3月 06 2014

相続税の改正について

 来年1月1日以降、相続税の基礎控除が縮小されるとのことですがどの程度引き下げられるのでしょうか。
 定額分5000万円+相続人1人当たり1000万円の控除が4割引き下げられます。

 課税対象者はかなり増加するのでしょうか。
 名古屋国税局によると平成24年では管内全ての被相続人(死亡者数)の内約6%の方が課税対象者となっていますが改正後は約10%程度になるのではと予測されています。

 意外に少ない印象ですが。
 被相続人には財産を形成する前に若くして亡くなられた方も含まれています。また、のでマイホーム用地や事業用地を所有されている方、とりわけ地価の高い名古屋市やその近郊に土地を所有されている方は課税対象となるケースが多くなると思われます。

 増税の影響を緩和するような措置は講じられるのでしょうか。
 小規模宅地等の特例が大幅に拡充されます。この特例は相続人が引き続き生活の基盤とするような居住用、事業用及び貸付用の宅地等を取得する場合は一定の限度面積についてその評価額を最高で80%減額し相続税を軽減するというものです。

 どの程度拡充されるのでしょうか。
 居住用宅地の限度面積が240㎡から330㎡に拡大されるとともに、居住用宅地(330㎡)と事業用宅地(400㎡)の完全併用が可能となります。

 この特例を適用するために必要な要件はありますか。
 宅地の利用区分や取得した人ごとに定められた要件を満たさなければなりません。この特例の適用の可否によって税負担が大きく変わってきますので、事前にご自身のケースが要件に適合しているかを確認しておく事は相続対策として有効だと思われます。本特例の詳細や相続に関する質問等、お気軽にお近くの税理士にお問い合わせください。

(税理士 三島幹雄)

3月 06 2014

名古屋税理士会成年後見支援センター

 名古屋税理士会では、税理士がその職能及び専門的経験を活用し、成年後見人等への支援を行うため、平成24年7月5日に「名古屋税理士会成年後見支援センター」を開設しました。
当支援センターでは、成年後見制度に精通した指導員(税理士)が、税理士会会員だけではなく一般の方からも電話及び面談による相談を受け付けています。相談件数も当初予想していたよりも多く、成年後見制度への市民の関心の高さがうかがえます。
ここで、成年後見制度について簡単に説明しておきます。成年後見制度とは、認知症などで判断能力が十分でない方々を支援するため、共に生きる社会の実現を目指す仕組みです。成年後見人には、親族のほか、税理士等の第三者もなることが出来ます。また、本制度は、以下の三つの個別の制度から構成されています。

1.法定後見制度
本人(後見等を受ける人)の多様な判断能力や保護の必要性の程度に応じて補助、保佐、後見の三つに分け、家庭裁判所が適当と認める成年後見人等を選任して、支援する制度
2.任意後見制度
本人の判断能力が健常な段階で、契約によって、判断能力が低下した場合の後見の範囲や後見人をあらかじめ定めておくことが出来る制度
3.後見登記制度
制度の利用に関する情報の「登記」を義務付けるとともに、限定された者以外はその情報の入手を不可能とする制度

 さて、このような制度でスタートした成年後見制度も導入から早14年が経過しました。そしてこの期間の制度の利用状況は着実に広がりをみせており、当初年間15,000件程度であった申立て件数は、平成24年には34,000件を超えました。今後、更にその利用者は増加していくであろうことが予想されます。
 そして、少子高齢化が進む中、成年後見制度は国民だれもが関わる身近なものとなっていくのではないでしょうか。

〈名古屋税理士会成年後見支援センターのご案内〉

例えばこんな時・・・

  • 物忘れがひどくなって財産管理が出来なくなりました。どうしたらいいですか?
  • 銀行から成年後見制度を利用するように言われました。
  • 保佐人になってとわれました。どうしたらいいですか?
  • 将来、認知症になったらと不安です。今出来る事ありますか?
  • 任意後見と法定後見の違いを教えて下さい。
  • 子供が知的障がい者で将来が不安です。

 相談方法は、電話、面談の2つがあります。
相談料は無料です。まずは、お気軽にお電話下さい。

専用電話 052-752-5130
相談日 電話相談 毎週木曜日、金曜日
面談相談 毎週金曜日(事前予約制)
相談時間 午後1時30分~午後4時30分(受付は4時まで)
休室日 祝日及び夏季、年末年始等

名古屋税理士会ホームページ http://www.meizei.or.jp/

(税理士 小林直樹)

3月 06 2014

消費税の軽減税率制度の問題点

消費税10%時の軽減税率制度導入

 平成26年度税制改正大綱において、消費税10%の税率の時に、軽減税率制度を導入することが明記されました。しかし、無条件に軽減税率制度の導入を行うのではなく、その条件として、(1)「社会保障と税の一体改革」の原点に立って必要な財源を確保すること(2)関係事業者を含む国民の理解を得ることの2点があげられています。

軽減税率制度の導入理由

 そもそも、軽減税率制度を導入する根拠は、何でしょうか。これは、「消費税の逆進性」を緩和するための措置であると言えます。「消費税の逆進性」というのは、消費に対して比例的に課税する消費税では、所得が高い人ほど消費税の負担が重くなるものの、所得に占める消費の割合が高所得者ほど低くなるために、所得に対する税負担率は、所得が高くなるにしたがって低下してしまうという現象をいいます。
 この消費税の逆進性を緩和する手段として、生活必需品などの一部の品目に対して軽減税率を導入するということであります。しかし、軽減税率には次のような問題があり、消費税は、「単一税率」を維持し、「消費税の逆進性」対策は、別の方法を採るのが望ましいと名古屋税理士会は考えています。

軽減税率制度の問題点

  1. 何を軽減税率の対象とするか決定することの難しさ
    人々の生活様式や価値観の多様化によって、逆進性緩和のための軽減税率の適用範囲を合理的に決定していくことは極めて困難になっています。すでに消費税導入の先輩である欧州諸国では、軽減税率制度があるのは、当然であるように思われています。  しかし、軽減税率制度を導入したために、消費税=(欧州における付加価値税)は、税務当局にとっても、最も手間ひまのかかる税目となっているようです。
  2. 軽減税率の恩典は、富裕層にも及ぶ
    軽減税率の恩典は、軽減税率が適用される財・サービスの絶対消費額は、低所得者層よりも富裕層の方が大きいので、生活必需品への軽減税率の適用は、低所得者層も恩恵を受けるが、富裕層の方がより一層恩恵を受けることになることも考えられます。
  3. 軽減税率に伴う事業者の事務負担の増加
    消費税は、消費者が税金を負担する仕組みを採っていますが、納税および税額の計算については、事業者が行うことになっています。軽減税率が導入されれば、消費税の税額を計算するのが大変煩雑になり、その事務負担は、事業者が負うことになります。
  4. 軽減税率導入が、消費税率高騰を招く
    軽減税率を導入すると、その分だけ消費税の税収が減ることになってしまいます。そこで、これを補うために、標準的な消費税率をさらに上げねばならないという事態となってしまいます。

おわりに

 税率8%時には、逆進性緩和手段として、「簡易な給付」が実施されることになっています。この給付制度をより発展させた制度として、マイナンバー制度を前提とした「給付付き税額控除」という制度もあります。この制度は、すでにカナダ、ニュージーランドにて導入されており、上記問題点を合理的に解決してくれる制度なのです。なにも欧州で一般的となっている制度をまねる必要はなく、「日本の消費税率は、単一税率で」を貫徹することこそ、消費税が未来の安定財源となる基礎を築くことになるのです。

(税理士 国枝宗徳)

WordPress Themes