8月 19 2016

税理士はあなたの頼れるパートナー

Q      税理士はどんな仕事をされているのですか?   

A 具体的には、確定申告、青色申告の承認申請、税務署の更正決定などに不服がある場合の申立、税務調査の立会などについて代理をする税務代理。申告書など税務署等に提出する税務書類の作成。税金のことで困った、分からない、知りたいときの税務相談。これらの税理士業務に付随する財務書類の作成、会計帳簿の記帳代行などの会計業務。税務訴訟において納税者の正当な権利、利益の救済を援助するため、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し陳述する保佐人。「税を考える週間」や確定申告期間における無料税務相談などの税務支援や租税教室の講師、裁判所の調停制度、成年後見制度へ参画等の社会貢献です。

Q      確定申告書の税理士欄に「税理士法第30条の書面提出有」と「税理士法第33条の2の書面提出有」のふたつがありましたがどう違うのですか。

A 前者は、税理士が税務代理をすることを証する書面(税務代理権限証書)を併せて提出する場合で、後者は、「計算事項、審査事項等を記載した書面」を作成して申告書に添付して提出する場合です。

Q      第33条の2の書面を提出した場合の違いは? 

A 平成13年の税制改正による「書面添付制度」は、税務の専門家として、独立した公正な立場において、納税義務の適正な実現を図る税理士の立場を尊重し、税務署は調査の通知をする前に税理士に対して意見聴取を行い、その結果、申告内容に疑義が無くなった場合には、調査省略となるケースもあります。

税理士は税に関する唯一の専門家です。税法を知らないことにより、思わぬ不利益をこうむることが数多くあります。税理士は身近な税の専門家です。税金に関することは、どんなことでもお気軽に税理士へご相談ください。

【税理士 菅谷賢一】

8月 09 2016

住宅の三世代同居改修工事等に係る特例の創設

Q:子ども家族との同居を考えています。住宅の改修工事を行うと税金関係の特典が受けられると聞きましたがどのようなものでしょうか。

A:あなたが所有し居住する住宅で、①キッチン、②浴室、③トイレ、④玄関のうち少なくとも一つを増設する改修工事を行い、その結果、リフォーム後に①~④のいずれか2つ以上が複数となった場合、一定の金額が所得税額から控除されます。

ただし、その工事費用が50万円(補助金が受けられる場合は補助金控除後)を超えている場合に限ります。

控除額の計算は、借入を行った場合(1)と行わなかった場合(2)それぞれにあります。

(1)三世代同居改修工事等を含む増改築等の費用に充てるための借入を行った場合、増改築工事全体のローン残高(1000万円が限度)の1%及び工事全体のうち三世代同居改修工事のローン残高(250万円を限度)の2%が所得税額から控除できます。

控除できる期間は5年間となります。

(2)借入を行わなかった場合は三世代同居改修工事に係る標準的な費用の額(250万円を限度)の10%が所得税額から控除できます。

居住の用に供した年が控除対象となります。

(1)又は(2)の税額控除を受けるには、増改築等の工事証明書を確定申告書に添付する必要があり、所得金額(3,000万円以内)の制限もあります。適用期間は平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間に居住の用に供した場合となります。

三世代同居改修工事となっていますが三世代同居は要件となっていませんので、後々に備えての改修工事であっても対象となります。

 

名古屋税理士会岐阜北支部・中川しのぶ

8月 04 2016

相続対策の第一歩

7月1日に国税庁から「路線価」が公表されました。また、お盆休みなどで親族が集まるということもあり、毎年この時期は、にわかに相続についての関心が高まるころかと思います。

相続についての関心といえば、相続対策ということになるかと思います。一言で相続対策といっても円滑な財産の引継ぎや、事業の承継、相続税の対策など様々なポイントがあります。これらのポイントのうち、どれを優先させるかによって自ずと相続対策も変わってきます。そのために、ただ漠然と相続対策に関心があるといっても、実際には何から手を付けてよいか分からないという方もいらっしゃるのではないかと思います。

そのような方々について、相続対策を考える前にやっておきたいこととして、「1.相続人の把握」と 「2.相続財産の把握」 この2点を事前に行うことをお勧めします。

 

相続人の把握

相続人の把握は、「自分が死亡した場合、誰が相続人となるのか?」というところから始まります。相続人については、家族構成などによってそれぞれ異なってきますので、不安のある方は専門家などにご相談されるのも良いでしょう。この相続人の把握については、ただ単に相続人を特定するだけでなく、その人や周辺の人々(相続人の配偶者など)の状況や性格なども併せて把握しておくと良いかもしれません。また、相続人以外の人に対して遺言により財産を遺そうと考えていらっしゃる方は、無用な争いを引き起こす可能性もありますので慎重に考えましょう。

 

相続財産の把握

相続財産の把握ですが、相続財産の一覧表などを作成するのが良いと思います。その際、最初は財産の金額(相続税評価額)まで細かく書き込むのではなく、どのような財産が、どこに、どれくらい(数量など)あるかを把握しておきます。そして金額については、とりあえずは現在時点での金額で把握しておきます。たとえば、預貯金は現在の残高、有価証券は所有株数に現在の株価をかけた金額、宅地や建物については市区町村から送付される固定資産税課税明細書の固定資産税評価額を参考程度に用いるのも良いでしょう。

 

この2点を事前にやっておくことによって、相続対策(相続への備え)について具体的に考えることができるようになるかと思います。

なお、相続に係る税金が発生するかどうかについては、それぞれの事情により相続人や相続財産が異なりますので個別にシミュレーションなどをしてみないとわかりません。ただし、上記の方法により把握した相続財産の合計額が、遺産に係る基礎控除額※を超えるような場合には、相続税の申告書を提出する義務が生ずる可能性がありますのでご注意ください。

 

※遺産に係る基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

 

具体的な財産の評価や、税金の計算などにつきましては、税理士や最寄りの税務署に、また相続に関するトラブルについては弁護士へご相談されるのが良いかと思います。

 

お盆に親族が集まるこの機会に、相続について考えてみるのはいかがでしょうか?

 

税理士 田中 邦彦

8月 04 2016

業務対策部で検討中の課題について(書面添付制度を中心として)

名古屋税理士会業務対策部では、次の3項目を中心に活動をしています。

  • 税理士業務の改善、充実を図るための対策を進めること。
  • 税理士業務侵害事案に対しての所要の方策を講ずること。
  • 書面添付制度の普及に努め、添付率の向上と内容の充実を図ること。

現在の業務対策部では、3つ目の書面添付制度とマイナンバー制度を中心に部会で検討を進めております。そもそも書面添付制度とは、税理士法第33条の2に規定する「書面添付制度」と同法第35条に規定する(意見聴取制度)を総称したものです。税理士法第1条では、税理士の使命を規定していますが、その使命を踏まえて書面添付制度を捉えていくと、その意義や目的が明らかになります。

税理士法の規定を受けて、国税庁からは書面添付制度の運用にあたっての基本的な考え方及び事務手続などについて記載した事務運営指針が公表され、日本税理士連合会からは、添付書面作成基準が公表されました。これを税理士法、事務運営指針、書面添付作成基準を順番に確認していくと書面添付制度の意義や国税庁側の事務手続などの対応、さらには書面添付の具体的な作成基準について知ることができますが、今回は紙面の都合上、税理士法と書面添付制度との関連を中心に検討をさせて頂きます。

まず税理士法第1条において、「税理士は税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」と規定されています。つまり、税理士の使命が、「納税義務者の信頼にこたえること」と「納税義務の適正な実現を図ること」を認識しておく必要があります。

次に、税理士法第33条の2では、「申告書を作成した時は、申告書の作成に関し、計算し、整理し、又は相談に応じた事項を財務省令で定めるところにより記載した書面を当該申告書に添付することができる。」と規定されており、税理士に与えられた権利であることが判ります。また、税理士にとっては税理士事務所全体の業務水準の向上や税理士の地位向上・税理士制度の確保に繋がるものであり、税理士法上の使命を実現するために活用できる制度の1つであることが判ります。さらには、この権利を行使することが、税務当局にとっては税務行政の円滑化や簡素化に繋がり、関与先にとっては決算書の社会的信用力の向上というニーズに合致することになることが判ります。これこそが書面添付制度の意義ではないかと思われます。なお、自らが作成した申告書だけではなく、他人が作成した申告書についても、相談を受けて審査をした場合には書面を添付することが可能です。

税理士法35条の規定では、「税務官公署の当該職員は、第33条の2第1項及び第2項に規定する書面が添付されている申告書を提出した者について、(中略)当該税理士に対し、当該添付書面に記載された事項に関し意見を述べる機会を与えなければならない。」と規定されているところからも判るとおり、税理士法の規定により税理士の立場が尊重され、意見聴取の権利が付与されており、意見聴取の場で疑義が解決すれば税務調査には至らないことも意味しています。

ただし、事実と異なる記載があり、かつ、そのことを予め知っていたと認められる場合(故意)は、懲戒処分の対象となります。裏返せば、税理士が確認をしていない事項や知らないことまで責任が及ぶわけではありませんので、確認をした事実のみを正しく記載することが求められます。

このように添付書面制度は、税理士、事務所職員が行った関与先の決算のチェック状況や、日常的に相談を受けた事項を具体的に記載する必要があるため、手間は掛かりますが業務水準の向上など関与先との信頼関係の構築に役立ち、税理士、税務当局、納税者のそれぞれが恩恵に預ることが出来ます。その一方で、その添付割合が依然として低いのも事実です。業務対策部では普及・定着に向けた取り組みとして研修会の実施など、書面添付制度のより一層の充実を図るべく引き続き検討して参ります。

税理士 濵 久人

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