1月 09 2018

ビットコインの税金について

先般ビットコインで得た所得の取扱いが明確化されました。

問:ビットコインとは何ですか?

答:ビットコインとは、インターネットを通じて電子的に取引される仮想通貨のひとつです。法定の通貨とは異なり、「ブロックチェーン」技術を用いて流通するといった特徴を持っています。外為法上の支払い手段に該当しませんが、現金に代えて仮想通貨による支払いを受け入れている事業者も増加しています。

 

問:ビットコインで得る所得にはどのようなものがありますか?

答:ビットコインを日本円に換算した場合の値上がり益や、ビットコインで資産を購入した場合の値上がり益があります。その他にビットコインを他の仮想通貨と交換してビットコインが増加した場合や、一定の作業でビットコインを無料で取得した場合などがあります。

 

問:ビットコインで得た所得の取扱いはどうなりますか?

答:ビットコインで得た所得は雑所得となり、給与所得や不動産所得などほかの所得と合算して申告することになります。

 

問:上場株式を譲渡した場合の取扱いとどう違いますか?

答:上場株式の譲渡益には20%の税率がかかりますが、ビットコインで得た所得は他の所得と合わせて5%~45%の累進税率がかかります。また、上場株式の譲渡が赤字の場合、損失を3年間繰越して、将来の利益と相殺できる繰越控除を適用できますが、ビットコインの赤字には繰越控除の適用はありませんし、給与所得や不動産所得など他の所得と赤字を通算することもできません。

 

問:サラリーマンがビットコインで利益を得た場合、どうすればよいですか?

答:ビットコインで得た所得が20万円以上の場合、3月15日までに確定申告をする必要があります。

 

(名古屋税理士会関支部・小原岳史)

1月 04 2018

国税の納付手続 ー便利なダイレクト納付を検討されてはいかがですか?ー

税額確定後、法定納期限までに確定税額を納付せねばならず、慌てて金融機関へ走られる経営者の方も多いのではないでしょうか。国税の納付の方法には、現金納付以外にも、インターネットバンキング等から納付する方法、クレジットカード納付、コンビニ納付、振替納税等、様々な方法があります。ご自身に合った納付手続を選択することで、事務効率化・納付漏れの防止につながります。

今回はその中から、事務所のパソコンから簡単に納付ができる「ダイレクト納付」の利用手続きと納付方法を紹介します。

ダイレクト納付では、事前に税務署へ届出等をしておけば、e-Taxを利用して電子申告等をした後に、届出をした預貯金口座からの振替により、簡単なクリック操作で即時又は期日を指定しての納付が可能です。
電子申告等により利用が可能な税目は、e-Taxソフトを利用して「納付内容情報データ」の送信を行うことで、全ての税目について納税を行うことが可能です。なお、納付内容情報データを含まない「申告等データの送信」のみの場合には利用可能な税目が限定されます。

 

一.ダイレクト納付のメリット

①電子申告等の後、簡単な操作で納付手続が完了します。

②インターネットバンキングの契約が不要です。

③手数料が無料です。

④即時又は期日を指定して納付することが可能です。

⑤納税者本人の納税用確認番号等を登録しておくことで、税理士が納税者に代わって納付手続を行うことが可能です。

 

二.ダイレクト納付利用開始の手続

①e-Taxの利用開始手続

事前にe-Taxの利用開始手続をします。

 

②納税用確認番号の登録

「納税用確認番号及び納税用カナ氏名・名称の登録」及び「メールアドレスの登録」をします。

 

③ダイレクト納付届出書の提出

ダイレクト納付を利用する日のおおむね1ヶ月前までに、「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」を作成の上、納税地を所轄する税務署へ書面で提出します。

 

三.ダイレクト納付による納税手続の手順

①申告等データの作成・送信

「申告等データ」又は「納付情報データ」を作成し、e-Taxを利用して送信します。

 

②ダイレクト納付の利用

「申告等データ」又は「納付情報データ」の送信後、メッセージボックスに格納される受信通知を確認し、「今すぐに納付される方」又は「納付日を指定される方」のいずれかを選択します。

 

③納付状況の確認

納付手続完了後、「ダイレクト納付完了通知」がメッセージボックスに格納されます。

納付できなかった場合、残高不足等の「ダイレクト納付エラー通知」が格納されますので、必ずメッセージボックスの確認を行ってください。

四.ダイレクト納付利用についての注意点

①地方税(都道府県税・市町村税等)については対応していません。

②ダイレクト納付を行った場合には、領収証書は発行されませんので、領収証書が必要な方は、従来どおり納付書により金融機関又は税務署の窓口での納付をしてください。

③利用開始手続時に、電子納税に限定する手続である「特定納税専用手続」を選択された方は、ダイレクト納付を利用できません。

 

【税理士 矢田宏昌】

 

1月 04 2018

確定拠出年金の税制について

Q.確定拠出年金とは何ですか?

A.確定拠出年金とは、2001年(平成13年)10月から始まった年金制度のひとつで、個人型と企業型があります。個人型は自分で自分の老後に備える制度のひとつで、企業型は会社の退職金制度のひとつです。2017年(平成29年)1月からは、個人型確定拠出年金に公務員や主婦の方なども加入できるようになりました。

 

Q.個人型確定拠出年金は誰でも加入することができますか?

A.個人型確定拠出年金では、職業等で加入資格や掛金の拠出額等の条件が異なりますのでご注意ください。また、年齢等により加入できない場合もあります。

 

Q.確定拠出年金に加入した場合、税制上何かメリットはあるのですか?

A.3つのメリットがあります。

①確定拠出年金に拠出した掛金は全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となり、所得税等が軽減されます。

②金融商品で運用する場合、決済時に運用益に対して所得税等が課税されますが、確定拠出年金では運用益が非課税となります。

③年金資産を受け取る際の給付金には「老齢給付金」「障害給付金」「死亡一時金」の3種類があります。「老齢給付金」の受取方法は、年金方式として受け取るか、または一時金として一括で受け取るかを選択できます。また、年金と一時金を組み合わせて受け取ることも可能です。年金方式で受け取る場合は公的年金等控除、一時金方式で受け取る場合は退職金所得控除が適用されます。「障害者給付」の受取方法は、年金方式として受け取るか、または一時金として一括で受け取るかを選択できます。年金と一時金を組み合わせて受け取ることも可能です。障害給付金の場合、受け取り方法よらず非課税となります。「死亡一時金」は、遺族に対して支給されます。死亡一時金はみなし相続財産として、相続税の課税対象となります。

 

Q.掛金の所得控除を受けるための手続きを教えてください。

A.個人型確定拠出年金に加入されている方は、毎年10月から11月に国民年金基金連合会から送付される払込証明書を確定申告や年末調整の際に添付してください。企業型確定拠出年金に加入されている方は、本人が特に手続きすることはありません。

 

Q.配偶者の所得から所得控除は受けられますか?

A.所得控除することはできません。加入者本人の所得からしか所得控除をすることができませんのでご注意ください。

確定拠出年金の手続きなどの詳細につきましては、国民年金基金連合会又は運営管理機関等にお問い合わせください。また、税制上に関するお問い合わせは、税理士又は税務署にお尋ねください。

 

 【税理士 中垣吉晴】

1月 04 2018

年頭所感

あけましておめでとうございます。謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

公平・公正な社会の実現、行政の効率化、国民の負担軽減と利便性向上を目指して導入された「マイナンバー制度」は、昨年11月に情報連携の本格運用が開始され、行政機関等が個別に保有する個人情報を相互に閲覧できる体制が整いました。これにより、納税申告・各種申請等の際に必要だった住民票や課税証明書の添付省略が可能となり、行政手続の簡素化と国民の利便性向上に寄与するものと期待しております。同時にマイナポータルの本格稼働が始まり、税務申告に必要な情報をマイナポータルで確認できる利便性が拡大すると思われます。

昨年3月の規制改革推進会議行政手続部会で「行政手続コストの削減に向けて~」が決定され、①行政手続の電子化の徹底(デジタルファースト原則)、②同じ情報は一度だけの原則(ワンスオンリー原則)、③書式・様式の統一といった行政手続簡素化の3原則に沿って行政手続コストを20%削減することを目標とするほか、重点分野である国税及び地方税には別途目標が設定されました。これを受けて、6月に国税庁が「税務行政の将来像」を公表し、ICT・AIの進展と経済取引のグローバル化を見据え、マイナンバーの利活用を含めた10年後のイメージが示されました。税理士業務は、その大部分が税務当局との情報のやり取りである点を踏まえ、税務行政の進化に伴う変化に順応しながら納税者の信頼に応える税理士制度の維持に努めたいと思います。

コンピューターの発達で人工知能に奪われる職業に「税理士」が含まれるという話題がありました。関連する職種は「簿記会計・監査事務」と「税務申告代理業」です。簿記会計は日々の経済取引を数字にして収益状況を表し、監査業務はその信頼性を証明する制度、税理士は決算を迎えた企業が負担する納税額を算出し税務申告書にまとめ、その過程で許されるすべての税務特典を盛り込み作り上げます。近年のクラウド会計ではネット上のあらゆる電子データを連携して会計業務を自動化することにより財務諸表を作り上げるシステムが構築されようとしています。近未来の税理士は、自動的に生成された財務諸表から適正な税務申告書を作成する、この間を繋ぐ知的判断を担う専門職として十分に機能するものと考えます。

地域住民を対象に開催してきた「市民講座」は既に5回を数えるに至りました。身近な税理士会の存在を広く地域社会に広報するために企画したものです。相続税に始まり、昨年は相続本来の話題と高齢化の進展とともに関心が深い成年後見制度へと踏み込みました。普段は税理士と縁がない納税者にとっても身近な相談相手として我々税理士を活用していただけることを願い、今後も継続する考えです。

名古屋税理士会は引き続き、税務に関する専門家として社会の要請に的確に対応し、真に国民・納税者の信頼に応える税理士制度の確立のための会務運営に努めて参ります。

皆様のご多幸とご活躍、そして平成30年が素晴らしい一年となることを祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

年頭所感

    名古屋税理士会会長 西村高史

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