12月 08 2012

マンションの購入資金

 東京で一人暮らしをしている娘が、マンションを買うつもりのようです。援助してやりたいのですが、税金がたくさんかからないか心配です。いい方法はありますか?
 普通は、一人が一月一日から一二月三十一日までの一年間にもらった財産が一一〇万円を超えると、超えた部分に贈与税がかかります。ただ、一定の要件を満たした住宅取得のための資金等の贈与については、平成二五年中でしたら七〇〇万円(省エネ等住宅については一二〇〇万円)、来年なら五〇〇万円(同一〇〇〇万円)までは非課税となる特例があります。

 一定の要件とはどんなものですか?
 細かい点は省きますね。まず、贈与を受ける年の一月一日時点で二〇歳以上の人が、父母や祖父母など直系尊属から住宅等を取得するためにもらった資金であることです。取得する家屋については、登記簿上の床面積(マンション等の場合は区分所有する部分の床面積)が五〇平米以上二四〇平米以下という条件があります。お一人なのでこぢんまりとしたマンションを考えていらっしゃるかもしれません。お嬢さんに話しておかれたほうがいいですね。その上で、贈与を受けた年の翌年三月一五日までに住宅を取得し、住み始めた場合に対象となります。

 何か手続きをするのですか?
 今年の購入でしたら、来年二月一日から三月一五日までに税務署に贈与税の申告書を提出します。非課税の範囲内の金額でも、申告書を提出しないと特例の対象にはなりません。計算明細書、戸籍謄本、住民票の写し、登記事項証明書、住宅の取得に関する契約書の写し等を添付します。書類をまとめて保管しておいたほうが慌てずに済みますね。

 その他の注意点は?
 お話しできなかった条件もありますので、詳細が決まった段階で、税務署や税理士に確認されることをお勧めします。

(税理士 德永有香)

12月 03 2012

年末調整

 今年も、年末調整を行う時期がやってまいりました。サラリーマンや公務員など給与所得者は、毎月の給与や賞与などの受け取りの際に所得税が源泉徴収されています。しかし、その年1年間に給与等から源泉徴収をした所得税の額は、必ずしも1年間に納めるべき税額とはなりません。このため、一致させる手続きのことを「年末調整」といいます。ここでは、昨年からの改正点を中心に解説します。

1. 生命保険料控除制度の改正

 平成22年度税制改正により、平成24年1月1日以降に加入の保険契約より、「一般生命保険料控除」、「個人年金保険料控除」に加え、「介護医療保険料控除」が新設され、適用限度額が変わりました。介護医療保険料とは、介護(費用)保障又は医療(費用)保障を内容とする主契約又は特約に基づいて支払った保険料等をいいます。また、控除額は最大で3つあわせて合計12万円となりました。

(1)生命保険料控除の計算方法

 平成24年1月1日より、契約日を基準として、「旧制度」「新制度」2つの制度が並存します。適用される制度に応じた生命保険料控除を受ける事ができます。
「旧制度」・・・平成23年12月31日以前に加入の保険契約等に係るもの
「新制度」・・・平成24年1月1日以降に加入の保険契約等に係るもの
平成24年から、旧制度と新制度の控除額の計算方法は、以下の表の通りです。

「旧制度」(一般・個人年金保険料控除 それぞれに適用)
年間の支払保険料等 控除額
25,000円以下 支払保険料等全額
25,000円超 50,000円以下 支払保険料等×1/2+10,000円
50,000円超 100,000円以下 支払保険料等×1/4+20,000円
100,000円超 一律 50,000円
※ 一般・年金あわせて最大100,000円の控除
「新制度」(一般・個人・介護医療保険料控除 それぞれに適用)
年間の支払保険料等 控除額
20,000円以下 支払保険料等全額
20,000円超 40,000円以下 支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超 80,000円以下 支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超 一律 40,000円
※ 一般・年金・介護医療あわせて最大120,000円の控除

(2)「旧制度」と「新制度」の両方に加入している場合の保険料控除額の計算

 「旧制度」と「新制度」の両方に加入している場合、「一般生命保険料控除」・「個人年金保険料控除」は、それぞれの控除ごとに、申告方法を選択することができます。

  1. 「旧制度」に係る保険料等に対する控除額
  2. 「新制度」に係る保険料等に対する控除額
  3. 1.と2.の合計控除額

上記の①~③いずれかを選択することができます。
※③を選択する場合、「新制度」の適用限度額が控除額の上限となります。

2.自動車等を使用して通勤する人が受ける通勤手当の非課税限度額

 平成23年度の税制改正により、自動車等を使用して通勤する人の通勤手当の非課税限度額の計算方法が変更されています。この場合の非課税限度額は、その片道の通勤距離に応じて定められています。改正前は、定められている一定の金額よりも鉄道等の公共交通機関を利用した方が高額な場合は、運賃相当額(最高限度額10万円)までが非課税とされていました。しかし、改正により廃止され、運賃相当額の置き換えができなくなりました。この改正は、すでに平成24年1月1日以降に受け取るべき通勤手当から適用されていますのでご注意ください。

3.復興特別所得税の源泉徴収

 年末調整が終了すると、平成25年分の給与等の源泉徴収が始まります。平成23年度税制改正において、復興特別所得税の源泉徴収が創設されました。これにより、所得税の源泉徴収義務者は、平成25年1月1日から平成49年12月31日までの25年間に生ずる所得について、通常の源泉所得税を徴収する際に併せて復興特別所得税の徴収し、通常の源泉所得税の法定期限内までに国に納付することになりました。平成25年分の源泉徴収税額表は復興特別所得税を含んだ税額表に変更されていますので、以前の税額表はご使用にならないようご注意ください。

(税理士 中垣吉晴)

12月 03 2012

「税理士のニセモノについて」

 年が明けますと所得税の確定申告の準備を始められる方もいらっしゃるかと思いますが、この時期には税理士のニセモノがよく現れます。「納める税金を少なくします」、「安い費用で確定申告を引き受けます」、「税務署に顔がききます!」などと、所得税の確定申告を初めて迎え不安な方はもとより、毎年確定申告をしている方に対しても、甘いことを言ってつけ込んでくるようです。
 税理士法では、税理士は他人の求めに応じて、租税に関して主に次の業務(以下、税理士業務といいます。)を行うことが許されています。(税理士法第二条第一項)

  1. 税務代理(税務申告を代理、代行すること)
  2. 税務書類の作成(税金の申告書、税務にかかわる申請書等を作成すること)
  3. 税務相談(税金の計算、税務処理についての相談に応ずること)

 税理士でない者がこのような業務を行うと、依頼者から報酬を受け取らなくても税理士法により罰せられます。(税理士法第五十九条 二年以下の懲役又は百万円以下の罰金)
それでは、具体的にどのような行為が税理士のニセモノにあたるのでしょうか。

  1. 税理士事務所や税理士法人に勤める職員が、代表者が関知しない個人、法人に対して代表者に隠れて税理士業務を行う。
  2. 以前、税理士事務所や税理士法人に勤めていた税理士資格のない者が、在職中につちかった知識や人脈を頼りに税理士業務を行う。
  3. 税理士事務所で代表者のみが税理士資格を有する事務所で、代表者が死亡し、その後、税理士資格を有する者が代表に就任しないまま税理士業務を行う。
  4. 税理士の名前を形式的に借りて、税理士資格のない者が税理士業務を行う。
  5. 社会保険労務士が給与所得の源泉徴収票や法定調書の作成などを行い、税務署や市町村役場へ提出する。
  6. 経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナー、不動産業者、建設業者などが税理士資格がないにもかかわらず税務相談等税理士業務を行う。
  7. これまで税金や経理の仕事にたずさわり、知識、経験のある人が税理士資格のないまま知人、友人、親類縁者の確定申告の世話をする。

などです。
 また、次の者も税理士業務はできません。

  1. 試験制度をはじめ税理士登録の基準を満たしていても実際に登録をしていない者
  2. 財務大臣による懲戒処分を受け、税理士の業務禁止処分及び一定期間の業務停止処分を受けている者

 税理士のニセモノは申告書を作成しても署名せず、税務調査の立会いもしません。なぜなら、税務調査に立ち会う権利がないことに加え、税理士法により懲役や罰金の処罰を受けるおそれがあるので、堂々と税務署職員の前に立つことができないからです。そして、税務調査の結果、税務上の大きな間違いがみつかり、青色申告の承認の取消しや思いもよらない金額の税金や加算税などが出るかもしれません。そんなことになっても、税理士のニセモノは責任を取りません。トラブルに巻き込まれ、余分な時間や労力を使い、大変な目に合わないためにも、税理士のニセモノには依頼しないで下さい。
税理士かどうか不審に思った方は、日本税理士会連合会のホームページにある税理士情報検索で探して頂くか、名古屋税理士会に電話でご確認下さい。また、税理士のニセモノの情報をお持ちの方は、ただちにお近くの税務署や名古屋税理士会にご連絡下さい。(名古屋税理士会 052-752-7711)

(税理士 吉野泰一)

12月 03 2012

宝くじが当たったら

Q 宝くじの当選金に税金はかかりますか?
A かかりません。ジャンボ宝くじ、ナンバーズ、ミニロト、ロト6などの宝くじは当せん金附証票法13条により、所得税は非課税とされています。住民税も同様に非課税となります。
なお、サッカーくじtotoは宝くじではありませんが、スポーツ振興投票の実施等に関する法律で非課税とされています。これに対し、競輪のチャリロトは販売総額に対する払戻金の割合が高いため非課税の規定はなく、所得税が課税されます。

Q 当選金を家族などの誰かにあげたら?
A 当選金が非課税なのは当選した本人だけです。家族間であっても当選金を分け与えてしまうと、贈与税の対象となります。受け取った人は贈与税の納税が必要になる場合があります。Q 家族やグループで共同購入した場合は?
A 家族、グループ全員の名義で受け取れば、税金はかかりません。代表で1人が受取り、後で分配すると贈与税の対象になりますので注意が必要です。全員そろって受取りに行くか、全員の委任状を準備して受取りに行きましょう。

Q 宝くじに当選したことを証明するには?
A 宝くじの当選金で家を建てたり、事業資金に充てたりした場合、税務署からお金の出所についてお尋ねがある場合があります。こういった場合に備え、当選金を受け取る際には、当選証明書を発行してもらいましょう。

Q 海外の宝くじが当たったら?
A 日本国内で海外の宝くじを購入することは刑法に触れる恐れがありますが、旅行先で購入し、当選して受け取るといったことは考えられるでしょう。この場合、その国の法律により税金が課税されるほか、当選金を日本国内へ持ち込んだ場合には所得税が課税されます。

(税理士 佐伯 かおり)

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