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名義預金 ~あげたはずなのに~ | 新聞掲載記事ログ

名義預金 ~あげたはずなのに~

2017年3月13日

私達税理士が、相続税の申告書を作成するために、亡くなった方の財産を調べてみると、亡くなった方が、生前にご家族の名前で預貯金の口座を作られていることがよくあります。この家族名義の預金の中でも、実際には亡くなった方が管理していたものを特に「名義預金」といいます。ただ、名義預金には重大な問題が隠れています。

その問題とは、この名義預金が本当はどなたの財産なのか、簡単には判断できない、という事です。亡くなった方が、孫の名前で、定期預金を作っていたとします。でも「孫の名義だから孫の財産」とは言い切れないのです。場合によっては、亡くなった方ご自身の財産として、相続税の申告をしなければなりません。
亡くなった方から見れば、家族にあげたはずの預貯金なのに、自分の財産として扱われるのは大変不本意だと思いますが、相続税が課税されてしまうのはなぜでしょうか?それは、その「あげたはず」が問題だからです。

人から人へ財産をあげる事を「贈与」といいますが、財産をあげる側の人が「あげますよ」と言い、財産をもらう側の人が「もらいますよ」という意思表示をして、はじめて贈与は成立するのです。
先の例のように、祖父が孫の名前で定期預金を作り、その証書を孫に渡して孫が受け取り、「もらいました。ありがとう」と言えば、贈与は成立するのですが、もしも、その定期預金の証書を、祖父が持ったままで、孫が何も知らないとしたら、贈与は成立していません。その定期預金は、ただ孫の名前を借りただけの自分の定期預金、という事になります。そのまま、祖父が亡くなると、その孫名義の定期預金は、祖父自身の定期預金として扱われることになります。

では、家族名義の預貯金を作って贈与するときには、何に気を付けたら良いのでしょうか。それは、贈与の形を整えて「きちんとあげる」ことです。預貯金をあげるという事を家族に伝えて、通帳や証書、印鑑をその家族に渡します。贈与するという事は、もらった家族が、その預貯金を自分で管理して自由に使える状態にするという事です。ですから、ご自身の印鑑で家族名義の預貯金を作ることは、絶対に避けてください。家族が預貯金を自分で管理していない証拠になってしまいます。
もらう側が、未成年の子供の場合には、本人に、預貯金をあげることを伝えたうえで、親に通帳や証書、印鑑を預けます。その場合でも、子供が成人したときには、本人に渡さなければいけません。
また、贈与となると、もらった人に贈与税がかかることもあります。贈与を受けても、一年間で百十万円以下なら贈与税はかかりませんが、注意していただきたいのは、例えば平成二十八年の一年間に、祖父、祖母、父、母の四人から贈与を受けたとしたら、その合計額で百十万円以下かどうかを見るのです。超えている場合は贈与税の申告をしてください。平成二十八年分の申告は本年二月一日から三月十五日まで、所轄の税務署で受け付けています。e-Taxでも提出できます。

以上の内容に気を付けていただければ、家族名義の預金は、ちゃんとそのご家族へ贈与したものとして取り扱われます。

税理士 土屋雅彦