11月 03 2008

エンジェル税制

まことに響きの良い税制ですが、まだ周知が足りないのか 利用件数は少ないようです。

(1)直接投資の実績<平成20年9月22日時点>
 会社数 : 120社(うち20年度分7社)
 投資件数 : 1971件(うち20年度分15件)
 投資額 : 約41,3億円(うち20年度分3,405万円)

(2)認定投資事業組合経由の実績<平成20年3月31日時点>
 認定ファンド : 11組合
 会社数(のべ) : 209社
 投資額 : 約24,7億円

(3)グリーンシート経由の実績<平成20年3月31日時点>
 会社数 : 13社
 投資額 : 約6,4億円

1、 エンジェル(天使)って何?

(1) 事業に成功し財を成した経営者(足長おじさん)らが若手企業家(ベンチャー)の育成のために投資をすることであり、米国、英国、フランス、韓国及び台湾でもエンジェル向けの優遇税制措置があります。

(2) 米国のシリコンバレーなど、ベンチヤー企業の創出・成長が長期間つづいている地域では事業の成功者がベンチャー企業家に資金の投資をするだけではなく自分の事業経験を生かして新しい事業の創出に協力しているようです。

2、ベンチャー企業(特定中小会社と呼ぶ)

・この事業が成功すれば、将来は我が国の経済の発展を牽引するような企業となりうるのだが。

・もうすぐ事業が成功しそうであるが、銀行では融資が受けられず困っている。
 どうにかならないだろうか?
 そこで登場したのが、
 中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法「中小創造法」です。

・ベンチャー企業になりたいがどうしたら良いのですか?
 上記の「中小創造法」に定義されており、

1. 事業を始めて何年経過しているか?→1年未満、1年以上~2年未満、2年以上~3年未満、5年以上10年未満 等に区分されています。
2. 従業員数および資本金額に制限はありますか?→制限はあります業種により異なりますが詳しくは中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律の第2条1号から第5号に定義されております。
3. 新しい研究に専念している研究者は居ますか?→ベンチャー企業ですので専任の研究者2名以上が必要です。
4. 新しい製品の開発又は新たな技術の発明のための試験研究費を使用していますか。
などの条件がありますが、詳細については経済産業省へお尋ねください。

3、エンジェル(足長おじさん)になる人は税法上の恩典がありますか?

(1) エンジェル投資をすれば税金を控除できます。平成20年4月1日以降の出資については年間1,000万円を上限に寄付金控除を受けることができます。(取得価額については払込金額より寄付金控除額を控除しなければなりません)

(2) 今年は株式の投資で利益が出て、ベンチャー企業に投資しようと思うが、みすみす損もしたくないが。ベンチャーやー企業に投資すれば(エンジェル投資)その年度の株式の投資利益からエンジェル投資の金額の控除ができます。(投資額だけ譲渡益が減少します)。

※(1)と(2)は選択適用

(3) 全然知らない若者にお金を出すだけでは?
事業が成功し上場すれば30倍も夢ではありません。

(4) ベンチャー企業が倒産したら大損害?
救済があります、
その1 倒産したら株式の譲渡損として申告ができます
その2 まだ損失の残る場合は翌年以降3年間繰越ができます
(3年の間に生じた株式の譲渡益から控除ができます)。

4、問 合 先

ベンチャー企業の申請については経済産業省中部経済産業局地域経済部新規事業課
TEL 052-950-1764 
税務相談について最寄りの税理士へご相談ください。

(税理士 岡村幹吉)
11月 03 2008

税を考える週間

毎年11月11日から17日までの1週間は「税を考える週間」です。皆さんは、税金についてどのようにお考えでしょうか。税理士会では、全国の小学生、中学生、高校生に税金の必要性について、租税教室を通じ理解していただくよう活動しています。
ある中学校で行われた授業を再現してみますと、授業の冒頭、生徒の皆さんに、「どのような種類の税金がありますか。」と尋ねます。すると「消費税、所得税、法人税、相続税などがあります。」と、答えが返ってきます。つぎに、「皆さんは税金を支払いますか。」と、質問しますと、「できれば支払いたくない。」との回答が大多数の生徒さんから戻ってきます。
そこで、税金が無い世界のアニメーションビデオを観てもらいます。その内容は、火事になっても消防車は来てくれず、道路の整備が行われず車が走れない、また、学校の設備が造れないなど、社会生活を行うインフラが税金によって賄われていることを理解してもらうものです。
ビデオ観賞後、仮に税金によって教育費が賄われていない場合、生徒1人当たり月額いくらのお金が必要か尋ねてみます。「3万円程度から5万円程度ではないですか。」と、さまざまな答えが返ってきます。そこで、小学生の場合、月額約69,500円、中学生の場合約79,000円、高校生の場合約76,000円ほど支出されており、小学校から高校までを通算すると1人当たり10,581,000円の税金が使われている旨お話します。その後、国の歳入約83兆613億円のうち租税収入が53兆5,540億円(64.5%)を占め、残りを公債費(国債を発行して得たお金)25兆3,480億円(30.5%)、その他の収入が4兆1,593億円が占めている旨説明し、国の歳出(歳入と同額)のうち、社会保障に21兆7,824億円(26.2%)、公共事業に6兆7,352億円(8.1%)、教育や科学技術に5兆3,122億円(6.4%)が使われていることなどを説明します。
最後に生徒さんにもう一度、「皆さんは税金を支払いますか」と、質問しますと、「支払う必要があります」との回答が全員の生徒さんから返ってきます。
本格的な租税教室の開催は平成元年頃からですが、納税意識についての教育は、従前行われてきたとは言い難い状況です。そのため大多数の納税者が、税金は取られるものとの意識が強くあるものと思います。
皆さんも、税金の必要性について是非お考えいただきたいのです。少子・高齢化社会に突き進んでいる現在、従来と同様の公共サービスを受けるためには、どのような税制が望ましいのか。社会保障を充実した大きな政府が良いのか、それとも負担が少なくて済む小さな政府が良いのか。所得税・法人税などの直接税を中心とした税体系が良いのか、それとも消費税のような間接税に重点を移すのか。
税金の無駄使いを無くすことは、もちろん必要です。しかし、税金は、「社会生活を営むための会費」との認識の上に「税」をお考えいただきたいのです。

(税理士 平工信雄)
11月 03 2008

事業承継(6) 普通の会社でも使う自己株式1

支配権確保のために買取るが・・・

.アゴ博士。先月は、事業承継で重要なのは生前譲渡で、特に自己株式の価額が問題と伺いしました。どう問題なのでしょう?普通の会社では自己株式なんて買わないんじゃないでしょうか?
.そう思うのが常識じゃろう。しかし事業承継では自己株式は結構登場するんじゃ。
.後継者が買うと自社株式というから、自己株式って、会社が自社の株式を買うことですよね。それが事業承継に関係するのでしょうか?
.一番多い例は、親戚に散らばった株式を、後継者の経営安泰のために買い集める場合じゃ。
.なるほど。若いし、実績がないから先代社長のようなカリスマ性はないから、親戚のおじさん等が株主として文句を言ってくると何かと経営し辛いですよね。
.そうじゃ。そこで、その親戚のおじさんから買い取りたくなる。あるいは逆におじさんの方から、配当もほとんどないような株は持っていても旨味がないから、買い取ってくれと言ってくるかも知れん。
.買えば良いじゃないですか?
.しかし事業承継で相続税がかかるような会社では、意外にその株式の価額が高くて容易に買えんのじゃよ。
.当事者が安値で合意しても駄目ですか?
.そうじゃ。税務署が黙っちゃおらん。安いと贈与になったりする。この辺りは非常に難解じゃから来月にまた話すとして、今月は入口を話そう。値段が高い故に、後継者が買おうにも買えないので会社が買うことになる。
.後継者が借入れして買えないのですか?
.会社は金がなければ銀行で借入れして買えるが、後継者らは、余り高額になると返済ができないから、結局は借入が出来ないのじゃ。

(税理士 牧口晴一)
11月 01 2008

離婚による財産分与の課税

協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができます。そして取得した財産については贈与により取得した財産とはなりません。贈与とは、当事者の一方が自分の財産を無償で相手に与える意志を表示し相手方が受託することによって成立をする契約をいいます。そして、個人が贈与によって財産を取得した場合、その取得した財産に対して贈与税が課税されます。ただし、財産分与としてもらったものであっても次の場合に該当するときは、贈与により取得した財産として贈与税が課税されます。

1. その分与に係わる財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額、その他一切の事情も考慮してもなお過大であると認められる場合において過大であると考えられる部分
2. 離婚を手段として贈与税もしくは相続税の課脱を逃れると考えられる場合においてその離婚によって取得した財産の価額

 不動産などにて財産分与を行う場合には、財産を支払う人に譲渡所得として所得税が課税されます。現金にて支払う代わりに、不動産にて精算をするということから、離婚の成立時に時価に評価をして譲渡があったものとされます。しかし、分与した財産が居住用の不動産である場合には、3000万円の特別控除の特例の適用を受けられますので、譲渡所得がそれ以下ならば課税されません。
 また、損害賠償金や慰謝料は、心身に受けた損害賠償として受け取る相当のものは、所得税法で非課税とされていますので、子供を扶養するための養育費を毎度受け取る場合には、贈与税や所得税は、かかりません。

(税理士 加藤敦司)

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