11月 03 2016

マイナンバー ~書類作成における留意点~

平成28年1月1日よりマイナンバー(社会保障・税番号)制度の運用が開始され、1年が経過しようとしています。ここでは、マイナンバーの記載が必要となる源泉徴収票・支払調書の作成に当たっての留意点を紹介したいと思います。

1.源泉徴収票

「平成28年分 給与所得の源泉徴収票」から、様式サイズがA6サイズからA5サイズに変更されました。これは、従業員本人及びその控除対象配偶者・扶養親族そして支払者(事業所)のマイナンバーを記載する欄が追加されたためです(退職所得の源泉徴収票にもマイナンバー記載欄は追加されましたが、様式サイズに変更はありません)。
運用当初は、従業員に交付する給与所得・退職所得の源泉徴収票にはマイナンバーを記載することとなっていましたが、法令が改正され、受給者に交付する源泉徴収票には記載しないこととされました。ただし、税務署へ提出する際はマイナンバーの記載は必要ですので、注意してください。

2.支払調書

事業所は毎年1月31日までに、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」(以下、法定調書)と提出範囲に該当する支払調書を税務署へ提出しなければなりません。法定調書には提出者である事業所のマイナンバー、支払調書には事業所及び支払先のマイナンバーを記載して税務署に提出することとなります。法定調書作成にあたり、従業員のマイナンバーについてはすでに事業所では把握していると思いますが、その他の対象者のマイナンバーについては把握しているでしょうか。

支払調書の提出範囲に該当する支払者からはマイナンバーの取得という作業が必要となります。マイナンバーを取得する際には、身元確認も必要なため、①マイナンバーカード(番号確認と身元確認)、②通知カード(番号確認)と運転免許証等(身元確認)、③マイナンバーの記載された住民票の写し等(番号確認)と運転免許証等(身元確認)のいずれかの方法で確認する必要があります。ただし、代理人から本人のマイナンバーを取得する場合は、本人の番号確認と身元確認だけではなく、戸籍謄本等(法定代理人の場合)や委任状(任意代理人)で代理権の確認をすると共に、代理人のマイナンバーカード・運転免許証などで代理人の身元確認をする必要があります。

特に不動産に関する支払調書の対象となる取引については、支払者と顔を合わせることなく不動産仲介業者との間で取引が進められることが多いため、直接本人からマイナンバーを取得するより、代理人である不動産仲介業者を介して取得することとなるでしょう。

なお、支払調書は支払者本人に交付する義務はありませんが、交付を求められた場合、源泉徴収票と同様、マイナンバーは記載せずに交付することとなります。

以上、源泉徴収票・支払調書の留意点を紹介しました。なお、平成29年1月1日以後に提出する場合はマイナンバーの記載を不要とする改正がされるなど、マイナンバーについては今後も法令が改正される可能性は十分あります。マイナンバーを取り扱う事業所の皆さんは注視していく必要があるでしょう。

税理士 太田 麻紀

11月 03 2016

税を考える週間

毎年11月11日から17日までの一週間は「税を考える週間」です。この期間、国民の皆さんに税の仕組みや目的等を考えていただき、国の基本となる税に対する理解を一層深めてもらうことを目的に定められました。そこで、改めて税金の役割について考えてみましょう。

「税金の役割について」

私たちは、健康で豊かな生活を送るために、国や地方公共団体から様々なサービスを受けています。このような公共サービスの提供を受けるには多くの費用が掛かります。その費用をみんなで負担しているのが「税金」です。税金には、以下の様々な役割があります。

① 公共サービスの資金調達

国民の安全を守る警察・消防や、道路・水道の整備といった「公共サービス」や、年金・医療・福祉などの「相互扶助制度」のために、その必要となる資金を調達する役割があります。

② 富の再分配

所得の多い人ほど高い税負担を求める「累進課税制度」が導入されていることから、国民の間の富の格差を縮め、社会の安定化・公平な社会秩序を維持する役割があります。

③ 景気調整

景気の良い時は所得が増えることで税収も増加し、 逆に景気の悪い時は所得が減ることで税収も減少しますので、民間需要を自動的に調節する役割があります。

④ 経済対策の推進

特定の政策目的を達成するために、税制上の例外規定である「租税特別措置法」を制定し、特別償却や税額控除などの減税措置が行われることにより、経済政策を補充する役割があります。

⑤ 国内産業の保護

外国からの輸入品に対して関税を課すことで、国外産業から国内産業を保護する役割があります。

「税理士の役割について」

我が国では、納税者が自らの所得を計算し申告を行うことにより、税額を確定させ納付する「申告納税制度」を採用しています。しかし、正しい申告を行うには、税法や会計等の専門的な知識が必要になります。そこで、納税者に代わって、税理士が独立公正な立場で以下の業務を行っています。

① 税務代理

納税者を代理して、確定申告、青色申告の承認申請、税務調査の立ち合いなどを行います。

② 税務書類の作成

納税者に代わって、確定申告書、相続税申告書、青色申告承認申請書、その他税務署などに提出する書類を作成します。

③ 税務相談

納税者が税金のことで困った時、分からない時、知りたい時に相談に応じます。

④ e-Taxの代理送信

納税者の依頼により、e-Tax(電子申告)を利用して申告書を代理送信することができます。

⑤ 会計業務

税理士業務に付随して財務書類の作成、会計帳簿の記帳代行、その他財務に関する業務を行います。

⑥ 税理士の社会的貢献

税金の正しい知識と理解を深めるために、特に将来を担う子供たちに対しての「租税教育」を積極的に取り組んでいます。また、税に関する専門家という立場から、税制及び税務行政の改善要望として、国に対し「税制改正建議書」を提出しています。他にも、国税不服審判所で「国税審判官」として、地方公共団体においては「監査委員」、家庭裁判所では「民事・家事調停員」として携わり、高齢化社会に向けての「成年後見制度」にも参画しています。

名古屋税理士会では、税金の役割と目的を今一度国民の皆さんに考えていただき、税についての理解をさらに深めていただくために、この期間は無料税金相談会などを積極的に行っています。是非、この機会に税金に関することを税理士へ気軽にご相談ください。

 税理士 大野 治彦

11月 03 2016

経営力向上計画の認定による固定資産税軽減の特例措置

Q:経営力向上計画とは何ですか?

A:平成28年7月1日に中小企業等経営強化法が施行されました。この法律では、国は基本方針に基づき事業分野ごとに生産性向上の方法を示した「事業分野別指針」を策定すること、そして中小企業・小規模事業者等は、その「事業分野別指針」に沿って、人材育成・コスト管理等のマネジメントの向上・ITの利活用や設備投資などにより自社の経営力を向上するために実施する事業計画を策定し、その計画について国の認定を得ることができることとされました。この経営力を向上するために実施する事業計画を「経営力向上計画」といいます。認定事業者は、税制優遇や金融支援等の措置を受けることができます。

Q:固定資産税軽減の特例の概要について教えてください。

A:認定計画に記載された一定の機械及び装置について、取得翌年度から3年間、その機械装置等にかかる固定資産税が半額になります。対象設備は、以下の要件を満たすものです。⑴販売開始から10年以内のもの ⑵旧モデルに比して生産性1%以上向上するもの ⑶160万円以上の機械及び装置

Q:固定資産税軽減の特例を受けるための具体的な方法を教えてください。

A:①対象設備について、設備メーカー等を通じて工業会等による証明書を入手する。②事業所管大臣に、その設備の取得を含む「経営力向上計画」を提出し認定を受ける。計画には、上記①の証明書を添付する。③取得翌年1月の償却資産税申告の際に、申請書の写し、認定書の写し、工業会等による証明書の写しを申告書に添付して市町村に提出する。

Q:固定資産税軽減の特例と、生産性向上設備投資促進税制や中小企業投資促進税制との重複適用は可能ですか。

A:可能です。

自社の「稼ぐ力」を強化するチャンスです!ぜひご活用ください。 以 上

(名古屋税理士会岐阜南支部・小田切清子)

WordPress Themes