8月 03 2017

中小企業の設備投資に関する税制上の特典

中小企業に積極的な設備投資を促すことを目的とした税制には、これまでも中小企業投資促進税制、生産性向上設備投資促進税制などがありました。平成29年度税制改正では、既存の制度の一部を変更・拡充して中小企業経営強化税制が創設されました。既存の制度と組み合わせることにより、従来よりも幅広い範囲で設備投資に対する税制上の優遇を受けることが可能となります。

 

◆中小企業投資促進税制の見直し

中小企業者等が平成31年3月31までに対象資産を取得し事業の用に供した場合にその取得価額の30%の特別償却が認められます。また資本金等の額が3000万円以下の特定中小企業者等については特別償却に代えて税額控除を選択することが可能です。対象資産は、従来の対象範囲から器具備品を除いた機械装置、車輌運搬具、船舶、ソフトウェアが対象となります。それぞれに取得価額、対象物の要件が定められています。

 

◆中小企業経営強化税制の創設

平成29年度税制改正前まで施行されていた、生産性向上設備投資促進税制が適用期限をもって廃止されました。また、中小企業投資促進税制の上乗せ措置は改組され、新たに中小企業経営強化税制が創設されました。

中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けた中小企業者等が、平成29年4月1日から平成31年3月31日までの間に、生産等設備を構成する機械装置、工具、器具備品、建物附属設備及びソフトウェアで経営力向上設備等に該当するものの内、一定の規模以上のものを取得等し指定事業の用に供した場合には、その取得価額から普通償却限度額を控除した金額までの特別償却(即時償却)、もしくは税額控除のいずれかを選択することができます。対象となるのは、①旧モデルと比べて生産性が年平均1%以上改善する設備、②投資収益率が5%以上の投資計画に係る設備、となります。改正前の中小企業投資促進税制の上乗せ措置と比べ、対象となる指定業種、資産の範囲が変更されています。

 

◆商業・サービス業・農林水産業活性化税制

中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律の認定経営革新等支援機関による経営の改善に関する指導助言を受けた中小企業者等が、平成31年3月31日までの間に、経営改善設備の取得等をし、指定事業の用に供した場合には、その取得価額の30%の特別償却が認められます。また資本金等の額が3000万円以下の特定中小企業者等については特別償却に代えて税額控除を選択することが可能です。対象となる経営の改善に資する資産等は建物附属設備、器具備品となり、詳細は中小企業庁の「認定支援機関向けガイドライン」に例示されています。

 

◆固定資産税の特例

中小企業者等が平成29年4月1日から平成31年3月31日までの期間に、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき、一定の設備を新規取得した場合、固定資産税(償却資産税)が3年間にわたって2分の1に軽減されます。

対象となる設備は次の二点について工業会等より証明書を取得できるものとなります、①一定期間内に販売されたモデル、②経営力の向上に資するものの指標が旧モデルと比較して年平均1%以上向上している設備。また、対象設備は機械装置、工具、器具備品、建物附属設備となりますが、それぞれに取得価額、販売開始時期、対象地域・業種などが定められています。

【税理士 長尾幸展】

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