7月 06 2009

住宅・土地税制改正について

昨年来の100年に一度とも言われる世界的不況に対応するため平成21年度税制改正は減税一色の内容となりました。特に住宅・土地税制に関しては、これまでの制度の延長及び拡大、また新たな減税制度の創設と住宅・土地市場の急激な悪化に対応するための措置が導入されました。そのうち主な制度については、以下のとおりです。

1.住宅借入金等特別控除
一般住宅
 適用期限が昨年末までとされていた住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)が、平成25年12月31日まで5年間延長されました。また住宅借入金等の年末残高の限度額、控除率、最大控除可能額も表1のとおり拡大されました。
200年住宅
 認定長期優良住宅いわゆる200年住宅を新築等した場合の住宅ローン控除は、通常の住宅ローン控除よりも控除率、最大控除可能額が表一のとおり拡大されています。
 また200年住宅を新築等し、平成21年6月4日から平成23年12月31日までの間に、居住の用に供した場合には、一定の要件の下で、その200年住宅の標準的な性能強化費用相当額(1,000万円限度)の10%相当額がその年の所得税から控除されます。
控除しきれなかった金額は翌年分の所得税から控除されることになりました。
 ただしこの制度は住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合には、適用できません。
個人住民税
 平成21年から25年入居までの住宅ローン控除の適用がある人について、所得税から控除しきれなかった控除額がある場合には、その控除しきれない金額のうち一定の金額を翌年度分の個人住民税から控除する制度ができました。
 なお、この制度を受けるための住民税の申告は不要です。

2.贈与税
 政府の追加経済対策として、平成22年末までに親等から住宅を取得するために金銭の贈与を受けた場合には、通常の贈与税の基礎控除額110万円に加えて、500万円を上乗せし、610万円まで贈与税を非課税とする制度ができました。

3.土地等の長期譲渡所得の特例
 個人または法人が、今年と来年中に取得した国内にある土地等をその年の1月1日において5年を超える期間保有し、その後その土地等を譲渡した場合には、その譲渡にかかる所得金額から1,000万円(譲渡所得の金額を限度)が控除されます。ただし、不動産業者等が所有する棚卸資産である土地等については対象とはなりません。

4.事業用土地等の買換特例
 個人事業主または法人が今年と来年中に国内にある事業用の土地等を取得し、その取得した事業年度終了の日後10年以内に他の事業用の土地等の譲渡をしたときは、圧縮記帳の適用を受けることができます。平成21年中の取得については、譲渡益の80%、22年中の取得については譲渡益の60%の課税を繰り延べることができます。
 ただし、事業用土地等を取得した場合には、その取得した事業年度の確定申告の期限までに、この特例の適用を受ける旨の届出書を所轄税務署へ提出する必要があります。

5.まとめ
 今回紹介した以外にも省エネ改修、バリアフリー改修に関する所得税額控除等も創設されております。このように今年度の住宅・土地税制は納税者に有利になる制度が多く導入されました。この機会にうまく税制を利用して住宅・土地の購入を検討してみてはいかがでしょうか。

<表1>

居住年 控除期間 一般住宅 200年住宅
住宅借入金等の年末残高の限度額 控除率 最大控除可能額 住宅借入金等の年末残高の限度額 控除率 最大控除可能額
平成21年 10年間 5,000万円 1.0% 500万円 5,000万円 1.2% 600万円
平成22年 10年間 5,000万円 1.0% 500万円 5,000万円 1.2% 600万円
平成23年 10年間 4,000万円 1.0% 400万円 5,000万円 1.2% 600万円
平成24年 10年間 3,000万円 1.0% 300万円 4,000万円 1.0% 400万円
平成25年 10年間 2,000万円 1.0% 200万円 3,000万円 1.0% 300万円

○土地等の長期譲渡所得の1,000万円特別控除

(税理士 岩田真実)
7月 06 2009

名古屋青年税理士連盟の今年度の取り組み

私たち名古屋青年税理士連盟(以下、名青税)は、名古屋市内の税理士を中心に、同じ志、同じ目的を持つ税理士が集まり組織された団体です。現在、会員数は約550名です。昭和42年に設立されて以来、40年間に渡り、名青税は、納税者の権利擁護と国民のための税理士制度の確立を目指して活動をしてきました。
 名青税としては、今年度「Challenge! For Aozei Spirits」というスローガンを掲げ、相続税と税理士法の研究を中心に活動してまいります。
 まず、相続税については、これまで中小企業の株式を相続する際に、優良企業の場合は莫大な相続税が課されていたという問題を解決するために、新たに事業承継税制が制定されました。しかし、その運用にはいくつかの制限や行わなければならない複雑な手続きが多くあります。中小企業の皆さんがどうしたらこの制度をうまく活用でき、スムーズな事業承継を行えるかを研究し、私たち青年税理士が、中小企業の事業承継に少しでもお役に立てればと思います。
 また、税理士法については、税理士の職務や使命などを規定している法律「税理士法」が、少しでも「国民の皆さんのための税理士法」になるよう、研究、提言していきます。さらに、私たち税理士の資質向上も大きな課題の一つです。そのための研修会を充実させると共に、自らの意識改革も行っていく必要を感じています。
 青年税理士連盟は、首都圏、近畿圏、中部圏の青年税理士連盟が集まり、全国青年税理士連盟(以下、全青税)を組織しています。会員数は約3,000名です。全青税の活動の中心となるものも、「納税者の権利擁護」のための活動です。具体的には、国税について一般的なことが定められている法律に「国税通則法」という法律があります。この法律は、「納税の義務」について制定されていますが、「納税者の権利」については触れられていません。つまり、税制上、納税者である国民の皆さんを守るべき法律が日本には存在しないのです。日本という国を存続していくために税は必要ですし、納税の義務は、憲法にも規定されています。それと同時に、税を納める納税者の権利が守られてこそ、国と納税者の関係は、お互いに信頼できる関係になるのであると私たちは考えます。そのため「権利と義務」の両者が国税通則法に制定されるよう活動を続けています。
 最後になりますが、私たち名青税は、その活動を広く皆さんに知っていただくため、無料税金相談会の開催や、ホームページ(http://www.meiseizei.gr.jp/)を利用した広報活動などを行っています。皆様からのご意見ご要望などお待ちしております。

7月 06 2009

事業承継(14) 後継者が債務を引継ぐと納税猶予枠減少

ただでさえ納税猶予枠が少なく不評なのに

* .納税猶予を受けられるのは3分の2までというのに、政令の公表でさらにその枠が減ったと言うのはアゴ博士、どういう意味ですか? 
* .残念じゃがそうなんじゃ。例えば、後継者が自社株を持っておらず相続で初めて自社株の3分の2を取得するとする。仮にそれが6億円としよう。そして被相続人の債務を2億円引継いだ場合、納税猶予できる枠が6億円から2億円を控除して4億円になってしまうのじゃ!これを政令では「特定価額」と言うちょる。
*.そうするとアゴ博士。よく相続税の節税対策で賃貸マンションやアパートを借入れで取得する場合がありますが、後継者が借入金を引き継ぐと納税猶予枠も減ってしまう訳ですね。
* .その通りじゃ。かと言って、後継者が賃貸マンションだけ相続して、その借入金は非後継者が相続するなんてことは無理じゃろのう~。
* .そりゃそうですよ。
* .それでは、賃貸マンションを借入れで買うのを会社で行えば良いかと言えば、確かに、そうすればマンションも借入金も株式の中に含まれて納税猶予が受けられるかもしれないが、会社が取得すると3年以内の評価は高くなる。
* .ああ、そうか!死期が近づいてからの対策では使えない・・・。
*.3年経過しないと効果が出てこないという意味では、より計画的にやらねばならん訳じゃ。むしろ、賃貸マンション等は、非後継者に借入金付で遺留分として分けてやった方が良いかも知れんのう。
* .なるほど。

(税理士 牧口晴一)
7月 01 2009

環境対応車の普及促進税制

【問い】最近『エコカー減税』という広告が目につきますが、これは一体何のことですか。

【答え】これは次の3種類から成り立ちます。

1. 「自動車のグリーン化税制」=地球の環境を保護する観点から、『排出ガス性能』と『燃費性能』の良い環境にやさしい自動車は自動車税を軽減し、逆に、環境に負担を与える古い自動車は自動車税を重くする制度です。
 減税される自動車は、来年3月31日までに購入(新車登録)する「低排出ガス認定車」であり、かつ「燃費基準達成車」で、電気自動車、天然ガス自動車は自動車税が約50%減税となります。また、ガソリン車、ディーゼル車は、燃費基準の達成度合いにより約50%、約25%の減税となります。いずれも翌年1 年だけの減税です。
 一方、自動車税が重くなる車は、新規登録から11年を超えるディーゼル車と、新規登録から13年を超えるガソリン車またはLPG車で、税額が10%高くなります。
2. 「環境対応車の普及促進税制」=「グリーン化税制」と同趣旨で、本年4月1日からスタートし、平成24年3月31日までに車検を受ける減税適合車の自動車重量税と、今年4月1日から平成24年3月31日までに、登録する減税適合車の自動車取得税が免税または軽減されます。
 電気自動車、天然ガス自動車、プラグインハイブリッド車、クリーンディーゼル車、ハイブリッド車は、自動車重量税と自動車取得税が全額免税になります。また、低燃費・低排出ガス認定自動車は、燃費基準の達成度合いにより、両税が75%、50%の減税となります。
3. 新車購入補助制度=『経済危機対策』として『平成21年度補正予算案』(修正・廃案の可能性あり)に盛り込まれているもので、今年4月10日から来年3月31日までの間に、環境対応車に買い替えると補助金が交付される制度で、補助金がなくなり次第終了となります。
A.新車登録から13年以上経過した乗用車を廃車し新車(燃費基準達成車)に買い換える場合…補助金は登録車25万円、軽自動車12.5万円
B.廃車せずに『低排出ガス認定車』で、かつ燃費基準15%以上達成車に買い換える場合…補助金は登録車10万円、軽自動車5万円

 以上のように、この期間中に適合車を購入すると、自動車税+自動車重量税+自動車取得税の減税があり、更に補助金の優遇も受けられます。

 ちなみに、13年以上経過した車を廃車し、ハイブリッド車(約195万円消費税抜き)を購入すると、減税約14.4万円+補助金25万円、合計 39.4万円の優遇となり、また、廃車せずにハイブリッド車を購入すると、減税約14.4万円+補助金10万円、合計約24.4万円の優遇となります。 なお、個別の自動車の減税額については、その自動車の販売店でお尋ねください。

(税理士 古山精)

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