9月 12 2017

◆リフォームしたら

住宅をリフォームしたときは税制上の特例措置を受けることが出来ます。

ここでは、所得税についてみていきます。

 

Q 所得税の特例措置にはどのようなものがありますか?

A 自己資金でリフォームをする場合は、一定の要件を満たすことで、工事が完了し住み始めた年の所得税の税額控除を受けられます。控除額は工事の種類に応じて計算されます。

また、リフォームに際し借入をする場合も、要件を満たすことで所得税の税額控除を受けられます。控除額は借入の残高を基に計算されます。

リフォームローン減税には、所得税の税額控除期間が、工事が完了し住み始めた年から5年間適用されるものと10年間適用されるものがあります。

 

Q 特例措置の適用対象になるリフォームにはどのような種類がありますか?

A 今までは、「耐震改修」「バリアフリー改修」「多世帯同居改修」「断熱改修(省エネ改修)」の性質を含む増改築工事が対象でしたが、平成29年4月より、これらに加えて、耐震改修や省エネ改修と併せて行う一定の「特定耐久性向上改修工事」も適用対象になりました。

 

Q 特定耐久性向上改修工事とはどのような工事ですか?また、いつから適用されますか?

A ①小屋裏 ②外壁 ③浴室、脱衣室 ④土台、軸組等 ⑤床下 ⑥基礎若しくは ⑦地盤に関する劣化対策工事又は ⑧給排水管若しくは給湯管に関する維持管理若しくは更新を容易にするための工事です。適用時期は、平成29年4月1日から平成33年12月31日までとなります。

 

実際に特例措置の適用を受けるには詳細な要件を満たす必要があります。

詳しくはお近くの税理士又は最寄りの税務署へお尋ねください。

 

(名古屋税理士会岐阜北支部・大石岳洋)

9月 07 2017

税理士の使命と倫理

日本の労働人口は、約6385万人(平成27年)、そのうちの約5643万人が給与所得者です。つまり働く人の約90%がサラリーマンであることをご存じですか?

私ども税理士のクライアントは、そのほとんどが中小企業の会社や個人事業主の方々ですので、サラリーマンが税理士に接する機会はかなり少ないということになります。

今回は、税理士の仕事やその使命と倫理についてお話しさせていただきます。

まず、税理士制度は、昭和17年に現税理士法の前身である税務代理士法が制定されてから、平成29年で75周年を迎えることになります。戦前からある制度で、かなり歴史ある資格制度と言えます。国際的にみれば、日本、韓国、ドイツなど税理士制度を採用している国は数ヶ国しかありません。税理士制度は税理士法という法律に則って運用されています。その第1条には「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、 納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」と謳われています。

税理士は、税の専門家であること、納税者との信頼関係をもとに公正な立場であることが重要です。よって、税理士は決して脱税相談に応ずることはしません。税理士さんに頼めば税金を安くできるなんて思われている方も多いのではないでしょうか。我々税理士は、租税に関する法律に則って納税者の税額を計算するので、決してごまかすことはいたしません。また、納税者が租税に関して不正な行為を行っていることを知った場合には、納税者に対して是正をするよう助言しなければなりません。さらに納税者の信頼に応えるため、税理士は業務に関して知り得た秘密を守る義務があり、税理士の信用または品位を害するような行為も禁じられています。

税理士は、必ず事務所の所在地を管轄する税理士会に所属し、税理士法第18条により日本税理士会連合会に備える名簿に登載され、税理士証票が交付されます。税務代理をする場合において、税務官公署の職員と面談するときには、税理士証票を提示しなければならず、必ずこの証票を携行しています。平成26年の税理士法改正により証票を定期的に交換することとされ、交付日から10年を経過するごとに交換することとしています。

他人の求めに応じ税理士業務を行うことは、有償・無償を問わず、税理士または税理士法人以外の者がすることはできません。ところが、毎年、税理士でない“無資格者”によって多くの方々が被害を受けています。この税理士名簿に登録がないにもかかわらず、税務書類の作成等の税理士業務を行う者は、「ニセ税理士」として税理士法第52条違反となります。このような「ニセ税理士」に対し、業務の依頼を行ってしまった結果、その申告等に不測の損害が生じるおそれがあります。また最近、不特定多数の納税者に対し、税理士を名乗り、「高額の還付金がありますので、ご連絡ください」等のメールが送信されるという事例が多数報告されております。

日本税理士会連合会では、現在税理士名簿に登録のある税理士及び税理士法人を氏名、事務所所在地等で検索し、その情報を参照できる「税理士情報検索サイト」を公開していますので、不審に思われた方は、このサイトで検索してみれば、間違いなく税理士であるかどうかが確認できます。なお、インターネット上に存在する種々の税理士紹介サイトは日本税理士会連合会とは一切関係がありませんのでご留意ください。

平成14年4月より、従来、税理士会が定めていた税理士の業務に関する報酬規定を廃止しました。その後は、税理士又は税理士法人は自由な意思のもと自己責任と説明責任に基づいて報酬を算定し委嘱者に請求することとなりました。税理士に委嘱される場合には、委嘱の範囲と報酬額について契約書を締結されることをお勧めします。

平成29年6月末日現在、全国に76,358人の税理士登録者がいます。その内、名古屋税理士会に所属する税理士は4,537人です。税に関することは、税理士へご相談ください。

 

【税理士 大川雅彰】

9月 07 2017

テーマ「中小企業経営強化税制の創設について」

Q.平成29年度税制改正により中小企業経営強化税制が創設されましたが、どのような位置づけなのでしょうか?

A.中小企業等経営強化法により、これまでの中小企業投資促進税制(中小企業者等が、特定機械装置等の取得等をした場合に取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除ができる制度)の上乗せ措置を改組し、中小企業経営強化税制として新設されました。尚、適用期間は平成29年4月1日から平成31年3月31日までの2年間です。

 

Q.これまでの中小企業投資促進税制の上乗せ措置とは、何が違うのでしょうか?

A.対象設備が拡充され、器具備品及び建物附属設備が対象に追加されました。但し、器具備品は30万円以上、建物附属設備は60万円以上に限られます。尚、法人税(個人にあっては所得税)において、即時償却、又は、7%(資本金3,000万円以下の法人は10%)の税額控除が受けられる措置は変更ありません。また、指定事業として一定の事業者が対象となる点も同様です。

 

Q.この制度の適用を受けるために必要な手続きを教えてください。

A.生産性向上設備(A類型)と収益力強化設備(B類型)により要件が異なります。

生産性向上設備(A類型)は、①一定期間に販売されたモデル、②経営力向上の指数が旧モデルより年平均1%以上向上する設備となり、これは工業会等から証明書を取得することが必要となります。

また、収益力強化設備(B類型)は、年平均の投資利益率5%以上となることが見込まれる投資計画に必要不可欠な設備となり、投資計画は経済産業局からの確認書を取得するなど一定の要件を満たすことが必要となります。

 

Q.この他に中小企業等経営強化法に基づく税制措置はありますか?

A.固定資産税の特例として、同法の認定を受けた経営力向上計画により新規取得した一定の設備に対して、固定資産税を3年にわたって1/2に軽減する制度が設けられています。

税理士 早川功剛

9月 07 2017

配偶者控除等の改正について

平成29年度税制改正において、個人所得税改革の第一弾として、①配偶者特別控除が適用可能となる配偶者の所得上限の引き上げ、②配偶者控除の利用に所得制限を設ける、という配偶者控除及び配偶者特別控除に関する見直しが行われました。

 

1.控除対象配偶者の定義の改正

今回の改正により、従来の控除対象配偶者は「同一生計配偶者」と改められ、同一生計配偶者のうち、合計所得金額が1,000万円以下である居住者の配偶者について「控除対象配偶者」と規定されました。

老人控除対象配偶者についても、従来通り控除対象配偶者のうち、その年の12月31日現在の年齢が70歳以上で、合計所得金額1,000万円以下である居住者の配偶者と定められました。

 

2.控除額の見直し

(1)配偶者控除

配偶者控除とは、収入の少ない配偶者がいる納税者に課せられる所得税や住民税において一定金額を所得から控除することで税負担を軽減する制度のことです。現行では、配偶者の合計所得金額が38万円(給与のみの場合年収103万円)以下であれば38万円(老人配偶者控除48万円)が控除されています。

今回の改正では、適用を受けることができる者について合計所得金額が1,000万円(給与のみの場合年収1,220万円)以下とする所得制限が設けられました。また、合計所得金額が900万円以下の場合、38万円(老人配偶者控除48万円)、900万円超950万円以下の場合、26万円(老人配偶者控除32万円)、950万円超1,000万円以下の場合、13万円(老人配偶者控除16万円)と、居住者の合計所得金額に応じて控除額が3段階となりました。

(2)配偶者特別控除

配偶者特別控除とは、配偶者の合計所得金額が38万円を超えることで、配偶者控除を受けられないことによる手取額の逆転現象を税制上起こさないようにするために設けられた控除で、配偶者の所得が増加するにつれて減少する仕組みになっています。現行では、配偶者の合計所得金額が38万円超76万円(給与のみの場合年収141万円)未満の場合に受けられます。

今回の改正では、配偶者の合計所得金額が38万円超123万円(給与のみの場合年収201.6万円)以下に適用対象が拡充されました。なお、従来通り居住者の合計所得金額が1,000万円を超える場合には配偶者特別控除は受けられません。配偶者控除と同様に居住者の合計所得金額(①900万円以下、②900万円超950万円以下、③950万円超1,000万円以下)に応じ、かつ、配偶者の合計所得金額の区分(9区分)に応じて配偶者特別控除額がそれぞれ逓減されます。

 

3.源泉徴収事務や年末調整の見直し

配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに伴い、源泉徴収事務に関し改正がありました。新たに「源泉控除対象配偶者(居住者(合計所得金額が900万円以下である者に限る)の配偶者でその居住者と生計を一にする者(青色事業専従者を除く)のうち、合計所得金額が85万円以下である者)」が規定され、配偶者控除等の適用にあたっては源泉控除対象配偶者に限ることとなりました。

つまり、配偶者控除等について、居住者の合計所得金額が900万円以下の場合には、月々の源泉徴収で控除されることになりますが、合計所得金額が900万円超1,000万円以下の場合には、年末調整又は確定申告において配偶者控除等の適用を受けることになります。

なお、上記の改正は平成30年分以後の所得税について適用されます。

 

 

税理士 林  豊文

WordPress Themes