11月 14 2017

相続税の基礎知識

Q 相続税とはどのような税金でしょうか?

A 相続税は、相続などで財産を取得した人に対して発生する税です。土地や建物、現金・株などのほか借入金なども財産となります。

相続は、個人の死亡により開始します。その死亡した人(被相続人といいます)が生前に所有していた、土地や建物などの財産や借入金などが、被相続人の夫・妻や子供などに移転することになります。また、相続により取得した財産が、一定の額を上回ると、相続税がかかることになります。

 

Q どのような人が相続人になるのでしょうか? また、財産はどのように相続するのでしょうか?

A  財産を相続できる人は、法律(民法)で定められており、身内なら誰でも権

利があるというわけではありません。このように、民法で定められている相

続の権利がある人を「法定相続人」といいます。また、民法では相続できる人だけでなくそれらの人がどのくらいの割合で財産を受け取れるのかという割合、「法定相続分」も定めています。

 

Q 相続税には基礎控除があると聞きましたが、どのくらいの金額になるのでしょうか?

A  相続税には、法定相続人の数に応じた基礎控除があり、相続財産の合計がこの範囲内であれば申告も納税も必要ありません。基礎控除の額は3,000万円に法定相続人1人あたり600万円ずつ加算されるものです(平成27年以降開始する相続等)。

 

Q 私の夫は5月10日に亡くなりましたが、相続税の申告と納税は、どのようにしたらよいのでしょうか。なお、相続人は私と子供が2人です。

A 相続税の計算をして申告が必要となった場合、あなたのケースでは翌年の3月10日(相続の開始があったことを知った日(通常の場合、被相続人の死亡の日)の翌日から10ヶ月以内)までに相続税の申告と納税をすることになります。

相続税の基礎控除額の求め方ですが、あなたのケースでは、3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円の計算により、基礎控除額は4,800万円となります。

 

最後に、最近話題となっています遺産を巡り遺族が争う「争族」という不幸

な事例をよく耳にしますが、それを未然に防ぐためにも日ごろから円満な家族関係を築くことが相続対策の一番のポイントとなります。

 

【名古屋税理士会大垣支部・田村謙次】

 

11月 02 2017

相続税等における取引相場のない株式の評価について

中小企業の株式は、譲渡制限株式(会社法第2条17項)として発行されるのが通常です。上場企業のように株式が広く流通することはなく、交換可能な金銭的価値を客観的に把握することは容易ではありません。そこで、課税の公平を実現する観点から、財産評価基本通達では、相続税等における取引相場のない株式について、次のように定めています。

 

1.「取引相場のない株式」とは

上場株式及び気配相場のある株式を定義し、それ以外を「取引相場のない株式」と定めています。

 

2.「原則的評価方式」と同族株主以外の株主に適用される「特例的な評価方式」

取引相場のない株式は、原則的な評価方式を定め、同族株主に適用しています。一方で、支配権のない少数株主にまで同様の株価で評価することは適切でないことから、同族株主以外の株主は「特例的な評価方式」によって株価を計算することとなります。

 

3.「原則的評価方式」「特例的な評価方式」の具体的な評価方法

「取引相場のない株式」を発行している非上場会社といっても、上場企業に匹敵するような大企業から、極めて零細な企業まで様々です。これらを一律に扱うのでは、平等とは言い難いため、「原則的な評価方式」では、「業種」「従業員数」「総資産価額」「年間取引金額」によって、会社規模ごとに「大会社」「中会社」「小会社」に区分します。具体的な評価方法には、「類似業種比準方式」と「純資産価額方式」があります。「類似業種比準方式」とは、取引相場のない評価会社の事業内容が類似する業種目に属する複数の上場会社の株価の平均値に、評価会社及び類似業種の1株当たりの「配当金額」「年利益金額」「簿価純資産価額」の比準割合を乗じて計算する方法です。また、「純資産価額方式」とは、評価会社の課税時期現在における資産を財産評価基本通達の定めによって評価した価額(相続税評価額)に評価替えするなどして1株当たりの評価額を計算する方法です。評価会社の規模区分が大きいほど、上場会社の株式の評価とのバランスを考慮して評価額を決定すべきであることから、評価額を計算する上で、類似業種比準方式を用いる割合が大きくなります。

「特例的な評価方式」では、配当還元方式が採用されています。これは、過去の配当実績を一定の還元率(10%)で割り戻して株価を簡便的に算出する評価方式です。経営に関与する度合いが低い少数株主にとっての株式の価値はもっぱら配当にあると考えられ、また、この計算方式によって、原則的評価方式と比較して安い株価が算定されるのが通常です。

 

4.「類似業種比準方式」の計算方法の税制改正

税制改正により、平成29年1月1日以降の相続から、「類似業種比準方式」の見直しが行われました。比較対象となる上場会社の株価が上昇している一方で、中小企業には業績に大きく影響のない企業も多いと言われます。中小企業の株価が想定以上に高く評価されることにより、円滑な事業承継に影響をきたす可能性があることから、これを是正する趣旨の改正です。このほかにも、会社規模区分の判定に係る金額基準等の見直しも盛り込まれています。

 

5.まとめと税制改正の有利不利

取引相場のない株式の評価は、会社規模や保有する株主が同族株主か否かによって、大きく評価方式が異なります。税制改正によって、純資産が多いが、利益金額が小さい会社は株価が上昇する要因となります。また、相続税法、所得税法、法人税法によっても評価の考え方が違う場合があります。株価が現時点でいくらとなるかは、中小企業経営者にとって重要な項目ですから、顧問の税理士に株価の算定を依頼し、直近の株価を把握しておきましょう。

 

税理士 三浦陽平

11月 02 2017

相続財産中に先代名義の未分割の遺産がある場合の取扱い

Q:この度、父が亡くなり、現在相続税申告のための準備中です。ところで父の田舎の実家は、いまだ亡くなった祖父名義のままで未分割の状態です。現在は父の兄(叔父)が住んでいますが、この土地建物について、事実上父の兄の所有財産であるとして今回の相続税申告から除外してもよいでしょうか。なお、父は、3人兄弟の末っ子で、祖父の死亡時には、祖母(父の母)と2人兄弟(一番上の兄は早世)でした。

 

A:相続税法第55条は、未分割の遺産について、「民法の規定による相続分の割合に従って当該財産を取得したものとしてその課税価格を計算するもの」と規定しています。しがって、先代(お爺様)の相続開始時点では、相続人はお婆様(父の母)と2人の兄弟(お父様とその兄)ということになり、お父様が法定相続分の4分の1を取得しているものとして申告する必要があります。

その後、先代(お爺様)の財産について遺産分割が行われ、今回の申告における課税価格の計算よりも多くなれば修正申告をすることになり、少なくなれば更正請求をすることができます。

未分割遺産の取扱いについては、申告期限までに遺産分割協議が整わず未分割のまま申告をした後で遺産分割を行うケースを解説書等でよく見かけますが、ご質問のように親の相続財産に先代の未分割遺産がある場合についても、これと同様に取り扱われることになります。

近時、不動産や株式等について未分割のまま放置されている財産が増えつつあるといわれており、ご質問のような問題も増えていくのではないかと思います。後々、世代が代わるにつれ相続人が枝分かれしてしまい、縁も薄くなるばかりか、書類収集も大変で手続が難しくなってしまいますので、早めの対策のためにも税理士に相談することをお勧めします。

税理士 小林正俊

 

11月 02 2017

「税を考える週間」

皆さんは、「税を考える週間」というものがあるのをご存じでしょうか。

毎年11月11日から17日までの一週間がこれに該当するのですが、当期間中は国民の皆様に国民生活と税の関わりの理解を深めていただき、納税意識の向上を図る目的で集中的にさまざまな広報広聴施策が実施されております。

この機会に、改めて税金が果たす役割について見直すとともに、税金(税務)に関する専門家である税理士の役割についてご紹介させていただきます。

 

税金の役割とは

私たちが豊かで健康的・文化的な生活を送るためには、道路や公園、水道などの整備や医療・福祉制度の充実、学校教育などの「公共サービス」が不可欠となりますが、これらの公共サービスを提供していくには膨大な資金が必要です。私たちが負担する税金は、これらの公共サービスを維持・運営していくための財源として、非常に重要な役割を果たしているのです。

また、税金には能力に応じて税を負担し合い、所得や資産の多い人に多くの税金を負担していただくことで国民の間の格差を縮めていく「富の再分配機能」や、景気が過熱ぎみのときには、税負担を増加させることで財政投融資を抑制し景気を引き締め、逆に景気が良くないときには減税などで消費や投資を促すことにより景気を刺激するなど「景気の調整機能」も有しているのです。

 

税理士の役割とは

税理士とは、法律によって国家から資格を与えられた税務に関する専門家です。税務に関する専門家として独立した公正な立場において、申告納税制度の理念に沿って納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることをその使命とし、その使命を果たすべく下記の業務を行い、様々な分野で活躍しております。

 

① 税務代理

確定申告、青色申告の承認申請、税務署の更正・決定等に不服がある場合の申立て、税務調査の立会い等について代理をします。

 

② 税務書類の作成

確定申告書、青色申告の承認申請書、その他税務署等に提出する書類を納税義務者に代わって作成します。

 

③ e-Taxの代理送信

e-Taxを利用して申告する場合、税理士が納税義務者の依頼を受けて代理送信します。

 

④ 税務相談

税金のことで困ったとき、わからないときなどに相談に応じます。

 

⑤ 会計業務

税理士業務に付随して財務書類の作成、会計帳簿の記帳代行、その他財務に関する事務を行います。

 

⑥ 補佐人制度

税務訴訟において納税義務者の正当な権利、利益の救済を援助するため補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに裁判所に出頭し、陳述(出廷陳述)をします。

 

⑦ 会計参与

会計参与として取締役と共同して計算関係書類を作成し、中小会社の計算書類の記載の正確さに対する信頼を高めます。

 

⑧ 社会貢献

主に確定申告期間における税務支援や租税教育への積極的な取り組み、裁判所の民事・家事の調停制度や成年後見制度への参画等を行うなど、税に関する専門的知識や経験を生かして社会貢献に努めています。

 

申告納税制度は、納税義務者が自ら申告書を作成して税額を計算し、納付するという民主的な制度でありますが、税務は毎年改正が行われるなど複雑・難解ですから正しい申告書を作成することが困難な場合があります。名古屋税理士会は、無料税務相談会などを積極的に開催していますので、こういうときには、税の専門家である税理士へ是非、ご相談ください。

 

税理士 中川 晋輔

 

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