12月 12 2017

宝くじや賞金の税金について

Q 宝くじの当せん金には税金がかかるのでしょうか。

A 宝くじは、もともとは戦後の復興資金を集めるために始められたものですが、今ではすっかり、私たちの生活の中に定着しています。

宝くじの当せん金も一時所得に違いないのですが、「当せん金付証票法(昭和23年法律第144号)」という法律があって、13条で「当せん金付証票の当せん金品については、所得税を課さない」とされていますので、宝くじの当せん金には税金をかけないことになっています。

 

Q それなら、クイズ等の懸賞金も税金はかからないのですか。

A いいえ、クイズ等の懸賞金は、一時所得として課税されます。

一時所得は、①営利を目的とする継続的行為によるものでないこと、②一時的な性質をもつこと、③労務や資産の譲渡の対価としての性質がないこと等の要件を満たす所得が該当します。

クイズ等の懸賞は、営利目的でなく、一時的で、労務の対価でもないことから、一時所得に該当し課税されることになります。

一時所得の金額は、「一時所得にかかる総収入金額-その収入を得るために支出した金額-50万円(特別控除額)」となっていますので、1年間で50万円までは税金はかからないことになります。

懸賞が、貴金属などの場合には、時価で価格を評価し、自動車や家電製品などの場合には、現金正価の6割の金額が収入金額となります。

賞金や賞品を1年間で50万円を超えてもらったら注意しましょう!

 

【名古屋税理士会多治見支部・小栗孝信】

12月 07 2017

訪日外国人旅行者向け消費税免税制度

平成二十八年の訪日外国人旅行者数は二千四百四万人を記録し、初めて二千万人の大台を突破しました(ビジットジャパン事業が始まった平成十五年は五百二十一万人)。このような中、訪日外国人旅行者向け消費税免税制度に改正が加えられ、より利用しやすいものになってきています。

 

1、制度の概要

訪日外国人旅行者が、輸出物品販売場(いわゆる免税店)において、家電製品や着物・服、バッグといった「一般物品」又は食品類や飲料類、薬品類、化粧品類といった「消耗品」を、次の金額の範囲内で一定の方法により購入し、出国日までに国外に持ち出す場合には、その購入に係る消費税が免除になります。なお、金又は白金の地金や通常生活の用に供しないものは免税対象となる物品から除かれています。

(1)免税になる金額

①一般物品・・・同一の免税店での一日の購入金額(税抜)の合計額が五千円以上
②消 耗 品・・・同一の免税店での一日の購入金額(税抜)の合計額が五千円以上五十万円以下

 

(2)免税になるための購入手続(一般型輸出物品販売場の場合)

①外国人旅行者が旅券を免税店に提示し、購入記録票の貼付けと割印を受ける。
②外国人旅行者が購入した物品を国外に持ち出す旨の購入誓約書を免税店に提出する。
③消耗品の場合、免税店はその消耗品を指定された方法により包装して引渡す。

 

2、輸出物品販売場

国税の滞納がない等一定の要件を満たす消費税の課税事業者は、所轄税務署長の許可を受けることにより輸出物品販売場を開設することができます。輸出物品販売場には次の三形態があり、その数は平成二十九年四月一日現在、全国に四万五百三十二店あります(平成二十四年四月一日時点では四千百七十三店)。

 

(1)一般型輸出物品販売場

販売場を経営する事業者自身がその販売場においてのみ免税販売手続を行う、従来からある一店舗ごとの免税店です。

 

(2)手続委託型輸出物品販売場

平成二十七年四月一日以後開設できることとなったもので、販売場がある商店街等の施設内において免税手続カウンターを設置する事業者が、その商店街等内の他の免税店の免税販売手続を代理する形態の複数の店舗からなる免税店です。各免税店の事業者の外国語対応への不安や免税手続の煩雑さが解消されるとともに、外国人旅行者にとっても利便性が高いものとなっています。また、この形態の免税店で購入したものは、前記1.(1)の金額について、「一般物品」又は「消耗品」ごとにその商店街等の中にある各免税店での一日の購入金額(税抜)を合算して五千円以上となるかどうかの判定を行うことができます。

 

(3)港湾施設内における臨時販売場

外航クルーズ船等が寄港する港湾施設内に臨時に設置される免税店です。平成二十七年四月一日以後、新たな届出制度が始まったことにより、出店が容易になりました。

 

3、今後の展望

日本政府は、訪日外国人旅行者数について、二○二○年の東京オリンピック・パラリンピック開催時には四千万人、さらに二○三○年には六千万人にまで増やすことを目標にしています。また、外国人旅行者の旅行消費額の費目別構成比において、平成二十六年以降は買物代が宿泊費を抜いて一位となり、平成二十八年にはその金額が一兆四千二百六十一億円にまで増えています。この消費税免税制度が今後ますます利用されていくものと見込まれます。

【税理士 野村 俊之】

12月 07 2017

外国人労働者雇用における源泉徴収事務の留意点

新しく技能実習生を採用することになった会社の人事担当課長から受けた相談です。

Q・人事課長

当社でも来年から技能実習生を採用することになりました。当然、給与支払が発生するのですが、外国人の給与支払については特別な配慮が必要と聞いています。源泉徴収で何か注意することはありますか?

A・税理士

所得税法では国内で給与等を支払われる人を「居住者」と「非居住者」に分けており、外国人労働者だけでなく留学生・研修生などに給与等を支払う場合にもこの区分により源泉所得税の取り扱いに違いが発生します。

細かな規定はありますが、1年以上の在留期間で来日されている外国人の方の場合は通常「居住者」の取り扱いとなりますので、給与の処理に関しては国内で働く一般の労働者の方と同様の処理となります。

 

Q・人事課長

外国人労働者の方の国外居住親族の扶養控除について、最近法令が変わったと聞いていますが、どのように変わったのですか?

A・税理士

以前は年末調整では家族を申告するだけで扶養控除が認められていましたが、平成28年1月1日以後支払われる給与から国外居住親族で扶養控除等の適用を受ける場合には、当該親族の親族関係書類や送金関係書類の提出又は提示が義務づけられました。

従って、年末調整等で国外居住の家族を扶養家族として扱うためには給与所得者の扶養控除等(異動)申告書に「親族関係書類」と「送金関係書類」の両方の添付が必要となっておりますので、注意が必要です。

なお、「親族関係書類」は①当該国の戸籍の附票の写しなどの書類と該当者の旅券の写しか、②当該国政府又は地方公共団体が発行した書類で氏名、生年月日、住所等が記載されたものがそれにあたり、「送金関係書類」は①金融機関で国外居住親族に送金していることがわかる書類や、②国内居住者のクレジットカードによって、国外居住親族が商品等を購入しその商品等を受領したことが明らかとなる書類がそれにあたります。

資料の収集・保存をしっかりお願いします。

【税理士 宮川 淳】

12月 07 2017

税理士のにせものについて

昔からよく売れる人気のある商品には偽物がつきものです。今でもブランド品の偽物の摘発が行われたニュースを見かけます。実は税理士もまた然り。税理士法の第52条で「税理士または税理士法人でない者は、税理士業務を行ってはならない」という規定があります。報酬の有無にかかわらず、税理士の資格を持たない者が、税務申告の代理代行や申告書や申請書の作成、税金の相談といった税理士業務を行うことは税理士法違反となり、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処せられることになります。

ところが、税理士のにせものは毎年出没し、被害にあわれる納税者が後を絶ちません。皆さんは誰が作った申告書でも税務署に提出し納税してしまえば問題はないと思われるかもしれませんが、それは違います。では、実際にはどのような被害があるのでしょうか。

 

(1)申告書や申請書に署名してもらえない

所得税でも法人税でも、申告書や申請書には作成した税理士の署名、押印をする欄があります。税理士の資格のない者は、当然ここに署名をすることができません。税務署では署名のない申告書は提出した納税者本人が自分で作成したと考えます。

 

(2)税務調査に立ち会ってもらえない

税務署が納税者のところに調査に来た場合、にせ税理士は資格がないので立ち会うことができません。もし立ち会ったら税務署の職員に、にせものであることがばれてしまいます。申告書を作成した者が立ち会えないと、税務署から質問されても納税者だけでは対応することは難しいでしょう。適切な反証ができないと故意に税金を免れたと見なされることもあります。

 

(3)責任を取ってもらえない

そもそもにせ税理士には毎年改正される税法に対する知識が不足していることが多く(ちなみに税理士は年間36時間の研修を受けることが義務付けられています)、税務調査によって重大な間違いが見つかることがあります。納税者の知らないところで脱税がなされていたり、ずさんな計算が行われていれば、本来なら支払わなくてもいい延滞税(利息)や加算税(罰金)まで負担したり、青色申告の取り消しなどの処分を受けることがあります。にせ税理士はこれに対して責任を取りません。

 

(4)申告書の信用を失う

税務調査で脱税とされ追徴課税がなされると、納税者は税務署に対しても融資を受けている金融機関に対しても信用を失います。その後、税務署が定期的に調査が入る可能性が高くなります。

最近ではメールやファックスで格安の料金で税務申告を請け負う広告を送りつける業者もいます。税理士かどうか不審に思われる場合には、税理士バッジや証票で確認することができます。また、日本税理士会連合会のホームページでも全国の税理士や税理士法人の氏名や所在地を検索することができます。

納税は国民の三大義務の一つです。私たち税理士による適正な申告がその義務を支えているのです。皆さんには資格のない者が税理士業務を行うことができないということを御理解いただき、にせ税理士を見かけた場合には、被害にあわれる前にお近くの税務署または名古屋税理士会へご一報ください。

 

【税理士 岡﨑壮男】

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