9月 11 2012

相続税

Q:相続税って何ですか?

 相続税とは、亡くなった方の財産を相続により取得したときや、遺言によって財産を取得したときに生じる税金です。亡くなった方を被相続人とよび、相 続によって財産を取得した人を相続人とよびます。
 また、相続税の申告と納税は、相続の開始があったことを知った日(通常は、亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内に、亡くなった方の亡くなった当時の住所地の税務署に対して行わなければなりません。

Q:相続税はなぜあるの

 残した財産になぜ税金がかかるのでしょうか?これにはいろいろな説がありますが、代表的なものは次のとおりです。
 第一に、相続財産=不労所得であるという考え。ある人には相続する大きな財産があり、他の人には相続する財産がないということは、不公平なことです。これを是正するため大きな財産には大きな相続税を課して、それを結果的に社会に還元するというものです。
 第二に、相続税=所得税補完機能であるという考え。例えば、財産は売って実際に所得にならないと課税されませんので生きているうちに売却しない限り課税されないことになります。それを死んだときにいったん清算する、というものです。

Q:財産を相続したら、だれにでも相続税がかかるの?

 相続税は、財産を相続したらだれにでも税金が課税されるというわけではありません。
 被相続人が残した財産がどれだけあり、また、残された相続人(民法で定められています)がどれだけいるかなどによって決まります。というのは、相続税を計算するときに残した財産から基礎控除を控除するからです。
 基礎控除は、5,000万円+(1,000万円×相続人の数)で計算します。
 例えば、残された相続人が妻と子2人の場合、残した財産が8,000万円以下ならば、相続人が財産をどれだけ相続しても相続税はかからないことになります。

(税理士 森 靖)

9月 03 2012

新しい会計ルール「中小企業の会計に関する基本要領」について

 日本の会計基準は、昭和24年に「企業会計原則」が制定されてから実務の中で慣習法として取り入れられてきました。その後、経済取引の複雑化・グローバル化に伴い追加的に多くの会計基準が作成され、また国際的調和という観点からも検討が加えられてきました。しかし、その基準の多くは上場企業を対象としたような複雑で中小企業には馴染まないものが多く見受けられます。そのような中で、中小企業の実態に配慮し、その成長に資するための新たな会計ルールとして平成24年2月に「中小企業の会計に関する基本要領」(以下、中小会計要領)が公表されましたので、その趣旨と背景について述べさせていただきます。
 中小企業は、「経理人員が少なく、高度な会計処理に対応できる十分な能力や経理体制を持っていない。」「会計情報の開示を求められる範囲が、取引先、金融機関、同族株主、税務当局に限定されている。」「主に法人税法で定める処理を意識した会計処理が行われている場合が多い。」といった実態を持ち合わせており、中には会計のことは税理士にお任せというケースもあります。中小会計要領はそのような実態を考慮して、税制との調和や事務負担の軽減を図る観点から、多くの中小企業の実務で必要と考えられる項目に絞って、簡潔な会計基準等が示されています。わかりやすい会計を用いることは、経営者自らが自社の決算書を理解し、財務状況の把握をして投資判断や経営改善等に役立てることに繋がります。例えば決算期末の貸倒引当金の計算方法として、債権全体に対して法人税法上で中小法人に認められている法定繰入率により算定することを容認しています。今回の中小会計要領の意義は、中小企業が税制を意識して処理している会計方法が認められることを明確にしており、税効果会計、組織再編の会計等は除外し、基本的な14項目に限定し使うことのできる会計基準として作成されていることです。
 さて、このような会計ルール変更の背景には、人口減少や少子高齢化による需要の減少、大企業依存型のビジネスモデルの限界、アジア諸国との競争激化に大企業の海外進出加速化など、中小企業を取り巻く環境は厳しさを増す中で、経営支援はもとより地域金融機関とのリレーションシップ・バンキング構築の重要性が指摘されています。そして平成22年6月に閣議決定された「中小企業憲章」においては中小企業の役割の意義や重要性が謳われ、平成23年12月に公表された中小企業政策審議会企業力強化部会では、強化すべき戦略的経営力として財務経営力の強化が挙げられています。そのような観点から中小企業会計の整備が必要であり、決算書の信頼性の確保が求められています。さらには経営計画や資金繰り計画の作成が説明能力の向上や地域金融機関との信頼関係構築に繋がることも期待されています。
 あらためて我々税理士も新しい会計ルールへの対応と今求められる会計、決算書の信頼性の確保に努め、中小企業の経営力の強化と資金調達力の強化に尽力するとともに、中小企業のお役にたてるよう努めてまいります。
 最後に、中小企業庁は支援策等についてホームページで紹介しており、日本政策金融公庫ではこの中小会計要領を活用した利率の優遇制度を設けておりますので、ご活用ください。

(税理士 小関剛史)

9月 03 2012

贈与税の配偶者控除

 長年連れ添った妻に自宅を贈与したいと考えています。このような場合には贈与税を計算するうえで優遇されると聞きましたが、どのような制度ですか。

 婚姻期間が二十年以上の配偶者から一定の財産の贈与を受けた場合には、その年分の贈与税について基礎控除百十万円のほかに二千万円が控除できるという制度です。

 対象となる財産は、どのようなものですか。

 次の財産に限定されます。
 ①居住用不動産(土地、建物、借地権など)で日本国内にあるもの
 ②①の居住用不動産を取得するための資金(贈与を受けた年の翌年三月十五日までに居住用不動産の取得に充てられたもの)
 (注)贈与を受けた年の翌年三月十五日までにその居住用不動産に居住し、かつその後引き続き居住する見込みであることが要件となります。

 婚姻期間は、どのように計算するのですか。

 戸籍上の婚姻期間を計算します。婚姻の届出のあった日から贈与の日までの期間(一年未満の端数は、切り捨て)になります。したがって事実上の婚姻をしていても未入籍期間は、婚姻期間に含まれません。

 控除の対象となる財産の合計金額が二千万円に満たない場合の控除額は、どのように計算するのですか。

 その財産の合計金額までしか控除できません。たとえ控除不足額があっても、同一の配偶者からの贈与について一生に一度しか控除できません。

 どのような手続きが必要ですか。

 贈与を受けた年の翌年二月一日から三月十五日までに必要事項を記載し、戸籍の謄本などの書類を添付した贈与税の申告書を必ず提出します。

 贈与するうえで何かほかに留意することは、ありますか。

 ①この制度により贈与税がかからない場合でも、不動産の贈与には、登記費用、不動産取得税がかかります。
 ②通常は相続などにより財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前三年以内に贈与を受けた財産がある場合には、その財産の価格は相続税の課税価格に加算されます。しかし相続開始前三年以内の贈与であってもこの制度により控除を受けた又は受けようとする場合には、贈与を受けた財産のうち控除額に相当する金額は、加算されません。

(税理士 此奥久子)

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