9月 13 2011

個人住民税について

Q1.住民税ってどんな税ですか?
A.住民税(市民税と県民税を合わせて住民税と呼びます)は、前年に所得のある人で、その年の1月1日に住民登録されている市町村で課税され、その所得に応じて課税される所得割と、均等に一定の税額で課税される均等割との合計からなっています。
Q2.住民税の税率は?
A.住民税の所得割の税率は、市町村民税が6%で、県民税が4%で合計10%です。
 均等割は、市民税3,000円 県民税1,000円です。
Q3.昨年末頃退職して今年は収入がないのですが、住民税の納付書が送られてきました。納付の必要はありますか?
A.住民税は前年の所得から税額が算出され翌年課税されます。このことから、今年給与等所得がなくとも住民税の納付書が送られてきたものと思われますので、納付しなくてはいけません。
Q5.昨年給与とは別に原稿料として18万円の所得がありました。所得税の確定申告はしなくてもいいと聞いていますので住民税も申告不要でいいですか?
A.所得税は、原稿料の支払時に源泉徴収されていることなどから、給与所得や退職所得以外の各種所得金額の合計額が20万円以下であれば確定申告が不要です。
 ただし、住民税では原稿料の支払時に源泉徴収する制度がありません。よって、前年の給与所得と原稿料の所得とを合算して住民税を計算しなくてはなりませんので住民税の申告をしなくてはいけません。(申告不要の場合もあります)
Q6.私は遺族年金で暮らしています。住民税は課税されますか?
A.遺族年金は非課税所得とされていますので、課税されません。
Q7.平成23年7月に2年間の予定でアメリカに転勤になりました。平成24年度、住民税はどうなりますか?
A.住民税は毎年1月1日現在住所のある市町村で課税されます。平成23年度に出国されその後継続して1年以上海外に居住することが確実な場合は、平成24年度は課税されません。
その他住民税についてお知りになりたい方は、住所地の市町村役場又はお近くの税理士にお聞き下さい。

(税理士 長瀬徹)
9月 05 2011

グループ法人税制について

制度の概要
 平成22年度の税制改正で創設されたグループ法人税制は、大まかに言うなら「□1完全支配関係にあるグループ法人間の特定の取引による損益に対して課税しない(または課税を繰り延べる)」、また「□2中小法人であっても、大法人の100%子法人には中小法人向けの課税特例措置を適用しない」という制度です。□1は平成22年10月1日以後の取引から、□2は平成22年4月1日以後開始事業年度から適用されます。
 同じくグループ法人を対象にした連結納税制度が選択適用であるのと異なり、資本金の大小に関係なく中小法人にも強制適用されますから注意が必要です。

完全支配関係とは
 グループ法人税制の適用対象となるのは完全支配が成立しているグループ内の内国法人です。ここで完全支配関係とは、「〝一の者〟が法人の発行済株式等の100%を直接又は間接に保有する関係」をいいますが、グループの頂点となる〝一の者〟は内国法人、外国法人、そして個人も含みます。内国法人は株式会社等の会社に限らず、医療法人、協同組合、公益法人など全てです。直接的な支配関係だけでなく、間接的な支配関係も含まれます。また〝一の者〟が個人の場合、同族関係者(六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族等)はまとめて〝一の者〟とみなされます。例えば兄と弟がそれぞれ別個に100%所有する法人の場合、法人同士は全く資本関係が無くてもグループ法人となります。

対象となる取引等
 グループ法人間のどのような取引や状態がこの制度の対象となるかというと、①資産の譲渡、②寄附金、③受取配当等の益金不算入、④自己株式譲渡によるみなし配当、⑤残余財産確定時の未処理欠損金額の引継、⑥現物分配、⑦中小企業特例の適否判定基準がありますが、ここでは代表例として①②⑦についてご説明します。
 ①資産の譲渡▼グループ内での資産の譲渡取引で生じる損益について、課税が繰り延べられます。対象となる資産(譲渡損益調整資産)は、固定資産、土地、有価証券、金銭債権、繰延資産ですが、売買目的の有価証券や帳簿価格1,000万円未満の資産は除かれます。なお、譲受法人が譲渡損益調整資産をグループ外に譲渡したとき、あるいは完全支配関係でなくなったとき、課税の繰延は終了します。
 ②寄附金▼例えば親法人から子法人に対する金銭の譲渡や債権放棄が寄附に当たる場合、親法人側では全額を損金(税務上の経費)にでき、子法人側でも債務免除益を計上しなくて済むため、グループ内での相互支援がしやすくなりました。
 ⑦中小企業特例の適否判定基準▼軽減税率や交際費の損金算入といった、資本金1億円以下の中小法人に適用されている特例5項目について、資本金5億円以上の大法人の100%子法人は適用対象外となりました。

確定申告書の添付書類
 他の法人との間に完全支配関係がある法人は、その関係を系統的に示した図を確定申告書提出の際に添付しなければなりません。(平成22年4月1日以後開始事業年度より)

注意点
 完全支配関係が成立するかどうかは自社の株主名簿だけを見てもわからない場合が多々ありますので、多角的に資本関係を把握しておく必要があります。また譲渡損益調整資産は将来の課税にも関わってくるため、グループ全体での継続的な管理が必要です。

(税理士 高桑誠一)
9月 05 2011

来年開始消費税改正について

1.消費税改正の概要
 消費税の納付税額は、課税期間における課税売上等に係る『仮受消費税』から課税仕入等に係る『仮払消費税』を控除して求めます。これまでは、簡易課税制度を適用している事業者を除いて、この課税仕入等に係る『仮払消費税』については、課税売上割合が95%以上であれば全額控除が認められていました。しかし、平成23年度の消費税の改正で、平成24年4月1日以後開始する課税期間から、その課税売上高が5億円以上を超える事業者については、課税売上割合95%以上の場合の『仮払消費税』の全額控除の恩典が無くなりました。つまり、従来、課税売上割合95%未満の場合に求められていた個別対応方式又は一括比例配分方式により、課税仕入等に係る『仮払消費税』のうち課税売上に対応するとみなされる金額のみしか控除できなくなります。よって、課税売上高が5億円以上の事業者は、控除できなくなる『仮払消費税』の金額だけ消費税の納付税額が多くなります。

2.課税売上割合
 課税売上割合とは、その課税期間中に国内において行った資産の譲渡等の対価の額の合計額のうちにその課税期間中の国内において行った課税資産の譲渡等の対価の額の合計額の占める割合をいいます(消費税法30⑥)。簡単に言えば、国内課税売上と国内非課税売上の合計額に対する国内課税売上の割合です。なお、非課税売上とは、消費税の性格から課税することになじまない売上や社会政策的な配慮から課税しないこととされている売上をいい、受取利息、土地の売却代金、土地の貸付けに伴う受取地代、住宅の貸付けに伴う受取家賃及び有価証券の売却代金が代表例です。ただし、有価証券の売却代金は、課税売上割合の計算上、売却代金の5%のみが非課税売上高とされます。

3.個別対応方式と一括比例配分方式
 個別対応方式とは、課税仕入れ等を、①課税資産の譲渡(課税売上)にのみ要するもの、②その他の資産の譲渡等(非課税売上)のみ要するもの、③これらに共通して要するものの3つに区分し、控除できる『仮払消費税』として①に係るものは全額、③に係るものは課税売上割合で按分した金額とするものです。これに対し、一括比例配分方式とは、すべての課税仕入れの等の『仮払消費税』を課税売上割合で按分し、控除対象とするものです。

4.今後の対応と問題点
 通常、個別対応方式の方が一括比例配分方式より控除できる『仮払消費税』が多くなり、納付税額が少なくなります。よって、課税売上高が5億円以上の事業者は、今後の対応として、『仮払消費税』の分類が必要です。この場合、「課税資産の譲渡のみに要するもの」の意義が問題になりますが、消費税基本通達11-2-12に規定があります。これまで、非課税売上割合が高い事業者の実務しかなかったため、課税売上割合が95%以上という事業者ではどのような新しい実務上の問題があるかは未知です。また、土地及び有価証券の売却等の多額の非課税売上があると、控除できない『仮払消費税』の金額が多額になります。早めに、関与税理士にご相談ください。

(税理士 朝比奈鋭一)
9月 05 2011

日本税理士会連合会が成年後見制度支援センター開設!

{超高齢化社会へ}
 内閣府の発表によると、平成22年10月1日現在、総人口(約1億2,806万人)に占める高齢者(65歳以上)の割合は、約23.1%となっています。
今後、総人口が減少するなかで、高齢化率は上昇し、平成67(2055)年には40.5%に達し、超高齢化社会になると予測されています。高齢化にともない判断力が鈍ったり、身体的な障害を負ったりして周りの助けがないと正常な生活が出来なくなる人が増加するものと考えられます。

{高齢化等に潜む危険}
 高齢化等に伴い判断能力が鈍り金融機関等による本人の意思確認等が出来なくなる結果、生活に必要なお金の引き出しや様々な契約が出来なくなったりする場合が生じる恐れがあります。さらに、最悪の場合、判断力の低下に乗じて本人に不利益となる詐欺的契約を結ばさせられたり、親族による財産の使い込まれたりといった事件も起きています。

{ますます利用が高まる成年後見制度}
 こうした高齢化社会への対応および障がい者福祉の充実の観点から、平成12年4月に成年後見制度が施行されています。その制度は、判断能力が不十分な高齢者等を保護し、支援するためのものです。
 成年後見制度が発足して10年余が経過しました。最高裁によると成年後見等に関する平成22年の申立件数は約3万件となっており、制度ができてからでも延べ20万人程度です。200万人を超えると推計される認知症高齢者数からするとこの制度が普及拡大していくのはまだまだこれからと考えられます。

{税理士会の成年後見制度に対する取組}
 税理士制度においては、税理士法1条に「税理士の使命」が規定されています。その使命を達成するには高潔な倫理観と高度な専門性が求められていますが、同時にその職能により社会へ貢献することが期待されています。こうした専門職としての社会の要請に応えるため、税理士会は成年後見制度への対応を重点施策とし、会員に向けた研修、保険制度の確立、成年後見人や成年後見監督人等の推薦を行って参りました。
 さらに今年の7月には、成年後見制度に関する一般的な相談や財産管理、成年後見人に関わる税金などについて相談を受け付ける窓口として日本税理士会連合会「成年後見支援センター」を開設しました。一般の皆様もご利用できますので気軽にご相談ください(電話03(3356)4421 夏期・年末年始休業日を除く平日午前10時~午後4時。ただし受付は午後3時30分まで、正午から1時間は休憩)。
 なお、東京税理士会成年後見支援センターでは、予約制で面談による相談も受け付けています。
 どちらも相談料は無料です。
 詳しくは日本税理士会連合会「成年後見支援センター」のホームページ(http://www.nichizeiren‐seinenkouken.org)をご覧いただくか全国の各税理士会にお問い合わせ願います(名古屋税理士会(052〈752〉7711 公益活動対策部担当)。
 将来的には成年後見支援センターの相談窓口拠点を全国に順次拡大する予定です。
 中部圏についても来年度に「中部・北陸成年後見支援センター(仮称)」の開設を目指して現在、準備を進めております。

{税理士会の公益活動の取組}
 名古屋税理士会では、成年後見制度以外にも

  1. 地方公共団体等の外部監査制度
  2. 地方公共団体の監査委員制度
  3. 地方独立行政法人の監事
  4. NPO法人や公益法人制度
  5. 民事・家事調停制度等
  6. 登録政治資金監査人制度

などについて税務業務や会計業務を通じて培われた職能を活かして社会に貢献すべく活動を行っています。

(税理士 浅岡勇夫)

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