11月 06 2012

退職所得課税の見直しについて

 平成24年度税制改正により、勤続年数5年以下の特定役員の退職手当等に係る退職所得については、2分の1課税が廃止されました。この改正は、平成25年分以後の所得税について適用されます。

1、改正の背景

 退職所得については、長期間にわたる勤務の対価として一時期にまとめて後払いされるものであることや、退職後の生活保障的な所得であること等から、退職所得控除額を控除した残額の2分の1を所得金額として課税する方法が採用されています。(以下「2分の1課税」といいます)
 しかし、この2分の1課税を利用して、当初から短期間のみ在職することが予定されている法人役員等が、給与の受取りを繰り延べて退職金を受け取ることにより、税負担を回避するといった事例が指摘されていました。
 そのため、一般従業員の退職金とは異なる事情にあることを踏まえて、勤続年数5年以内の法人役員等の退職所得については、2分の1課税が廃止されることとなりました。

2、改正の内容

 特定役員に該当する役員とは、法人税法に規定する法人の役員(取締役・執行役・監査役等)をはじめ、国会議員・地方公共団体の議会の議員、国家公務員・地方公務員で、勤続年数が5年以下の人が改正の対象となります。この特定役員に支給する退職手当等の退職所得の計算においては、2分の1課税を行わないことになりました。
 特定役員退職手当等に該当しない退職手当等については一般退職手当等と定義され、退職所得の計算方法は改正前の計算方法となります。
 使用人として勤務した後、役員として勤務して退職することとなった場合、勤務した年数分を一括して退職金として支給する場合があります。その場合には、一般退職金手当等の部分と特定役員退職手当等の部分に分けて退職所得を算出していくことになります。

(税理士 藤井義大)

〔具体例〕

 一つの勤務先に、使用人として25年間勤務した後、役員として3年間勤務した人に、使用人としての退職金と役員退職金を一括して支給する場合(使用人退職金2,000万円、役員退職金1,000万円)

退職所得の計算は、以下のとおりとなります。

  1. 特定役員退職控除額
    40万円×3年=120万円
  2. 一般退職所得控除額
    800万円+70万円×(28年-20年)- 120万円(特定役員退職控除額) =1,240万円
  3. 退職所得の金額
       特定役員退職手当等部分           
    (1,000万円-120万円)*1+[(2,000万円-1,240万円)×1/2]*2 =1,260万円

*1 特定役員退職手当等部分
*2 一般退職手当等部分

3、改正の適用にあたって注意すること

 この改正は、平成25年分以後の所得税について適用することとされているため、退職金を「収入すべきことが確定した日」が平成25年1月1日以後であれば、この改正が適用されます。
「収入すべきことが確定した日」とは、役員退職金の支給について株主総会等の決議を要する場合においては、その支給額を定める決議のあった日となります。そのため、その決議が退職金を支給することだけを定めるにとどまり、具体的な支給金額を定めていない場合には、その金額が具体的に定められた日が「収入すべきことが確定した日」となることに注意が必要です。
 平成24年12月31日以前に退職した役員であっても、支給額の確定が翌年1月1日以後となった場合には、この改正が適用されることになります。

(税理士 藤井義大)

11月 06 2012

年末調整とは

 年末調整とはどのような手続をいうのですか。
 確定申告は個人が自分で収入や経費及び所得や税金を計算して納税をします。一方、年末調整は雇用主が従業員の一年間の給与から税金を計算し、既に給与や賞与と天引きしている所得税の合計額から精算することで納税が完結する手続きをいいます。したがって、大部分の給与所得者は年末調整でその年の所得税の納税が完結しますので、確定申告をする必要はありません。

 なぜ毎月の給与から税金を天引きしているのに、あらためて年末に計算をする必要があるのですか。
 毎月天引きをする所得税は、年の途中で扶養家族が増減してもそれ以前の月に遡って修正をしないこと。また、生命保険料や損害保険料などの控除は毎月の天引きの際に全く考慮されず、年末調整の際に控除することとされていることなどです。したがって、毎月天引きされていた所得税はあくまでも概算にすぎず、年末に計算をし直して精算をする必要があります。

 年末調整の対象にならない給与所得者はどのような人ですか。
 ①給与が二千万円を超える人、②二ヶ所以上から給与をもらい、扶養控除等申告書を提出していない人、③年の中途で退職した人で再就職しなかった人(死亡退職等一定の場合を除く)などが年末調整の対象とならない人です。

 年末調整に必要となる書類や申請書について教えてください。
 年末調整のためには、年末調整に必要となる書類や申請書がいくつかあります。次に掲げるような書類や証明書を早めに揃えておきましょう。

  1. 扶養家族の氏名・生生年月日を扶養控除等申告書に記入、
  2. 生命保険・地震保険料の控除証明書に、給与所得者の保険料控除申告書の内容を記載し証明書を添付、
  3. ③中途入社の人については、前の勤務先の源泉徴収票を添付。

(税理士 古田時夫)

11月 05 2012

税を考える

11月11日(日)から11月17日(土)までの一週間は「税を考える週間」です。

(1)税金とは

 国や地方公共団体は、税金という会費により、年金・医療などの社会保障・福祉や、水道・道路などの社会資本整備、教育や警察、消防、防衛といった公的サービスを提供され、日々の暮らしが支えられています。
税金は、国民が広く公平に分かち合っていかなければなりません。すべての国民が「公平・透明・納得」という基本的な視点を持って、税制を見ていく必要があります。

(2)租税教育とは

 名古屋税理士会では、税の専門家として、社会貢献活動としての租税教育への積極的な取り組みをしています。
租税教育とは、特別な教育ではありません、日々の暮らしを支える道徳です。児童・生徒に向けての基本的な税に対する正しい理解を育てていくことは、これからの日本の将来のために重要です。また、社会に出る直前の高等学校、大学の生徒、学生、そして、一般社会人に向けた、申告納税制度の正しい知識と理解は、社会を支えるためには、必要不可欠です。
平成23年度税制改正大綱に、租税教育を行う担い手として税理士・税理士会が重要な役割を担っていることが盛り込まれました。
また、平成23年11月16日、文部科学省・総務省・国税庁による「租税教育推進関係省庁等協議会」が設立され、租税教育の一層の充実を図ることが、国としての取り組みとなりました。

(3)税理士とは

 税理士は、独立した公正な立場で、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、納税義務の適正な実現を図ることを使命とする職業です。
この使命に基づき、税務代理・税務書類の作成・税務相談を行っています。また、税に関する専門的知識や経験を活かし、租税教育、裁判所の民事・家事の調停制度や成年後見制度への参画等、社会貢献に努めています。
税理士は、身近な税の専門家です。税金に関することは、どんなことでも気軽にご相談ください。

(税理士 田口紀子)

11月 05 2012

消費税とは

 消費税とはどのような税ですか。
 消費税は、消費一般に対して広く公平に負担を求めるものであり、国内において最終的に商品を消費し又はサービスの提供をうける消費者が負担する税です。

 消費税は誰が納付するのですか。
 消費税を預った(商品等の本来の売価に消費税額分を上乗せして貰った)事業者が納税義務者として、後日まとめて、消費者に代わり間接的に税金として納める仕組みになっています。また、事業者が納付すべき消費税額は、売上に係る消費税額から仕入に係る消費税額を控除した金額を納付する事になっています。

 事業者とは誰ですか。
 消費税法上の事業者とは、個人事業主及び法人をいいます。

 納税義務者とは誰ですか。
 納税義務者は、製造、卸、小売、サービスなどの各段階の事業者となります。また、保税地域からの外国貨物の引取者(すなわち輸入者)個人も納税義務者となります。

 消費税はどこに納付するのですか。
 国内取引は所轄の税務署長に、外国貨物の引取者は所轄税関長に申告・納付します。

 全ての納税義務者が納付するのですか。
 事業者の納税事務の負担等を軽減する措置等の一環として、小規模な事業者に対して納税義務を免除する法令等があります。

 どのような取引に消費税がかかるのですか。
 国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、資産の貸付、役務の提供と外国貨物の輸入です。しかしながら、消費税の性格から、課税することがなじまないもの(土地の譲渡及び貸付他)や、社会政策的な配慮から課税しないこととされるもの(公的な医療費、学校の授業料、住宅の貸付他)については、非課税取引として課税されない取引もあります。詳しい内容についてはお近くの税理士にお尋ね下さい。

(税理士 森隆亮)

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