4月 08 2014

「総額表示」の義務付け

Q1.消費税に関して価格の表示方法が定められていると聞きましたがどのように表示するべきなのですか?
A1.消費税法では、消費者に商品の販売やサービスの提供を行う課税事業者には、値札やチラシなどにおいて、あらかじめその取引価格を表示する際に、消費税額(地方消費税額を含みます。)を含めた価格を表示することを原則としています。
 例えば、次に掲げるような表示が「総額表示」に該当します。
 10,290円
 10,290円(税込)
 10,290円(税抜価格9,800円)
 10,290円(うち消費税額等490円)
 10,290円(税抜価格9,800円、消費税額等490円)

Q2.総額表示の対象となる業種、表示媒体を教えてください。
A2. 対象となる価格表示は、商品本体による表示(商品に添付又は貼付される値札等)、店頭における表示、チラシ広告、新聞・テレビによる広告など、消費者に対して行われる価格表示であれば、それがどのような表示媒体により行われるものであるかを問わず、総額表示が義務付けられます。
 ただし、事業者間での取引は総額表示義務の対象とはなりません。

Q3.今回の消費税率引き上げ時には、どのように価格の表示をすればいいですか?
A3. 総額表示の方法によると消費税率引き上げのつど価格表示を改める必要が生じ、事務的に煩雑になることが予想されます。そこで今回の消費税法改正に伴い、平成25年10月1日から平成29年3月31日までの間において、「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」を講じている場合に限り、税込価格を表示(総額表示)しなくてもよいこととされています。
 例えば、次に掲げるような表示が該当します。
 9,800円(税抜)
 9,800円(本体価格)
 9,800円+税
 なお、消費者の方々にも配慮する観点から、この特例の適用を受ける事業者は、できるだけ速やかに「税込価格」を表示するよう努めることとされています。

(参考)
国税庁ホームページタックスアンサーNo.6902 「総額表示」の義務付け

(税理士 矢田宏昌)

4月 04 2014

消費税の軽減税率について

<与党税制協議会> 

 平成26年度与党税制改正大綱の中で、「消費税の軽減税率制度については、『社会保障と税の一体改革』の原点に立って必要な財源を確保しつつ、関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率10%時に導入する。」と決められた。これに基づく協議が自公で進められ、平成26年6月5日与党税制協議会から資料が公表されるとともに、軽減税率の対象範囲と社会保障の充実・安定との関係について広く国民の意見を聞きながら、検討していくこととされた。
 軽減税率の対象となる飲食料品は、①全ての飲食料品から、⑧精米のみ、までの8種類のパターンが示されている。また、区分経理のための仕組み(案)について、インボイス方式を含めた4種類の案について比較検討が行われている。
 (政府)税制調査会では、中里会長から「軽減税率の導入について否定的な意見が強く出ました。」と記者会見で発表された。また、与党税制協議会による業界団体からの意見聴取では、消費者団体は導入を求め、経済団体などからは導入に慎重な意見が出されている。さらに、飲食料品だけに限らず、住宅購入など軽減税率の対象範囲を広げてほしいという意見も出された。

<軽減税率の問題点>

 広く消費一般に負担を求めるという考え方に基づき、平成元年4月、消費税は3%という単一税率で導入された。従前の物品税(個別間接税)は、特定の物品だけが課税されるため、課税対象の「線引き」が困難であった。これらの不公平感、アンバランスを解消することが消費税導入の目的のひとつであった。軽減税率の導入は、再び「線引き」の問題を生じさせ、業界団体の政治的な駆け引きに繋がることになる。
 また、以下のような問題点も指摘されている。

  1. 軽減税率は納税義務者に追加的な事務負担をもたらす。
  2. 同じような商品の税率の高低が、消費行動やモノの売れゆきに直結する。
  3. 軽減対象範囲が広ければ広いほど、軽減分を埋め合わせるための財源の規模は大きくなり、その分、社会保障財源に影響を与えることとなる。

<公平で、簡素な税制を目指して>

 税制は、公平なものであり、かつ、国民に分かりやすい制度でなければならない。消費税の負担は、所得に対して逆進的であり、消費税率のアップにより問題が大きくなると言われている。所得が高い人は所得の一部を貯蓄するため、所得の全てを消費にまわさない。一方、所得の低い人は所得の全てを消費にまわすため、消費税率のアップによって所得に対する税の負担割合は、低所得者ほど増加するというのが逆進性の問題である。
 現在、わが国の税制は、複数の税を組み合わせて成り立っており、タックスミックス型税制と呼ばれている。所得税は累進税率が採用されており、所得が増えればより高い税率が適用される。消費税は比例税率であり、消費金額に応じて一定の税率で課税される。所得や消費、資産の状況に応じて、どのような課税体系にするべきかは、総合的に考えていかなければならない。
 低所得者に対する消費税率アップに伴う税負担の増加は、消費税の仕組みを変えるのではなく、簡易な給付を行うなど他の何らかの措置として検討すべきである。今般検討されている消費税の軽減税率は制度を複雑化するものであり、簡素な税体系を構築するという視点も忘れてはならない。

(税理士 木村幹雄)

4月 03 2014

サラリーマンの給与にかかる税金

問・サラリーマンの給与からはどんな税金が引かれていますか。
答・所得税、住民税、それから復興特別所得税です。

問・復興特別所得税はあまり聞きませんがどのような税ですか。
答・東日本大震災からの復興財源の確保のため平成25年から平成49年まで所得税と合わせて課される税です。ただし以下の説明では復興特別所得税が含まれているものについても「所得税」とします。

問・サラリーマンにとって年末調整はどのような意味がありますか。
答・年末調整は各月の給料からの源泉徴収税額と、年末に確定する一年間の所得税額との差額を調整し精算をする意味があります。

問・では年末調整を受ければサラリーマンは確定申告とは無関係となるのですか。
答・いいえ。そもそも所得税法では確定申告が原則ですが、例外として年末調整による年税額との差額が生じない場合は確定申告が不要という位置づけです。そのため他の所得があって追加で納税となる場合、年末調整では適用されない規定により還付を受ける場合、年中に退職して年末調整がされていない給料がある場合等は確定申告を行う必要があります。なおその際は年末調整を受けた給料も含めて全ての収入や控除を対象に税額を計算することになります。また年末調整は所得税の計算の規定に過ぎないため贈与税等他の税の申告が必要となることもあります。
 年末調整も確定申告もほとんどは起きたことに対する事後の手続きです。自分の収入や活動、生活の状況についてどのような規定の適用があるか、申告する義務があるか、申告すれば有利になるかは申告時期が来てから検討するのではなく、事前に税についての知識を深めることは大切かと思います。

(税理士 黒田正樹)

4月 03 2014

税理士の使命と税務支援

 読者の皆様、2月から始まった平成25年分所得税・消費税の確定申告や4月からの消費税率5%から8%への増税などで税に関する話題を耳にする機会が増えていませんか。友人や知人から確定申告に行ったら税金が戻ってきたという話を聞いたことがありませんか。
 たとえば、消費税の増税前にと平成25年中に住宅ローンを借りて家を建てた方やマンションを買われた方は、ほとんどの方が住宅借入金等特別控除を受けることができます。また、昨年1年間で医療費が家族合わせて10万円以上かかった方は、医療費控除を受けることができます。
 しかし、どうすればいいのかわからないという方、税理士にお任せ下さい!
 税理士法は、その第1条において、「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする」と定めております。また同時に無資格者による税理士業務を禁止することも定めております。近年の社会経済の急速な多様化、複雑化等、業務独占資格士業にも国民各層から一層の利便性が求められる中にあって、税理士制度も、時代の要請を的確に捉え、社会の要請に応え得る磐石な制度であらねばなりません。税理士会会則では、経済的な理由から税理士や税理士法人へ依頼できない納税者に対して、全ての税理士が税務支援に従事することを明記しています。「税理士の社会公共性(税務援助事業)」と「税理士の社会貢献(税務指導事業)」の二つの事業を基軸として、まさに税理士の使命として構築されたものが「税務支援」です。通常の税理士報酬を支払う能力に乏しい小規模納税者や税理士会が地域事情その他を考慮して税務指導を必要と認めた者に対して、税理士業務を無償又は低額で提供することにより、税理士の社会貢献とし同時に納税者との信頼関係に応え得ることを目的としております。

税務支援の3つの柱

(1)独自事業
 独自事業とは名古屋税理士会が設置し運営する、常設の税務相談室等で行う税務支援や電話相談等を言います。例えば名古屋市千種区池下の税理士会ビルにおいて一般納税者向けの「税務相談室」があります。また名古屋市・知多半島・岐阜県内には17の支部があり、その各支部においても同様の「税務相談所」を設置しております。小規模な事業者を対象として無料或いは低廉な料金にて税務相談や記帳指導等を行っておりますので、関心のある方はホームページ等を確認いただくか、各支部へ直接お問い合わせ下さい。
(2)受託事業
 受託事業としては、国又は地方公共団体が発注し受託した、所得税の確定申告期における「年金受給者等に対する説明会」や「所得税・消費税の無料税務相談」や「電話相談センター」などを行っております。
(3)協議派遣事業
 協議派遣事業とは、国もしくは地方公共団体、またこれらに類する団体等との協議により、税理士を派遣して税理士業務を実施するものです。具体的には、商工会議所や商工会、青色申告会や法人会等への派遣事業があります。また、名古屋国際センターと共同し「外国人の為の税理士による無料税務相談」も実施しております。
 名古屋税理士会では、これからも税理士としてその職能を生かして使命を果たし、少しでも社会へ貢献したいと考えております。

(税理士 桒原光博)

4月 03 2014

確定申告を忘れたとき 間違えたとき

 平成25年の所得税の確定申告期限の3月17日を過ぎ、季節は春爛漫となりました。期限内に申告や納税を忘れたときや間違えたときの取り扱いについて、ご説明します。
1.確定申告を忘れたとき

(1)期限後申告
 確定申告をしなければならない人は、①不動産所得や事業所得などがある人②サラリ-マンでは、1年間の給与の総額が2,000万円を超える人や、給与を2ヵ所以上から受けている人、20万円を超える給与以外の所得がある人③同族会社の役員などで、その法人から貸付金の利子や不動産の賃貸料などを受けている人④不動産を譲渡した人などです。
このような人が、申告期限内に申告をしなかった場合には、期限後申告ということになり、無申告加算税がかかります。
 調査を受けたあとで期限後申告をしたり、申告をしないために税務署から所得税額の決定を受けたりすると、それによって納める税金の15%(一定の場合は20%)相当額の無申告加算税がかかります。税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をしていれば、この無申告加算税が5%に軽減されます。
また、マイホ-ムを売った場合や、買い替えた場合の特別控除や特例計算など、確定申告書に所得の事項を記載し、所定の手続きをとることによって適用を受けられるさまざまの規定があります。言いかえれば、税金の負担を軽くするための規定の適用を受けるためには、確定申告を要件とするものが多いのです。
(2)還付申告
 確定申告をする義務のない人でも、確定申告をすると税金が還付される場合があります。
 ①年の途中で退職して年末調整していない人②年末調整の対象外の人など、年末調整において精算が正確に行われていない人③ロ-ンなどでマイホ-ムを取得した人④確定申告でなければ適用されない医療費控除、寄付金控除など所得控除の適用を受ける人の還付申告は、既に確定申告書を提出していない年分に限り、その還付申告書を提出できる日から5年間できます。つまり、確定申告を忘れていても時効にかからない5年以内ならば、還付申告書の提出により税金を戻してもらうことが可能です。

2.確定申告を間違えたとき 
 確定申告書を提出した後で間違いに気づいた場合には、次の3つの取り扱いがされます。
 ①申告書の提出期限内に気がついた場合には、税額の増減にかかわらず、訂正のための申告書を提出することができます。②申告書の提出期限後あるいは、還付金を受け取った後に気がついたときで、税額が実際より多すぎた場合や還付金が少なすぎた場合には、更正の請求ができる期間は、法定申告期限(還付申告は申告書の提出日)から5年間です。③申告書の提出期限後あるいは還付金を受け取った後に気がついたときで、税額が実際より少なすぎた場合や還付金が多すぎた場合には、修正申告書の提出によって訂正します。
 税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。税務署の調査を受けた後で修正申告をしたり、税務署からの申告税額の更正を受けたりすると、新たに納める税金のほかに、その税額の10%(一定の場合には15%)相当額の過少申告加算税がかかります。さらに、期限後申告および修正申告によって、納める税金には、法定申告期限から納付日までについて、延滞税がかかります。

(税理士 加藤玲子)

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