5月 10 2010

身近に見かける印紙税

普段の生活の中であまり意識していないかもしれませんが、3万円以上の領収書に収入印紙が貼付してあるのを見かけると思います。
 最近の大型店では収入印紙の代わりに「印紙税申告納付につき○○税務署承認済」という四角で囲まれた表示を目にすることがあると思います。これは、「書式表示」という納付方法です。その他にも「税印」とか「印紙税納付計器(通称:ハスラー)」等の納付方法があります。
 こういった印紙税は、簡単に言えば文書に対して税金をかけるといえます。経済取引の結果、作成される契約書や領収書といった文書には、税金を負担できるだけの経済的利益があるはずといった観点から課税する税金です。従って、その納付も文書の作成者(納税義務者)が文書(課税対象)に収入印紙を貼付し消印することにより納税が完了する簡単な仕組みになっています。
 この納税義務者=文書作成者は、契約書の場合、通常2以上の者により作成されますので、納付も2以上の者が連帯して納税の義務を負います。又、同一の契約書を2通以上作成した場合には、全ての契約書に収入印紙を貼付する必要があります。
 収入印紙を貼付していない場合の罰則は、本来納めるべき収入印紙の額の3倍の金額を過怠税として納めることになります。
 さて、印紙税は、文書に対して税金をかけるという説明をしましたが、全ての文書に対して印紙税がかかるわけではありません。法律では印紙税のかかる文書を20種類指定しており、それ以外の文書には印紙税は課税されません。
 対象となる文書は印紙税法の中の「別表第1」という表に定められています。表の左端の番号が1~20まであり、そのどれかに該当する場合に印紙税が課税されます。
 印紙税の話をする場合には、この左端の番号を使用します。例えば、一番上に書いてある不動産の譲渡に関する契約書等は、1号文書もしくは1号文書の1といいます。
 一例として住居を購入する場合に必要となる印紙税を考えてみましょう。

1. 土地を単独で購入(2千万円)し、別の業者に依頼して建物を建築(2千5百万円)する。
2. 住居の購入資金として、銀行等で住宅ローン(3千万円)を組む
3. 家具等の調度品を購入する。

 1の場合は、土地購入時の「土地売買契約書」が1号文書の1に該当し、1千万円を超え5千万円以下のものですので印紙税は1万5千円です。次に建物の建築依頼時の「建築工事請負契約書」が2号文書に該当し、1千万円を超え5千万円以下のものですので印紙税は1万5千円です。
 2の場合には、借入時の「金銭消費貸借契約書」が1号文書の3に該当し、1千万円を超え5千万円以下のものですので印紙税は2万円です。
(「不動産の譲渡に関する契約書」と「請負に関する契約書」のうち建設業法第2条第1項に規定する建設工事の請負に係る契約に基づき作成されるもので、記載された契約金額が1千万円を超え、かつ、平成9年4月1日から平成23年3月31日までの間に作成されるものは、印紙税額が軽減されています。)
 3の場合、購入時に現金で3万円以上の支払を行い領収書を受け取るとその領収証は17号文書に該当します。
 印紙税は、文書の内容で判定する必要がありますので不明な点等がある場合はお近くの税理士にご相談ください。 

印紙税一覧表

(税理士 糟谷和彦)
5月 10 2010

税理士は税制改正について意見を出しています

名古屋税理士会では、「平成23年度税制改正要望項目並びに同項目に関する意見書」を取りまとめました。我が国の税制が本来あるべき姿に少しでも近づくよう、私たちは積極的な建議を継続して行なっており、今日はその内容を掲載させて頂きます。

1.公平な税負担

 我が国は、少子高齢社会を迎え、人口減少の傾向にあり、また、いわゆる団塊の世代が定年退職の時期となり、納税者の人口分布が一気に変わろうとしている。この様な社会情勢の下で、資産家や高額所得者で高齢の者の税負担、とりわけ不労所得に対する課税制度の間題、子供を産み育てる意欲が持てるような少子対策のための税制等、時代に即応した「公平な税負担」を考えていかなければならない。

2.国民にとって分かりやすい税制

 経済活動や取引の急激な変容、複雑化に臨機に対応するために、税制はますます複雑になり、課税手続は煩雑をきわめる一方である。我が国では、国税を中心に幅広く申告納税制度を採用していることから、納税者の自発的な納税申告を促すためには、実体的にも手続的にも、できる限り簡素で国民・納税者に分かりやすい(納得できる)税制を構築する必要がある。

3.十分な議論をしたうえでの税制改正

 長年適用され、常識化されている税制を大幅に変える場合には、幅広く国民・納税者の意見を聞き、また、税務の専門家である税理士に意見を求めるべきである。さらに、特定の納税者層に多大な影響を及ぼす可能性のある税制改正については、その関係者の積極的な参加を得て、パブリックコメント(意見公募)手続をとることなども含め、相当の期間をかけて慎重に論議すべきである。

4.納税事務の合理化

 納税事務の合理化のために電子申告制度が取り入れられた。しかし現在の電子申告制度では、国又は地方団体の納税事務合理化のためのメリットはあるが、納税者自身の事務合理化のメリットはまだ少なく、むしろ煩わしい手続も散見される。できれば、一つの電子データで、国及び地方団体の申告が完了するなど簡素化に向けて制度の一層の整備をすべきである。

5.時代に適合しうる税制

 税制は、その時代の社会構成や経済活動に適合していることはもちろん、社会意識の急激な変化にも適合しなくてはならない。その中で将来の産業・技術を見据えた、明確な国家戦略を前提として、我が国の経済産業構造のうちに多数を占める中小企業が、その活力を最大限に生かせるよう、経済活性化に有益な税制を推進すべきである。

6.透明な税務行政

 申告納税制度の下において、国民・納税者は、自発的に税額を計算しかつ申告・納税するように求められる。自発的な納税をすすめるためには、税制は、実体的にも、手続的にも簡素・透明で、国民・納税者に分かりやすいものでなければならない。
 適正かつ透明な税務行政を実現するために、納税者の手続上の権利擁護システムの速やかな導入と、法的に拘束力のある、真に納税者の手続上の権利を擁護する租税手続に関する明文の規定を国税の通則として制定されることを期待するものである。

(税理士 岡部豊生)
5月 10 2010

事業承継(24) 小規模宅地の評価減の改正

3つの場面の条件が厳格化

.アゴ博士。いよいよ平成22年度税制改正が成立しましたね!そこで驚いたのが、小規模宅地の評価減が4つ改正されたようで・・・
.そうじゃ。4つの内、3つが重要じゃ。1つめは、相続人等が相続税の申告期限まで事業又は居住を継続しなければ宅地等の200㎡まで50%の減額の適用が出来なくなったのじゃ。
.へ~っ。2つ目は?
.一の宅地等について共同相続があった場合には、取得した者ごとに適用要件を判定するのじゃ。これは影響が大きいのじゃ。
.今までは、これを活用していましたね~。一番使うのは、被相続人の配偶者は小規模宅地を最小限の取得にして、残りは同居していない子供との共有にしても、子供の方も8割評価減が使えたんですね。
.そうじゃ。これは残念じゃった。続いて3つ目は、一棟の建物の敷地の用に供されていた宅地等のうちに特定居住用宅地等の要件に該当する部分とそれ以外の部分がある場合には、部分ごとに按分して軽減割合を計算しなければならなくなったのじゃ。
.これは、具体的には、どういうことですか?
.例えば4階建てマンションの最上階だけ居住して、残りは賃貸にしても、敷地全部の評価減ができたのじゃが、4階の、つまり4分の1に対応する面積までしか評価減されんわけじゃ。

(税理士 牧口晴一)
5月 01 2010

相続税の申告について

Q.先日父が亡くなりました。父名義の財産は不動産と預貯金です。相続税の申告というのは必ず行わなければならないのですか?

A.相続税の申告は、亡くなった人が亡くなった時に所有していた全ての財産の価額(相続税評価額)が基礎控除額を超えた場合についてのみ、財産を相続した人が10ヶ月以内に申告する必要があります。

Q.基礎控除額は、どのように計算するのですか?

A.基礎控除額は5千万円+1千万円×法定相続人の数で計算されます。つまり相続人が奥様とお子様2人であれば8千万円が基礎控除額となります。

Q.土地や建物は、どうやって評価すればいいのですか?

A.すべての財産は定められた方法により評価する必要があります。土地については、その土地に路線価(注)が定められている場合には路線価に地積を乗じて、さらにその土地の形状によって加算減算の調整を行い、また貸付等の利用状況に応じても減額します。また路線価が定められていない場合には、固定資産税評価額にその地域の倍率を乗じて計算します。建物については固定資産税評価額によって評価します。

Q.不動産は、自宅兼店舗の土地・建物しかありませんが、商業地ですので評価が高くなると思います。相続税が払えるか心配です。

A.自宅や店舗といった宅地については、一定の要件の下、その評価を減額する特例が設けられています。例えば居住用の宅地については240㎡まで8割の減額が受けられます。なお一括での支払いが困難な場合は延納・物納の制度が認められています。詳しい内容については、最寄りの税務署や税理士にお尋ねください。

(注)国税庁より毎年発表されている、道路毎に定められた土地の価額

(税理士 倉智子)

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