9月 06 2010

政治資金は透明化されるのか? ~登録政治資金監査人制度始まる!~

政治不信の源?

 昨今、政治不信の一端が政治資金の不透明さにあると言われています。何とか還元水に始まり、領収書のコピーのつけ回しや、最近ではコミック本の購入費にまで政治資金が使われていると問題になりました。報道番組を見ても、「税理士は何を見ているのだ!」と言ったコメントを聞くことがありました。

チェックした?

 問題になった頃は、監査自体行われていませんでした。平成19年12月に、政治資金の使途に対する国民の不安を払拭するため、政治資金規正法の改正案が議員立法として提出され改正案が成立しました。改正案では、収支報告の適性の確保と透明性の向上のため、登録政治資金監査人による監査を平成21年から受けることが義務付けられました。ですから昨今問題となっている頃の政治資金はノーチェックだった訳で、初めて政治資金監査が行われたのは、今年に入ってからなのです。

誰が監査するの?

 政治資金監査を行うのは、登録政治資金監査人として登録を受けた、弁護士、公認会計士及び税理士という国家資格を有する専門家の内、政治資金監査に関する研修を修了することが要件とされています。このような職業専門家が、その知識と経験を生かして公正かつ誠実に監査を行うことによって、政治資金の適正化が図られると期待されています。

審査か監査か?

 従来、政治団体の収支報告書は、行政庁の職員が提出された書類の形式や記載すべき事項が満たされているのかを形式的に審査していました。これに対し登録政治資金監査人の監査は、収支報告書のみならず、内部資料である会計帳簿や領収書等の現物を、外部の第三者によりすべての支出をチェックする制度です。これにより、政治団体が支出した年月日、相手先、目的、金額等が外部の目で確認されることとなり、これまで内部だけで都合よく処理されてきた政治資金の透明化が期待される訳です。

どこまで期待できる?

 政治資金監査は、登録政治資金監査人と国会議員関係団体との双方の当事者間の契約に基づいて行われます。つまり当事者間の相互信頼に基づく監査であり、事なかれ的な監査に終わってしまう恐れもありますが、そこは政治資金規正法や各士業法において、罰金や懲戒処分の対象とすることでしっかりと担保されています。税理士が登録政治資金監査人として第三者の立場で政治資金監査を行うことは、政治活動の公明公正を確保し、その推進に寄与すると期待されています。

(税理士 加知隆行)
9月 06 2010

非上場株式の納税猶予制度について

 平成21年に贈与税と相続税の非上場株式等についての納税猶予制度が創設されました。この納税猶予制度の適用を受けると、非上場株式を先代経営者から後継者へ贈与した時に一定の要件を満たせば贈与税が全額納税猶予され、贈与した先代経営者が死亡した時には、非上場株式の課税価格の80%に相当する相続税が納税猶予されます。メリットは大きいですが、適用を受けるためには複雑な手続きや適用要件があり利用状況はまだ低調なようです。

1.特例の対象になる株式

 この特例の対象になる非上場株式の数は発行済株式等の総数の3分の2までです。後継者が贈与あるいは相続開始前から保有する非上場株式等の数を控除します。

2.特例を受けるための要件

 贈与または相続開始前に、「経済産業大臣の確認」を受けます。贈与または相続開始後に、「経済産業大臣の認定」を受けます。次の要件を満たしていることが必要です。

(1)会社の主な要件
 ①上場会社②中小企業者に該当しない会社③風俗営業会社④資産管理会社⑤総収入金額が零の会社、従業員数が零の会社 のいずれにも該当しないこと
 これは贈与・相続ともに同じ要件ですが次の要件は異なります。

(2)後継者の主な要件
贈与の場合の後継者である受贈者の主な要件
 贈与の時に、①会社の代表者であること②先代経営者(贈与者)の親族であること③20歳以上であること④役員就任から3年以上経過していること⑤後継者と同族関係者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、同族関係者の中で筆頭株主であること
相続の場合の後継者である相続人の主な要件
 ①相続開始から5ヵ月後において会社の代表者であること②先代経営者(被相続人)の親族であること③相続開始の時において、後継者と同族関係者で総議決権数の50%超の議決権数を保有することとなること

(3)先代経営者の主な要件
贈与の場合の先代経営者である贈与者の主な要件
 ①会社の代表者であったこと②贈与の時までに会社の役員を退任すること③贈与直前において、贈与者と同族関係者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、同族関係者の中で筆頭株主であること
相続の場合の先代経営者である被相続人の主な要件
 ①会社の代表者であったこと②相続開始直前において、被相続人と同族関係者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、同族関係者の中で筆頭株主であること

(4)担保の提供
 納税が猶予される贈与税または相続税額および利子税の額に見合う担保が必要です。

3.事業の継続要件

 適用後5年間は毎年、5年経過後は3年ごとに「継続届出書」を提出する必要があります。後継者が会社の代表者でなくなった場合や雇用の8割を維持できなくなった場合などには納税猶予が打ち切られ、猶予税額および利子税を納付しなければなりません。

4.猶予される税額計算

 相続税の納税猶予税額は次のように計算します。
 ①後継者が取得した財産が特例の適用を受ける非上場株式等のみであると仮定して後継者の相続税を計算します。②後継者が特例の適用を受ける非上場株式等の20%のみを相続したと仮定し後継者の相続税を計算します。③この①の金額から②の金額を控除した残額が納税を猶予される相続税となります。 

(税理士 古沢啓彦)
9月 06 2010

有価証券、ゴルフ会員権の財産評価について ~評価方法ってどうすればいいの?~

 財産の価値評価は、市場または相対での売買と同様に、需給バランスによって決まります。売りたい人は高い価格にしたいでしょうし、買いたい人は安い価格で買いたいでしょう。その双方が折り合って決まった価格が、その財またはサービスの価値ということになります。財産評価というのは、その売買が行われる前にまたは行われると想定して、おおよその基準となる価格を評価算定することをいいます。
 財産評価は概ね次の目的で行われます。

  1. 売買、遺産分割または財産分与の基準となる価格を算定すること(売買等目的評価)
  2. 税金を算定するための標準となる価格を算定すること(税金目的評価)

 1の売買等目的評価と2の税金目的評価は、評価方法が異なります。
 まず、1の売買等目的評価からみてみましょう。
 有価証券やゴルフ会員権については、その売買市場が形成されている場合があります。証券取引所やゴルフ会員権仲介業者の売買気配値相場などです。このように市場等で頻繁に売買され価格が公平に形成されている有価証券やゴルフ会員権の財産評価は、この市場価格や相場を参照利用すればいいことになります。
 問題なのは、このような市場や相場が形成されていない有価証券やゴルフ会員権です。
 例えば、取引相場のない株式の価値は、その会社の清算価値と将来の収益性、そして配当額によって決まります。解散すると1株当たりいくらもらえるのかが清算価値ですが、企業によっては収益性と将来の予想キャッシュフローによって評価することが妥当な場合があったり、配当の多寡によって価値が左右される場合もありえます。
 しかしながら、2の税金目的評価は、誰が算出しても評価額が同じになるように、画一的、簡便かつ公平に法令により定められています。なお、一般的には、時価である1の売買等目的評価の額よりも低い価額が算出されるようになっているようです。
 以上をまとめると次の表のようになります。

売買市場がある 売買市場がない
1.売買等目的評価 原則として市場価格を用いる 評価算定を行う
2.税金目的評価 市場価格を基に税法上の方法により
価格を決定
税法上の方法により価格を決定

 有価証券やゴルフ会員権の評価は難しいものです。評価でお困りの場合は、お近くの税理士にご相談下さい。

(税理士 都築 敏)
9月 01 2010

住民税について

Q.住民税とはどんな税金ですか?

A.住民票のある市町村に納める税金で、県市町村民税です。

Q.最近住民税が急に増えましたがなぜですか?

A.税源移譲により、所得税(国税)と住民税の割合が変わりました。が、税源の移し替えなので、「所得税+住民税」の負担は基本的には変わりません。

Q.住民税の計算はどうするのですか?

A.前年の所得を基準に計算して翌年に賦課されます。

Q.住民税の申告はあるのですか?

A.所得税(国)の申告をすれば、住民税の申告は要りません。

Q.住民税の申告書が送られてきましたがなぜですか?

A.税金のかかる所得は、住民税の方が低いので、所得税がかからなくても住民税がかかることがあるからです。例えば、基礎控除は、所得税は38万円ですが、住民税は33万円です。

Q.住民税はどう納めるのですか?

A.市町村が税額を決めて賦課してきます。
給料や年金のある人は給料や年金から毎回天引きされることが一般的です。特別徴収といいます。
確定申告をする人などは、年に4回、自分で納付します。普通徴収といいます。

Q.住民税額は国民健康保険や後期高齢者保険に影響しますか?

A.住民税の税額や所得金額は、これらの保険料金額や窓口負担割合を決める基準にされます。

(税理士 川島博文)

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