10月 18 2016

ふるさと納税と確定申告

Q.最近話題の「ふるさと納税」を行いたいと思いますが、前年から申告が不要となったと聞きましたが詳しく教えて下さい。

A.ご質問のとおり平成27年度の税制改正により、確定申告を行わなくてもふるさと納税の寄附金控除を受けられる仕組み「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設されましたので申告は不要となりました。

しかし留意していただきたいのは、確定申告不要制度が使えるのは、次の6つの条件すべてを満たした人になります。

  1. 会社員である、
  2. 給料は1カ所からしかもらっていない
  3. 年収が2,000万円以下である
  4. 確定申告をする義務がない
  5. ふるさと納税をした自治体の数が5カ所以下である
  6. ワンストップ特例制度を利用することを「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」で申告した方となります。

この条件から一つでも外れる人は、確定申告をしなければなりません。

そして、最も注意をしたいのが、確定申告をすることによって税金が安くなる次のような方です。

  1. 医療費控除を受けて確定申告する方
  2. 住宅ローン控除の初年度の確定申告をする方
  3. 寄付した自治体の数が6カ所以上になった方など。

これらの控除を受ける場合、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を併用することはできません。つまり、確定申告において、①医療費控除や②住宅ローン控除を受けるのであれば、ふるさと納税についても同時に申告しなければなりません。

また③については「5カ所を超えた分だけ確定申告すればいいですか?」との質問を受けることがありますが、答えは、全部について確定申告をする必要があります。

この特例制度が適用できない方は、面倒がらずに確定申告をするようにしてください。

名古屋税理士会大垣支部・髙橋茂樹

10月 06 2016

加算税・延滞税の改正について

Q.加算税の制度が今年度の税制改正で見直されたと聞きました。どのように見直されたのでしょうか。

A.平成28年度税制改正により、平成29年1月1日以降に法定申告期限等が到来するものについては、調査の事前通知以後、その調査があることにより更正又は決定があるべきことを予知してされたものでない修正申告又は期限後申告について5%(一定額を超える場合は、10%)の加算税を新たに課すこととし、期限後申告又は修正申告に基づく無申告加算税の割合を、10%(一定額を超えるの場合は、15%)に引き上げました。

Q.重加算税についても、今年度の税制改正で見直されたと聞きました。どのように見直されたのでしょうか。

A.繰り返しの無申告や短期間の再度の仮装・隠蔽を防止する為、修正申告(更正予知によるものに限る)若しくは期限後申告又は更正若しくは決定等(以下、「修正申告等」という)があった場合において、その修正申告等があった日の前日から起算して5年前の日までの間に、その修正申告等に係る税目について無申告加算税(更正予知によるものに限る)又は重加算税を課された事績があるときは、その修正申告等に対して課する無申告加算税の割合を25%(一定の場合は30%)とし、重加算税の割合を過少申告加算税・不納付加算税:45%、無申告加算税:50%とする改正が行われました。

Q.延滞税についての見直しは無かったのでしょうか。

A.平成26年12月12日最高裁判決を受け、更正による税額が当初申告税額を越えない等一定の場合には、増額更正でも延滞税は発生しないこととされました。

税理士 長谷川浩康

10月 06 2016

名古屋税理士会の成年後見制度への取り組み

「税理士は、あなたの頼れるパートナー」日本税理士会連合会の本年度全国統一キャッチコピ-です。税理士は税務代理・税務書類の作成・税務相談・e-Taxの代理送信・会計業務などを行い、事業を営む方の税務や経営に関する相談・個人の方々の資産管理に関することをお手伝いしています。

最高裁判所事務総局家庭局が公表する『成年後見関係事件の概況-平成27年1月~12月-』を見ますと、おもな成年後見関係事件の申立て動機別件数の内80%以上が「預貯金等の管理・解約」となっています。税理士は成年後見制度の維持・発展にその豊富な経験を活かし、皆様の貴重な財産の保全と適切な管理を行います。

名古屋税理士会では、会員向けに成年後見制度の啓発のための一般研修会、さらに成年後見人等としての基礎知識を習得するための養成研修会、名古屋家庭裁判所・岐阜家庭裁判所からの成年後見人等の推薦依頼を受けるための専門的な知識の継続的学習の場として専門研究会を設けています。

名古屋税理士会成年後見支援センタ-は成年後見制度に関わる相談を毎週木曜日・金曜日の午後1時30分から同4時30分(受付は、午後4時)まで無料で行っています。相談専用電話は052-752-5130です。

「相談の例えばこんな時・・・」

  • 物忘れがひどくなって財産管理ができなくなりました。どうしたらいいですか?
  • 銀行から成年後見制度を利用するように言われました。
  • 保佐人になってと言われました。どうしたらいいですか?
  • 将来、認知症になったらと不安です。今出来ることはありますか?
  • 任意後見と法定後見の違いを教えてください。

などがあります。

(名古屋税理士会ホームページでもご覧いただけます。)

もう少し実例を参考にしてみましょう。

雑貨屋を個人で営むAさんと法人で営むBさんの場合、もし経営者であるAさん、Bさんが突然の病で寝たきりになり意思表示が出来なくなった場合事業はどうなるのでしょうか、法人を営むBさんは会社法上、取締を務めることは出来ませんので、身内の方が取締役に就任すれば、事業として財産関係に何の影響も無く営業を続ける事が出来ます。

個人営業のAさんの場合は複雑で、事業の預貯金を停止された場合、事業用の預金と言えども最寄の家庭裁判所に成年後見人の申立てをし、家庭裁判所から指定された成年後見人の判断に委ねる事になります。

寝たきりになった事が公にならずに預貯金の入出金も発病前と同様の状態で出来た場合はどうでしょうか。

事業主は寝たきりのAさんでしょうか。それとも事業を引き継いで行う身内の方でしょうか。

もし関与してる税理士が居たならば、寝たきりで意思表示出来ないAさんの確定申告書を代理する事が出来るのでしょうか。その時、如何に判断してどう対処したら良いのか、個々の事情によって異なる事と思われます。

税理士は税の専門家であると共に、顧問税理士として親の代からの継続した関与も少なくありません。成年後見制度についても、先ずは顧問税理士に質問してください。きっと相談に乗って貰える筈です。

前述の相談日のほか、全国一斉に平成28年10月22日(土曜日)午前10時から午後3時まで下記の会場で成年後見及び相続税・贈与税に関する無料相談会を開催します。事前の予約を電話にて受け付けています。

お気軽に相談にお越しください。

名古屋会場 名古屋市千種区覚王山通8-14 税理士会館ビル3階
岐阜会場  岐阜市橋本町1-10-11 じゅうろくプラザ5階小会議室2
予約電話 052-752-7711

税理士 熊澤彰人

10月 06 2016

【税制面から考える災害への対応】

今年4月に発生した熊本地震により多くの方が被災されました。未だその爪痕も痛々しく自然の脅威を改めて思い知らされ、私たちの暮らす地域においても日常の備えがいかに大切か、を考えさせられます。被災された皆様のいち早い復興をお祈りするとともに、今回は、税制面で手当てがなされている災害に関する項目を個人に関係するものに絞って再確認したいと思います。

1. 地震保険料控除

昨今、頻繁に発生し、その度に深刻な被害を引き起こす大地震に備えるため、地震保険への加入の重要性が注目されていますが、その加入率は現在全国平均30%程度にとどまっています。そのような状況の中、地震保険への加入を税制面で後押しするため、所得税法には地震保険料控除という制度が設けられています。この制度では対象となる地震保険等に加入しその保険料を支払った場合、その年中に支払った当該保険料のうち最大5万円までが所得控除として所得金額から控除されます。

2. 雑損控除

災害等による損害が発生した場合又は災害に直接関連して支出された金額がある場合には、所定の算式により計算された金額が雑損控除として所得から控除されます。但し、生活に通常必要でない資産について受けた損失に関してはこの控除は受けられません。

また、生じた雑損失の金額がその年分の各種所得の金額から引ききれないときは、その引ききれない部分の金額は翌年以後3年間に繰り越して控除を受けることができます。

3. 災害減免法による減免

災害によって住宅又は家財に甚大な被害を受けた場合には、前記2の雑損控除との選択により所得税の額の軽減又は免除を受けることができます。

合計所得金額 免除額
~500万円以下 全額免除
500万円超~750万円以下 50%相当額免除
750万円超~1,000万円以下  25%相当額免除

 

4. 災害による申告、納付等の期限の延長

災害その他やむを得ない理由により、申告、納付等に関する期限までにこれらの行為ができない場合に、手続きを行うことにより申告、納付等の期限延長の指定を受けることができます。また災害による被害が広い地域に及ぶ場合は、国税庁長官が延長する地域と期日を定めて告示しますので、その告示の期日までに申告・納付などをすればよいことになります。

5.寄附金控除

ご自身が災害による被害を受けなかった場合でも、被災地へ義援金や寄付をされる方もあると思います。そのような場合にも以下のような税制上の手当てがなされています。

(1) 個人の方が、被災地等の災害対策本部に対して支払った義援金は、「特定寄附金」に該当し、寄附金控除(所得控除)の対象となります。

(2) 個人の方が、被災地等で救護活動を行っている「認定NPO法人」に対して寄附金を支払った場合、寄附金控除(所得控除)又は寄附金特別控除(税額控除)の対象となります。

(3) 災害義援金等に係る「ふるさと納税」の取扱いについて
最近盛り上がりを見せている「ふるさと納税」。この「ふるさと納税」の仕組みを利用して被災地へ返礼品不要の寄付をする方も増えています。被災地自治体の負担を考慮して、代理受付を行う自治体も多くありますので、一度調べてみるのも良いかもしれません。

以上、今回は災害に関連する税制上の手当てを見てきましたが、冒頭に述べたように一番大切なのは日頃の備えと心構えだと思います。皆さんも、ご家族で万が一の時の備えと対応などを話し合ってみてはいかがでしょうか?

(税理士 濱田和希)

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