12月 07 2017

訪日外国人旅行者向け消費税免税制度

平成二十八年の訪日外国人旅行者数は二千四百四万人を記録し、初めて二千万人の大台を突破しました(ビジットジャパン事業が始まった平成十五年は五百二十一万人)。このような中、訪日外国人旅行者向け消費税免税制度に改正が加えられ、より利用しやすいものになってきています。

 

1、制度の概要

訪日外国人旅行者が、輸出物品販売場(いわゆる免税店)において、家電製品や着物・服、バッグといった「一般物品」又は食品類や飲料類、薬品類、化粧品類といった「消耗品」を、次の金額の範囲内で一定の方法により購入し、出国日までに国外に持ち出す場合には、その購入に係る消費税が免除になります。なお、金又は白金の地金や通常生活の用に供しないものは免税対象となる物品から除かれています。

(1)免税になる金額

①一般物品・・・同一の免税店での一日の購入金額(税抜)の合計額が五千円以上
②消 耗 品・・・同一の免税店での一日の購入金額(税抜)の合計額が五千円以上五十万円以下

 

(2)免税になるための購入手続(一般型輸出物品販売場の場合)

①外国人旅行者が旅券を免税店に提示し、購入記録票の貼付けと割印を受ける。
②外国人旅行者が購入した物品を国外に持ち出す旨の購入誓約書を免税店に提出する。
③消耗品の場合、免税店はその消耗品を指定された方法により包装して引渡す。

 

2、輸出物品販売場

国税の滞納がない等一定の要件を満たす消費税の課税事業者は、所轄税務署長の許可を受けることにより輸出物品販売場を開設することができます。輸出物品販売場には次の三形態があり、その数は平成二十九年四月一日現在、全国に四万五百三十二店あります(平成二十四年四月一日時点では四千百七十三店)。

 

(1)一般型輸出物品販売場

販売場を経営する事業者自身がその販売場においてのみ免税販売手続を行う、従来からある一店舗ごとの免税店です。

 

(2)手続委託型輸出物品販売場

平成二十七年四月一日以後開設できることとなったもので、販売場がある商店街等の施設内において免税手続カウンターを設置する事業者が、その商店街等内の他の免税店の免税販売手続を代理する形態の複数の店舗からなる免税店です。各免税店の事業者の外国語対応への不安や免税手続の煩雑さが解消されるとともに、外国人旅行者にとっても利便性が高いものとなっています。また、この形態の免税店で購入したものは、前記1.(1)の金額について、「一般物品」又は「消耗品」ごとにその商店街等の中にある各免税店での一日の購入金額(税抜)を合算して五千円以上となるかどうかの判定を行うことができます。

 

(3)港湾施設内における臨時販売場

外航クルーズ船等が寄港する港湾施設内に臨時に設置される免税店です。平成二十七年四月一日以後、新たな届出制度が始まったことにより、出店が容易になりました。

 

3、今後の展望

日本政府は、訪日外国人旅行者数について、二○二○年の東京オリンピック・パラリンピック開催時には四千万人、さらに二○三○年には六千万人にまで増やすことを目標にしています。また、外国人旅行者の旅行消費額の費目別構成比において、平成二十六年以降は買物代が宿泊費を抜いて一位となり、平成二十八年にはその金額が一兆四千二百六十一億円にまで増えています。この消費税免税制度が今後ますます利用されていくものと見込まれます。

【税理士 野村 俊之】

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