6月 09 2015

保険金と税金

Qケガで入院し、入院保険金を受取りました。税金は払うのですか?
A個人がケガや病気などの「身体の損害に基因して支払を受ける保険金」は非課税所得です。
Q生命保険の満期保険金を一時金で受取りました。確定申告が必要ですか?
A満期保険金を一時金で受け取ったときは、保険料負担者と受取人が同じ場合は一時所得として所得税の対象になります。他に一時所得がなければ、満期保険金額から払込保険料総額を差引き、特別控除50万円を差引いた金額が一時所得の金額となり、確定申告が必要な場合があります。ただし、保険期間が5年以下の一時払養老保険等は源泉分離課税のため確定申告は必要ありません。
これに対して、保険料負担者と受取人が違う場合は、保険料負担者から受取人への贈与として、満期保険金額が贈与税の対象となり、贈与税の申告が必要な場合があります。

Q夫が亡くなり、妻が生命保険金を受け取りました。一つは夫が保険料を払い、もう一つは妻が保険料を払っていました。両方とも相続税の対象ですか?
A死亡保険金は、保険料負担者、保険金受取人、被保険者が誰かにより、対象となる税が違います。①被保険者が保険料負担者である保険金は相続税 ②保険料負担者が受取人である保険金は所得税 ③保険料負担者と受取人が別の人である保険金は贈与税の対象となります。
したがって、夫が保険料を払っていた保険金については、相続税のみなし財産として相続税の対象となります。妻が保険料を払っていた保険金については、妻の一時所得として所得税の対象となり、確定申告が必要な場合があります。
保険契約の内容によって、受取時に対象となる税金が違いますので、ご確認ください。

(税理士 片田絵理)

6月 08 2015

税理士の使命と税務支援

みなさんは税理士についてご存知ですか?
住宅ローンを借りて念願のマイホームを手に入れた方や入院等で多額の医療費を支払った方、また最近ではいわゆる「ふるさと納税」制度を利用して市区町村等に寄附をされた方など普段から確定申告書を提出している事業者でなくても日常生活の様々な場面で税金が関わってくることは多いと思います。
そんな時に役にたつのが私たち税理士です。
税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることをその使命としています。
こうした使命のもと、税理士は企業や個人事業主の方々に税金に関する申告や申請の代理、税務書類の作成、税務相談などを行っており、これらの業務についてはたとえ無償であっても税理士以外の者が行ってはならないと税理士法に定められています。
そのため、経済的な理由により税理士や税理士法人に依頼することのできない納税者は、他の者から税理士業務の提供を受けることができず、たとえ法律に基づいた正しい申告納税を行いたいと思っていても、時代とともに複雑化する税制に対応できないといった事態が生じてもおかしくありません。
名古屋税理士会では、こうした経済的理由により税理士に依頼できない小規模納税者については、税務支援として税理士業務を無償もしくは低額な料金で提供しています。
税務支援については、税理士として社会公共性の役割と社会貢献を果たすことをその目的とし、税理士全員でこれに従事することが名古屋税理士会の会則において義務づけられています。
それでは、名古屋税理士会が行っている税務支援の3つの柱についてご説明します。
(1)独自事業
 独自事業として名古屋税理士会は税務相談室等を設置、運営し、一般納税者を対象とした税務支援や電話相談等を行っています。名古屋市千種区の税理士会ビルにおいて「税務相談室」を設けているほか、名古屋市内・知多半島・岐阜県内にある17の支部においても同様の「税務相談所」を設置しています。「税務相談所」では小規模事業者を対象として無償もしくは低額な料金にて税務相談や記帳指導等を行っていますので、詳しくは名古屋税理士会ホームページ等でご確認いただくか、各支部税務相談所へ直接お問い合わせ下さい。
(2)受託事業
 受託事業とは、国又は地方公共団体が委託者となる税理士業務について名古屋税理士会が受託し、税務支援を行うものです。今年度は「税理士による個別記帳指導業務」や所得税確定申告期における「所得税・消費税の無料税務相談」、「電話相談センター」での相談業務などを受託し、税務支援を行っています。
(3)協議派遣事業
 協議派遣事業とは、国もしくは地方公共団体、またこれらに類する団体等との協議により、税理士を派遣して税務支援を行うものです。具体的には、商工会議所や商工会、青色申告会や法人会等への派遣事業があります。また、公益財団法人名古屋国際センターと共同で「外国人の為の税理士による無料税務相談」も実施しています。
税理士が身近で信頼できる相談相手となるために、そして税理士がより一層社会に貢献できる存在となるために、名古屋税理士会は税理士としての職能を生かしながらその使命を果たし、今後も税務支援に積極的に取り組んでいきたいと考えています。

(税理士 松田 健)

6月 08 2015

法人が受け取る配当金等に対する課税

 毎年6月は、上場企業をはじめ多くの3月決算企業の定時株主総会が開催されます。この株主総会において株主に対する配当金の支払が決議され、来月以降に順次支払いが実施されます。今年は平成27年3月期の業績向上等を背景に配当金を増額する企業が多いものと予想されていますが、平成27年度税制改正において、法人が他の法人から配当金等を受け取った場合の課税関係について改正が行われました。
◇法人税における配当等課税の概要
 法人が資産運用等により獲得した収益(例えば預金利息など)は、事業活動により獲得した収益と同様に、本来は法人税の課税対象とすべきです。ですが、法人が他の法人(日本の法人に限ります。)から支払いを受ける配当金は、配当金を支払う法人において既に法人税が課税された後の利益を原資とするものですので、受取法人側でこの配当金に対しそのまま課税するのでは、同一の利益について2回課税することになってしまいます。このような国内の法人間での二重課税を一定程度排除するため、法人税法では従来から「受取配当等の益金不算入」という規定により、一定額を益金不算入(課税対象から除外すること)としています。
◇平成27年度税制改正
平成27年度税制改正では、成長志向に重点を置いた法人税改革という理念のもと「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」改正が行われ、平成27 年4月1日以後に開始する事業年度より、法人税率は従前の25.5%から23.9%に引き下げられることとなりました。(所得金額のうち年800 万円以下の部分に対する中小法人の軽減税率については、従前の軽減税率(15%)が2年間延長されています。)
その一方で「課税ベース拡大」策の一環として「受取配当等の益金不算入」の制度については、次表の様に改正されました。
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この制度では従来から、配当金の受取法人がその株式等をどれだけ所有しているのか、言い換えれば、純粋な投資目的なのかあるいはその法人を支配する目的なのかにより、受取配当金について益金不算入(課税対象外)となる割合が異なっています。
株式総数の3分の1以上を有するような支配目的の強い場合は、前述の「二重課税排除」という観点から、改正後においても益金不算入(課税対象外)割合が100%のまま維持されています。
逆に、資産運用の一環で上場株式等に投資しているような場合は、ほとんどが改正後区分では非支配目的株式等(所有割合5%以下)に該当することになりますが、この場合、益金不算入(課税対象外)割合は、改正前の50%から20%に引き下げられました。
従って、例えば配当金100万円を受け取った場合、単純計算で改正前は益金不算入割合50%(50万円)を控除後の50万円が課税対象でしたが、改正後は益金不算入割合20%(20万円)を控除後の80万円について課税対象となります。
 なお、実際にこの制度の適用を受けるに当たっては、詳細な計算規定等がありますのでご留意下さい。
◇税制改正による影響
 一般的には、上場株式等に多額の投資をしている中小企業は少なく、法人税率自体の引下げに伴う税負担軽減を考えれば、今回の「受取配当等の益金不算入」制度の改正が中小企業経営に及ぼす影響はそれ程大きくないかもしれません。
ですが、改正前の制度を前提に、資産管理会社などを通して株式投資を行っているオーナー経営者の方などは、場合によっては今後の資産運用方針を見直す必要があるかもしれません。

(税理士 後藤大輔)

6月 04 2015

シルバー人材センターからの収入計算

Q シルバー人材センターからの収入があります。所得計算の方法を教えてください。
A 事業所得または雑所得の金額は、総収入金額から実際にかかった必要経費を差し引いて計算することになっています。しかし、家内労働者等の場合には、必要経費として65万円まで認められる家内労働者等の必要経費の特例があります。ここでいう家内労働者等とは、家内労働法に規定する家内労働者に該当する個人、外交員、集金人、電力量計の検針人のほか、特定の人に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人で事業所得又は雑所得を有する人をいいます。シルバー人材センターから収入を得ている人は「特定の人に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人」に含まれますので、この特例を受けることが出来ますが、学習塾を営んでいる人等は含まれません。この特例を受ける場合は実際にかかった経費の額が65万円未満のときでも、所得金額の計算上必要経費が65万円まで認められます。
 但し、事業所得に係る総収入金額または雑所得に係る総収入金額(公的年金等に係るものを除きます。)が限度です。パート等による給与収入金額が65万円以上あるときは、この特例は受けられません。給与収入金額が65万円未満のときは、65万円からその給与収入金額を差し引いた残額と、事業所得または雑所得の実際にかかった経費とを比べて高い方がその事業所得または雑所得の必要経費になります。この特例に該当する所得しかない人で、その年の総収入金額が103万円以下の場合は、合計所得金額が38万円以下となりますので、配偶者控除あるいは扶養控除の対象となります。

(税理士 松原 學)

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