10月 17 2017

サラリーマンと税について

問 就職も決まり来年四月からサラリーマンになりますが、これまでは税金と言えば、買い物の際支払う消費税しか馴染みがありません。四月からは毎月会社から給与が支給されますが、その際どんな税金が関係してきますか。

答 会社は、毎月の給与から所得税・住民税・東日本大震災の復興財源確保のための復興特別所得税を天引きし、国に納付します。

 

問 先輩から、年末になると会社へ書類を提出すると聞きましたが、何のためですか。

答 年末調整をするためです。年末調整とは、一年の最後の給与の時に、毎月の給与から天引きされた所得税及び復興特別所得税の合計額と、一年間の給与総額に対する所得税及び復興特別所得税の合計額との差額を精算するものです。その際、会社に提出する書類として、扶養控除等(異動)申告書、保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書等があります。

なお、保険会社等から送付されてくる証明書等は添付して会社へ提出しますので大切に保管してください。

 

問 精算するということは、サラリーマンには確定申告は関係ないということですか。

答 いいえ。確定申告しなければならない場合や確定申告すると所得税及び復興特別所得税が還付される場合があります。還付される場合の例として、マイホームを住宅ローンで取得した場合、多額の医療費を支払った場合等があります。

このように、サラリーマンも税金に関わる場合が多々ありますので、税に関心を持っていただくことが大切だと思います。

ご不明な点はお近くの税理士までお尋ねください。

(名古屋税理士会岐阜南支部・竹内一也)

10月 05 2017

空き家対策と税制

長期間人が住んでおらず放置されている空き家の増加が問題視されていますが、近年、このような空き家の発生を抑制する措置として、税制により適正な管理を推進する制度が導入されました。

まず、平成27年度の税制改正で講じられた固定資産税にかかる措置では、周辺の生活環境の保全を図るため、放置することが不適切な状態にある空き家(特定空家等)の所有者に対して市区町村長が必要な措置をとることを助言・指導したにもかかわらず、それらの助言・指導に応じず、必要な措置について勧告された場合には、その特定空家等にかかる敷地について固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外されることになりました。

次に、平成28年度の税制改正において、一定の空き家を売却処分した際の「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が創設されました。この制度は、相続開始直前において被相続人(亡くなられた方)の居住の用に供されていた家屋を相続した相続人が、その「空き家」となった家屋等を譲渡した場合には、次の(1)~(3)の要件のもと、その譲渡益から3,000万円を控除することができるというものです。

 

(1) 適用対象となる家屋及び土地等

適用対象となる家屋は、昭和56年5月31日以前に建築された家屋(マンションなどの区分所有建築物を除く)であって、相続開始の直前において被相続人以外に居住していた人がいなかった家屋(以下「被相続人居住用家屋」という)であり、その被相続人居住用家屋の敷地の用に供されていた土地等についても適用対象となります。

 

(2) 適用対象となる譲渡

適用対象となる譲渡は、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に行う譲渡で、次に掲げるものです。ただし、相続の開始があった日から3年目の年の12月31日までの間にする譲渡に限られ、また譲渡の対価の額が1億円を超えるものを除くこととされています。

  1. 被相続人居住用家屋が、相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されたことがなく、かつ譲渡の時までに耐震リフォームを行うなどして、現行の耐震基準に適合する家屋であること。
  2. 被相続人居住用家屋を除却した後における、その敷地の用に供されていた土地等を譲渡する場合は、家屋については相続の時から取壊しの時まで、土地等については相続の時から譲渡の時までに、事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されたことがないこと。

 

(3) 添付書類その他

この特例は、確定申告書に、地方公共団体の長等が前記(1)および(2)の要件を満たすことの確認をした旨を証する書類その他の書類の添付がある場合に適用することとされています。

 

なお、従来からある「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」は、家屋及び土地等を譲渡した人自身がその家屋及び土地等を居住の用に供していたことが適用要件とされています。しかし、前述のとおり、今回の「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」では、居住の用に供していなかった相続人が、その相続後においても居住の用に供していないなどにより、空き家となったその家屋及び土地等を譲渡した場合にも適用対象とされる点に特徴があります。

【税理士 坂口美穂】

10月 05 2017

遺贈寄付と税金について教えてください。

Q 最近「遺贈寄付」という言葉を耳にします。この場合どのような税制があるのですか。

A 寄附する時点や寄附財産の種類によって関係する税制はいろいろあります。今回は国、地方公共団体、社会福祉法人、NPO法人等へ寄附したケースについて説明します。

 

Q 遺言で現金を寄附した場合はどうですか?

A 寄附を受けた側は相続税の課税対象にはなりません。ただし、遺贈者の親族、その他これらの者と特別の関係がある者の相続税の負担が不当に減少する場合、遺贈を受けた法人を個人とみなして相続税が課されます。例えば、寄付先の団体の経営陣が「身内」で固められているような場合、その可能性が高いと思います。

 

Q 相続人が現金で寄附した場合はどうなりますか?

A 原則、相続税の課税対象になります。ただし、寄附する先が社会福祉法人、認定NPO法人等税制優遇団体であり、相続税の申告期限(相続発生から10ヶ月以内)までに寄附を行えば、相続税の課税対象から外れます。先の質問にありました不当に減少する場合、適用されません。

 

Q 使わない不動産等をそのまま遺贈する場合はどうなりますか?

A 相続税の取り扱いは基本的には現金の時と同じ扱いです。大きく異なるのは所得税の規定です。遺贈した不動産に「含み益」がある場合、譲渡をしたとみなして、含み益分に課税されます。

 

Q 寄付して、税負担するのですか?もう少し詳しく説明してください。

A 値上がり益は寄附した人(被相続人、相続人どちらでも)に帰属するものであるから、資産が他人に渡った時に課税をするという考え方です。一方、資産を売却して、代金を寄附した場合、売却時点に課税されます。この場合と同じ課税にするという考え方です。ただし、寄付先が公益性の高い法人(社会福祉法人、公益財団法人等)であれば非課税です。

 

※遺贈による寄附を検討する場合には、事前に税理士へ相談することをお勧めします。

 

【税理士 鳥居 翼】

10月 05 2017

ビール美味いか、のどごしか

今年の夏少し前くらいに、ビールが値上がりするだの逆に値下がりするだのというニュースが流れたのをご存知でしょうか。値上げと値下げでは正反対ですが、実は両方のニュースが流れました。今回はこのことについて話していきたいと思います。

まずは、「値上げ」の話です。これは、平成28年6月に改正され平成29年6月1日から施行された酒税法及び酒類業組合法に基づくものです。

その内容ですが、酒税法の中で、酒類業組合法に規定されている「酒税保全のための勧告又は命令」及び「公正な取引の基準に関する命令」に違反した場合、酒類の販売業免許等を取り消すことができることとなったのです。

この「公正な取引の基準に関する命令」については国税庁告示のなかで、①正当な理由なく、酒類を総販売原価(売上原価+販管費)を下回る価格で継続して販売すること②自己又は他の酒類業者の酒類事業の相当程度の影響を及ぼすおそれのある取引をすること、と定められました。

要するに、税率等が上がったわけではなく、ビールに限らず、酒類を原価を割って販売するような行為が違法とされ、結果、値引きなどが制限され実質的に値上げになった、ということです。

もう一つの「値下げ」の話ですが、報道では、ビールは値下げだが、発泡酒は値上げ、とされていたと思います。

こちらは、平成29年4月に改正された酒税法に基づくもので、ビール・発泡酒及びいわゆる「新ジャンル」と呼ばれている酒類の税率を、平成32年10月1日から平成38年10月1日までかけて経過的に統一していくというものです。結果として、今よりも税率が下がるものは値下げになり、今よりも税率が上がるものは値上げになるということです。具体的には、ビール及び麦芽比率25%以上の発泡酒が値下げになり、それ以外の発泡酒が値上げとなります。

この改正の理由として、類似商品における税金の差は公平性にかけているから、また、企業の商品開発の意欲を向上させるため、などと言われているようです。

なお、同時に、ビール及び発泡酒の定義も変更され、今まで発泡酒とされていたもののなかで今後はビールとされるものが出てきたり、いわゆる「新ジャンル」と言われていたものは、そのうち発泡酒になったりとします。

さて、結局、ビールも発泡酒もほとんど同じような値段になってしまいますが、皆さんいかがでしょうか。好きな銘柄が安くなりそうで嬉しい方もいれば、逆に高くなりそうで残念という方もいるのでしょうね。

いずれにせよ、実施されるのは、まだもう少し先の話です。それまでの間に、前述したような企業の商品開発が進み、今までにないような美味しいビールや発泡酒ができるのかもしれません。私個人としては、それを楽しみにしていたいと思います。

【税理士 秦 隆文】

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