定額法の償却率(1/耐用年数)を2.5倍した率を償却率とする定率法により償却費を計算し、償却額が一定の金額(残存年数による均等償却の償却費)を下回る事業年度から残存年数による均等償却に切り換えて、耐用年数経過時に1円まで償却することにより従来の償却方法に比べて早期に償却することが可能になっています。
 平成19年3月31日以前に取得をした減価償却資産についても、従来の減価償却費の計算方法により償却可能限度額まで償却した後、5年間で1円まで均等償却できるようになりました。
 また、減価償却の耐用年数についても一部(フラットパネルディスプレイ製造設備等)の資産の耐用年数が短縮されています。
 今年の税制改正においても昨年の改正に引き続き減価償却制度の見直しが予定されています。減価償却における現行の法定耐用年数区分が機械装置について法定耐用年数区分は390区分と非常に多く、諸外国と比較してもアメリカが業種ごとで48区分、韓国も業種ごとで26区分、イギリスは1区分(償却率25%のみ)とかなり差があります。そこで今年の改正で法定耐用年数区分の大幅な削減をし、55区分に簡素化され、設備の減価償却が実際の使用実態に沿うように見直しが図られます。

(税理士 杉浦康晴)
4月 01 2008

医療費控除の対象について

.医療費を支払うと税金が戻ってくると聞いたのですが・・・?

.多額の医療費を支払ったときは、確定申告を行うことで所得税が還付されることがあります。 あなたや生計を一にする配偶者その他の親族の医療費を支払ったときは、所得金額から200万円を限度としての控除(医療費控除)を受けることができます。たとえば、下宿している大学生の子供のために支払った医療費は控除できますが、同居をしていても生計を別にしている父母の医療費は控除できません。
 なお、控除の対象になるのは、1月1日から12月31日までの間に実際に支払った医療費に限られますので、たとえ治療が終わっていても未払いになっている医療費は、その年中の控除の対象にはなりません。
 また、自己負担した医療費が控除の対象になりますので、健康保険からの高額療養費による給付金、出産育児一時金や生命保険契約などに基づく医療保険金などは自己負担額を医療費から差し引いてください。
 確定申告には医療費の領収書を添付するか提示しなければなりません。よって、日頃から医療費の領収書は必ずもらって保管しておく習慣を身につけておくと良いでしょう。なお、健康保険組合が発行する「医療費のお知らせ」は領収書の代わりとならないので注意してください。確定申告の相談で税務署や税理士事務所にお出かけの際には、給与の源泉徴収票(原本)、印鑑、銀行口座のわかるものを持参されることをお勧めします。

≪医療費控除の計算方法≫
(1年間に支払った医療費-保険などで補てんされる金額)-10万円又は所得金額の5%(どちらか少ない金額)=医療費控除額(最高限度額200万円)

≪医療費控除の対象になるもの≫
1. 医師による診察代、治療費
2. 治療に必要な医薬品の購入費
3. 治療に必要な医療器具の購入費
4. 出産費用
5. 治療のためのマッサージ料
6. 通院のための交通費
7. 入院中の食事代
8. 家政婦等に支払う療養上の付添費用
9. 医師による証明書が発行されたおむつに係る費用
10. 介護保険による居宅サービスの利用料など
11. 介護保険による指定介護老人福祉施設の施設サービス利用料(介護費に係る自己負担額及び食費に係る自己負担額として支払った金額の2分の1に相当する金額)
12. 不妊症の治療費
13. レーシック(エキシマレーザーによる近視矯正手術)

≪医療費控除の対象にならないもの≫
1. 医師等に対する謝礼
2. 人間ドックなどの健康診断や予防接種費用
3. 美容整形費用
4. 診断書の作成料
5. 健康増進や病気予防のための医薬品や健康食品の購入費
6. 親族等に支払う療養上の付添費用
7. 近視や遠視のためのメガネや補聴器等の購入費
8. 通院のための自家用車のガソリン代や駐車料
9. 分娩のため実家に帰るための交通費

≪医療費控除を受けるため必要な書類≫

* 治療・入院などのために支払った医療費等領収書
* 通院費用などの明細がわかるもの
* 保険金などで補てんされる金額がわかるもの
* 医師が記載した「おむつ使用証明書」等
* 介護保険制度下におけるサービス業者等が発行する証明書
* 医療費等の金額を記入集計したもの 例えば会場備え付けの「医療費控除の内訳書」
* その他参考となる資料

(税理士 永井孝幸)

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