12月 08 2015

確定申告と年末調整

Q1 確定申告をすれば、年末調整をしなくてもいいですか?
A1 「給与所得者の扶養控除等申告書」を会社に提出している人は、その会社から支払われる給与の総額が2,000万円以下である場合には、その会社で年末調整をしなければなりません。

Q2 配偶者の年間給与収入(1月から12月)が103万円です。配偶者控除および配偶者特別控除に該当しますか?
A2 配偶者控除にのみ該当します。配偶者控除と配偶者特別控除が重複して適用されることはありません。

Q3 雇用保険の失業給付金は年末調整の対象になりますか?
A3 年の中途で就職した人が、就職するまでに失業給付金を受けていた場合、雇用保険法の規定により支給を受ける失業給付金は、非課税所得となりますので、年末調整の対象とはなりません。

Q4 年末調整で控除されないものはなんですか?
A4 次の控除は年末調整では控除されないので確定申告を行いましょう。
 医療費控除、雑損控除、住宅借入金等特別控除(1年目のみで2年目からは年末調整ができます)、特定支出控除(サラリーマンのみの控除です。通勤費、転居費、研修費、資格取得日、帰宅旅費などがその対象です)

Q5 年末調整後に扶養家族が変わった場合どうすればよいですか?
Q5 扶養家族の判定は12月31日までの現況で行います。もし年末調整後に扶養家族が変わった場合には年末調整の再調整を行いますのですぐに会社へ連絡してください。

Q6 扶養家族の母親が遺族年金をもらっています。扶養家族から外れますか?
A6 遺族年金は所得税法上非課税所得となります。103万円を超えていても扶養家族になりますので安心してください。

Q7 年の途中で再就職しました。年末調整での注意点はなんですか?
A7 前の会社の源泉徴収票や、自分で支払った国民健康保険料、国民年金の証明書を今の会社に提出してください。現在の勤務先で合算して年末調整を行います。

(税理士 山村祥弘)

12月 03 2015

ふるさと納税をした場合の税制優遇措置について

 ふるさと納税の制度は平成21年度に導入されました。徐々にその認知度が高まり、平成26年度は約13万人がふるさと納税を行ったそうです。自治体はふるさと納税の謝礼として魅力的で特色ある特産品を用意しており、制度普及の一因となっています。平成27年度税制改正により税制上のメリットが拡充されたことも更なる利用促進につながりそうです。
 平成27年度税制改正において、ふるさと納税の寄附について次の改正が行われました。
 ・控除限度額の引き上げ
 ・ワンストップ特例制度
 改正により所得税や個人住民税の控除対象となる金額が大きくなり、また、従来は必須であった確定申告が所定の要件を満たせば不要となります。年末の今、改正点を中心に制度のおさらいをします。
①控除上限額の引き上げ
ふるさと納税の寄附をした場合には、原則として確定申告を行うことにより所得税と個人住民税が控除されます。実際の控除額の計算は複雑なのですが、大まかには平成26年分の控除額は次の金額のうちいずれか少ない金額とされていました。
 A 寄附金の合計額-2,000円
 B 住民税所得割額の10%相当額(控除限度額)
 Bの控除限度額について、平成27年税制改正により10%相当額から20%相当額へ2倍に引き上げられています。改正前よりも多くの寄附金額について控除の対象とすることができるようになりました。例えば、扶養家族が配偶者のみの給与所得者が寄附をした場合には、全額控除の対象となる寄附金額の目安は下記のとおりとなります。

年収 改正前 改正後
300万円 12,000円 23,000円
500万円 30,000円 59,000円
700万円 55,000円 108,000円

なお、個人住民税の控除は、ふるさと納税をした翌年6月以降に支払う分から控除されることとなります。
②ふるさと納税のワンストップ特例制度
 ふるさと納税の寄附をした場合の税金の軽減は、改正前は確定申告が必須となっていました。しかし、確定申告が不要な給与所得者などを対象に、所定の要件を満たせば確定申告をすることなく税金の軽減を受けられるワンストップ特例制度が設けられました。このワンストップ特例は平成27年4月1日以後に行われる寄附について適用されます。
 ワンストップ特例の適用を受けるには、次の全ての要件を満たす必要があります。

    確定申告の不要な給与所得者などであること

  • 平成27年4月1日以後に行ったふるさと納税であること(平成27年1月1日から3月31日までのふるさと納税は対象外)
  • ふるさと納税先の自治体が5団体以内であること
  • ふるさと納税を行う際に、ふるさと納税先の自治体に特例の適用に関する申請書を提出していること

 1つでも要件を満たさない場合はワンストップ特例の適用を受けることはできず、控除を受けるには確定申告が必要となります。例えば、確定申告の不要な方が医療費控除を受けるなどの理由で確定申告を行う場合や、平成27年1月から3月までにしたふるさと納税について控除を受けたい場合には、ふるさと納税の寄附について従来どおり確定申告が必要となります。なお、ワンストップ特例が適用される場合は、確定申告の場合と異なり所得税からの控除は発生しません。所得税控除相当額を含めて翌年の個人住民税から控除されることとなります。
 ふるさと納税を本年中に行った、又は年末までに行う予定である場合には、確定申告の要否について再度確認してみてください。

(税理士 佐藤輝弥)

12月 03 2015

税理士のにせ者について

資格のない人に依頼するのは税理士法違反
税の相談は「信頼のバッジ」税理士へ

登場人物
花子と安子、それに博士(税理士法に詳しい)
花子と安子は幼馴染で、今は互い隣接する市に住んでいる。
花子は名前のとおり、幼い時から花が大好きである。専業主婦として子供3人育て、一番下の次女も今年、社会人となったことから念願であった花屋を開業した。

花子(独り言)「・・・今年4月に開業し、あっと言う間にもう年末だわ。税務署に開業届を出し、同時に所得税青色申告申請書も提出したけど、来年早々、決算を組んで申告しなくてはならないと思うとうんざり・・・」

安子「こんにちは。ご無沙汰。色々な花でいっぱいだね。いい香りもするね。さすが、花子ね。」

花子「花を育てたり、お客さんの要望でアレンジすることは大好きだけど・・・、年が明けると決算を組んで税務署に申告をしなければならないと思うと気が重いのよ。」

安子「帳簿は自分でつけているの?」

花子「一応、青色申告だからね。ただ、決算や申告は初めてだから、どうしてよいのかわからないのよ。税理士さんに依頼するのは敷居が高いし、報酬の額も心配だし。何か、よい方法はないかな。」

安子「そういえば、私の家の近くに住んでいる主婦のAさんは、決算書の作成から申告までやってくれるそうよ。お礼も気持ちだけでよいと聞いているよ。その人に相談すれば・・・」

花子「そうしようか。」
その晩、花子の枕元に博士が現れた。

博士「ふむふむ。花子さんは、気楽に申告を手伝ってくれる人を探しているのですね。ここは気をつけてください。税理士登録していない人が、たとえ厚意であっても、無償であっても個別の具体的な税の相談や申告書の作成などをすると税理士法違反になります。税の相談、税務書類の作成、税務代理は税理士登録した税理士だけが行うことができます。それほど、「税」は重要なものです。」

花子「そうなのですか?もし、Aさんに依頼して申告をした結果、申告内容に誤りがあったら、どうなりますか?」

博士「花子さん自身の責任になります。Aさんがやったことだから知りませんというわけにいきませんね。税法の適用や計算などが誤っていた場合、本税の追徴のみならず、加算税、延滞税もかかってくる場合がありますよ。」

花子「Aさん自身はなにか罪に問われますか?」

博士「税理士法違反となり、規定では二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処するという罰則があります。」

花子「へえ~厳しいですね。」

博士「納税の義務は日本国憲法に規定する三大義務の一つです。税法に従った適正な申告をする必要があります。先ほど話したようにたとえ無償であっても税理士以外の人に申告や相談等をすれば違反になります。」

花子「税理士さんを紹介してもらうにはどうすればよいですか。」

博士「名古屋税理士会に連絡してください。税理士は納税者から一層信頼されるよう日頃から研さんしています。「信頼のバッジ」税理士会へ気楽に相談してください。」

(税理士 都竹基己)

12月 03 2015

親・祖父母からの贈与税の特例について

近年の税制改正では、高齢者が保有する資産の若年世代への早期移転の促進、消費拡大による経済活性化のために、子供や孫に対する贈与が優遇されています。今回は親・祖父母からの贈与税について確認してみましょう。

Q:平成27年から贈与税の税率構造が変わったそうですね?
A:相続税に合わせる形で最高税率が引き上げられて、区分も変更されました。それとともに、子や孫等が贈与を受ける者となる場合の贈与税の税率構造が、その他の一般の税率と区別して緩和されることになりました。

Q:税率以外に特例はありますか?
A:まず、以前からある住宅取得等資金にかかる非課税制度が、平成27年度改正で拡充、延長されています。親や祖父母から住宅取得等資金の贈与を受けて、今年の平成27年中に新築などの契約を締結した場合には、一定の省エネ等住宅で1,500万円、それ以外でも1,000万円の非課税限度額があります。また、消費税率10%の引き上げの影響に備えるために、非課税枠が最大3,000万円となる上乗せ措置も設計されました。

Q:注意することはありますか?
A:契約する年や住宅の種類で非課税金額が変わることや、年齢・所得・家屋などの条件に注意が必要です。

Q:その他の特例はありますか?
A:この他にも、教育資金の一括贈与で1,500万円、結婚・子育て資金の一括贈与で1,000万円まで非課税となる制度があります。

Q:これらの注意点はありますか?
A:いずれの制度も金融機関を通じて信託等の契約を利用して贈与をしなければいけないこと、年齢制限があること、それぞれの目的以外には支出ができないことなどが共通しています。また、その金額を使いきれずに契約が終了した時は、その時点で贈与があったものとされることも気を付けましょう。
異なる点としては、契約中に贈与者が亡くなった場合です。教育資金の制度では、残額は相続税も贈与税も課税対象になりませんが、結婚・子育て資金の制度では、相続等により取得したものとみなされます。

(税理士 水野 誠)

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