1月 13 2015

所得税の還付について

Q 所得税の還付(申告)とはどのような制度ですか?
A 確定申告書の提出義務がない人であっても、給与等から源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額が年間の所得金額に基づいて計算した本来の所得税額よりも多いときは、確定申告をすることによって、納め過ぎの所得税を還付してもらうことができます。この申告を還付申告といいます。

Q どのような場合に還付されますか?
A 以下のような場合等に還付されます。

  1. 給与所得者の方で、医療費控除、寄付金控除、住宅借入金等特別控除(年末調整で控除済みの方を除く)、雑損控除などを受けられる場合。
  2. 年の途中で退職した後就職しなかった方で、給与所得につき年末調整を受けていない場合。
  3. 退職所得がある方で次のいずれかに該当する場合。
    1. 退職所得を除く各種の所得の合計額から所得控除を差し引くと赤字になる。
    2. 退職金の支払を受けるときに「退職所得の受給に関する申告書」を提出していないため20.42%の税率で源泉徴収され、その源泉徴収税額が本来の税額を超えている。
  4. 所得が公的年金等に係る雑所得のみの方で、医療費控除や社会保険料控除などを受けられる場合。
  5. 予定納税をしている方で、廃業等により確定申告の必要のない場合。
  6. 総合課税の配当所得などがある方で、年間所得が一定額以下である場合。

Q 給与所得者等で過年度の還付申告をしていない場合、遡って還付申告をすることができますか?
A 確定申告書の提出義務のない方の還付申告は、還付申告対象年分の翌年1月1日から5年間行うことができます。従って、本年中(平成27年12月末まで)に還付申告可能な最も古い還付申告対象年分は平成22年分となります。

(税理士 花村 亨)

1月 08 2015

直系尊属からの教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置

Qどんな措置なのですか?
 直系尊属(両親・祖父母等)から教育資金に充てるために、30歳未満の子らに対し教育資金を贈与するため、信託会社や金融機関などとの間で教育資金としての特別な契約を結び、教育資金口座を開設等した場合には、その口座に預けられた金額の内1500万円までの金額については贈与税の課税はされない(非課税)にするというものです。

Q期間はいつからいつまでですか?
 平成25年4月1日から平成27年12月31日(今年中)です。

Q特別な契約とは何ですか?
両親・祖父母等と信託会社との間で、信託の場合では、目的が教育資金の管理である等の契約がされていること、金融機関などの場合では、預金払出しや証券売却をする際場合に、契約したその金融機関などに教育資金として使用した領収書の提出が定められた契約であることなどがあります。

Q教育口座開設等をする時に手続きは必要ですか?
 教育資金口座を開設等するまでに開設する金融機関の営業所を通じて子らの納税地である税務署に「教育資金非課税申告書」を提出する必要があります。

Q教育資金とはどんなものですか?
 学校(文部科学大臣が定めるもの)に直接支払われる入学金、授業料や施設設備費などです。
 また、学校以外でも教育に関するサービス(学習塾・スイミングスクール・ピアノ教室etc.)にも該当します。
 ただし、学校以外の資金は、1500万円のうちの500万円までとされています。

Q子らが30歳になるとどうなるのですか?
 子らが30歳になると契約は終了します。また、子らと金融機関との間で契約終了の同意がされても終了します。契約終了時に開設されていた教育資金口座に残高がある場合は、契約が終了されした年に贈与されたものとして、贈与税の申告をする必要があります。

(税理士 松永 研嗣)

1月 08 2015

相続対策 初めの一歩

 昨今、「終活」という言葉が使われるようになりましたが、自分(ここでは被相続人)の相続は終活の最たる例です。安心して終活を進めるためにも、自分の相続をしっかりと考えたいものです。平成27年1月1日から、相続税が大きく変わりました。基礎控除額が大きく引下げられたこともあり「大増税」と言われ、相続に備えた「相続税ビジネス」も活況を呈しています。慌てず、自分らしさを失わず、利用できるものは上手く利用していただきたいと思います。また、相続は残される相続人の問題でもありますので、できる限り被相続人と相続人とで共同で課題を解決していくことが理想です。
 相続対策を上手く進めるためには次のことを明確にしておくべきです。

  1. 法定相続人の確認
  2. 誰が相続対策を進めていくか
  3. どのような期間で相続対策を進めていくか
  4. 財産の把握(必要資料の保管場所の記録も忘れずに)と相続税の試算
  5. 残したい財産と残さなくても良い財産を検討する
  6. 贈与をする人(受贈者)の範囲の検討
  7. 財産の分け方を考える

以下、簡単ではありますがそれぞれを説明していきます。

  1. 法定相続人の確認
     基本的なことですが、相続税の計算上も重要な事項ですので、法定相続人を確認して下さい。
  2. 誰が相続対策を進めていくか
     親(被相続人)だけで進めるのか、親子で共同して進めていくのかなど。ナーバスな問題もありますので、誰の下で相続対策を進めていくのかを明確にした方が良いと思います。
  3. どのような期間で相続対策を進めていくか
     いつ相続が発生するかは誰にも分かりません。相続対策はある意味「時間との戦い」になります。20年あればできることと1年でできることは大きく異なります。早めにスタートすれば選択の幅が広がることは間違いありません。
  4. 財産の把握(必要資料の保管場所の記録も忘れずに)と相続税の試算
     プラスの財産、マイナスの財産を把握し、相続税評価額により評価します。評価した時点で、相続税がいくらになるかを試算し、実効税率(相続税の試算金額÷財産の相続税評価額)を求めます。相続対策の具体案を検討する基礎資料として重要です。
  5. 残したい財産と残さなくても良い財産を検討する
     相続税の試算金額が大きくなった場合、相続人が全ての財産を相続後も継続して所有し続けることが難しい場合もあります。被相続人の生前に売却するなども含め、残したい財産と残さなくても良い財産を明確化する、あるいは重要性の順位付けをすることで対策が効率よく進みます。
  6. 贈与をする人(受贈者)の範囲の検討
     財産を減らす有効な手段に贈与があります。一般的には、相続人である子供や子供の子供(孫)に財産を贈与することが多いですが、相続人の間で不平等感が発生することにもつながりますので、あらかじめ贈与をする人の範囲を検討して、当事者間で合意しておくのが良いと思います。
  7. 財産の分け方を考える
     相続が発生した後の財産の分割と、生前に誰にどの財産をいつ贈与して財産を減らしていくかなど、財産の分け方には色々あります。贈与税を納付してでも贈与をする場合は、4で求めた実効税率を基準に贈与する金額を検討します。また、それぞれの家庭の事情、相続人間のバランスなどの心情的なこともありますし、時間の制約もあります。「争続」を避けるためにも、また相続税の負担で苦しまないためにも、被相続人の置かれた環境の中で後悔のないようにじっくりと財産の分け方を考え、決めたら迅速に実行することが望まれます。

 このように、相続対策は、一朝一夕でできるものではありません。早めにご検討されることをお勧めいたします。

(税理士 出口 茂)

1月 08 2015

年頭所感

名古屋税理士会
会長 小川令持

 新年明けましておめでとうございます。謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年の我が国の経済は、政府による金融政策と財政政策による好調な株式相場と行き過ぎた円高是正が進み、景気回復の兆しが見えてきました。しかし、株価上昇もその要因は海外からの投資が主役であると言われ、円高是正も円安に振れすぎた結果、原材料等の価格の上昇が、特に中小企業の経営を圧迫しています。昨年4月からの消費税率引き上げも吸収しきれていないとの認識から本年10月からの消費税率10%への引き上げも先送りとなりました。税制の環境においても、本年からの相続税増税への対応が課題となっております。

 このような状況のもと、税理士界においても大きなトピックスがありました。

 平成13年以来の税理士法改正が、昨年3月20日に国会で成立しました。そしてそのテーマは、「納税者の利便性の向上と、国民からの(税理士制度への)信頼性の向上」であります。我が国に於ける唯一の税務の専門家としてより一層国民からの期待に応えて参る所存です。
さらに、税理士が行う公益的業務への各方面からの期待も増してきております。公的機関からの外部監査等への推薦要請、租税教育への派遣、認定革新支援機関制度等中小企業の経営に対する支援業務もクローズアップされて参りました。

 中でも、中小企業への経営支援に関しては、中小企業庁が行った「中小企業において困った時に誰に一番に相談するか」とのアンケートに対し、「顧問税理士」との答えが75%であったとの結果。また認定革新支援機関への登録者数において税理士が最も多いとの事実においても税理士への大きな期待を感ずるものであり、その期待にもしっかりと応えて参ります。

 さて名古屋税理士会は本年も、事業活動の基本方針としている「急激に変化する時代、社会からの要請に的確に対応し、国民・納税者から真に信頼される税理士制度の確立に努める。税理士法の精神に立脚し、税務・会計の専門家として高い質を確保し、責任を果たすための諸施策を講ずる。組織機構を見直し、会員の参加しやすい効率的な会務運営に努める。」の実現のため一層の努力をして参ります。本年が皆様のご多幸と希望に満ちた一年となることを御祈念申し上げまして新年の御挨拶とさせていただきます。

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