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外国人の給与にまつわる税務知識 | 新聞掲載記事ログ

外国人の給与にまつわる税務知識

2019年4月10日

 近年、日本社会を取り巻くグローバル化の波は年々その勢いを増しており、日本企業においては、グローバル企業としての新しいビジネスモデルの確立のため、外国人労働者の受け入れや外国人留学生の新卒採用を行う機会が増加しています。日本企業が外国人労働者を採用し、給与を支払う場合の税務手続については、特有の取扱いが存在します。

 

1.居住者か非居住者かの判定

外国人従業員の給与に対する課税は、その外国人が日本の所得税法上の「居住者」に該当するか、若しくは「非居住者」に該当するかによって異なる取扱いとなります。

まず、「居住者」とは、以下のいずれかに該当する者をいいます。

・日本国内に「住所」を有する個人
・日本国内に現在まで引き続き1年以上の「居所」を有する個人

一方で、「非居住者」とは、上記の「居住者」以外の個人、すなわち、日本国内に住所も、1年以上の居所も有しない個人をいいます。また、来日外国人労働者で、契約等により日本滞在期間が1年以上予定されている場合には、入国後直ちに「居住者」との推定を受けることになります。

 

2.外国人従業員に対する給与課税の取扱い

1.所得税の源泉徴収の方法

外国人従業員に対して給与を支払う場合、原則として、給与から所得税の源泉徴収を行う必要がありますが、対象となる外国人が「居住者」であるか「非居住者」であるかによって、その徴収方法が異なります。

居住者の場合は、日本人従業員と同様に給与を支払う際に所定の所得税及び復興特別所得税を算出し、源泉徴収を行うことになります。一方、非居住者に支払う給与に対しては、原則として20.42%の税率による所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません。

 

2.年末調整と確定申告

居住者である外国人従業員に、給与以外の所得がなく、給与のすべてが日本国内での支払いであれば、基本的に他の日本人従業員と同様に年末調整で課税関係が終了します。その際、海外にいる配偶者や親族が外国人従業員に扶養されている場合は、当該外国人従業員の所得税の計算上、控除対象配偶者や扶養親族の数に含めることができます。扶養親族等の数は原則として従業員本人の申告制になっていますが、給与支払者である企業は海外送金の明細書のコピーなどの提出を外国人従業員に求め、扶養している事実の確認を行う必要があります。

一方、外国人従業員が、国内払いの給与以外に日本国外で支払われる給与を受けたり、給与の年間収入金額が2,000万円を超えるなどの場合は、確定申告をしなければなりません。

 

3.住民税の取扱い

住民税は国籍にかかわらず1月1日から1年間に得た個人所得のすべてに課税されます。したがって、その年の1月1日までに1年以上日本に住んでいて住所があるか、若しくは「居住者」の区分とされる外国人は、この住民税を納税しなければなりません。一方で、日本での滞在が1年未満で「非居住者」の区分となる外国人は非課税となり、住民税を支払う必要はありません。

 

3.双方居住者と租税条約

なお、日本とは異なる外国の法律や取扱いにより、例外的に日本と外国の双方で居住者として課税されてしまうという問題が生じるケースがあります。この場合は、日本が世界各国と締結した租税条約において改めて居住者を定義し、いずれか一方の居住者となるよう措置がとられています。

 

【税理士 坂口美穂】