1月 04 2018

年頭所感

あけましておめでとうございます。謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

公平・公正な社会の実現、行政の効率化、国民の負担軽減と利便性向上を目指して導入された「マイナンバー制度」は、昨年11月に情報連携の本格運用が開始され、行政機関等が個別に保有する個人情報を相互に閲覧できる体制が整いました。これにより、納税申告・各種申請等の際に必要だった住民票や課税証明書の添付省略が可能となり、行政手続の簡素化と国民の利便性向上に寄与するものと期待しております。同時にマイナポータルの本格稼働が始まり、税務申告に必要な情報をマイナポータルで確認できる利便性が拡大すると思われます。

昨年3月の規制改革推進会議行政手続部会で「行政手続コストの削減に向けて~」が決定され、①行政手続の電子化の徹底(デジタルファースト原則)、②同じ情報は一度だけの原則(ワンスオンリー原則)、③書式・様式の統一といった行政手続簡素化の3原則に沿って行政手続コストを20%削減することを目標とするほか、重点分野である国税及び地方税には別途目標が設定されました。これを受けて、6月に国税庁が「税務行政の将来像」を公表し、ICT・AIの進展と経済取引のグローバル化を見据え、マイナンバーの利活用を含めた10年後のイメージが示されました。税理士業務は、その大部分が税務当局との情報のやり取りである点を踏まえ、税務行政の進化に伴う変化に順応しながら納税者の信頼に応える税理士制度の維持に努めたいと思います。

コンピューターの発達で人工知能に奪われる職業に「税理士」が含まれるという話題がありました。関連する職種は「簿記会計・監査事務」と「税務申告代理業」です。簿記会計は日々の経済取引を数字にして収益状況を表し、監査業務はその信頼性を証明する制度、税理士は決算を迎えた企業が負担する納税額を算出し税務申告書にまとめ、その過程で許されるすべての税務特典を盛り込み作り上げます。近年のクラウド会計ではネット上のあらゆる電子データを連携して会計業務を自動化することにより財務諸表を作り上げるシステムが構築されようとしています。近未来の税理士は、自動的に生成された財務諸表から適正な税務申告書を作成する、この間を繋ぐ知的判断を担う専門職として十分に機能するものと考えます。

地域住民を対象に開催してきた「市民講座」は既に5回を数えるに至りました。身近な税理士会の存在を広く地域社会に広報するために企画したものです。相続税に始まり、昨年は相続本来の話題と高齢化の進展とともに関心が深い成年後見制度へと踏み込みました。普段は税理士と縁がない納税者にとっても身近な相談相手として我々税理士を活用していただけることを願い、今後も継続する考えです。

名古屋税理士会は引き続き、税務に関する専門家として社会の要請に的確に対応し、真に国民・納税者の信頼に応える税理士制度の確立のための会務運営に努めて参ります。

皆様のご多幸とご活躍、そして平成30年が素晴らしい一年となることを祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

年頭所感

    名古屋税理士会会長 西村高史

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