9月 07 2009

これも税理士の仕事なの!? ~税理士が行う社会貢献~

はじめに

 皆さん、税理士って会社や商店の帳面を作成し、税金の計算や相談、書類の作成ばかりやっていると思っていませんか? 実は、こんな所にも税理士が関わっているのです。今日はその一端を紹介します。

外部監査制度への関わり

 多くの税理士が、地方公共団体(いわゆる県や市)の包括外部監査人や監査委員、地方独立行政法人の監事や公益法人の外部監査人や監事などの分野で登用されています。これは、税理士が税務に関する専門家であると同時に、会計の専門家として税務申告の基となる計算書類を作成し、その過程で実質的な監査を行っていることから「外部監査人」にふさわしい職業専門家として選ばれたわけです。また常に納税者と接触していることから、納められた税の使途についても監視、チェックする効果があると期待されています。

成年後見制度への関わり

 成年後見制度とは、高齢者や知的障害者の中で判断能力が不十分な成人の方々が、様々な契約や財産管理において不利益を被らないよう保護、支援するために施行された制度です。成年後見人等には親族が選任されることが多いのですが、親族以外の人が選任される場合もあります。税理士は日頃から税金や経営に関する業務と共に、個人の方々の資産管理などのお手伝いをしていることから、本人の身上監護及び財産管理の面で高度な専門知識と的確な判断が求められる場合などに専門職後見人等として数多く活躍しています。

調停制度への関わり

 調停とは、私人間での紛争を解決するために裁判所(調停委員会)が仲介して当事者間での合意を目指すための手続です。調停には、地方裁判所や簡易裁判所で行う民事調停と家庭裁判所で行う家事調停があり、調停委員は裁判官または調停官と共に調停委員会のメンバーとして、当事者双方の話合いの中で合意をあっせんして紛争の解決に当たっています。調停委員には、調停に一般市民の良識を反映させるため,社会生活上の豊富な知識経験や専門的な知識を持つ人の中から選ばれることから、税理士も選任されています。

NPOへの関わり

 特定非営利活動(NPO)は、多様化する社会のニーズに対応するものとして、今後とも大きな役割を果たすことが期待されています。こうした活動を支援するために、税制上の仕組みとして認定NPO法人が設けられています。NPO法には情報公開の制度があるのですが、大多数のNPO法人は会計処理に苦労しており、法令で定められた事業報告書や財務諸表等、書類の作成に悪戦苦闘している状態です。税理士は、NPO法人が安定的に継続した活動をするために、税務や会計ばかりでなく、優遇税制を受けるための認定取得に向けて、積極的な指導や助言を行っています。

登録政治資金監査人制度への関わり

 近年、国会議員の事務所費等の政治団体からの支出について、様々な批判が続出したことから国民の政治不信が高まりました。そこで、政治資金の使途に対する国民の不信を払拭するために、政治資金の透明化を向上させる目的で、国会議員に関係する政治団体に政治資金監査を受けることを義務付けたのが登録政治資金監査人制度です。監査を行うのは、政治資金適正化委員会に監査人として登録された税理士、弁護士、公認会計士ですが、なかでも税理士は、国会議員と同じく幅広く各地域に密着していることから、大いに期待されています。

(税理士 加知隆行)
9月 07 2009

路線価について

路線価とは、なんのことか

.路線価とは、なんのことですか。

.亡くなられた方から財産を相続すると相続税がかかりますし、生前に財産を貰うと贈与税がかかります。相続税や贈与税は、ご自分で計算するか税理士に依頼して計算し、申告しなければなりません。現金や預金であれば、その残高で計算できますが、土地建物や有価証券などは金銭に見積る必要があり、見積った金額を「相続税評価額」といいます。土地を金銭に見積り「相続税評価額」を算出するために、道路ごとに付けられた一㎡当りの土地の値段が路線価です。

.路線価は、どのように定めるのですか。

.国税局が、毎年1月1日現在の時価を基にその年の路線価を定め、7月1日頃公表します。具体的には、国土交通省が毎年3月に公表する公示価格や不動産鑑定士の意見価格などを参考にして定められます。

.路線価と公示価格は等しいのですか。

.いいえ、路線価は公示価格の80%を目途に定められます。

.固定資産税評価額とは違うのですか。

.固定資産税評価額は固定資産税を計算するための基準として市役所(町村役場)が定めるもので、公示価格の70%を目途にしています。

路線価の確認方法

.路線価はどのように確認するのですか。

.国税庁のホームページの路線価図コーナーで、全国の路線価が確認できます。インターネットが使えない方は、税務署の窓口に備え付けられたパソコンで路線価図を閲覧することができます。

.日本中の土地に路線価がありますか。

.いいえ、路線価が定められているのは主に市街地です。路線価の定められていない地域の土地は、市役所(町村役場)の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて相続税評価額を算出します。倍率は地域により異なりますが、路線価と同じ方法で確認できます。

相続税評価額の算出方法

.相続税評価額はどのように算出するのですか。

.相続税評価額は路線価に面積を乗じて算出します。ただし、路線価はその地域の標準的な宅地の一㎡当りの価格ですので、土地の形状などに応じて減算又は加算します。

.減算、加算するのはどんな場合ですか。

.減算するのは、標準的な土地に比較して奥行が長い(短い)とき、間口が狭いときなどです。減額割合は「奥行価格補正率」「間口狭小補正率」などとして定められています。加算するのは、二方以上の道路に接している場合です。角地の土地は「側方路線影響加算率」を、裏側も道路に接している土地は「二方路線影響加算率」を使って計算します。

.補正率や加算率は一定ですか。

.補正率や加算率は商業地区や住宅地区など、その土地のある地区により異なります。まず路線価図で何地区か確認し、次に、適用すべき補正率や加算率を確認します。

.貸地や貸家の敷地はどうなりますか。

.土地を賃貸し、その土地の上に借主が建物を建てているときは、相手方に借地権があります。そのような土地は、借地権割合を基に計算した借地権の金額を差し引いて相続税評価額を算出します。借地権割合は路線価図で確認できます。また、貸家の敷地も一定割合が控除できますので、「相続税評価額の計算例」をご覧ください。

(税理士 原 四朗)
9月 07 2009

事業承継(16) 納税猶予の担保は「その会社の株」で

利子税も含めて担保とする

* .相続税や贈与税の自社株の納税猶予を受けるために、担保に出さねばならないのですが、アゴ教授、利子税はどうなるんでしょう? 
* .7月に出た通達では、猶予に係る株券を担保に出せば利子税分も含めて担保提供したとみなしてくれるんじゃ。
* .しかしアゴ博士。納税猶予を受ける時点では、何年の猶予期間になるかは分からないから、利子税の計算ができないのではないですか?
* .納税猶予を受ける時は、計算上だけ平均余命で計算して、利子税分も担保を受けたとみなすだけなのじゃ。じゃから納税猶予後にその株式を一部でも譲渡したら正式に計算して、利子税を納めねばならん!
* .平均余命って?
* .実は所得税の施行令に規定があってのう。例えば、男は大体78歳が平均余命となっておる。
*.へぇ~。面白いですね。それじゃ、途中で担保の価値が下がってしまったら、証券会社の信用取引のように「追証」みたいに追加の担保を要求されるのですか?
* .これについても珍しく朗報じゃ。その納税猶予を受ける会社の、その分の株式を全て担保として提供しておきさえすれば心配なしじゃ!
* .有難い!それじゃ、その株式以外のときは、どうなるのでしょう?
* .その担保価値が下がれば、当然、追加担保を求められることになるのじゃ!
* .それでは「担保はその株で」が鉄則ですネ!
*.そうじゃ!ただし、後から、その株に代えても、その特典は使えんから注意じゃ。

(税理士 牧口晴一)
9月 01 2009

株式の売却と配当

.株式を所有していますが、売却すると税金はどうなりますか。

.株式を売却すると、売却価額から取得費及び売却手数料などを差し引いた利益に対して20%(所得税15%、住民税5%)の税金がかかります。ただし、上場株式を、平成23年12月31日までの間に証券会社を通じて売却したときは、税率が10%(所得税7%、住民税3%)に軽減されます。
 取得費とは購入価額や購入手数料などです。平成13年9月30日以前に購入した上場株式を売却したときは、平成13年10月1日の終値の80%を取得費として損益の計算をすることもできます。
 源泉徴収口座(源泉徴収ありの特定口座)の株式の売却利益については、10%の税金が源泉徴収されますから、税務署へ申告する必要はありません。それに対して、簡易申告口座(源泉徴収なしの特定口座)や一般口座の株式の売却利益については、申告と納税が必要です。また、源泉徴収口座で利益が生じた場合でも、一般口座や他の証券会社の口座で損失が生じたときは、申告することにより利益と損失が相殺できますので、源泉徴収された税金が還付されます。
 株式の売却損失は、繰り越して翌年以降3年間の株式の売却利益から控除できます。ただし、繰り越すためには、毎年必ず申告しなければなりません。
 上場株式の配当については、平成23年12月31日までは10%(所得税7%、住民税3%)の税金が源泉徴収されます。所得が少ない方は、配当所得と他の所得を合算する総合課税を選択して申告すると、源泉徴収された税金の還付を受けられることがあります。また、配当所得を他の所得と合算しない申告分離課税を選択して申告すると、株式の売却損失を配当から控除できますので、源泉徴収された税金の還付を受けられることがあります。
 売却損益についても、配当についても、いくつかの計算方法のなかで、有利な方法を選択されるとよいでしょう。

(税理士 原 四朗)

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