10月 14 2015

離婚と税

Q慰謝料には税金はかかりますか?
A慰謝料は離婚原因を作った方が相手方に払う損害賠償金です。損害賠償金は非課税所得ですので、原則所得税はかかりません。

Q財産分与には税金はかかりますか?
A財産分与は婚姻中の夫婦の協力によって築き上げた財産を分けることをいいます。相手方から財産をもらっても原則贈与税はかかりません。ただし、分与された財産の額が多すぎる場合、夫婦の協力によって築き上げた財産の額やその他すべての事情を考慮しても多すぎる部分に贈与税がかかります。また、離婚の目的が贈与税や相続税を免れるためであると判断された場合、離婚によってもらった財産すべてに贈与税がかかります。

Q財産分与が土地や建物などで行われた場合、税金はかかりますか?
A土地や建物を譲り渡した者に所得税と住民税がかかる場合があります。また、土地や建物を譲り受けた者には、土地や建物の登記をした時に登録免許税がかかります。不動産取得税は条件に該当すれば減免の対象となります。

Q居住用の土地や建物を財産分与した場合でも税金はかかりますか?
A離婚成立後で譲渡所得がある場合、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」が適用できる可能性があります。
離婚成立前で婚姻期間が20年以上ある場合、「贈与税の配偶者控除(2,000万円控除)の特例」が適用できる可能性があります。
上記特例が適用できた場合、税金が減免されます。

(税理士 松山美穂)

10月 01 2015

輸出物品販売場(免税店)の拡大

 最近、街中で免税店の看板が目に付くようになっていませんか?また、外国人観光客が日本メーカーの家電やオムツなどを爆買いしているといったニュースがTV等を賑わせています。この背景には為替変動による要因のほかに、観光立国を目指す国による免税店制度の拡大があります。外国人観光客は、免税店で買い物をすることで日本の消費税を免除される事となります。新たなビジネスチャンスとして、これから免税店を始めようと考えていらっしゃる事業者も多いかと思います。消費税法などに定められた手続に従っていないと制度の適用を受けることができませんので、改正された制度をよく理解して、ご活用ください。

免税制度の概要

  1. 場所
    免税販売を行う事ができるのは、税務署長の許可を得た「販売場」に限られます。
  2. 対象者
    免税の対象者は「非居住者」に限られます。ただし外国人であっても①日本国内にある事務所に勤務する者②日本に入国後6ヶ月以上を経過するに至った者は除かれます。また、一定の条件を満たす場合、日本人であっても非居住者となる場合があります。
  3. 対象物品
    通常生活の用に供される物品(一般物品、消耗品)に限られます。非居住者が国外における事業用、販売用に購入する事が明らかな場合は、免税販売の対象外となります。
  4. 「所定の手続」で販売すること
    免税店での販売は、次の図表の通りとなります。

151001-01
改正のポイント

  1. 対象物品の拡大
     平成26年10月1日より、家電等の「一般物品」に加え、これまで免税の対象外であった食品類、飲料類、薬品類、化粧品などの「消耗品」が対象となりました。
    151001-02

    (国税庁ホームページより引用)

    ※消耗品は消費されないように指定された方法による包装がされている必要があります。
    ※「一般物品」:一人の非居住者に対して同一店舗における一日の販売額合計が1万円を超えるもの。
    ※「消耗品」:一人の非居住者に対して同一店舗における一日の販売額合計が5千円を超え50万円までの範囲内のもの。

  2. 手続委託型輸出物品販売場制度の創設
    平成27年4月1日より、特定商業施設内における「手続委託型」が創設されました。
    これにより免税販売の方法は、販売場で免税手続を行う「一般型輸出物品販売場」と、免税手続カウンターなどで一括して手続を行う「手続委託型」とになり、事業者は販売場ごとにどちらかを選択することになります。「手続委託型」を利用する場合、これまで店舗ごとに行っていた免税手続を、ショッピングセンターや商店街に設置した免税手続カウンターで一括して行う事が可能となります。

免税店制度の詳細は国税庁、観光庁のホームページをご覧下さい。
国税庁 http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/menzei/
観光庁 http://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/

(税理士 長尾幸展)

10月 01 2015

税理士が行う租税教育とは?

 名古屋税理士会では、平成15年度に租税教育を重点施策に掲げて以降、租税教室の開催回数は順調に増え平成26年度には500件に迫る開催実績を得るに至っています。

 租税教育が大きな転機を迎えるきっかけとなったのは、平成22年12月に公表された「平成23年度税制改正大綱」に納税環境整備の一環として官民協力しての租税教育の充実が盛り込まれ、日本税理士会連合会(以下 日税連)では平成23年4月21日に「租税教育基本指針」を制定しました。さらに平成23年11月16日には文部科学省、総務省及び国税庁を構成員とした「租税教育推進関係省庁等協議会」が発足し、これにより教育現場における租税教育受け入れの協力体制作りが積極的に展開されるようになりました。昨年、税理士法が改正され、租税教育が日税連及び税理士会の会則の絶対的記載事項とされたことからも税理士が行う租税教育がより社会に重要な役割を果たすことが期待されています。

 我が国の生産年齢人口約7000万人うち約5500万人が給与所得者で、大半の国民は勤務先で行われる年末調整で課税関係が終了しています。つまり、多くの国民の税金は給与天引きされており、所得税等を納付している実感がないのが事実です。このような源泉徴収制度を採用している我が国において、税金に対する国民の関心度は低く、また税金の使途に関しても全く意に介していないのが現状と言えます。選挙権の年齢を18歳に引き下げる法案が国会を通過し、平成28年に行われる参議院選挙では、18歳以上の国民に選挙権が与えられることとなりました。どれだけの多くの若者が政治に関心を持つのかは判りませんが、選挙年齢の引き下げがその効果を増大することにつながればと注目されています。

 昭和26年に主権を回復した我が国が資本主義国家の一員として、新しい憲法の下、国民一人一人の人権が尊重され、民主主義を確立してきました。しかしながら、戦後70年も経つと、その自由主義国家であるという価値が日本国民の心の中から薄れ始めているのも事実であると思われます。憲法で保障されている人権の尊重、不戦の誓い、主権在民の重要性などをあらためて再認識しなければならない時期に来ているのではないかと感じます。

 国民の政治への無関心は、将来の生活に目を背けることであり、自分の子孫に対する責務の放棄であり、権力の横暴を許してしまうことにつながります。国民が政治を知ること、政治に関心を寄せること、政治に参加することが求められています。国民が政治に対する意識を持つこと、それは日本の税制の認識そのものであります。税を知ること、税の使途を知ることは、日本という国家を知ることと同じ意味を持ちます。「税は国家なり」という言葉があり、「法律なくして課税なし」という法治国家の成立を意味し、主権在民の重要性が税には存在していると言えます。租税教育はまさしくその一端を果たすことのできる重要な位置を占め、日本国の根幹を為すものであります。

 税理士は、納税者の代理人として極めて高い公共性と独占性を付与されており、租税に関する法令を熟知し、あるべき税制について国に対し建議ができる専門的能力を有しています。つまり、税理士は、租税教育等のテーマである税とは何か、なぜ税金を納めなければならないのか、税がどのように使われているかなど、独立した公正な立場で税の役割について指導すべき適任者であります。

(税理士 大川雅彰)

10月 01 2015

住宅取得税制

Q住宅を購入するにあたり、親から資金贈与を受けました。税金を軽減できる規定はありますか?
A平成27年1月1日~27年12月31日までの間に直系尊属から贈与を受け、平成28年3月15日までにその贈与を受けた資金を自己の居住の用に供する家屋の新築又は取得の対価に充てて新築又は取得をし、その家屋を同日までに自己の居住の用に供したとき又は同日後遅滞なく自己の居住の用に供することが確実であると見込まれるときには、下記の表の金額以下は贈与税が非課税となります。

省エネ等住宅用家屋 それ以外の住宅用家屋
贈 与 金 額 1,500万円 1,000万円

Q贈与を受けるのが平成28年1月1日以降の場合には適用できますか?
A適用できます。ただし、非課税になる贈与金額は贈与を受けた年や月によって異なります。例えば、贈与を受けたのが平成28年1月1日~28年9月30日までの間だと、省エネ等住宅用家屋は1,200万円、それ以外の住宅用家屋は700万円となります。

Q購入資金が親からの贈与と銀行からの借入金の両方である場合に、住宅取得等資金の贈与税の非課税と所得税の住宅借入金等特別控除は併用できますか?
A併用できます。ただし、住宅借入金等特別控除を計算する上での取得対価の額は、家屋や土地の取得価額から贈与税が非課税になる部分の金額を差し引いた金額となります。

Q住宅取得等資金の贈与税の非課税と相続時精算課税制度の特別控除2,500万円は併用できますか?
A併用できます。

Q住宅取得等資金の贈与税の非課税や所得税の住宅借入金等特別控除は、何もしなくても自動的に適用されますか?
Aいいえ、どちらも申告が必要になります。贈与税は翌年2月1日~3月15日まで、所得税は翌年2月16日~3月15日までに申告しなければなりません。

(税理士 西田好伸)

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