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書面添付制度について | 新聞掲載記事ログ

書面添付制度について

2019年4月10日

 名古屋税理士会業務対策部では、税理士会員の税理士業務の改善、拡充、充実を図るための対策に取り組んでいます。業務対策部の活動は、多岐に亘っており、少し前ではマイナンバー制度について、現在では今年の10月に予定されている消費税改正についての対策などになります。多岐に亘る施策の中でも、中心的に取り組んでいる一つが書面添付制度の普及、書面の添付率の向上とその内容の充実を図ることです。今回はこの書面添付制度について、紙面の許す範囲でご紹介していきます。

 そもそも書面添付制度とは、税理士法第1条に規定されている「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」という税理士の公共的使命を踏まえた制度です。具体的には、税理士法第33条の2に規定する(計算事項、審査事項等を記載した書面の添付)と同法第35条に規定する(意見の聴取)を総称して「書面添付制度」といいます。

 税理士法第33条の2では、「税理士又は税理士法人は、(中略)申告書を作成したときは、当該申告書の作成に関し、計算し、整理し、又は相談に応じた事項を財務省令で定めるところにより記載した書面を当該申告書に添付することができる。」と定めています。この条文の末尾「添付することができる」から、この制度は税理士に与えられた権利であることが判ります。また、税理士が申告書を作成するに当たり、どの程度の関与度合いがあり、どのような過程で作成されたのかということ、決算書の数字の作成根拠などの数字に表れない情報を記載することにより、申告書の信頼性を高めることになります。これは、税理士事務所の業務水準の向上や税理士の地位向上に繋がるものであり、納税義務者の信頼にこたえるという税理士法の使命を実現する制度であることがわかります。

 次に税理士法第35条では、「税務官公署の当該職員は、第33条の2第1項又は第2項に規定する書面が添付されている申告書を提出した者について、当該申告書に係る租税に関しあらかじめその者に日時場所を通知してその帳簿書類を調査する場合において、(中略)当該通知をする前に、当該税理士に対し、当該添付書面に記載された事項に関し意見を述べる機会を与えなければならない。」と定められています。税理士が責任をもって計算し、整理し、または相談に応じた事項について記載した書面を提出することで、税理士の立場が尊重され、意見聴取の権利が付与されるのです。意見聴取により疑義が解決すれば税務調査に至らないことから、税務官庁の立場からも税務行政の円滑化・簡素化が図られることにつながるため、書面添付制度の推進に力を入れています。

 このように、書面添付制度は、信頼される税理士制度の確立、関与先にとっては「決算書の社会的信用力の向上」、税務官庁は税務執行の一層の円滑化・簡素化を図ることにつながるものです。名古屋税理士会では、書面添付制度がより多くの税理士に活用されるために、業務対策部が窓口になり、東海税理士会も交えて、名古屋国税局と定期的に協議会を開催し意見交換をしています。また、税理士会員向けに定期的に研修会の実施をするなど、書面添付制度の一層の普及・定着に向けて、引き続き活動して参ります。

【税理士 藤垣寿通】