2月 14 2017

所得税の確定申告書のマイナンバー記載について

社会保障・税番号(マイナンバー)制度の導入に伴う平成28年分以降の所得税の確定申告書の留意点を確認します。

Q1
所得税の申告書の変更点を教えてください。

A1
平成28年分の確定申告書の様式から、マイナンバーを記載する欄が設けられています。
確定申告書には申告者ご本人のマイナンバーのほか、控除対象配偶者、扶養親族及び事業専従者などのマイナンバーの記載が必要です。

Q2
所得税の申告書を提出する際の変更点はありますか?

A2
マイナンバーを記載した確定申告書を税務署に提出する際には、申告者ご本人の本人確認書類の提示又はコピーの添付が必要になりました。

Q3
本人確認書類を具体的に教えてください。

A3
マイナンバーカード(個人番号カード)がある場合は、マイナンバーカードのみで本人確認が可能です。
マイナンバーカードが無い場合は、「番号確認書類」として通知カード又はマイナンバーが記載された住民票の写しなどのうちいずれか1つと、「身元確認書類」として運転免許証、公的医療保険の被保険者証などのうちいずれか1つの二種類の書類が必要です。

Q4
私はe-Tax(電子申告)で提出しますが、税務署への本人確認書類の提示又は写しの添付は必要ですか?

A4
電子申告で提出する場合は本人確認書類の提示又は写しの添付は不要です。

Q5
申告書にマイナンバーの記載をしていない場合、税務署で受理されないのですか?

A5
制度導入直後の混乱を回避するなどの観点から、マイナンバーの記載が無い申告書も受理されますが、マイナンバーの記載は法律で定められた義務ですので、正確に記載した上で提出してください。

【名古屋税理士会岐阜北支部・各務吉彦】

2月 02 2017

簡単・便利なe-Tax

今年もいよいよ確定申告の時期がやってまいりました。e-Tax(国税電子申告・納税システム)は年々便利になってきており、我々の税理士業界では着実に定着しつつありますが、一般の納税者においてはその普及度はまだまだといった感が拭えません。普及度がいまひとつである原因のひとつとして、電子証明書の取得などといった事前準備をどうしたらいいのかよく分からない・面倒くさい、という点があるのではないでしょうか。そこで今回は、ご家庭でe-Taxホームページ(http://www.e-tax.nta.go.jp/)から確定申告をする場合の事前準備の方法を確認してみます。

e-Taxはインターネットを使いますので当然インターネットに接続できる環境が必要となりますが、各家庭で使用しているインターネット回線で十分です。次にパソコンですが、WindowsパソコンでしたらOSはWidows7以降のもので、ブラウザソフトはInternet Explorer11が必要です。Windows10の場合、ブラウザソフトEdgeは使えませんのでご注意ください。MacでしたらOSはMacOSX10.9~10.11までのもので、ブラウザソフトはSafari9.1が必要となります。Macについては最新バージョンmacOS10.12(Sierra)が推奨環境に含まれていませんのでご注意ください。

次に必要なものは電子証明書です。電子証明書は個人番号カード、いわゆる「マイナンバーカード」のICチップに格納されている電子証明書が利用できます。マイナンバーカードはお住まいの市区町村で取得できます。交付までに日数がかかる場合がありますので、申告期限に間に合うように早めに手続きをされるとよいでしょう。

さらに電子証明書を読み取る機器としてICカードリーダライタが必要です。家電量販店などで簡単に入手できますが、マイナンバーカードに対応した機種でないといけません。地方公共団体情報システム機構が運営する公的個人認証サービスポータルサイトにて、マイナンバーカードに対応したICカードリーダライタの一覧が公開されていますが、お店の店員さんに相談・確認したほうが間違いはないと思います。

これで必要な機材はすべて揃いました。ICカードリーダライタの接続・セットアップをおこなえばいよいよe-Taxが利用可能となります。e-Taxのホームページの「確定申告書等作成コーナー」をクリックし、あとは画面に表示される指示に従って入力を進めていくだけで、申告書の作成から提出まで簡単におこなうことができます。

なお、今回平成28年分の申告から、申告書にマイナンバーの記載が必要となっており、従来の紙による提出の場合は番号確認書類(マイナンバーカードやマイナンバー「通知カード」など)と身元確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)の提示または写しの添付が必要ですが、e-Taxによる場合はこれらの書類を提示・添付する必要がなく、手間が省けてメリットのひとつだと思われます。

一見難しそうなe-Taxですが、始めてしまえば非常に簡単・便利ということが実感できると思います。皆さんも是非e-Taxにチャレンジしてみませんか。

【税理士 増田朝光】

2月 02 2017

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の注意点

Q1: 私は住宅用家屋を新築するに当たり、父からその敷地となる土地の贈与を受けました。この場合、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例を受けることは可能ですか?

A1: 特例の対象となる住宅取得等資金とは、「受贈者が自己の居住の用に供する家屋を新築若しくは取得又は自己の居住の用に供している家屋の増改築等の対価に充てるための金銭(お金)」をいいますので、今回の場合、土地そのものの贈与を受けていることから、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例を受けることはできません。
Q2: 私は住宅用家屋を新築するに当たり、その敷地となる土地の購入資金に充てるため、父から金銭の贈与を受けました。その金銭で土地を先行して取得し、その土地の上に住宅用家屋を新築する予定です。この場合、贈与により取得した金銭は、住宅取得等資金に該当し非課税の特例を受けることは可能でしょうか?

A2: 特例の対象となる住宅取得等資金には、「住宅用家屋の新築に先行してその敷地の用に供される土地等の取得が行われる場合におけるその土地等の取得のための資金」が含まれます。したがって、贈与を受けた金銭は、贈与税の非課税の特例を受けることができます。
ただし、住宅取得等資金の贈与を受けた年の翌年3月15日までに新築(新築に準ずる状態として、屋根(その骨組みを含みます。)を有し、土地に定着した建造物として認められる時以後の状態にあるものを含みます。)していない場合(一般的に棟上げしていない場合)には、贈与により取得した金銭については、住宅取得等資金の贈与の特例を受けることができません。つまり、今回のケースでは、
・贈与を受けた年の翌年3月15日時点で棟上げ済の場合…特例適用あり
・贈与を受けた年の翌年3月15日時点で棟上げ未済の場合…特例適用なし
となります。

【税理士 佐藤義行】

2月 02 2017

決算賞与の損金算入時期

事業年度末になると、その年度の業績を反映した決算賞与を支給する会社も多いのではないでしょうか。毎年でなくても業績の良い時だけ支給する会社もあると思います。経営者が決算賞与を支給するのは、その事業年度の従業員の貢献に対して利益を還元するため、従業員の更なるやる気を引き出すため、また会社の節税をするためなどの理由が挙げられます。決算賞与は事業年度末、またはその翌事業年度初めに支払われることとなるため、税務上の損金算入時期がよく問題となります。それではどの時点の損金となるのでしょうか。

①損金算入時期

夏季賞与や冬季賞与などの時期の決まった賞与については、次の3つの要件を満たすかどうかにより損金算入時期が決定されます。
・労働協約や就業規則により定める支給予定日が到来している
・従業員に支給額を通知している
・その支給額を経理上、費用計上している
全て満たす場合には、支給予定日と通知日のいずれか遅い日で判断します。それ以外の賞与については、次の②に該当するものを除き、支払日により判断します。したがって、これらに該当する場合は、実際の支払日により判断されることが多くなります。

②期末に未払いの場合

決算賞与の金額を事業年度末に決定しても、支払いは翌事業年度となってしまうことがあります。その場合でも次の3つの要件を全て満たせば、損金算入時期は、従業員へ支給額を通知した日により判断されます。
・支給額を、各人別に、同時期に支給を受ける全ての従業員に通知している
・通知した全ての従業員に対して、通知した金額どおりに、翌事業年度開始から1か月以内に支払っている
・その支給額について、通知日を含む事業年度中に費用計上している
ここで注意しなければならないことがあります。通知時点で在籍する全ての従業員に通知をしていたとしても、その後の支給日の在職者にしか支払わないような制限がある場合には、要件を満たしていないものと取り扱われます。その場合には、支給日により判断されてしまいます。
事業年度内に未払いの決算賞与を損金算入したい場合には、会社が従業員全員に通知をしていること、また従業員がそれを確認していること、これらが事業年度末までに完了していることを明らかにする書面を作成するなど根拠資料を整えておきましょう。

③デメリット

決算賞与は従業員のやる気を引き出す面や節税面でのメリットがありますが、一方でデメリットもあります。まず支出面について、たしかに節税効果はありますが、賞与支払額が軽減される税額以上となるため、会社としてはより大きな支出となってしまいます。利益見込に基づいて支給額を算定する場合には、経理上の事務負担も生じます。また、決算賞与が支給される時は従業員のやる気を上げる効果が期待されますが、支給を取りやめた場合や期待額を下回ってしまった場合には、逆にやる気を低下させてしまうこともあり得ます。

経営者にとって、決算賞与の支払いは経営上のメリットもあればデメリットもあり、また税務上は損金算入時期にも注意が必要です。決算賞与を支給する際には、資金繰りや税務上の損金算入時期に留意しつつ、従業員のその後の意欲向上につながるように活用することが重要です。

【税理士 佐藤輝弥】

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