4月 05 2010

相続税の申告時に、相続時精算課税適用財産を忘れないで

相続税の計算のしくみ

 相続税は、死亡した人(被相続人)の財産を相続や遺贈により取得した場合に納める税金です。
 相続税の計算は、被相続人の財産に、相続時精算課税を適用して生前に贈与を受けた財産と、相続開始前3年以内に贈与された財産を加算し、債務及び葬式費用を控除して、課税価格の合計額を算出します。
 次に課税価格の合計額から基礎控除額を控除し、相続人が民法の規定による法定相続分どおり相続したとして各相続人の税額を計算し、それらを合計して相続税額の総額を求めます。
 この相続税額の総額を実際に相続した財産(課税価格)の比率で按分して、各相続人の算出税額を求めます。この算出税額を相続人の状況に応じて、2割加算、贈与税額控除、配偶者の税額控除、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除、外国税額控除の加算減算を行って、各相続人の納付すべき相続税額が計算されることになります。

相続時精算課税制度

 相続税の計算のしくみで述べたように、相続時精算課税適用財産は、相続財産に加算します。相続により財産を取得しなかった相続人でも、相続税を納めることになります。
 この制度は、平成15年度税制改正により創設されました。平成15年1月1日以後に財産の贈与を受けたときは、通常の暦年課税制度と相続時精算課税制度のどちらかを選択することになります。
 相続時精算課税制度は、生前贈与により取得した財産の合計額のうち2,500万円までは贈与税を無税とし、2,500万円を超える金額に対する贈与税(一律20%)を将来の相続税の前払いとして支払い、相続時にその贈与により取得した財産の全部と相続又は遺贈により取得した財産の価額との合計額を相続税の課税価格として計算した相続税額から、既に支払った贈与税額を控除した額をもって、その納付すべき相続税額となります。
 暦年課税制度を適用するか相続時精算課税制度を適用するかどうかは、贈与者ごとに選択することができますが、相続時精算課税を適用した場合は、その贈与者の死亡の日までの贈与はすべて相続時精算課税となります。
 適用対象者は、贈与者は65歳以上の親、受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の子供です。年齢はその年の1月1日現在で判定します。
 住宅取得資金の贈与についてこの規定を適用する場合は2,500万円の特別控除額のほかに1,000万円を加算した額が特別控除額となります。
 この制度を適用する場合には、メリットやデメリット、また各適用要件がありますので、お近くの税理士にご相談下さい。
 尚、この制度を適用した方は、贈与税の申告書と評価の明細書の控えを相続時まで保管しておかなければなりません。

(税理士 西山和則)
4月 05 2010

税理士情報検索サイトを知っていますか

税理士情報検索サイトを知っていますか。読者のほとんどの方はご存じないのではと思います。政府の規制改革推進に伴い、税理士業務をサービス業として意識し、税理士間における公正有効な競争の確保と、依頼者の利便性に資する税理士業務が重要であるということから税理士情報検索サイトを日本税理士会連合会(以下「日税連」)が去年の春に立ち上げたものです。
 検索サイトを構築するにあたって、納税者にとって有用な情報であり、原則としてすべての税理士にかかる情報を開示することとしました。従って税理士の本人確認に役立つシステムであるとも言えます。情報の開示にあたっては当然に個人情報保護法に準拠していなければならず、必要最小限の必須開示項目と本人承諾の任意開示項目になっています。また、検索サイトは納税者や税理士本人にとって使いやすいシステムを目指しています。
 具体的には日税連ホームページにウェブサイトを構築し、ここから全税理士・税理士法人のデータベースを検索できるようにしています。この検索サイトの運用は日税連が行い、また、検索サイトに掲載する情報は、公開情報と任意公開情報で構成されます。

公開情報

 「公開情報」は、日税連に登録されたすべての税理士及び税理士法人について、税理士名簿・税理士法人名簿に基づき、次の項目を公開しています。(1)税理士の氏名・税理士法人の名称、(2)登録番号又は法人番号、(3)登録年月日又は届出年月日、(4)事務所の名称、(5)事務所又は主たる事務所の所在地(郵便番号及び電話番号を含む。以下同じ)、(6)税理士法人で従たる事務所がある場合には、その所在地、 (7)所属税理士会の名称、(8)税理士法第43条の業務停止に該当する場合には、その期間、(9)税理士法の懲戒のうち戒告に該当する場合にはその処分日、1年以内の業務の全部又は一部の停止に該当する場合にはその期間、となっており全9項目です。検索サイトに掲載する情報の登録及び変更は、原則として税理士名簿及び税理士法人名簿に基づいて日税連が行い、日税連は、本人から定められた書面の提出があり、かつ日税連が相当と認める場合には、公開情報の公開をしないことができるとなっております。

任意公開情報

 「任意公開情報」は、税理士からの本人入力により公開している項目です。性別、生年、事務所のFAX番号、事務所のメールアドレス、事務所のホームページアドレス、主要取扱業務及び業種です。これらについては本人の意志によるものですから、検索サイトを知らない税理士は当然公開していないということになります。

 未だにニセ税理士が存在すると言われています。今後、税理士に相談依頼をする前に確認していただいても良いでしょう。

(税理士 平 昌彦)
4月 05 2010

事業承継(23) 個人年金保険の評価減優遇廃止

税制改正に伴う経過措置

.アゴ博士との対談の今日現在では、平成22年度税制改正法案は国会審議中ですが、ほぼ原案通りに可決されそうですね。その中で、事業承継策の節税としてもよく使われたという個人年金保険の評価減の優遇が廃止されたとのことですがどんなことだったのでしょうか? 
.そうじゃ。3月末までは、その駆け込み需要があったそうじゃ。この制度はこれまで資産家の節税策の有効な手段として愛用されておって、例えば2000万円の一時払い保険料を支払い、1年間据え置き、来年の3月に年金を受け取る際に後継者などを受取人としておくと、来年3月中であれば、従来の評価減が受けられるというものじゃ。
.どれ位、評価減できるのですか?
.年金の受け取りが35年を超えるものなら20%で評価するのじゃ。つまり、2000万円の個人年金なら、400万円として評価して、来年の3月に贈与したことになるのじゃ。
.こんなに節税になるとは凄いですね。すると仮に、1億円が20%評価で2000万円となるので、それを相続時精算課税で贈与したなら、2500万円までは税金がかからない訳ですよね。でも今年の4月以降の契約は、それが出来ないということですね。
.そうじゃ。注意せねばならんのは、3月までに契約したものを、4月以降に増額しても駄目なのじゃ。

(税理士 牧口晴一)
4月 01 2010

相続税の計算方法

.相続税の負担が大変、という話をよく耳にします。相続税はどのような場合にかかるのですか。

.個人が亡くなって、相続人が相続によって財産を取得した場合に相続税が課税されます。ただし、遺産の総額が「基礎控除額」を超えたときに限られます。

.その基礎控除額とはどのような金額ですか。

.5千万円+1千万円×相続人の数、という算式によって計算します。この算式は覚えておかれると少し自慢できます。例えば、夫が亡くなって相続人が妻と子供2人の場合、相続人の数は3人です。この算式にあてはめると、基礎控除額は8千万円になります。遺産の総額が8千万円を超えると、その超えた部分に対して相続税がかかり、8千万以下ならば相続税はまったくかかりません。

.相続すれば必ず相続税がかかると思っていましたが、かからない場合もあるのですね。現在の日本では相続税がかかる相続というのはどれくらいの割合ですか。

.最近の統計では、亡くなった人100人のうち4.2人に相続税が課税されました。95.8人には相続税がかかりませんでした。相続税がかかるのはごく一部の財産家に限られるということです。

.少し安心しました。では、仮に遺産が1億円あるとすると相続税はどのくらいになりますか。

.相続人は妻と2人の子供。妻が5000万円を、2人の子供が2500万円ずつを相続したとします。この場合、2人の子供にそれぞれ50万円の相続税がかかり、妻には相続税はかかりません。配偶者の税額軽減といって、配偶者は遺産の半分と1億6千万円を比較して多い方の金額までは相続税がかからない仕組みになっています。

(税理士 宮脇治嘉)

WordPress Themes