9月 07 2017

税理士の使命と倫理

日本の労働人口は、約6385万人(平成27年)、そのうちの約5643万人が給与所得者です。つまり働く人の約90%がサラリーマンであることをご存じですか?

私ども税理士のクライアントは、そのほとんどが中小企業の会社や個人事業主の方々ですので、サラリーマンが税理士に接する機会はかなり少ないということになります。

今回は、税理士の仕事やその使命と倫理についてお話しさせていただきます。

まず、税理士制度は、昭和17年に現税理士法の前身である税務代理士法が制定されてから、平成29年で75周年を迎えることになります。戦前からある制度で、かなり歴史ある資格制度と言えます。国際的にみれば、日本、韓国、ドイツなど税理士制度を採用している国は数ヶ国しかありません。税理士制度は税理士法という法律に則って運用されています。その第1条には「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、 納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」と謳われています。

税理士は、税の専門家であること、納税者との信頼関係をもとに公正な立場であることが重要です。よって、税理士は決して脱税相談に応ずることはしません。税理士さんに頼めば税金を安くできるなんて思われている方も多いのではないでしょうか。我々税理士は、租税に関する法律に則って納税者の税額を計算するので、決してごまかすことはいたしません。また、納税者が租税に関して不正な行為を行っていることを知った場合には、納税者に対して是正をするよう助言しなければなりません。さらに納税者の信頼に応えるため、税理士は業務に関して知り得た秘密を守る義務があり、税理士の信用または品位を害するような行為も禁じられています。

税理士は、必ず事務所の所在地を管轄する税理士会に所属し、税理士法第18条により日本税理士会連合会に備える名簿に登載され、税理士証票が交付されます。税務代理をする場合において、税務官公署の職員と面談するときには、税理士証票を提示しなければならず、必ずこの証票を携行しています。平成26年の税理士法改正により証票を定期的に交換することとされ、交付日から10年を経過するごとに交換することとしています。

他人の求めに応じ税理士業務を行うことは、有償・無償を問わず、税理士または税理士法人以外の者がすることはできません。ところが、毎年、税理士でない“無資格者”によって多くの方々が被害を受けています。この税理士名簿に登録がないにもかかわらず、税務書類の作成等の税理士業務を行う者は、「ニセ税理士」として税理士法第52条違反となります。このような「ニセ税理士」に対し、業務の依頼を行ってしまった結果、その申告等に不測の損害が生じるおそれがあります。また最近、不特定多数の納税者に対し、税理士を名乗り、「高額の還付金がありますので、ご連絡ください」等のメールが送信されるという事例が多数報告されております。

日本税理士会連合会では、現在税理士名簿に登録のある税理士及び税理士法人を氏名、事務所所在地等で検索し、その情報を参照できる「税理士情報検索サイト」を公開していますので、不審に思われた方は、このサイトで検索してみれば、間違いなく税理士であるかどうかが確認できます。なお、インターネット上に存在する種々の税理士紹介サイトは日本税理士会連合会とは一切関係がありませんのでご留意ください。

平成14年4月より、従来、税理士会が定めていた税理士の業務に関する報酬規定を廃止しました。その後は、税理士又は税理士法人は自由な意思のもと自己責任と説明責任に基づいて報酬を算定し委嘱者に請求することとなりました。税理士に委嘱される場合には、委嘱の範囲と報酬額について契約書を締結されることをお勧めします。

平成29年6月末日現在、全国に76,358人の税理士登録者がいます。その内、名古屋税理士会に所属する税理士は4,537人です。税に関することは、税理士へご相談ください。

 

【税理士 大川雅彰】

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