2月 10 2015

暦年贈与と名義預金

Q暦年贈与と名義預金について教えてください。
A 2015年から相続税の基礎控除額が6割に引き下げられ、相続税額の支払いが増えることになるため、税金対策を行う方が増えています。
 相続財産を減らして相続税を減らす方法として、よく行われるのが年110万円の基礎控除を意識した贈与です。
子や孫に110万円を贈与することで、贈与税はかからず、相続財産を減らすことで将来の相続税が減ることになります。

Q 注意する点は、ありますか。
A 例えば父が預金110万円を子や孫に振り込んでも、贈与にならないケースがあります。名義を変えただけで贈与が成立していなければ、父の財産のまま子や孫に名義を変えただけのいわゆる名義預金とみなされ、相続財産として相続税の課税対象になることがあります。税務調査で指摘される申告漏れ財産では、現金・預貯金などが39.2%と最多で、土地の13.6%を大きく上回っており、悪意がなくても申告漏れを指摘される場合があります。
 名義預金か贈与かは、贈与が成立しているか、贈与された財産を贈与された側が自由に使えるかを総合的に判断されます。具体的には、(1)贈与する側とされる側の意思(2)使用印鑑(3)通帳などの保管状況④贈与税の申告の有無などが判断要素になります。
 (1)については、贈与をする側だけでなく受ける側も認識したうえで、出来れば贈与契約書を残しておくとよいでしょう。署名は自筆で、実印による捺印が望ましいです。
相続対策をしたにも関わらずトラブルになるケースがありますので、手続きは慎重に行うことをお勧めします。

2月 05 2015

贈与税の主な改正点について

 1月1日の相続税法の改正により課税対象者が拡大しましたが、相続税の補完税としての性質を持つ贈与税は一部で軽減されました。

 贈与について、民法では「当事者の一方が自己の財産を、無償で相手方に与える意思表示をして、相手方が受諾することによって、その効力を生ずる契約である」と規定していますが、簡単に表現すれば、贈与とはお互いに合意して財産を無償であげること、と言えます。このような贈与行為に対して贈与税が課税されますが、その課税方法には暦年贈与課税と相続時精算課税の2つの制度があります。

 暦年贈与課税とは、1月1日から12月31日までに贈与を受けた時点で課税をする方法です。もう1つの相続時精算課税制度は、2,500万円までの贈与であれば贈与の時点で贈与税を課税せず、相続が発生(贈与者が死亡)した際に生前に贈与した分も合わせて相続税を計算する方法です。いずれも贈与があった翌年の2月1日から3月15日までに申告しなければなりません。

 平成27年分の贈与税の主な改正点は、暦年贈与に適用される税率構造の見直しと相続時精算課税の適用条件の緩和です。

 暦年贈与の贈与税には、年間110万円の基礎控除があります。この金額を超えて贈与を行った場合に、贈与税の申告をする必要があります。これまでの贈与税は、税率が10%から50%の6段階でしたが、平成27年1月1日より、10%から55%の8段階に改正されました。さらに、適用される税率の区分が「20歳以上の人が父母や祖父母など直系尊属から贈与を受けた場合」と「その他の場合」とに分けられました。

 双方の税率区分によると、基礎控除後の贈与額が300万円を超える場合には、「20歳以上の人が父母や祖父母など直系尊属から贈与を受けた場合」の方が低い税率が適用されることになっています。

 相続時精算課税制度については、平成27年1月1日から(1)贈与する人は、60歳以上の親又は祖父母、(2)贈与を受ける人は20歳以上の子ども及び孫となりました。これまでは対象外であった祖父母から孫への贈与も対象となるとともに、贈与する人の年齢が65歳以上から60歳以上に引き下げられ、適用対象者が広がりました。

 ただし、注意点もあります。相続時精算課税制度における年齢は、1月1日現在の年齢でなければいけません。また、孫への贈与の場合、贈与者が将来亡くなって相続税の計算をする際に相続税額が2割加算されます。

 以上、贈与税の改正点について概説をしましたが、贈与税の申告にあたり気を付けなければならない点もあります。今後贈与を検討されている方や贈与税についてさらに知りたい方は、ぜひ税理士にご相談ください。

(税理士 川崎賢二)

2月 05 2015

便利になったe-Tax

 今年も確定申告の季節が近づいてきました。以前は、急遽確定申告が必要になったりすると、税務署や申告相談会場などの行列にならび、それこそ一日仕事で申告書を作成、提出しなければならず、大仕事でした。お仕事を休まれて受付の行列に並び、やっと自分の番になったら書類不備で出直し、なんていうこともありました。

 さて、現在では、国税電子申告・納税システム、いわゆるe-Taxの普及で、自宅に居ながら所得税の確定申告ができるようになりました。実際に我々税理士の業務では、e-Taxは無くてはならない必須の仕組みとなってきました。ところが、一般の納税者の皆さんには、まだまだ十分に普及しているとは言えないのが現状のようです。様々なサービスがネットで受けられ、世界中の品物がネットを通して購入できるようになった今日、e-Tax利用もますます普及していくものと思われます。しかし、今のところ一般ユーザーのe-Tax利用が他のネット上のサービスに比べると今一つのような気がします。一つの理由として考えられるのは、初期のe-Taxの使いにくさに利用を断念してしまった人も少なからず居るのでは無いでしょうか。

 確かに、初期のe-Taxは我々税理士から見ても、使いにくい部分が多々あったと思います。しかし、国税庁や税理士会、e-Taxユーザー等を初めとした関係各位の熱意と努力の結果、現在のe-Taxは初期のものと比べると格段の進歩を遂げています。そこで、今回は以前e-Taxを利用しようとして諦めてしまった人や、今回初めてe-Taxを利用してみようと考えている人のために、改めてe-Taxを利用した確定申告の準備を確認してみたいと思います。

 一般の納税者が、e-Taxを利用して確定申告を行う場合、通常二種類の方法が考えられます。一つはe-Taxソフトを使う方法。もう一つはe-Taxのホームページ(http://www.e-tax.nta.go.jp/)から直接申告する方法です。今回は、e-Taxのホームページから直接申告する方法を確認します。

 e-Taxはインターネットを使いますのでネット回線は当然必要となりますが、一般的に各家庭に普及しているネット回線があれば十分です。そして次にパソコンです。パソコンはWindowsパソコンならばVista以降のもの、MacならばMac OS10.7以降のものが必要になります。タブレットについては機種によって、できる事とできない事がかなり違いますので、パソコン利用をお勧めします。パソコンとインターネット環境がそろったら、次に用意するのは電子証明書とICカードリーダライタです。電子証明書はお住まいの市区町村で手に入ります。市区町村窓口で「住民基本台帳カード」を取得し、そのカードのICチップに「公的個人認証サービス」に基づく電子証明書を格納してもらいます。詳しくは市区町村窓口でお尋ねください。電子証明書を入手したら、ICカードを読み取るためのICカードリーダ(ライタ)を準備します。

 これは、家電屋さんなどで簡単に入手できます。気をつける点は「住民基本台帳カード」対応のものを入手することです。不明ならば、店員さんに聞かれれば教えてもらえます。

 さて、ここまでそろえば後は申告書の作成・申告です。e-Taxのホームページにアクセスして「確定申告書等作成コーナー」をクリックします。後は、画面の指示に従うだけで数十分で申告が終わってしまいます。物は試し、皆さんも一度e-Taxにチャレンジしてみませんか。

(税理士 岡崎拓郎)

2月 05 2015

マイナンバーQ&A

Q 今年10月にマイナンバーが通知され、平成28年1月から利用開始される当制度は、税務分野でどのような取り扱いになりますか?
 マイナンバー制度により、行政側は、個人及び法人に番号をつけること(付番)、この番号を利用して情報連携を図ること、この番号による本人確認等が行われます。個人側は平成29年からはインターネット上にマイ・ポータルという場所が作成され、行政機関が保有している自分の特定個人情報を確認したり、行政機関からのお知らせを知ることができるようになります。

Q 具体的には、 その様な税務書類にマイナンバー(個人・法人)を記載するのでしょうか?
 平成28年分からは、所得税確定申告、源泉徴収票、支払調書、法定調書、法人税申告書等にマイナンバーの記載が必要とされてきます。マイナンバーが発行された後、税務を取り扱う者はマイナンバーを把握しておくことが必要です。

mynumber_pic

Q 法人についてのマイナンバー(法人番号)については、どのようになりますか?
 個人番号と異なり、法人等に法人番号を通知し、(1)商号又は名称、(2)本店又は主たる事務所の所在地、(3)法人番号が、インターネットを介して広く一般に公開されます。請求書への記載や申告時の勘定科目内訳明細書への記載も検討されています。

Q  マイナンバーを利用する場合の情報セキュリティは大丈夫ですか?
 情報セキュリティについては今まで以上に注意をすることが必要です。行政機関等はその重要性に鑑み、従来以上に厳しい管理が求められます。マイナンバーを取り扱う場合、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律を遵守し、特定個人情報保護委員会のガイドラインに準じなければなりません。さらに、事故が起こった場合の罰則が強化されています。

(税理士 井上 新)

WordPress Themes