5月 08 2013

離婚した際の税務

 離婚したときに、夫からもらう財産には税金がかかるのでしょうか?
 離婚に伴い財産分与で現金預金や慰謝料などを受けとった場合、これらの財産は贈与税や所得税などの税金の対象にはなりません。でも、以下のようなケースでは、贈与税がかかることがありますので注意が必要です。

  1. 受け取った財産の額が夫婦が築いてきた財産の額を考えても多過ぎる場合。この多過ぎる部分が贈与税の対象となる場合があります。
  2. 財産隠しのためにわざと離婚して、多額の財産を分与した場合、離婚によって受け取った財産の全てに贈与税がかかります。

 では、①、②のようなケースでなければ税金を納める必要はないのですね?
 土地や建物などの不動産を財産分与した場合、分与した人に、譲渡所得税が課せられることがあります。例えば夫が三千万円で土地を買ったとします。これを妻に財産分与し、この時の価値が四千万円だったとします。この差額一千万円が譲渡所得となります。この譲渡所得に対して、夫は譲渡所得税を納めなくてはいけません。

 夫が購入した自宅マンションを財産分与してもらう予定です。もし、時価が購入金額よりも高ければ、夫は譲渡所得税を支払わなくてはいけないのでしょうか?
 居住用の不動産を財産分与する場合、時価から購入金額を差し引いた金額(譲渡所得)が三千万円以下であれば、譲渡所得税を納める必要はありません。「居住用財産の譲渡所得の三千万円特別控除」の適用の対象となるからです。この特別控除を受けるためには、離婚成立後に財産分与をしなくてはいけませんので注意して下さい。
また財産分与で不動産を受け取った場合は不動産取得税、登記の際には登録免許税が課せられます。でも、一定の要件が満たせば軽減税率が適用される特例もあります。毎年固定資産税の納付も必要になってきます。

(税理士 篠田陽子)

5月 01 2013

太陽光発電の即時償却にご用心!

 所得税法では、所得を10種類に分類し、その区分された所得ごとに所得の金額の計算を行う仕組みになっています。その内訳は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得であり、これら9種類の所得分類のいずれにも該当しないすべての所得を「雑所得」として定義しています。
 所得税法上、損益通算という節税に効果的な制度がありますが、雑所得は、その損失(赤字)が損益通算の対象とはなりません。だからこそ、実務上では、雑所得と他の所得(特に事業所得)を区分する基準(雑所得の範囲)が常に問題となっているんですね。

 こうした「雑所得」を巡る問題点は、昨年、話題になった太陽光・風力発電設備の「即時償却」において、皮肉にもクローズアップされる形となりました。この即時償却を申請できる対象者は、青色申告を提出する法人や個人に限定され、ある一定の出力要件を前提に、太陽光・風力発電設備を取得し、1年以内に事業に供した場合に申請可能となります。。設備費の100%を初年度に即時償却できるわけですから、業績好調な企業にとっては、節税効果を期待して導入を検討する企業も多かったと思います。

 こんな新制度における売電収入は、従来までの「余剰電力」の売電収入と違い、「全量買取」制度が前提となっている点がポイントです。つまり、売電収入は、所得の区分上、明確に「雑所得」と定義付けられた結果、青色個人事業主が、太陽光設備を設置して、売電収入を得たとしても、その取得に関連した経費(減価償却費等)を他の事業所得と損益通算は出来ないことが明確にされた訳です。恐らく、国税庁が想定している個人事業主とは、発電事業者か、よほど大規模な事業者を想定しているもの思われ、だとすれば、青色個人事業者において、即時償却を申請できる該当者は、ほぼゼロであると解釈しても差し支えはないでしょう。

 でも、こうした一連の見解は、一般納税者にはあまり知られていない話です。実際、各省庁や太陽光設備業者のパンフレットを眺めているだけでは、青色の法人や個人なら、あたかも「即時償却」の申請が可能だと誤解を生んでもおかしくない。ましてや、本制度が期限延長されただけに、青色個人事業者が、太陽光設備の取得に伴い発生した減価償却費を、他の事業所得との損益通算に使用できるかどうかの是非を巡って裁判事例やトラブルが今後、増えてくるかもしれない。実務家である私ですら、同様な設備を取得して、法人では即時償却が可能だが、青色個人事業者は適用外とする実情に、果たして整合性があるのかと正直、違和感を感じているんです。 

 ともあれ、現行制度では、青色個人事業主が太陽光発電設備を設置する事によって損益通算することは不可能なのは間違いない。設備導入を検討している青色個人事業主の方は、慎重に判断をした方が良さそうです。こんな時こそ、安易な思い込みや人伝の話に飛びつかず、思わぬ「税務上の不利益」を被る前に、税の専門家たる税理士にまずは相談することをお勧めする。そして、適正な税務申告を心掛けたつもりでも、結果的に、多額な追徴課税を支払う羽目にならない様、納税者本人がまずは正しく税制を理解し、日頃から、自分自身に当てはめて該当するかどうかを確認していくことが、いかに重要な事かを再認識して頂きたいものです。

(税理士 長尾 博)

5月 01 2013

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度の創設

平成25年3月29日に国会で可決・成立された「所得税法等の一部を改正する法律案」によって、所得税の最高税率の引き上げ、住宅ローン減税の拡充、相続税の税率構造の見直し、小規模宅地等の特例の拡充、事業承継税制の見直し、子や孫等に対する教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設、法人税の中小法人の交際費課税の特例の拡充等々が決まりました。
増税案が目白押しの中、減税となる制度が創設されましたのでご紹介します。

制度の概要

高齢者層の保有する金融資産を若年世代へ移転を促し、教育資金の確保を図るため、本制度は創設されました。具体的には、平成25年4月1日から平成27年12月31日までに、両親や祖父母(贈与者)から、子・孫(受贈者)名義の金融機関の口座等に、教育資金を一括して拠出し、一人あたり1500万円まで非課税とされます。教育資金の使途は、支払った領収書等を金融機関が確認し、教育費と認められる場合は、払い出しをし、書類を保管し税務署へ報告します。子・孫が30歳に達する日に口座等は終了し、使い残しがあれば、その時点で贈与税が課されます。

教育資金とは

    1. 学校等に対して直接支払われる次のような資金
      入学金、授業料、入園料、保育料、施設費又は入学(園)試験の検定料等
      学用品費、修学旅行費、学校給食費など学校等における教育に伴って必要な費用等
    2. 学校等以外に対して直接支払われる次のような資金で社会通念上相当と認められるもの
      教育に関する役務の提供の対価や施設の使用料等(学習塾等)
      スポーツ又は文化芸術に関する活動その他教養の向上のための活動に係る指導の対価等

よくある誤解についての回答

扶養義務者1) 間で必要な都度支払われる教育費用については、そもそも贈与税は非課税です。
本制度を利用しても暦年の贈与の非課税枠(年間110万円)は、併用できます。
1500万円の非課税枠は、受贈者単位ですので、贈与者単位ではありません。
一括といっても、一度に1500万円振り込まなくても、期間内に少しずつでも大丈夫です。
万が一、受贈者(子・孫)が30歳になるまでに死亡しても贈与税は課されません。
金融機関が、税務署への届出等を行いますから確定申告は、原則不要です。

1)相続税法1の2-1配偶者及び民法第877条の規定による親族をいう。

(税理士 荒川章三)

5月 01 2013

競馬と税金

競馬での儲けでも確定申告する必要があります

Q1.競馬や競輪での儲けがあった場合(所得がある場合)、税金はかかるのでしょうか?
A1.競馬や競輪での所得は一時所得に該当し、金額によっては確定申告が必要となります。Q2.どのような場合に確定申告が必要となりますか?
A2.競馬での儲けが区分される一時所得は次のように計算されます。
『総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額』
一時所得は、その所得金額の1/2の金額を給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算します。
 例えば1か所から給与等の支払を受けている人で、その給与等の収入金額が2,000万円以下の場合は、「給与所得及び退職所得以外の所得金額」が20万円を超えないときは、確定申告をする必要があません。
 したがって、競馬の払戻金の一時所得のみの場合は、特別控除後の金額を1/2にした金額が20万円を超える場合は確定申告をする必要があります。

Q3.競馬での所得を確定申告する際の注意点:①「収入を得るために支出した金額」
A3.一時所得を算出する際の「収入を得るために支出した金額」にはその所得に直接関係した支出しか認められません。したがって競馬で得た所得の場合は、その当たり馬券の購入費のみが対象となります。

Q4.競馬での所得を確定申告する際の注意点:②「特別控除額(最高50万円)」
A4.一時所得の特別控除額(最高50万円)は、仮に年に2度、50万円超の所得(払戻金-当たり馬券の購入費)があった場合でも、合計して50万円までしか特別控除は適用されません。

Q6.競馬で儲かった時の税額の算出方法について
A6.例えば天皇賞で1万円馬券を購入し、100万円の払戻金があった場合、
「{(払戻金100万円-当たり馬券の購入費1万円)-50万円}×1/2=一時所得24.5万円」が課税の対象となります。一時所得245,000円は総合課税ですので、この所得を他の所得と合算して税額を算出します。所得税の税率は課税される所得金額によって異なります。

(税理士 田中聡一郎)

WordPress Themes