7月 03 2012

生前贈与にかかる税金

Q.今年、自宅近くの空地に娘夫婦が家を新築したいと言っています。親としていくらか援助したいと思いますが、税金がかからないように何か良い方法があれば教えてください。
A.通常、親が子へ資金の贈与をすると基礎控除(暦年で一一〇万円)を超える金額に対して贈与税がかかります。ただし、住宅取得用の資金として一定の要件を満たせば、一千万円(平成二十四年中の贈与で一般住宅の場合)まで非課税とすることができます。

Q.どのような要件があるか簡単に教えてください。
A.親や祖父母(直系尊属)などから二十歳(その年の一月一日おいて)以上の子(孫)に対する金銭の贈与により翌年の三月十五日までに一定の居住用家屋(敷地を含む)を取得(新築・増改築を含む)し、居住の用に供した場合に適用できます。

Q.土地は主人の父の名義となっています。
この際、娘に名義変更したいのですが非課税の対象となりますか。
A.非課税の特例は居住用家屋の取得等に充てるための金銭の贈与に限られますので、不動産の贈与を受けた場合には適用されません。

Q.娘は子育て中で仕事ができないので残りのローンは娘の夫が支払うと思います。娘の夫に贈与しても非課税となりますか。娘の夫とは養子縁組はしていません。
A.もらう人から見て配偶者の父母は直系尊属に当たりませんので適用できないことになります。贈与は娘さんに行い、居住用家屋を金額に応じた共有持ち分で登記されることをお勧めします。また翌年の三月十五日までに贈与税の確定申告が必要ですのでお忘れなく。

 詳しい内容については、最寄りの税務署もしくは税理士にお尋ねください。

(税理士 倉 智子)

7月 02 2012

土地や建物を売却した時の税金

土地や建物を売却した時の税金の計算方法

 個人が所有する土地や建物を売却した際の譲渡所得に掛かる税金の計算方法は、分離課税といって事業所得や給与所得など、他の所得と分離して計算することになっています。また、売却した土地や建物の所有期間によって税率も異なります。これから譲渡所得の計算方法を解説していきます。

計算方法

 譲渡所得の計算方法は、土地や建物を売却した金額(譲渡価格)からその不動産を取得するのに要した費用(取得費)および譲渡に要した費用(譲渡費用)を差引いて計算します。さらにそこから特別控除の適用がある場合にはその特別控除額を控除して課税譲渡所得を求めます。計算式は以下の通りです。
 課税譲渡所得に損失が出た場合、土地や建物の譲渡所得以外の所得と損益通算することができないので注意が必要です。ただし、マイホームを売却して損失が出た場合は、損失を控除できる特例があります。

譲渡価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除=課税譲渡所得

 取得費とは… 売却した土地や建物の購入代金(建物の場合は減価償却相当額を控除)や、登録免許税、不動産取得税、仲介手数料など、その資産を取得するのに要した金額の合計額です。
 尚、土地や建物の取得費が分からなかったり、実際の取得費が譲渡価格の5%より少ないときは、譲渡価格の5%を取得費とすることができます。(概算取得費)
譲渡費用とは…売却した土地や建物を売却するために直接要した費用で、仲介手数料、測量費、印紙代、貸家の売却に際して借家人に支払った立退料、建物を取壊し更地にして土地を売却する時の取壊費用などです。売却するために直接かかった費用ですので、資産の維持や管理のための費用は譲渡費用にはなりません。
特別控除とは…譲渡所得の計算上、特例として以下の特別控除が受けられる場合があります。詳しくはお近くの税理士にご相談ください。

  1. 公共事業などのために土地建物を売った場合の5,000万円の特別控除の特例
  2. マイホーム(居住用財産)を売った場合の3,000万円の特別控除の特例
  3. 特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合の2,000万円の特別控除の特例
  4. 特定住宅地造成事業などのために土地を売った場合の1,500万円の特別控除の特例
  5. 平成21年及び平成22年に取得した国内にある土地を譲渡した場合の1,000万円の特別控除の特例
  6. 農地保有の合理化などのために土地を売った場合の800万円の特別控除の特例

税額の計算

課税譲渡所得×税率

 土地や建物を売却した年の1月1日現在で、その土地や建物の所有期間によって「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に区分され、それぞれ税率も異なっています。

区分 所得税 住民税
所有期間が5年超 長期譲渡所得 15% 5%
所有期間が5年以下 短期譲渡所得 30% 9%

 所有期間によって税率が異なるため、所有期間の判定は重要となります。判定の基礎となる、「取得の日」や「譲渡の日」は原則として次のように取り扱われます。
取得の日とは…

  1. 購入の場合…引渡しの日(売買契約の効力発生の日とすることもできます)
  2. 自ら建設した場合…建設完了の日
  3. 他に請負わせて建設した場合…引渡しの日

譲渡の日とは… 引渡しの日(売買契約の効力発生の日とすることもできます)
尚、相続や贈与により取得したものの所有期間は、原則として被相続人や贈与者の取得した日から計算します。

 平成24年中に土地や建物を譲渡した場合には、その取得が平成18年12月31日以前であれば長期譲渡所得に、平成19年1月1日以降であれば、短期譲渡所得に該当します。

(税理士 美濃島慎平)

7月 02 2012

国外財産調書制度の創設

 近年、国外財産に係る所得税・相続税の申告漏れ事案が急増していることに対処するため、平成24年度税制改正において国外財産調書制度が創設されました。

1.現行の財産報告制度

 所得税法では、所得金額の合計が2,000万円を超える場合には、財産債務明細書を提出することが以前より義務付けられていました。この財産債務明細書には、その年12月31日において有する国内外財産の種類や金額等を記載することになっています。法律上は義務になっていますが、罰則規定が設けられていませんので、もしこの明細書が提出されていない場合には、税務署より事後的な提出が求められるだけでした。

2.国外財産調書制度の概要

(1)国外財産調書の提出義務化

 その年12月31日において価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する個人(居住者)は、その財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を、翌年3月15日までに税務署長に提出しなければなりません。この場合、財産の評価については原則として時価としますが、見積価額とすることもできるとされています。なお、5,000万円という基準は、現行の相続税の基礎控除の定額部分を勘案したもののようです。

(2)過少申告加算税の特例

 1)加算税の優遇措置
 国外財産調書の提出促進策として、国外財産に係る所得税・相続税について、申告漏れ・無申告がある場合に、提出された国外財産調書にその申告漏れ等に係る国外財産の記載があるときは、その記載がある部分につき課される過少申告加算税(10%・15%)又は無申告加算税(15%・20%)が5%減額されます。
 2)加算税の加罰措置
 逆に、国外財産調書の提出がないとき又は提出された国外財産調書に申告漏れ等に係る国外財産の記載がないときは、その提出又は記載がない部分につき課される過少申告加算税又は無申告加算税が5%加算されます。
 3)罰則規定
 国外財産調書の不提出・虚偽記載に対する罰則が設けられ、法定刑は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります(情状免除規定あり)。
 4)適用時期
 上記(1)(2)は平成26年1月1日以後に提出すべき国外財産調書について適用されます。
 上記(3)は平成27年1月1日以後に提出すべき国外財産調書について適用されます。

3.まとめ

税務署が国外財産の情報を把握することは、国内財産と比べると困難です。そこで、納税者本人に国外財産について申告を求めるよう罰則規定等の提出促進策(アメとムチ)を講じた国外財産調書制度を創設しました。
 一方で、所得捕捉に関連して社会保障・税の共通番号制度導入の議論が進められています。共通番号制度導入により所得捕捉に一定の効果が期待されていますが、共通番号制度においても国外所得等の捕捉は困難である旨が指摘されています。グローバル化の進展に伴い、今後もさらに進むであろう財産の国外移転に対し、どのように納税環境を整備していく必要があるのかが今後も課題になりそうです。

(税理士 野々山 浩)

7月 02 2012

名古屋青年税理士連盟の活動

私たち名古屋青年税理士連盟(以下、名青税)は、昭和42年に設立され、主に名古屋市内の若手税理士が中心となって「会員相互の親睦」、「税法その他の研修」、「税理士会の発展並びに税理士の社会的地位の向上」を目的として活動している団体です。正会員は40歳までという年齢制限がありますが、41歳以上の賛助会員を含めると556名の会員が在籍しています。
 税理士という職業は、顧客である納税者からパートナーとしての信頼を得ることが必須であり、税務に関する専門的な知識だけでなく、豊かな人間性・社会性をも求められます。そのため、日頃から専門家として自己研鑽に努めるとともに、他者とのコミュニケーションを通じて社会人に求められる豊かな人間性や良識を養っておかなければなりません。
 名青税では、「研修会」「シンポジウム」「税法ディベート大会」等を企画し、専門家としてのスキルアップと基盤強化を図る活動をしています。また「会員家族会」や「新入会員歓迎会」といった親睦会も開催しており、会員相互の交流を深めていく中で豊かな人間性、社会性を養っています。さらに税理士制度に目を向け、新しい視点をもってあるべき税理士像を探求するとともに、「無料税金相談会」のように、税理士の地位向上に資する活動を行ってきました。このように、会員同士が互いに友情を深め合いながら自己研鑚し、税理士制度について議論できることが、名青税の魅力なのです。
 本年度は「魅力あふれる名青税を目指して~Join us!~」をスローガンに掲げました。前述のように、名青税では様々な事業活動を行っていますが、それらを漫然と毎年繰り返すだけでは不十分だと考えます。「魅力あふれる名青税」を実現するためには、1つ1つの活動が「誰にどのような良い効果をもたらすのか」を常に意識し実行していかなければなりません。特に本年度は、改正間近といわれている税理士法の研究に力を入れて活動していく予定です。
  最後になりますが、私たち名青税は、その活動を広く皆さんに知っていただくため、ホームページ(http://www.meiseizei.gr.jp/)を用意しております。またブログ(http://meiseizei.blogspot.jp/)も開設して、最新の活動内容や情報を随時発信していますので、こちらも併せてご覧ください。皆様からのご意見・ご感想をお待ちしております。

(税理士 安藤雅康)

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