3月 14 2017

贈与と名義預金

Q1.小学生の孫に預金の贈与を検討しています。贈与で気を付けるポイントはどこですか。

A. 贈与が行われたという証拠(Q4参照)を残すことが大切です。特に未成年者への預金の贈与の場合、孫名義の通帳にお金をこっそり振込み、名義預金と認定されるケースがあるので注意が必要です。

Q2.名義預金とはどのようなものですか。

A. 形式的には家族の名義で預金していますが、実質的には別の真の所有者がいる預金を指します。その場合、預金は贈与されたとみなされず、実質的な所有者の財産とされます。もし名義預金を残したまま相続が発生すると、名義預金は被相続人の相続財産として相続税の課税対象となります。

Q3.名義預金と贈与の違いは何ですか。

A. 民法では、贈与とは贈与者(財産をあげる人)が「あげます」という意思表示をし、受贈者(財産を貰う人)が「貰います」という意思表示があって初めて成立すると定めています。
今回、孫が預金を「貰います」という意思表示をしていることが贈与成立の条件となります。しかし孫の通帳にこっそり預金を移動させていると、孫は贈与の事実を知りません。この場合、いくら預金を贈与しても、実態としては贈与ではなく、名義預金として孫から名義を借りていると考えざるを得ないかと思います。

Q4.名義預金にならないよう贈与をするにはどうしたらいいですか。

A. お互いの意思表示を確認するために、贈与契約書を作成することをお勧めします。また、贈与された預金を孫が自由に使える状況でないと、実際に貰ったと言えません。孫が通帳や印鑑を管理するのが望ましいですが、孫が未成年者でお金の管理が心配な場合は孫の親権者が管理し、いつでも自由に預金が使える状況にしましょう。

【名古屋税理士会岐阜南支部所属・田中 健一】

3月 02 2017

金融関連所得に対する課税

Q法人が利子を受け取った場合の道府県民税利子割がなくなったそうですが?

A法人が平成28年1月1日以後に支払いを受ける利子等には利子割が課税されません。個人が支払いを受ける利子等については、従来通り利子割が課税されます。

Qこの改正に伴い、注意すべき点はありますか?

A法人道府県民税の法人税割額から利子割額を控除する制度がなくなりました。控除しきれなかった利子割額を均等割額へ充当又は還付を受ける制度もなくなりました。法人税別表四で道府県民税利子割を加算しません。

Q個人が公社債を譲渡する場合は所得税,住民税が課税されるそうですが?

A平成27年までは公社債の譲渡は非課税でしたが、平成28年1月1日以後にする譲渡益については所得税及び復興特別所得税15.315%,住民税5%が課税されます。原則として申告が必要です。

Qでは、個人が公社債の利子を受け取った場合はどうですか?

A特定公社債以外の公社債の利子等は従来通り、所得税及び復興特別所得税15.315%,住民税5%が源泉徴収されます。平成28年1月1日以後に特定公社債の利子等を受け取った場合は、所得税及び復興特別所得税15.315%,住民税5%が課税され、原則として申告が必要です。
※特定公社債とは、国債,地方債,外国国債などです。

Q個人の株式の譲渡についてはどうですか?

A平成28年1月1日以後の譲渡は、一般株式等に係る譲渡所得と上場株式等に係る譲渡所得が別々の分離課税になります。

Qこの改正でどのような影響がありますか?

A一般株式等に係る譲渡所得と上場株式等に係る譲渡所得とでは損益通算できなくなりました。ただし、一般株式等どうし,上場株式等どうしはそれぞれ通算できます。

【税理士 西田憲幸】

3月 02 2017

税理士試験のしくみとその課題について

税理士になるための方法は「税理士法」によって定められています。税理士会では、税理士に対する信頼と納税者利便の更なる向上を図るために、税理士試験制度の改革を議論しているところです。今回は税理士試験のしくみとその課題についてご説明いたします。

 税理士となる資格について

次のいずれか一つに該当する者が、税理士となる資格があります。ただし、(1)又は(2)に該当する者については、実務経験が通算して2年以上あることが必要です。
(1)税理士試験に合格した者であること
(2)税理士試験を免除された者であること
(3)弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)
(4)公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。別途、財務省令で定める税法に関する研修を修了することが必要) のいずれかに該当しなければなりません。

 税理士試験について

税理士試験とは、税理士になるために必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定する試験で、年1回、例年8月上旬に各国税局・国税事務所の所在地等(全国12~16か所)で行われます。

 受験資格

税理士試験は、学識、資格、職歴といった様々な分野の受験資格が定められており、いずれか一つの要件を満たせば、受験資格を有することになります。主なものを紹介いたします。
【学識による受験資格】
(1)大学又は短大の卒業者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
(2)大学3年次以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者
【資格による受験資格】
日商簿記検定1級合格者または全経簿記検定上級合格者
【職歴による受験資格】
法人又は事業を行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者

 試験科目

試験科目は、会計学に属する科目(簿記論及び財務諸表論)の2科目と税法に属する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち受験者の選択する3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択)の合計5科目の合格が必要となります。
税理士試験は科目合格制をとっており、受験者は一度に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつ受験してもよく、合格科目は生涯有効であり、他の試験制度にはない特徴となっています。

 合格基準

合格は各科目60点以上で、例年受験者の10~20%(科目により差があります。)が合格しています。合格科目が会計学に属する科目2科目及び税法に属する科目3科目の合計5科目に達したとき合格者となります。

 税理士試験免除制度

税理士試験には、免除制度が設けられています。
具体的には、修士又は博士の学位を授与された者は試験の一部が免除(学位による免除)されます。また、官公署における国税または地方税に関する事務に従事した者のうち、所定の実務経験年数や国税審議会の指定した研修を修了した者については、試験の一部又は全部が免除されます。

 課題

税理士試験制度は、昭和26年(1951年)に制定されて以来、小規模な手直しは行われてきましたが、試験制度自体はほとんど変わっていません。近年は試験問題の高度化・複雑化に伴い受験者数も減少し続けています。時代の変化に対応し、納税者の期待に応え得る税理士制度とするためには、試験制度の見直しも必要であると考えます。
具体的な課題としては、他の国家資格に比べてハードルが高いとされる受験資格の見直し、納税者からの幅広いニーズにこたえるための現行の試験科目の見直し、受験者の負担を軽くして短期間での合格を可能とするための科目別合格制度の見直し、また、試験自体を暗記力や計算力を重視する試験から論理的思考を問う試験に変えていくことも視野に入れて議論しています。

税理士制度が国家や国民・納税者にとってなくてはならない制度として定着する中、特に次世代を担う若年層にとってさらに魅力のある制度として将来にわたり維持・発展を図るとの観点から法改正に向け検討しております。

【税理士 恒川貴光】

3月 02 2017

【納税方法の種類~クレジットカード納付制度の創設~】

国税は、申告した税額に基づき納税者ご自身で納付期限までに納める必要があります。
今まで納付の方法には、
① 税務署、金融機関の窓口で現金に納付書を添えて納付する方法
② 指定した金融機関の預貯金口座から振替納税する方法
③ ダイレクト納付又はインターネットバンキング等を利用して電子納税する方法
④ 延納・物納
がありました。
平成28年度税制改正において、国税の納付手段の多様化を図る観点から、平成29年1月4日以後の納税手続きより、納税者がインターネットを利用したクレジットカード決済による国税の納付が可能になりました。一部の自治体で、すでにクレジットカードによる納付が認められていますが、国税では初めてです。

■クレジットカード納付の内容

クレジットカード納付とは、インターネット上でのクレジットカード支払の機能を利用して、国税庁長官が指定した納付受託者へ、国税の納付の立替払いを委託することにより国税を納付する手続きです。
クレジットカードによる納付は、国税庁の「国税クレジットカードお支払サイト」を
通じて行います。

〔対象となる国税〕
申告所得税及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税、贈与税、酒税、たばこ税など30税目で利用可能。

〔適用時期〕
平成29年1月4日以後に国税の納付を委託する場合に適用されます。

〔受付時間〕
24時間利用可能
*メンテナンス作業等で利用できない時間が生じる場合があります。

〔注意事項〕

  • クレジットカード納付では、納付税額に応じた決済手数料がかかります。
  • クレジットカード納付ができる金額は、1,000万円未満かつ、ご利用になるクレジットカードの決済可能額以下(決済手数料含む)です。
  • 領収証書は発行されません。
    領収証書が必要な場合は、金融機関又は所轄の税務署の窓口で納付しなければなりません。
  • 複数の税目をまとめて納付することはできません。
  • 納付手続の完了後、その納付手続により納付済となった国税については、納税の猶予等を受けることはできません。
  • 国税のクレジットカード納付はインターネット上の手続であり、金融機関やコンビニエンスストア、税務署の窓口では、クレジットカードによる納付はできません。
  • クレジットカード納付をしてから、納付済の納税証明書の発行が可能となるまで、3週間程度かかる場合があります。

新たに始まったクレジットカード納付では、決済手数料はかかりますが、納付手段の選択肢が広がるとともに、税務署や金融機関などへ出向く手間も省け、利便性が向上します。ただし、継続的な手続きではないため、その都度、納付手続きをしなければなりません。申告所得税や個人事業者の消費税における振替納税制度(指定した金融機関の預貯金口座から自動的に引き落とされて納税が行われる)では、手数料がかかりませんし、事業をされている方など、毎年納税が発生する場合には、振替納税制度の方が便利かもしれません。
なお、源泉所得税及び復興特別所得税(告知分以外)については、平成29年6月からクレジットカード納付の開始が予定されています。

【税理士 川村 美香】

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