7月 12 2016

個人事業主の開業について

Q  個人でお店を開業する場合には届出が必要と聞きましたが、どんな届出をどこに出せばよいのでしょうか?

A  個人が新たに事業を開始した場合には、所得税及び源泉所得税並びに消費税に関する各種届出書等を最寄りの税務署に提出することが必要となります。
代表的な届出書等は次の通りです。

〇 個人事業の開廃業等届出書(事業開始の日から1か月以内)

〇 所得税の青色申告承認申請書(原則、承認を受けようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に開業した場合には、開業の日から2か月以内))

 

Q  青色申告とはどのような制度ですか?どんな特典がありますか?

A  青色申告とは、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるような精度の高い帳簿を作成し、それを基に申告する制度です。記帳の手間をかける分だけ税制上さまざまな特典があり、「青色申告特別控除」「青色専従者給与」「引当金の繰り入れ」「純損失の3年間の繰越控除」といった特典が認められています。

 

Q  開業後、家族にお給料を払いたいと思いますが、そのまま支払ってしまっても経費として認められますか?

A  一緒に暮らしている家族が納税者の経営する事業に従事している場合、納税者がこれらの人に給与を支払うことがありますが、これらの給与は原則として必要経費にはなりません。しかし、青色申告者の場合は「青色事業専従者給与に関する届出書」を最寄り税務署に提出していること等、一定の要件を満たしていれば、適正な金額が必要経費として認められます。また白色申告者の場合には事業主の配偶者であれば86万円、配偶者でなければ専従者一人につき50万円が必要経費として認められます。

 

名古屋税理士会中津川支部・山村祥弘

7月 07 2016

成年後見制度について

新年度町内会の役員会での話題でした。

 

Q.町内会長の西村さん

河邊さん今年度から会計よろしくお願いします。そうそう河邊さんは税理士なのですね。今年も確定申告の無料相談でお世話になりました。今年の会場にはホラン千秋さんのポスターが貼ってありましたよね。良かったですね。そのポスターで少し気になっていたのですが、確か彼女の手書きで「驚きました。税理士って、こんな活動もしているんですね。」「なかには成年後見人となる税理士も。」って、家にも介護サービスを受けている母がいますので、最近よく耳にする成年後見人って何だろうっていつも気になっているのです。成年後見人って何ですか?

 

A.税理士・河邊

町内会長さん、こちらこそ一年間よろしくお願いします。そうですか、あのポスターが目に留まりましたか。秋頃までは日本税理士会連合会のホームページで見ることができます。実は私も名古屋税理士会からの推薦を受けて家庭裁判所からある方の成年後見人を引き受けています。まず、成年後見制度という制度があります。成年後見制度は認知症や障害などにより自分で十分な判断を行うことができない人のために、権利や財産を守る制度です。その制度の中の一つが成年後見人です。

 

Q.町内会長の西村さん

成年後見制度ですか、なかなか立ち話では分からないですね。また、町内の皆さんにも集まっていただいて、河邊さんのお話を聞かせてください。ところで、どうして税理士が成年後見人を引き受けるのですか。

 

A.税理士・河邊

そうですね、こちらも詳しい話は次の機会にしますが、名古屋税理士会では名古屋税理士会成年後見支援センターを開設して、成年後見制度に関する無料相談窓口を設けています。毎週木曜日・金曜日の午後1時30分から午後4時30分まで電話または面談による相談をしています。電話番号は、052-752-5130です。

 

Q.町内会長の西村さん

身近に税金のことだけでなく、成年後見に関することまで相談できる税理士がいることは大変心強いです。これからもいろいろ教えてください。

 

税理士 河邊 征五

7月 07 2016

国税関係書類のスキャナ保存について

日常業務で発生する大量の書類の保存に苦労されていませんか。国税関係書類の保存方法は原則、紙媒体とされていますが、一定の要件を満たす場合には、電子媒体による保管も認められており、実現できれば管理コストの削減も期待できます。

国税関係書類の電子保存については、いわゆる電子帳簿保存法の施行により平成十年から始まりました。導入当初は自らが最初から一貫して電子計算機で作成した帳簿書類の保存に限定されたものでしたが、平成十七年の改正によって、紙媒体をスキャナで読み取った場合の保存(いわゆるスキャナ保存)が認められました。

ただ、国税庁公表の統計情報によると、平成二十六年度までの電子帳簿保存法の申請件数は年間一万件を超えているものの、この内スキャナ保存に関しては、年間五十件未満に留まっていました。適用要件が厳しすぎたと考えられ、平成二十七年度改正で要件が緩和されました。

スキャナ保存の要件は、対象となる書類によって多少違いがあるものの、概ね以下のとおりとなっています。

  • 対象となる書類は、領収書、契約書等の書類であり、棚卸表や貸借対照表、損益計算書等の決算書類は対象外とされる。
  • スキャナ機器は、原稿台と一体となったものに限られ、解像度が二百dpi以上等の条件がある。(ただし、平成二十八年九月三十日以後の承認申請分からスマートフォン等による撮影も可能となる。)
  • スキャナ入力は、書類の作成又は受領後一週間以内に行う。ただし、一定の場合には、一か月以内の業務処理サイクルに合わせた入力方法も可能とされる。
  • 電子署名は不要であるが、タイムスタンプが必要である。
  • 解像度、階調、書類の大きさに関する情報を保存する。
  • 訂正、削除の履歴が確認できるようにする。
  • 入力を行う人と監督する人に関する情報を記録する。
  • ディスプレイ等を備え付ける。
  • 関係帳簿との相互関連性、検索機能を確保する。
  • 適正事務処理要件を満たす。等

また、書類の保存を行う日の三か月前までに所轄税務署へ申請書の提出が必要です。
導入には当然、コストも発生します。例えば対象となるタイムスタンプは一般財団法人日本データ通信協会が認定するものに限定される等、要件を満たす機器を揃えるには相応の支出が必要となるでしょう。

また、前述した適正事務処理要件とは、①相互牽制の体制、②定期的な検査体制及び手続、③不備がある場合の再発防止体制、を備えることとされ、ある程度の内部統制の構築が求められます。ただし、平成二十八年度税制改正により小規模事業者に対しては適正事務処理要件の緩和がなされています。

導入にあたっては、上記のようなコストと得られるメリットを比較して判断する必要があります。

(税理士 林享)

7月 07 2016

名古屋青年税理士連盟

私たち名古屋青年税理士連盟(以下、「名青税」)は、名古屋市とその周辺地域で活躍する原則41歳未満の若手税理士を中心に約550名を超えるメンバーで構成されている団体です。今年で創立50周年を迎え、若手税理士の自由で闊達な意志の下、税理士としての職務の没頭する傍ら、税理士制度や税法の研修・各種研修会の開催により自己研鑽に励み、また会員相互の懇親を深めることにより、会員が一体となって社会への貢献を行うことにより、税理士会の発展並びに税理士の社会的地位の向上を目指し、活動しています。

名青税の組織は、研究部、制度部、組織・広報部、厚生部、総務・経理部及び各委員会から成り立っており、各々当連盟の目的達成のために活動しております。また、名古屋市と知多半島を中心として各地域に10の支部があり、地域的な活動は各支部を中心に行っております。

今年度の我々の活動の中心としては、研究活動テーマとしては「消費税の複数税率」及び「申告納税制度」を掲げており、組織活動のテーマとしては「支部を含めた組織内の情報の共有化」及び「会員相互の信頼関係の醸成」を掲げておりますが、ここでは今年度の研究活動テーマについて少し記述をさせていただきたいと思います。

[消費税の複数税率について]

「消費税の複数税率」は、消費税が10%に税率が上がる時の導入が決まっていますが、現状ではその導入にあたって賛否の声が多数あがっています。我々は、税に関する専門家団体として、「消費税の複数税率」に一体どのような意見を持つべきかを今一度考える必要があると考えています。税金で大切な要素は、国民のみなさんが納得できるかどうかです。誰もが納得できる要素として、税金には公平・簡素・中立の概念があげられますが、「消費税の複数税率」は、納税者のみなさんが納得できる制度となるのでしょうか。そもそも、消費税率を10%にすることとなった経緯は、持続的な社会保障制度の財源確保のために決定されたこととなっています。みなさんが等しく恩恵を受ける社会保障制度の財源として考えられた消費税率の引上げにおいて、負担軽減とはいえその恩恵が特定の方だけに偏る可能性がある措置を置くことは納税者の理解を得られるのか。私たち税理士は税の専門家として、今一度納税者の理解を得るとの観点に立ち戻り、日本社会における消費税の解決策を考える必要があるとの視点から問題点について検討いたします。

[申告納税制度について]

「申告納税制度」は、日本の税金を語る上で欠かせない根底となっています。申告納税制度は、第二次世界大戦後において日本の民主化の一環として採用された制度となっており、納税者が自らの所得を、自らの意思で算定し、自らの意思で納税するといったシステムです。そこには自らの財産を、自らの意思で租税として納税するという自主的、民主的な精神が宿っていると考えられます。税理士は、その申告納税制度を支えるために、独立した公正な立場において存在する制度といって過言ではありません。我々、若手税理士は生まれながらにしてこの自由で民主的な日本で無意識にその恩恵を享受してきました。そうした我々が、今一度、現在の日本において申告納税制度がもたらす意味について確認をすることはとても重要であるととらえています。その確認をもとに、税理士の役割について再度検討いたします。

[最後に]

当連盟の今年度の研究テーマを中心に記述させていただきましたが、私たちがもっとも大事にしていることは、名古屋を中心とした地域で税理士としての職務を遂行している我々、若手税理士相互の信頼関係を深めることです。私たちは普段の仕事では、お互い独立した存在で仕事をしていますが、社会に対する税理士の役割を考えた上では、個々が一人ひとりそれぞれ頑張ればいいのではなく、全員が一体となって取り組む必要性が多分に存在します。そういった考えのもと、一人でも多くの若手税理士が、我々の仲間に加わっていただくことを期待するとともに、国民の皆さまのご期待に応えられる税理士制度を目指し、活動していきます。

最後に、当連盟の会員である若手税理士の活気あふれる活動をホームページ及びブログに写真を用いてご紹介させていただいております。国民のみなさんが税理士という職業をより身近に感じていただき、私たちの活動を通じて、税金への理解を深めるとともに、今後の日本を考える一助となれば幸いです。

 

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 [税理士 仙田 浩人]

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