6月 11 2013

白色申告の記帳義務

Q.個人の白色申告者の記帳義務対象者が拡大されたと聞いたのですが?
A.個人の白色申告者のうち前々年分あるいは前年分の事業所得、不動産所得又は山林所得の合計額が300万円を超える方に必要とされていた記帳と帳簿書類の保存が、これらの所得を生ずべき業務を行う全ての方について、平成26年1月から同様に必要になります。(所得税の申告の必要がない方を含みます。)

Q.どのような内容を記帳すればよいでしょうか。
A.売上げなどの総収入金額と仕入れその他必要経費に関する事項です。
 記帳に当たっては、一つ一つの取引ごとではなく、日々の合計金額のみをまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっています。記帳は、所得金額が正確に計算できるように、整然とかつ明瞭にする必要があります。

Q.どのような帳簿等を保存すればよいでしょうか。
A.収入金額や必要経費を記載した帳簿のほか、取引に伴って作成した帳簿や受け取った請求書・領収書などの書類を保存する必要があります。
 また、帳簿や書類の保存期間は、収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)は7年、業務に関して作成した上記以外の帳簿、決算に関して作成した棚卸表などの書類、請求書や領収書などの書類が5年間となっています。上記詳細は国税庁HPに掲載されています。
 以上のように今まで記帳が必要なかった白色申告者の方は、従来と比べると事務負担がかかることになります。そこで、今後、青色申告特別控除や専従者給与などの特典がある青色申告の選択を検討してみるのもいいかもしれません。

 上記内容の詳細については、お近くの税理士又は税務署にお尋ねください。

(税理士:田中弘郎)

6月 05 2013

「臨税」廃止にむけて

 「臨税」とは、税理士法第50条第1項(臨時の税務書類の作成等)に以下のように規定されています。「国税局長は、租税の申告時期において、又はその管轄区域内に災害があった場合その他特別の必要がある場合においては、申告者等の便宜を図るため、税理士又は税理士法人以外の者に対し、その申請により、二月以内の期間に限り、かつ、租税を指定して、無報酬で申告書等の作成及びこれに関連する課税標準等の計算に関する事項について相談に応ずることを許可することができる。ただし、その許可を受けることができる者は、地方公共団体の職員及び民法第34条の規定による法人その他政令で定める法人その他の団体の役員又は職員に限るものとする。」具体的には、個別通達により租税の税目の指定は、原則として申告所得税及び個人事業者の消費税に限るものとし、その許可を与える基準は、①地方公共団体②農業協同組合③漁業協同組合④事業協同組合⑤商工会の役員又は職員に限られます。

 一昨年の「臨税」のうち農業協同組合の職員への付与(以下「農協臨税」という)件数の状況は、全国で726件うち名古屋国税局管内122件(うち名古屋税理士会13件)申告件数は、名古屋国税局管内で約5万件(うち名古屋税理士会約3千5百件(消費税を除く))です。

 この税理士第50条は昭和26年に税理士法が制定され、現在に至るまで何度かの改正の中でも残り続けてきました。当時全国で税理士は6千人ほど、確かにこのような制度が必要であったかもしれません。しかし現在全国で7万人を超える会員を擁する団体になり、この規定の意味がなくなってきたのではないでしょうか。名古屋税理士会では「農協臨税」について問題としてとらえている点が2つあります。第1に「臨税」付与の期間が二月以内と限定されているのに農協職員の税理士行為の日常化されている点、第2に制度的に無資格者でも期間および税目限定とはいえ、税理士業務ができるという点です。農協との話し合いの場がないことが第1の最大の問題と考え、毎年協議会の開催の申し入れを行っております。

 第2の問題点は今回の税理士法改正では見送られましたが、粘り強く要望を出し、運用面での改善を求めていく必要があります。

 今後、「臨税」付与を外していくためにも「統一的なビジネスモデルと工程表」の作成をすること、東海税理士会と隣接する農協に対しては「情報の交換と情報の共有」を進めながら東海税理士会と「農協臨税」に対するスタンスの違いを埋めていくこと、これらを税理士会、農協そして組合員納税者の三者が友好な関係を保ちながら進めるのが成功への近道と考え取り組んでおります。

(税理士:松井孝穀)

6月 05 2013

消費税率の引き上げに伴う経過措置について

 消費税の税率については、平成26年4月1日から8%に、平成27年10月1日からは10%に引き上げられることになります。
平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率の取扱いについて、原則と経過措置規定を紹介します。
 なお、8%から10%への税率引上げ時における経過措置については触れておりません。

1.新税率適用時期の原則

 新税率は、平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等並びに課税仕入れ等について適用されますから、平成26年3月31日までに他から仕入れた資産を施行日以後に販売する場合には、原則として、資産の譲渡等については新税率が、当該資産の課税仕入れ等については旧税率が適用されることとなります。
 また、平成26年3月31日までに締結した契約に基づき行われる資産の譲渡等及び課税仕入れ等であっても、これらが平成26年4月1日以後に行われる場合には、原則として、当該資産の譲渡等及び課税仕入れ等について新税率が適用されます。

2.税率に関する経過措置

 平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等については新税率が適用されますので、旅客運賃、映画又は演劇等の入場料等についてもその資産の譲渡等が平成26年4月1日以後に行われる場合には、本来、新税率が適用されることとなります。
 しかしながら、これらの料金等については前売りを行うことが一般的であることから、平成26年3月31日までに前売りに係る料金等を領収している場合には、これらの前売りに係る旅客運賃、映画又は演劇等の入場等が平成26年4月1日以後に行われる場合においても旧税率を適用する経過措置が設けられています。
 このように、資産の譲渡等を平成26年4月1日以後に行う場合においても、旧税率を適用する経過措置が設けられている主なものは以下の通りです。

(1)旅客運賃等

 平成26年4月1日以後に行う旅客運送の対価や映画・演劇を催す場所、競馬場、競輪場、美術館、遊園地等への入場料金等のうち、平成26年4月1日前に領収しているもの

(2)電気料金等

 継続供給契約に基づき、平成26年4月1日前から継続して供給している電気、ガス、水道、電話に係る料金等で、平成26年4月1日から平成26年4月30日までの間に料金の支払いを受ける権利が確定するもの

(3)請負工事等

 平成8年10月1日から平成25年9月30日までの間に締結した工事(製造を含みます。)に係る請負契約(一定の要件に該当する測量、設計及びソフトウエアの開発等に係る請負契約を含みます。)に基づき、平成26年4月1日以後に課税資産の譲渡等を行う場合における、当該課税資産の譲渡等

(4)資産の貸付け

 平成8年10月1日から平成25年9月30日までの間に締結した資産の貸付けに係る契約に基づき、平成26年4月1日前から同日以後引き続き貸付けを行っている場合(一定の要件に該当するものに限ります。)における、平成26年4月1日以後行う当該資産の貸付け

(5)特定新聞等

 不特定多数の者に週、月その他の一定の期間を周期として定期的に発行される新聞又は雑誌で、発行者が指定する発売日が平成26年4月1日前であるもののうち、その譲渡が平成26年4月1日以後に行われるもの

参照:国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp

(税理士:萩原芳宏)

6月 05 2013

白色申告記帳義務

Q1.白色申告者の記帳義務とは何でしょうか?
A1.1年間の所得金額を計算するために、毎日の収入金額や必要経費に関する取引を記帳し、また、取引の際に作成したり受け取った書類を保存しておく必要があります。

Q2.記帳、帳簿書類の保存義務とは何をすればよいのでしょうか?
A2.記帳とは売上などの収入金額と仕入その他必要経費に関する事項を記録として残すことです。記帳は、所得金額が正確に計算できるように整然かつ明瞭にする必要があります。
帳簿書類の保存とは帳簿や領収証など取引に関連した書類を5年~7年間保存する必要があることです。

Q3.どのような人が対象になるのでしょうか?
A3.平成26年からは事業所得、不動産所得、山林所得のあるすべての人が対象になります。
今までは白色申告者の方は300万円を超える所得があった場合に、その翌年から記帳、帳簿書類の保存義務がありましたが、今回の税制改正により対象者の範囲が広がりました。

Q4.サラリーマンなどで副業の場合にも対象になるのでしょうか?
A4.事業所得、不動産所得、山林所得のある人が対象です。
 サラリーマンや主婦の方で副業として収入を得ている程度の場合には必要ありません。

Q5.記帳とは具体的には何をするのでしょうか?
A5.白色申告者の場合、単式簿記というお小遣い帳や家計簿のような何月何日にこれだけの収入があったとか、これだけの支払があったなどを記録する程度の簡単な帳簿です。

日付 科目 摘要 収入 支出 残高
繰越 100,000円
1/12 売上 本日売上 50,000円 150,000円
1/12 通信費 切手代 8,000円 142,000円
1/13 消耗品費 洗剤代 315円 141,685円
1/15 売上 本日売上 60,000円 201,685円
1/15 賃借料 家賃 100,000円 101,685円
1/16 普通預金 引き出し 50,000円 151,685円

Q6.記帳、保存義務がある代わりに何か優遇されることはあるのでしょうか?
A6.青色申告者を選択すれば、単式簿記の場合には10万円の青色申告特別控除が所得金額から差し引くことができます。
 逆に言うと白色申告も青色申告もどちらも簡易的な記帳、保存義務があるのでこれからは青色申告を選択することをお勧めします。

(税理士:石原慎一)

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