5月 08 2014

非課税所得について

Q 所得税がかからない所得があるのですか。
A 所得税は、個人の所得に対して課税されますが、社会政策的な配慮などから課税されない所得があり、これが非課税所得です。非課税所得となるものは法律で定められているため、法律の改正によって変わる場合があります。

Q どんなものが非課税所得となりますか。
A たとえば、生活用動産の譲渡による所得、失業保険金、怪我などの損害保険金、遺族恩給や遺族年金、宝くじの当選金、サラリーマンが受け取る通勤手当のうち一定額など、法律で定められたものです。

Q 生活用動産の譲渡による所得とはどんなものですか
A 日常生活に必要な家具、家電、衣服などの譲渡による利益です。
しかし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個又は1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は課税されます。

Q 夫が亡くなり、遺族厚生年金を受け取りますが、所得となりますか。
A 亡くなった人の配偶者などが受け取る遺族恩給、遺族年金などは非課税となります。遺族年金などは所得税だけでなく相続税も非課税となります。

Q 育児休暇中に受け取った給付金は所得になりますか。
A 雇用保険から受け取る失業保険や育児休業・介護休業などの給付金は、非課税です。病気療養中に健康保険から受け取る傷病手当金なども同じく非課税です。

Q 宝くじは非課税だそうですが、他の懸賞金はどうなりますか。
A totoの払戻金は非課税とされていますが、クイズの賞金や競馬の当選金などについては課税されます。

Q NISAを利用した場合の配当は非課税になりますか。
A NISA口座における譲渡益は非課税ですが、配当については受取方法で「株式数比例配分方式」を選択している場合のみ非課税となります。郵便局で受け取ったり、銀行の口座へ振り込む場合は、課税されますので、ご注意願います。

(税理士 片田絵理)

5月 01 2014

国税通則法の改正について

 国税通則法とは、国税に関する基本的事項について定めている法律です。昭和37年(1962)に施行されました。国税とは、国が賦課・徴収する租税で、所得税・法人税・相続税などの直接税と、酒税など間接税とがあります。国税通則法は、国税に関する法律関係を明確にするとともに、税務行政の公正な運営を図り、もって国民の納税義務の適正かつ円滑な履行に資することを目的として制定されました。今回は平成23年度税制改正で、国税通則法が大きく改正され、平成25年度から施行されている内容や、今年度から適用される内容のものもあり、以下改正点の全体像を紹介します。

1.白色申告の場合の記帳義務

 従来は、個人の白色申告者の前々年分あるいは前年分の事業所得、不動産所得又は山林所得の合計額が300万円を越える場合には、記帳と帳簿の保存義務が課せられていました。今年分からは、事業所得、山林所得などがある場合は、所得が生じなく申告義務がない場合でも、記帳と帳簿の保存が必要となりました。

2.更正の請求の期間の延長

 確定申告をした後で、申告した金額が多すぎた事に気づいた場合は、更正の請求という手続きで、払いすぎた税金を還付を受けることが可能です。しかし、国税通則法の改正前は、更正の請求を行うことができる期間は法定申告期限から1年間しか認められておらず、気づいた時には期限切れというケースが一般的でした。期限が過ぎてしまった場合は、法定の手続きではありませんが更正の嘆願を行うことにより、職権での更正を期待するより術がありませんでした。
 国税通則法が改正され、平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税については、更生の請求期間が5年に延長されました。また、平成23年12月1日までに法定請求期限が到来しているものについては、更生の請求という手続はできないのですが、「更正の申出書」を提出することで、還付が受けられる場合があります。

3.税務調査手続の法定化

 税務調査手続について、法定化されました。平成25年1月1日以後に開始する税務調査について適用されています。
 昨年より、何件かの税務調査の立会を行っていますが、以前までと大きく違うのが、事前通知が行われることと、調査が終了した際に書面で通知を受ける点です。
 事前通知は、納税者と関与税理士に、調査の開始日、開始場所、調査対象税目、調査対象期間などを通知することで、これが義務付けられました。実務上は、最初に電話で日程の調整をして、その後改めて、法律の要件を満たす形式で電話により事前通知が行われているようなところがあり、日程調整の段階で概ねの了解ができている部分を、改めて通知という雰囲気で、やや形式的な側面が強いように思います。
 もう一つ従来と変わったと感じるのは、調査結果について、問題がなければ「更生または決定すべきと認められない」という文書が送られてくる点です。追加で納税が発生する場合、修正申告書の提出などで調査終了が分かる程度で、調査が継続しているのか否か不明な状態が何か月も続くことがありました。しかし、今回の改正により納税者にとっても調査終了が書面により出されることによって、終了が明確に確認できるようになるというメリットが挙げられます。
 なお、修正申告をした場合には、異義の申立てや審査請求はできませんが、その内容について更正の請求が行えるので、後日、証拠となるような資料が追加的に見つかった場合などは、更正の請求をすることで救済されるケースも考えられます。

4.同一年度の再調査

 同一年度の調査については、「新たに得られた情報に照らし非違があるときは」という要件を満たす必要があることが法律上明記されました。この要件に該当する場合とは、たとえば、ある年度の調査において初めて売上除外の事実が発見されたのが、その事実が前回調査年分にも及ぶことが分かったときや、新たな資料情報によれば特定の外注費の支払口座が架空経費の口座であることが別の法人の調査等で判明したという資料があった場合などがこれに当たります。

 以上、概ね国税通則法の全体像について解説させていただきましたが、納税者のみなさんと税の専門家として独立公正な立場から税理士である我々の対応も時代の要請にこたえ、納税義務の適正な実現に向けて積極的に取り組んでいきます。

(税理士 加藤清和)

5月 01 2014

不動産取得税の概要

1.あらまし

 不動産取得税とは、不動産(土地や家屋)を取得した場合に課される税金(県税)です。取得した時に一度だけ課税されます。取得原因は売買,贈与,交換,建築(新築,増築,改築),遺贈です。法人,個人を問わず、課税されます。
ここで注意すべき点は相続により取得した場合には課税されません。遺贈については、包括遺贈(財産の配分割合を指定して遺贈)により取得した場合や相続人が特定遺贈(具体的に財産を指定して遺贈)により取得した場合には課税されませんが、相続人以外の人が特定遺贈により取得した場合には課税されます。

2.税額計算

 次の算式により求めます。
取得した不動産の価格(課税標準額)×税率=税額

なお、ここで言う不動産の価格とは、不動産の実際の購入価格や建築工事費ではなく、総務大臣が定めた固定資産評価基準によって評価し決定された価格(評価額)で、原則として固定資産課税台帳に登録されている価格をいいます。ただし、平成27年3月31日までに宅地等(宅地及び宅地評価された土地)を取得した場合は、取得した不動産の価格×1/2を課税標準額とします。

3.税率

 税率は、土地や住宅の場合、3/100で、住宅以外の家屋(店舗や事務所など)は4/100です(平成20年4月1日~平成27年3月31日までの取得の場合)。

4.軽減措置

 不動産取得税には軽減措置が設けられています。

(1)新築住宅を取得した場合
 住宅の床面積が50㎡以上240㎡以下(戸建以外の貸家住宅の場合は、床面積が40㎡以上240㎡以下)の場合、課税標準額から1,200万円(認定長期優良住宅の場合は1,300万円)が控除されます。
(2)中古住宅を取得した場合
①住宅の床面積が50㎡以上240㎡以下であること。
②個人である取得者が自己の居住の用に供すること。
③昭和57年1月1日以後に新築されたものであること又は新築から取得までの年数が一定の年数(木造などは20年,鉄骨造などは25年)以内であること。
 上記①から③のすべての要件を満たすことで、課税標準額から1,200万円が控除されます。
(3)住宅用土地を取得した場合
①土地を取得後3年以内にその土地の上に住宅が新築されていること。
②土地を取得した人が、その土地を取得した日前1年以内に住宅を新築していること。
③土地を取得した人が、その土地を取得した日から前後1年以内に、その土地の上にある中古住宅を取得していること。
④その他一定の場合(詳しくは県税事務所にお尋ね下さい)。
上記①から④のいずれか一つを満たすことで、
(Ⅰ)45,000円
(Ⅱ)土地1㎡当たりの価格(宅地の場合は価格の1/2)×住宅の床面積の2倍(200㎡が限度)×3%
のいずれか高いほうの金額が税額から控除されます。
(4)申告手続き
 上記(1)から(3)の軽減を受けるためには、住宅や住宅用土地を取得した日から原則として60日以内に、不動産取得税申告書を県税事務所に提出する必要があります。

5.免税点

 あまりに少額の不動産についてまで課税する必要もないだろうということで、免税点が設けられています。課税標準額が、土地は10万円,建築により取得した家屋は23万円,建築以外で取得した家屋は12万円に満たない場合は、課税されません。

(税理士 西田好伸)

5月 01 2014

退職所得について

Q.退職金にはどのような税金がかかりますか?
A.退職金は、通常、その支払を受けるときに所得税、復興特別所得税、住民税が源泉徴収されます。退職金というのは老後の生活資金であり、長年の勤労に対する報償的給与を一時的に支払うものであることなどから、退職所得控除を設けたり、他の所得(給与所得、不動産所得など)と分離して課税する分離課税であるなど、税負担が軽くて済むよう配慮されています。

Q.退職所得となるものはどのようなものですか?
A.退職所得とは、退職手当、一時恩給その他退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与をいいます。すなわち、退職所得として課税される退職所得とは、退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われることとなった給与をいいます。

Q.退職所得の計算方法は?
A.退職所得の金額は、次のように計算します。
(収入金額-退職所得控除額)×1/2
収入金額は源泉徴収される前の金額です。

Q.退職所得控除額の計算方法は?
A.退職所得控除額は以下のように計算します。

勤続年数 退職所得控除額
20年以下の場合 40万円×勤続年数(最低額80万円)
20年を超える場合 70万円×(勤続年数-20年)+800万円

 勤続年数の1年未満の端数は切り上げとし、上記による計算額が80万円未満の場合は、退職控除額は80万円になります。また、障害者となったことに直接基因して退職した場合は100万円を加算します。

Q.退職手当の支給日に受給者が死亡(退職時には生存)していた場合で、退職金を遺族が受け取る場合は、退職者の退職所得となりますか?
A.退職所得の収入すべき時期は、退職の日となります。退職の日に生存していたので、その退職者の退職所得となり、退職した日の属する年分の収入になります。ですから、退職金を支払う際に所得税及び復興特別所得税の源泉徴収をすることになります。

(税理士 長柄宏武)

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