相続税の基礎知識
Q 相続税とはどのような税金でしょうか?
A 相続税は、相続などで財産を取得した人に対して発生する税です。土地や建物、現金・株などのほか借入金なども財産となります。
相続は、個人の死亡により開始します。その死亡した人(被相続人といいます)が生前に所有していた、土地や建物などの財産や借入金などが、被相続人の夫・妻や子供などに移転することになります。また、相続により取得した財産が、一定の額を上回ると、相続税がかかることになります。
Q どのような人が相続人になるのでしょうか? また、財産はどのように相続するのでしょうか?
A 財産を相続できる人は、法律(民法)で定められており、身内なら誰でも権
利があるというわけではありません。このように、民法で定められている相
続の権利がある人を「法定相続人」といいます。また、民法では相続できる人だけでなくそれらの人がどのくらいの割合で財産を受け取れるのかという割合、「法定相続分」も定めています。
Q 相続税には基礎控除があると聞きましたが、どのくらいの金額になるのでしょうか?
A 相続税には、法定相続人の数に応じた基礎控除があり、相続財産の合計がこの範囲内であれば申告も納税も必要ありません。基礎控除の額は3,000万円に法定相続人1人あたり600万円ずつ加算されるものです(平成27年以降開始する相続等)。
Q 私の夫は5月10日に亡くなりましたが、相続税の申告と納税は、どのようにしたらよいのでしょうか。なお、相続人は私と子供が2人です。
A 相続税の計算をして申告が必要となった場合、あなたのケースでは翌年の3月10日(相続の開始があったことを知った日(通常の場合、被相続人の死亡の日)の翌日から10ヶ月以内)までに相続税の申告と納税をすることになります。
相続税の基礎控除額の求め方ですが、あなたのケースでは、3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円の計算により、基礎控除額は4,800万円となります。
最後に、最近話題となっています遺産を巡り遺族が争う「争族」という不幸
な事例をよく耳にしますが、それを未然に防ぐためにも日ごろから円満な家族関係を築くことが相続対策の一番のポイントとなります。
【名古屋税理士会大垣支部・田村謙次】