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災害と所得税確定申告 | 新聞掲載記事ログ

災害と所得税確定申告

2019年4月10日

昨年は日本各地で地震、台風などによる災害が頻発しました。税法では災害に遭った場合や被災地へ義援金などの寄附をした場合に利用できる制度が整備されています。今回は、個人の所得税の確定申告に関係する項目をご紹介します。

1.申告期限等の延長

 災害に遭い、確定申告の申告や納税を期限までに行うことが困難な場合には、申告期限等を延長することが可能です。期限の延長を決める方法として、①被害が広域にわたる場合に国税庁長官が延長する地域と期日を定める「地域指定」、②納税者が所轄の税務署長に申請し承認を受けることで、最大2か月期限を延長することが可能となる「個別指定」、などがあります。

 

2.所得税の軽減措置

 被災し、住宅や家財などに損害を受けた場合、所得税の一部を軽減し若しくは全てを免除する制度として、①所得税法による雑損控除(所得控除)を利用する方法と、②災害減免法により所得税の軽減や免除を受ける方法があります。両制度のうちどちらか有利な方を選択することができます。

1)雑損控除

所得税法の雑損控除は、災害のみならず盗難、横領などによる損失にも利用できます。対象となる資産は、住宅及び家財を含む生活に通常必要な資産です。

控除できる金額は「損害金額-所得金額の10分の1」若しくは「損害金額のうち災害関連支出の金額-5万円」のいずれか大きい金額となります。

 

2)災害減免法

災害減免法は災害による損失のみに利用でき、その年の所得金額の合計額が1,000万円以下の場合に適用することができます。対象となる資産は住宅及び家財で、損害金額が被害を受けた資産の価額の2分の1以上であることが要件となります。

 

3.住宅ローン控除

住宅ローン控除は、居住の用に供している家屋の取得に係る借入金残高のうち、一定額を所得税の税額計算から控除(所得税額から控除)する仕組みです。被災した場合に生活再建を進める目的で、特例が設けられています。

①→本来であれば居住の用に供していない家屋については、住宅ローン控除は適用できません。しかし、災害により家屋等に居住できなくなった場合は、住宅ローン控除の適用期間の残りの期間においても住宅ローン控除を適用できます。

 

②→通常の場合は新たに居住の用に供する家屋を取得した場合に、旧家屋を取得するための住宅ローンについては住宅ローン控除を利用することはできません。しかし、災害により新しく家屋を取得した場合は、旧家屋と新家屋のそれぞれに係る住宅ローンについて、住宅ローン控除を重複適用することが可能です。

 

4.寄附金控除

被災地を応援するために、義援金などを支払った場合には、所得税法の寄附金控除を受けることが可能です。義援金は、対象となる地方自治体の災害対策本部などへのものだけでなく、日本赤十字社や中央共同募金会などが専用に設けている口座へ支払ったものや、募金団体などで取りまとめて一括して地方自治体などに寄附される場合も特定寄附金として控除の対象となります。

また、被災地域で救援活動を行っている認定NPO法人等へ義援金を支払った場合は、「認定NPO法人等に対する寄附金」として寄附金控除(所得控除)か寄附金特別控除(税額控除)のいずれかが適用できます。

この他、ふるさと納税により災害寄附を受け付けている地方自治体や、被災地の自治体に代わり代理受付を行っている自治体もあります。

 

 実際の確定申告にあたっては、より詳細な要件の確認や必要書類の準備をする必要があります。お近くの税理士にお問い合わせいただくか、国税庁のHPなどで最新の情報を確認してください。

【税理士 長尾幸展】